こちらの図は、NYダウと日経平均株価の日米株価に加え、VIX指数、これは、アメリカ株式市場の不透明さが高まり、株価変動が大きくなるとの懸念が強まると上昇する、いわゆる恐怖指数の図表です。
 9月26日にVIX指数は6月下旬以来の30超えとなりました。
 市場の不安の高まりは、アメリカの国債利回りの上昇に見られるFRBの利上げ、つまり金融引き締めへの懸念があります。
 この他、欧州の政治的な不透明さもあるかもしれません。
 例えば、イギリスの大型の財政出動に伴う財政赤字への懸念から、為替市場でポンド相場が急落したり、イタリアで総選挙の結果、自国優先主義の極右政党が成立し、政治への不透明さがみられたことも理由かもしれません。
 もし、この政治に関する理由がVIX指数の上昇要因であるならば、経済の基礎的条件、いわゆるファンダメンタルズとは異なるため、短期的な反応にとどまるとみられます。

 続いて、こちらの図をご覧ください。
 灰色の折れ線グラフで、アメリカの2年国債と10年国債利回りが上昇しています。
 FRBが利上げへの姿勢を強めていることが理由とみられます。
 階段状の折れ線グラフがアメリカの政策金利です。野村證券は、今後より一層の利上げを予想しています。
 金利先物でみた、市場参加者が想定する利上げの道筋についても、9月21日の金融政策の決定を挟んで、利上げ期待が若干引き上げられています。
 金融市場や株式市場が落ち着くためには、アメリカの金融引き締めへの思惑が、市場に一定程度織り込まれることが前提になるでしょう。

(野村證券投資情報部 小髙 貴久)

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