本日の相場動向

 20日の米国株式市場で、NYダウは前日比-256.33ドル(-0.75%)の33,821.30となりました。S&P500指数は前日比-0.68%、ナスダック総合指数は同-0.92%と主要3指数はそろって下落しました。米国務省は前日、新型コロナの感染拡大に関して、4段階の渡航情報で最も厳しい「渡航の中止を求める勧告」の対象国が、世界約200ヶ国のうち、それまでの34ヶ国から大幅に増えて8割が対象になると発表しました。新型コロナの感染拡大による経済活動への悪影響が懸念されて、景気敏感株を中心に株価が下落しました。

 日経平均先物CME終値は28,625円となりました。前営業日の日経平均株価の終値29,100.38円を大きく下回っています。足もとのドル円相場は1ドル=108円00銭台と、前日の15:00時点の108円20銭前後から円高が若干進んでいます。本日の日本株市場は、米国株下落の影響を受けるとみられます。日本でも、新型コロナの感染拡大を受けて、緊急事態宣言の発出を要請した大阪府に加え、東京都と兵庫県を含めた3都府県を対象に宣言を出す方向で検討しているとの報道があり、対面ビジネスを中心に株価への影響が想定されます。

 明日から日本電産やディスコなど製造業の決算発表が本格的に始まります。東京証券取引所の規定では、会社の業績事前予想で売上高が上下10%、営業利益や経常利益等で上下30%以上の差異がある場合は適時開示の義務があります。多くの企業にとって通期の決算発表となるため、業績修正の発表が増える可能性もあり、その場合は個別で株価の反応があるでしょう。

 昨日引け後にクボタが200億円、発行済み株式の0.9%にあたる自社株取得枠の設定を発表しました。東芝は、英投資ファンドCVCから買収検討中断の書面を受け取ったと昨日引け後に報道されています。昨日の当社の株価は4,350円です。買収提案の観測報道があった4月7日の前日6日終値は3,830円でした。

日経平均株価は75日線割れの展開へ、まずは28000円台前半が下値メド

 日経平均先物CME終値は28,625円となりました。日経平均株価の前営業日終値(29,100円)を大きく下回る水準です。

 日経平均株価は昨日大幅安となり、再度25日移動平均線(20日:29,506円)を割り込んで75日線(同:29,104円)の水準まで下落しました。2月高値形成後は昨年10月安値以降の上昇(中期的上昇)に対する調整局面をこなしていると考えられ、当面の下値メドとして3月24日安値(28,379円)や、昨年10月以降の上昇幅に対する1/3押し(ザラバベース:28,125円)の水準が挙げられます。

 一方、3月24日安値形成時には昨年7月~10月にかけて下支えとなった75日線の水準で反発となりました。今回も下げ一巡後に切り返して75日線を下支えに反発の形となれば、まずは25日線(20日:29,506円)を早期に奪回できるかが注目ポイントとなります。

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