CGへの関心の高まりはアクティビストに追い風

東京証券取引所(東証)は3月31日、上場企業に資本効率や株価を意識した経営に取り組むよう要請しました。株式市場では特に低PBR(株価純資産倍率)銘柄の企業価値向上に繋がり得るコーポレートガバナンス(企業統治、CG)への関心が高まっています。過去に東証がコーポレートガバナンスコード(企業統治指針、CGC)の公表・改訂を行った際と関連づけた議論も目立っています。また、今回の東証の要請は、企業と株主の対話を強く求めているため、アクティビスト(物言う株主)の追い風になるとの見方も強まっています。

アクティビスト保有銘柄はCGへの関心の高まりがポジティブに作用

今回、アクティビスト保有銘柄について、CGへの関心が高まる環境下でのパフォーマンスを分析しました。以下の図表ではTOPIX構成銘柄の中のバリュー株を対象に、アクティビスト保有銘柄の相対パフォーマンスを示しています。過去3回のCGC公表・改訂の後、およそ1年程度はアクティビスト保有銘柄がバリュー株全体をアウトパフォームする傾向が確認できます。とりわけ、バリュー株を選定する指標の中でも、今回の要請を経て注目度が高まっているPBRを用いた場合においてその傾向が顕著となりました。アクティビストが保有する銘柄は、CGへの関心の高まりがポジティブに作用していると言えるでしょう。

アクティビストが保有する低PBR銘柄に注目

前回(2021年)のCGC改定の賞味期限は切れかけていましたが、今回の東証の要請は、CGへの関心を高めるとともにアクティビストが保有する低PBR銘柄の高パフォーマンスの再開をもたらしています。当面、アクティビストが保有する低PBR銘柄に注目します。

低PBRかつアクティビスト保有銘柄

要約編集元アナリストレポート「日本株クオンツストラテジー – アクティビスト追随型低PBR戦略(4月21日配信)」(プレミアム会員限定配信)では、低PBRかつアクティビストが保有しているとみられる47銘柄を紹介しています。

(注)アクティビスト保有銘柄の抽出手順は以下の図表を参照。

(FINTOS!編集部)

要約編集元アナリストレポートについて

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