ドル円相場が110円前後でのレンジ相場を脱しきれない中、今週は 22日(水)FOMCを迎える。テーパリング開始決定の可能性は低いが、FOMCメンバーの政策金利見通し、ドッツもアップデート予定であり、注目度は高い。経済・物価見通しでは、インフレ見通しが一段と上方修正される可能性が高い点が重要であり、FRBのタカ派化につながる可能性がある。声明文で用いられてきた「主に一時的な要因を反映して」との文言が、よりインフレ加速に警戒感を示す内容へ変更されれば、市場で今後のFRBのタカ派化への警戒が一段と高まるだろう。また、22年のドッツ中央値は据え置きがメインシナリオだが、仮に利上げ前倒しが示されれば、米金利上昇とともにドル高が加速しそうだ。一方、新規に公表される24年の見通しでは、ドッツ中央値が2度の利上げを示す公算が大きいが、2度の利上げ示唆であれば市場へのショックは限定的となろう。

 日本では本日から自民党総裁選が開始される。野田幹事長代行の出馬により、4候補による争いと一段の混戦模様となった。当社が行った顧客サーベイでは河野行革担当相が勝利との見方が強いが、決選投票にずれ込む可能性が高まれば、波乱の余地は大きい。顧客サーベイでは、高市氏勝利の場合に最も円安ドル高が進むと予想されており、高市候補への支持が高まるようだと、ドル円相場の変動率上昇につながる可能性はある。22日(水)日銀金融政策会合は無風だろう。

※2021年9月21日発行「国際金融為替ウィークリー」より一部抜粋
※レポート本文は、画面下部からご確認ください。(有料会員限定)

ご投資にあたっての注意点