海外市場(12/21)の相場動向

好決算など追い風に米国株は大幅上昇

 21日の米国株式市場で、NYダウは前日比+560.54ドル(+1.60%)の35,492.70ドルとなりました。S&P500指数は同+1.77%、ナスダック総合指数は同+2.40%と主要3指数は揃って上昇となりました。ナイキやマイクロン・テクノロジーが市場予想以上の決算を発表したことや、バイデン政権の2兆ドル規模の税制・支出法案であるビルドバックベター法案について、反対を表明しているマンチン上院議員と政府との交渉が年明けにも再開の可能性があるとの観測が伝えられたことなどが追い風となりました。

相場の注目点

クリスマス休暇入りに伴う取引閑散に注意

 日経平均株価は足元で不安定な値動きが続いています。昨日(21日)は20日までの2営業日で1,100円超と大きく下落していたこともあり、500円を超える反発となりました。今週末24日(金)には欧米市場がクリスマス休暇入りします。いち早く休暇に向かうトレーダーも多くなる中で、例年クリスマス休暇にかけて取引が閑散となる傾向があります。薄商いが見込まれる中で、値動きが不安定な状態が続く可能性に注意が必要だと考えられます。

IPOラッシュでマザーズ市場は?

 東証マザーズ指数は年初来安値付近での値動きが続いています。その背景の一つとして、足元でラッシュとなっているIPOの影響が考えられます。マザーズ市場は委託売買代金に占める個人投資家の割合が大きいことが特徴です。野村證券では、IPO株式を購入するための資金を捻出するために、投資家が保有する株式を売却することで、需給面での重石となっている可能性があると考えています(参照:日本株ストラテジー – マザーズを下押しする2つの需給要因)。東京証券取引所によれば2021年12月は、トータルで30件を超える東証(TOKYO PRO Marketを除く)への日本株のIPOが予定されています。本日もマザーズ市場に6銘柄がIPOする予定であり、マザーズ市場全体の動向にも注意が必要となりそうです。

エーザイの認知症新薬の国内承認可否が判明予定

 エーザイ(4523)と米バイオジェンが共同開発したアルツハイマー型認知症治療薬候補の「アデュヘルム」について、日本の承認可否が22日午後にも判明する予定です。同薬は、米国では米食品医薬品局(FDA)により迅速承認が認められた一方、欧州では欧州医薬品庁(EMA)の評価委員会が販売承認しないと勧告するなど、評価が分かれています。日本の承認可否の結果に注目が集まります。

FINTOS!編集部オリジナル記事

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ご投資にあたっての注意点