半導体の加速度的な進化により、数多くの電子機器やサービスが生み出されてきました。こうした製品やサービスが世界に普及することで新たな市場が形成され、半導体の需要は拡大の一途をたどっています。

今後、半導体需要のけん引役として期待される市場としては、情報通信量の拡大によるデータセンター向け市場や、AI(人工知能)の高度化によるAI半導体市場、自動運転や電動化による車載半導体市場、IoTの普及に伴うセンサーやロボット向け市場、などが挙げられます。

中期的な成長期待が高いことは、株式市場からも読み解くことができます。下のグラフでは、フィラデルフィア半導体株指数、いわゆるSOX指数が毎年どれだけS&P500指数に対してアウトパフォームしてきたのかを示すと同時に、そのパフォーマンスと世界の半導体市場の前年比の伸び率を比較しています。赤色のマルで囲った部分をみると、半導体市場が大きく拡大する前年からSOX指数はS&P500に対して上昇していることがわかります。

半導体需要の中期的な拡大に対し、株式市場からの信頼が厚いことが、実際の需要動向に対して株価が先行する要因となっています。今後も、デジタル化の大きな潮流に乗り、半導体市場の拡大が予想されます。

(野村證券投資情報部 大坂 隼矢)

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