サブスクリプション型のビジネスモデルが世界的に拡大しています。動画配信大手のネットフリックスやクリエイティブソフトウェア大手のアドビなどがその代表格として挙げられますが、いずれも米国企業です。日本株に、サブスクリプション銘柄はあるのでしょうか?野村證券投資情報部の大坂隼矢ストラテジストが解説します。

IT業界以外にも広がるが成功事例は少ない

 サブスクリプション型のビジネスモデルは、クラウド上で提供しやすいソフトウェアやメディア業界を中心に拡大しています。クラウドサービスへ移行しサブスク型ビジネスを展開したことによって市場からの評価を高めた代表的な例は米国のアドビだと思います。日本でも同様に、クラウド環境を活かして、多くのソフトウェア企業がサブスク型のビジネスモデルを展開しています。例えば、ゲーム業界では、プラットフォームを提供している企業(ソニーグループ(6758)や任天堂(7974))がサブスク型のビジネスを一部展開しており、業績に寄与しています。

 ただし、ここ数年、飲食や自動車などIT業界以外の業種でサブスク型ビジネスに参入していますが、収益の柱になるほど成功したという例は見あたりません。

 一方、従量課金型のビジネスでは、IT業界以外でも収益の柱になっている企業は存在します。例えば、水処理サービスを手掛ける栗田工業(6370)では、自社負担で顧客工場に設備を設け、使用量に応じて超純水を供給する事業が業績に寄与しています。

 また、日立製作所(6501)や小松製作所(6301)、ブリヂストン(5108)などの製造業大手は、ITを駆使して事業のサービス化を進めています。

(野村證券投資情報部 大坂 隼矢)

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