ナスダック総合指数の下落が続いている。6月10日に発表された5月の米国消費者物価の上振れを受けて、今後の利上げペース加速とスタグフレーション(景気停滞とインフレの同時進行)リスクへの警戒が再燃した。長期金利が急上昇し、株価は急落となり年初来安値を更新した。

 2021年11月高値から22年6月安値までの下落規模を確認したい。下落率は33.7%(終値ベース)となり、09年以降の主要な下落局面(図中①~④)の最大値であるコロナショック時(④30.1%)を超えた。下落期間は8カ月(両端を含む)となり、主要な下落局面の最長(②8カ月)に並んでいる。下落率や下落期間の点で調整十分と捉えられる。これまで下支えとなった36カ月移動平均線(6月17日:11,772pt)を早期回復するか注目されよう。

 36カ月線を完全に下放れた局面は、直近では09年3月安値にかけての大幅下落局面だった。ただ、当時は100年に一度と言われる「金融危機」の中だった。その後米国では金融機関に対する規制が強化されたこともあり、足元では米国の大手金融機関の経営は悪化している状態にはないとみられ、今回は危機的な状況とはなっていない。そのため、今回は同下落局面と比較せず、09年安値形成後の主要な下落局面との比較をおこなった。 

(注)直近値は2022年6月17日。トレンドラインには主観が含まれておりますのでご留意ください。 日柄は両端を含む。
(出所)ナスダックより野村作成

(投資情報部 岩本 竜太郎)

※野村週報 2022年6月27日号「投資の参考」より

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