今年3月安値は長期上昇トレンド下限で反発

 日経平均株価を月足チャートで見ると、2012年以降赤い2本のラインに挟まれた範囲で長期上昇トレンドを形成してきたと捉えられます。2020年春のコロナ・ショックの局面では世界規模での国境封鎖や緊急事態宣言による経済活動の大幅収縮などでこのトレンドライン下限を一時大きく割り込みましたが、金融緩和の強化や事業規模108兆円におよぶ過去最大の経済対策などの政策打ち出しを背景に、同年3月に大底をつけて反発した後は、大陽線を連続で引きながら6月にトレンドライン下限を回復しました。

 株価は2021年9月に高値30,670円をつけた後、再び上値の重い展開となりましたが、22022年3月にはトレンドライン下限で底打ちして反発に転じました。その後は同ライン近くでの保ち合いが続いています。

※2本の指で画面に触れながら広げていくと、画面が拡大表示されます。

日経平均株価:月足チャート(2006年~)

 この先2021年9月以降の下降トレンドライン(グレー実線)や2022年8月高値を上抜けとなれば、まずは2021年9月高値(30,670円)を目指す展開となると考えられます。先行きは上昇トレンド上限(34,000円前後)を視野に入れた動きも期待されます。

(注1)月足は終値ベース。直近値は2022年11月30日。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。 (注3)日柄は両端を含む。
(出所)日本経済新聞社データ、各種資料より野村證券投資情報部作成

この資料は、投資判断の提供を目的としたものではなく、一般的なテクニカル分析の手法について記したものです。テクニカル分析は過去の株価の動きを表現したものであり、将来の動きを保証するものではありません。 また、記載されている内容は、一般的に認識されている見方について記したものですが、チャートの見方には解釈の違いもあります。

ご投資にあたっての注意点