予想通り0.25%ポイントの利上げを実施

FRB(連邦準備制度理事会)は、1月31日~2月1日のFOMC(連邦公開市場委員会)会合で、大方の予想通り政策金利のFF(フェデラルファンド)金利誘導目標を0.25%ポイント引き上げました。今回のFOMC会合のポイントは、以下の4点です。

(1)3月の追加利上げはほぼ確実とみられます。(2)コアインフレ率の減速がさらに3ヶ月続けば、5月の利上げ休止の動機となりそうです。(3)2023年後半の利下げの有無は、今後の経済データ次第とみます。(4)市場のインフレ見通しが軟化し、金融環境が緩和しても、FRBはこれを押し戻そうとはしないでしょう。

全体として、今回のFOMC会合の結果は、FOMCが3月に0.25%ポイントの追加利上げを行い、政策金利を4.75~5.00%に引き上げ、その後2023年9月から利下げを行うという、我々の金融政策見通しを後押しすると考えています。

日本株の投資戦略:グロース株強気を継続するが、いったんの利益確定も

FOMC直後の金融市場の反応ですが、米金利が2年、10年ともに低下しました。FOMCの結果をハト派的と解釈したというよりは、利上げ想定が追加されるというタカ派サプライズがなかったことへの安堵に見えます。野村證券では、世界的な金利低下を根拠に、日本株はグロース株が優位と見ており、この点は今回のFOMCでもサポートされました。

次のイベントは日銀総裁人事となります。来週中にも報道が出てくる可能性がありますが、ハト派と見なされる雨宮正佳副総裁の新総裁就任が濃厚となれば、金融市場は円金利についても安定を織り込むとみます。その場合、「日経平均売り、銀行株買い」などに代表される日銀トレードは逆回転し、日経平均買いが予想されます。ただし、新総裁の初会合となる4月28日の政策決定会合に向けては、政策修正への期待が再燃する可能性があります。日本株はグロース株を中心に強気スタンスを継続していますが、「雨宮新総裁」の報道でいったん利益を確定するという戦術も一考に値するでしょう。

ドル円の投資戦略:円安ドル高局面があれば、戻り売りを推奨

日銀総裁人事の公表を控え、ドル円の上値は重いとみます。雨宮新総裁となれば、早期の政策修正への期待が低下し、ドル円は一時的に反発の可能性があります。ただし、政策修正への思惑は完全には払拭されにくく、持続的な円安につながる公算は小さいとみます。一方、中曽宏前副総裁や山口廣秀元副総裁が総裁に任命された場合は、政策修正の期待が一段と高まり、円高での反応が予想されます。

FRBの政策転換期待や中国のウィズコロナへの移行といった要因も考慮すれば、ドル円の戻り売り需要は引き続き強いと見られ、円安ドル高となる局面があれば戻り売りを推奨します。

(FINTOS!編集部)

要約編集元アナリストレポート①「米国:2023年2月FOMC会合 – 予想通り0.25%ポイントの利上げを実施(2月2日配信)」(プレミアム会員限定配信)

要約編集元アナリストレポート②「Quick Note – FOMC利上げは5月終了へ、グロース株には支援材料 – 「雨宮総裁」でいったん利益確定にも妙味(2月2日配信)」(プレミアム会員限定配信)

要約編集元アナリストレポート③「国際金融為替フラッシュ – 近づくFRB利上げ休止と円高ドル安圧力(2月2日配信)」(プレミアム会員限定配信)

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