13日公表の8月米CPIの上振れを受け、先週のドル円は145円を再び試しに行く展開となりかけたが、本邦当局の牽制姿勢が強まり、円安の勢いは一旦は鈍化している。もっとも、今週は日米金融政策決定が予定され、再び振れの大きい展開となる可能性が高い。

 先週金曜日公表の9月ミシガン大消費者信頼感指数及び月曜日公表の9月NAHB住宅市場指数は、ともに市場予想を小幅に下振れた。週末にかけて、FRBからのメディアを通じた100bp利上げへの地均しも見られず、9月100bp利上げの織り込みは2割弱に低下している。ブルームバーグ集計のエコノミスト予想も75bp利上げに集中、21日(水)FOMCに向けて75bp利上げがコンセンサスになったと言えよう。当社エコノミストの予想通りに100bp利上げとなれば、市場にとってはサプライズであり、ドル高の勢いが加速しそうだ。仮にFRBが75bp利上げに留めた場合でも、ドッツ中央値が23年末で4.25-4.50%(現行:3.75%)以上に引き上げられればタカ派的となり、ドル高での反応となる余地は残る。統計では住宅関連指標に加え、23日(金)総合PMIなどで景気後退のリスクを見極めたい。

 日本でも22日(木)日銀金融政策が行われる。FOMC後のタイミングであり、円安ドル高の勢い次第で難しい判断を迫られよう。国内勢の政策変更期待は乏しいが、財務省が円安牽制を強めていることもあり、海外勢の日銀への政策変更期待が高まる可能性は否定できない。日銀が政策修正を見送れば、米国と日本の金融政策の乖離が明確となることで、ドル円が145円を試しに行くきっかけとなるリスクもありそうだ

※2022年9月20日発行「国際金融為替ウィークリー」より一部抜粋(レポート本文はプレミアムプラン限定)

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