航空旅客の回復 

 2020年以降に深刻化した新型コロナの感染拡大により、政府は感染拡大・縮小の波と共に行動制限の強化と緩和を繰り返し、国内航空旅客もその度に増減してきました。一方、オミクロン株の派生型の感染が拡大した第7波の時は、厳しい行動制限は採られませんでした。2022年は例年利用者が増える8月と感染拡大のピークが重なりましたが、国内旅客の増加が続きました。国際旅客は海外から日本を訪問する制限の緩和が始まったばかりで、現時点で回復は限定的です。

政府は水際対策の緩和や旅行支援を実施

 政府は新型コロナの感染状況を見極めつつ、訪日外国人の制限を緩める水際対策の緩和を進めてきました。10月11日には1日当たり5万人の入国者数の上限が撤廃され、米国などから観光で訪れる短期滞在者のビザ免除が再開されました。円安の追い風もあって、訪日外国人は増える可能性があります。また、国内旅行者に対する全国旅行支援についても10月11日から実施されました。空港を利用する旅客数は、新型コロナ感染拡大前には程遠い状況ですが、行動制限の緩和などの政府の政策の効果により、回復傾向が続くとみられます。

(野村證券投資情報部 小髙 貴久)

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