
ねじれ発生時には金融市場が不安定になることも
1990年以降の中間選挙後の政治情勢で、大統領と議会との支配政党にねじれが生じたケースがありました。直近では、トランプ政権時の2018年11月の中間選挙でねじれが発生し、国境の壁や移民問題で議会と対立し、ねじれ議会前後も一部政府機関の閉鎖など政治の混乱が起きました。その他にも、ねじれが生じたケースを振り返ると、与野党の対立が深刻化して予算関連の法案が成立せず、政府機関の閉鎖が起きるケースがありました。また、国債の元利払いに支障をきたすことでデフォルトリスクが台頭したりするなど、金融市場が不安定になることも多々起きていることなどから、11月の中間選挙への関心が高まっています。

ねじれが生じた場合、2023年1月の連邦債務の法定上限への対処が遅れるリスクや2023年9月までに歳出法案や暫定予算が成立せず、2023年10月以降に政府閉鎖を招くリスクなどがあり、注意が必要です。仮に、上院で民主党が過半数を失う場合には、2024年1月31日に任期満了となる民主党のクックFRB理事の再任も問題になるでしょう。
(野村證券投資情報部 寺田 絢子)