「日本株投資戦略(12月号)」が公開されました。「FINTOS!編集部が選んだ本日の野村レポート」の臨時増刊として、冒頭要約部分を特別公開いたします。同レポートのメインシナリオでは、年度末にかけて機械、自動車セクターが主導する株価持ち直しに向かうと予想しており、日経平均は2022年3月末の予想値:32,000円を維持しています。なお、プレミアムプラン限定で公開しているレポート本編(全38ページ)では、銘柄アイディアとして、「コンセンサスからの『乖離型』リビジョン戦略」が取り上げられているほか、東証上場企業の新市場区分の状況についても解説されています。

日本株投資戦略(12月号) – 日米中マクロと「オミクロン型」の状況整理

年度末にむけ強気維持/値上げ耐性を強める家計

メインシナリオでは、年度末にかけて株価持ち直しを予想

 日本株をとりまく環境が大きく揺れ動いた。 (1)新型コロナ変異種(オミクロン型)、(2)日本政府の対応、 (3)中国経済、(4)米金融政策、を点検する。メインシナリオでは、年度末にかけて機械、自動車が主導する株価持ち直しに向かうと予想する。リスクシナリオとして、仮に世界的にロックダウンが実施される場合、日本株に問われるのは、巣ごもり需要の恩恵とサプライチェーン混乱による打撃のバランスだろう。部品・製品在庫が十分にあるかが評価の分かれ目となる可能性がある。

家計の値上げ耐性の高まりが注目される食品セクター

 内需セクターについては、コロナ対策についての国内世論にも注意を要する。厳しい水際対策への国民の要求が高いと判明した場合、来夏の参院選までの間、岸田政権は国境リオープンに後ろ向きになるリスクがあるためだ。一方、コロナ禍がもたらした前向きな変化にも注目したい。日本銀行の「生活意識に関するアンケート調査」によると、足元ではインフレ期待上昇にもかかわらず、価格重視の姿勢が弱まっている。食品セクターでは値上げの動きが相次いでいるが、市場が懸念しているほどの需要減には至らない結果、割安が修正される余地が大きいとみる。内需関連における注目セクターと位置付ける。

インフレ「加速」に日本企業はうまく対応中

 原材料高の影響については、(1)世界的なインフレ「加速」の下で、日本企業が全体としてはうまく対応できていること、(2)価格転嫁の面でのセクター別の優劣は需要動向とおおむね一致していること、(3)米国の家計インフレ期待は3%前後にとどまっており、「悪いインフレ」に転じるリスクは低そうであること、をみてゆく。これまでは、インフレ自体が日本企業全体の業績悪化をもたらしてはおらず、業種別の格差も需要次第という通常の状況を逸脱していない、というのが基本観である。

 銘柄アイディアとしては、1章(4)「コンセンサスからの『乖離型』リビジョン」を取り上げた。そのほか、1章(5)「東証上場企業の新市場区分状況」、3章「需給動向:2022年は自社株買い・海外投資家・大学ファンドに注目」、4章に「トピック:ESG投資と地政学リスク」を取り上げた。

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ご投資にあたっての注意点