※こちらは「FINTOS!」登録ユーザーの皆様に、5月21日に「メールマガジン」としてお送りした内容です。

日本株決算では、企業業績の底堅さが明らかに

 日本株の決算が一通り出揃いましたが、企業業績の底堅さが明らかになっています。第1に、輸出業種を中心に、原材料高による下押し圧力は受けつつも、輸出数量の拡大および一部での値上げのプラス効果が表れています。例えば、ダイキン工業(6367)は、コストアップ要因はすべて販売価格へと転嫁するとし、2023年3月期は過去最高益の更新を見込んでいます。

 第2に、自動車関連では、完成車の減産の悪影響が比較的限定されています。トヨタ自動車系の部品メーカーでは、2022年3月期の純利益見通しに関して、デンソー(6902)のほか豊田自動織機(6201)、トヨタ紡織(3116)の3社が過去最高益を予想しています。

 第3に、一部の企業では円安の進行が追い風となっています。例えば、キヤノン(7751)は円安効果を織り込み2022年12月期通期の営業利益予想を上方修正しました。今回、各企業の期初ガイダンスの想定為替レートは1ドル110~120円の設定が多くなっています。足下の130円前後の為替レートが継続した場合、輸出企業の業績上方修正余地が大きくなると考えられます。

 第4に、自社株買いへの意欲の高さも確認されています。具体例として、日本電信電話(9432)は上限4,000億円、トヨタ自動車(7203)やソニーグループ(6758)、KDDI(9433)、日立製作所(6501)、日本郵政(6178)などがそれぞれ上限2,000億円の自社株買いを発表しています。コロナ禍で2020~21年度は足踏みとなった株主還元の動きが、再加速し始めた可能性もありそうです。

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