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昨日 16:40
【野村の夕解説】日経平均株価は横ばい圏、国内金利上昇が重石(5/28)
(注)画像はイメージです。 本日の動き 27日の米国市場では、米国の5月消費者信頼感指数が市場予想を大幅に上回ったことや日本の債務計画見直しの観測に端を発する米国金利低下を受けて、米国株主要3指数が大幅高となりました。この流れを引き継ぎ、28日の日経平均株価は寄り付き後、一時前日比454円高の38,178円まで上昇しました。その後、植田日銀総裁が衆院財務金融委員会の答弁で、超長期国債金利の上昇が長期さらには短中期国債にも影響を及ぼす可能性に留意する必要があると発言しました。また、28日の40年国債の入札が低調で国債への需給悪化懸念が強まり、日本の長短金利が上昇しました。金利上昇を嫌気し、日経平均株価は終日上げ幅を縮小していき、終値は前日比1円安の37,722円となりました。個別銘柄では、エヌビディアの決算発表前に、21日に次世代AIデータセンター向け電力インフラ構想に参画していると会社SNSで発信していた半導体メーカーのロームが前日比+13.26%と大幅に上昇しました。 本日の市場動向 ランキング 本日のチャート (注) データは15時45分頃。米ドル/円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。米ドル/円は11:30~12:30の間は表示していない。(出所)Quickより野村證券投資情報部作成 今後の注目点 28日の米国株市場引け後に、エヌビディアが2025年2-4月期決算を発表します。前回決算発表時に示された業績見通しに対し、実績がどのように出てくるか注目されます。 (野村證券投資情報部 秋山 渉) ご投資にあたっての注意点
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昨日 08:22
【野村の朝解説】EUへの追加関税延期でNYダウ大幅反発(5/28)
(注)画像はイメージです。 海外市場の振り返り 5月27日の米国株式市場では、主要3指数が上昇しました。NYダウやS&P500が上昇するのは5営業日ぶりです。トランプ大統領が欧州連合(EU)に対する追加関税の発動延期(6月1日の発動予定を7月9日に延期)を表明したことが好感されました。また、5月米消費者信頼感指数が98.0と市場予想の87.1を大きく上回ったことも相場の支援材料となりました。外国為替市場では、米国の消費者心理の改善や日本の超長期金利の急低下を受けて一時1ドル=144円台半ばまで円安ドル高が進みました。 相場の注目点 本日の日本株は、前日の米国株の上昇と、円安ドル高の進展が支援材料になると見られます。足元の円安の背景には、財務省が国債発行計画の見直しを検討すると報じられ、超長期債の発行額を減らすとの見方から超長期の日本国債利回りが急低下したことがあります。本日は日本国債40年物の入札が予定されており、注目が集まります。報道を受けて需要が集まりやすいと見られていますが、仮に弱めの結果となった場合でも財務省が発行減額を促すとの思惑がはたらく可能性があります。また、本日(日本時間29日早朝)は米国でエヌビディアが2025年2~4月期決算を発表します。同社は米政府による対中輸出規制強化が業績を下押しする見込みであることをすでに公表していますが、AI向けの需要の底堅さと、市場予想を上回る業績見通しが示されれば、半導体関連株を中心に相場の支援材料になると考えられます。他方、前日の米国株を押し上げたEUに対する追加関税の発動延期は約1ヶ月の暫定措置です。5月12日発表の米中の関税引き下げ合意も暫定的なもので、主要国と米国との通商協議は目が離せない状況が続きそうです。 (野村證券 投資情報部 坪川 一浩) (注)データは日本時間2025年5月28日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。 ご投資にあたっての注意点
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05/27 16:23
【野村の夕解説】日経平均株価は一転し3連騰 円安進行が追い風(5/27)
(注)画像はイメージです。 本日の動き 本日の日経平均株価は前日比8円安の37,523円で寄り付き、その後は値がさ株の一部が下落したことで下げ幅を拡大させました。また寄り付き後まもなく、日銀の植田総裁が「経済・物価情勢の改善に応じて政策金利を引き上げる」と述べたと伝わりました。日銀による利上げの思惑が広がり、外国為替市場では朝9時ごろ1米ドル=142.50円前後の水準から、午前中には142.13円と円高に進行し、相場をさらに押し下げました。 午後に入ると、一部報道機関が、財務省が国債発行計画の見直しを検討すると報じ、この報道を受け債券の需給の改善期待が広がりました。日本の超長期国債利回りは急低下し、10年国債利回りは14時前後には1.455%に低下(価格は上昇)し、金利低下を受け米ドル円は一転して円安へと進行し一時1米ドル=143.30円となりました。円安と足並みを揃え日経平均株価も上げに転じました。結局、大引けは前日比192円高の37,724円となり、3営業日続伸し取引を終えました。 本日の市場動向 ランキング 本日のチャート (注) データは15時45分頃。米ドル/円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。米ドル/円は11:30~12:30の間は表示していない。(出所)Quickより野村證券投資情報部作成 今後の注目点 本日、米国では5月の消費者信頼感指数が発表されます。足元で英国と中国が、米国に対して関税で一定の合意に達していますが、これらを受けて、消費者心理に変化がみられるかについては注目が集まります。 (野村證券投資情報部 清水 奎花) ご投資にあたっての注意点
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05/27 09:30
【週間ランキング】日本株の値上がり/値下がり銘柄は?(5月第4週)
※画像はイメージです。 日本主要銘柄・株価騰落率ランキング(上位) 2025年5月第4週(2025年5月16日~5月23日) 2025年5月月間(2025年4月30日~5月23日) 2025年年間(2024年12月31日~2025年5月23日) (注)対象はTOPIX500、直近値は2025年5月23日。(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成 日本主要銘柄・株価騰落率ランキング(下位) 2025年5月第4週(2025年5月16日~5月23日) 2025年5月月間(2025年4月30日~5月23日) 2025年年間(2024年12月31日~2025年5月23日) (注)対象はTOPIX500、直近値は2025年5月23日。(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成 <参考>今週の日本株式市場パフォーマンス 主要指数 TOPIX: 東証33業種 (注)業種分類は東証33業種ベース。直近値は2025年5月23日時点。(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成 ご投資にあたっての注意点
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05/27 08:20
【野村の朝解説】米英休場でドル円は小動き、欧州株は反発(5/27)
(注)画像はイメージです。 海外市場の振り返り 26日の海外市場は米国がメモリアルデー、英国がスプリング・バンク・ホリデーで休場でした。為替市場では、一段のドル売りの動きは一服しているものの、米国の対EU関税延期の報道を受けてもドルの反発力は弱く、ドル円相場は1米ドル=142円台を中心とした推移にとどまりました。 相場の注目点 トランプ大統領が5月23日に欧州連合(EU)からの輸入品に6月1日から50%の関税を賦課する考えを示したことを受け、前週末のNY市場ではリスクオフの動きが強まりました。しかし、25日のフォンデアライエン欧州委員長との電話協議を受け、発動期限を6月1日から7月9日に延期すると表明するなど、通商政策を巡るトランプ大統領の発言に一喜一憂する展開が続いています。 前週末に軒並み下落した欧州株は、週明けは堅調な推移となりました。引き続き今後の通商交渉の進捗を慎重に見極める必要はありますが、ストックス欧州600は4営業日ぶりに、ドイツのDAX指数は3営業日ぶりに反発し、年初来ではそれぞれ約8%、約20%の上昇と日米を上回る上昇を維持しています。米ドル一辺倒からのシフトがみられる中で、欧州株やユーロが、米ドルからの資金の逃避先として引き続き選好されていることがうかがえます。 米国では本日、4月の耐久財受注や5月の消費者信頼感指数の発表が予定されています。また、来週以降は雇用統計や小売売上、消費者物価指数など、5月のハードデータの発表が続きます。足元では4月の相互関税発表時のようなパニック的な動きは落ち着いていますが、関税引き上げによるファンダメンタルズの悪化を確認しても反発基調を維持できるのか注目されます。 (野村證券 投資情報部 引網 喬子) (注)データは日本時間2025年5月27日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。 ご投資にあたっての注意点
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05/26 16:22
【野村の夕解説】値がさの半導体関連株がけん引し、日経平均は371円高(5/26)
(注)画像はイメージです。 本日の動き 24日、一部報道により米エヌビディアが中国向けに新たなAI半導体の発売を計画していることが伝わりました。また、米トランプ大統領が日本時間26日寄り前に、6月1日を予定していたEUに対する50%の関税賦課を7月9日まで延期すると表明したことも、株価を押し上げました。これらを受けて、26日の日本株市場で、日経平均株価は前営業日比48円高の37,209円で寄り付いた後、値がさの半導体関連株を中心とした幅広い銘柄の上昇により、上げ幅を広げました。米国の財政悪化に対する根強い警戒感を背景に円高が進んだことで、一時上げ幅を縮小する場面はあったものの、10年国債利回りが低下し、円高が一服するとともに、日経平均株価は引けにかけて再度上げ幅を広げる展開となりました。終値はこの日の高値となる前営業日比371円高の37,531円となりました。日本時間23日、日本製鉄によるUSスチールとの提携と投資について、米トランプ大統領が支持を表明したと報道されたことを受け、同社の株価は寄り付き後一時前営業日終値から7%超上昇しましたが、終値では同+2.12%にとどまりました。 本日の市場動向 ランキング 本日のチャート (注) データは15時45分頃。米ドル/円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。米ドル/円は11:30~12:30の間は表示していない。(出所)Quickより野村證券投資情報部作成 今後の注目点 足元で米国議会の予算審議が活発化しています。共和党内でも意見の対立がみられる中、法人税減税や、個人所得税減税の延長等の財政政策が実現に向かうのか、今後の動向が注目されます。 (野村證券投資情報部 秋山 渉) ご投資にあたっての注意点
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05/26 08:18
【野村の朝解説】関税懸念再燃で米国市場はリスクオフ(5/26)
(注)画像はイメージです。 海外市場の振り返り 23日の米国市場では関税懸念が再燃し、リスクオフの展開となりました。S&P500は4営業日連続で下落、米ドルはG10通貨に対して全面安となり、対円でも1円以上下落し、142円台半ばまで低下しました。トランプ大統領はEUからの輸入品に6月1日から50%の関税を課す考えを示し、スマートフォンへの25%の関税賦課案についても、全ての海外製デバイスに適用すると述べました。米国の通商政策を巡っては、トランプ大統領が日本製鉄とUSスチールの提携を発表、ベッセント財務長官が貿易面で「複数の大型合意」が数週間以内に発表される可能性があると発言するなど、好材料もありました。ただし、市場では関税政策を巡る事態の改善期待が高まっていたことから、ネガティブなニュースにより強く反応したようです。 相場の注目点 23日には、米国のベッセント財務長官が、今夏にも補完的レバレッジ比率(SLR)から国債を除外する可能性があると述べたことが市場の注目を集めました。米国債がSLRから除外されれば、銀行の国債購入余力が高まり、長期金利の低下につながることが期待されます。主要先進国の債券市場では、超長期国債の利回り上昇が続いています。この点に対して各国の政策当局は、自国固有の状況ではなく、財政の持続性に対する市場の懸念を反映したものではない、と説明しています。日銀の野口審議委員も22日の講演で足元の超長期金利の上昇は異常な動きではないとし、日銀が何らかの対応に動くような状況ではないとの見解を示しました。一方、19日には米国最大手の金融機関のCEO(最高経営責任者)が、市場はインフレや信用リスク、地政学リスクを十分織り込まず、「慢心している」と警告を発しました。当面の間は、トランプ政権の通商政策と並んで、超長期金利など債券市場の動向と、株式市場への影響も注視する必要がありそうです。 (野村證券 投資情報部 尾畑 秀一) (注)データは日本時間2025年5月26日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。 ご投資にあたっての注意点
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05/25 16:00
欧米における営農型太陽光発電の動向
執筆:野村證券株式会社フード&アグリビジネスビジネス・コンサルティング部 シニアフェロー 石井 良一(2025年5月20日) はじめに 営農型太陽光発電とは、一時転用許可を受け、農地に簡易な構造でかつ容易に撤去できる支柱を立てて、上部空間に太陽光を電気に変換する設備を設置し、営農を継続しながら発電を行う取組である。2013年3月に農林水産省が通知として「支柱を立てて営農を継続する太陽光発電設備等についての農地転用許可制度上の取扱いについて」を発出して以降、その許可件数は増加している。2018年5月には、担い手が下部の農地で営農する場合等について、一時転用期間をそれまでの3年以内から10年以内に延長した。図表1に示すように、2022年度末までで、全国で5,341件、下部農地面積1,209haになっている。件数は増えているものの、下部農地面積は平均23a/件、発電出力はほとんどが数十KWと、10数年経過しても未だ小規模に留まっている。また、2024年8月には、経済産業省は農地法違反で342件20事業者に対し、FIT・FIP交付金を停止するなど、適切に営農事業、発電事業が行われていない事例も見られる。[1] 図表1 我が国における営農型太陽光発電設備の許可件数等の推移 (出所)農林水産省(2025.4)「営農型太陽光発電について」 2025年2月に閣議決定された「第7次エネルギー基本計画」[2]では、再エネ電力の中で太陽光発電が主要電源と位置付けられており、太陽光発電については2022年度における全体電源の9%のシェアを2040年度には23~29%まで高める計画となっている。太陽光発電の今後の発電適地は限定的であり、営農型太陽光発電が期待されているもののスケール化には至っていないのが現状である。 海外でも気候変動対策として太陽光発電の拡大が期待されている中で、欧米においては近年急速に規模の大きな営農型太陽光発電が増加している。本論では、既存公開資料を基に、欧米の最近の動向を概観し、我が国への示唆をまとめたい。なお、営農型太陽光発電の名称については、一般的に、欧米ではAgrisolar(アグリソーラー)、Agrivoltaics(アグリボルタイクス)を使用している。 第1章 欧州における営農型太陽光発電の状況 1. 発展の経緯 営農型太陽光発電のコンセプトは1981年にドイツの物理学者であり太陽光発電技術のパイオニアであるAdolf Goetzberger氏が提唱したのが最初と言われている。[3] 2004年にドイツで最初のシステムが実証され、2011年にドイツで規模の大きなシステムが稼働した。その後、太陽光発電への期待が高まるとともに、欧州各国で営農型太陽光発電の設置が相次ぎ、施設あたりの規模も次第に拡大しつつある。欧州全体に拡大しているが、発電出力20MWを超えるような大規模なものはスペイン、イタリア、フランスに多い。 営農型太陽光発電の近年の急速な拡大は、欧州を取り巻く気候変動、エネルギー政策と強く関連している。この数年、欧州は何度も深刻な熱波に見舞われ、各地でこれまでにない健康被害、干ばつを記録している。一方、ロシアのウクライナ侵攻に端を発するロシアからの石油・天然ガスの輸入削減、エネルギー価格の上昇は、待ったなしで石油エネルギーから再生可能エネルギーへの移行を迫っている。 2022年5月に、欧州委員会は「REPowerEU Plan」を発表し、EUは太陽光発電全体を2021年の162GWから2025年には380GWに、2030年には750GWまで増加させるとした。熱波をいくらかでも遮り農業生産を持続的にするとともに、政策に対応し太陽光発電を増加させることが営農型太陽光発電の拡大を後押ししているのである。 図表2 欧州における営農型太陽光発電の分布(2024年) (出所) Solar Power Europe(2024) ” Agrisolar Handbook ” (掲載サイト) https://www.solarpowereurope.org/insights/thematic-reports/agrisolar-handbook-1 2. 法制度・支援制度 EUは、加盟国27カ国で共通して講じられる農業政策であるEU共通農業政策(CAP)を策定している。EU予算を財源としてEU全体で運営されている。それは、(ア)農業者の所得を保障するための「価格・所得政策」、(イ)各加盟国が農業部門の構造改革、農業環境施策等の農村振興プログラムを実施する「農村振興政策」の二本柱からなっている。2023年1月に発効した改正CAP(2023-2027)は、より環境に優しく、より公平でより持続可能な農業の実践というコンセプトに基づいている。CAPに基づき、国レベルで戦略計画を策定しているが、営農型太陽光発電については、ドイツ、イタリア、オランダ、スロベニアの4ヶ国の戦略計画で推進することを位置付けている。[4] 営農型太陽光発電をきちんと法令に位置付けた国はまだ多くはない。フランスでは、2023年3月に「再生可能エネルギー生産加速法」[5]を施行した。その中で、農地での地上設置型太陽光発電を禁止し、営農型太陽光発電を定義し、農林業や牧畜業と両立可能な再生可能エネルギー生産を推進する方向性を明確に打ち出した。2024年4月に法令第2024-318号[6]を発表し、営農型太陽光発電の開発および規制を明らかにした。法令は、土地の農業利用を保護することに特に重点を置いており、最長40年間の許可を与える代わりに、収量は近隣と比較して90%以上を確保すること、架台の設置によって耕作できない面積は総面積の10%以内にすること、10 MWを超える設置の場合は遮光率[7]が40%未満であること、架台の設置の高さと間隔は通常の農業活動を可能にする必要があること、稼働前の事前検査を受けること、農地への原状回復が可能なこと、事前に供託金の納付を求め、違反の場合、原状回復費用に充当することとしている。 ドイツでは、「再生可能エネルギー法」(EEG2023)において、通常の太陽光、陸上風力、洋上風力、バイオマスと並んで、営農型太陽光発電の入札枠[8]が設けられている。2022年2月に、経済・気候保護省、環境・自然保護・原子力安全・消費者保護省、食料・農業省の3省が「太陽光発電拡大の方策についての3省による合意事項」を発表し、全ての農地での営農型太陽光発電を支援することとし、発電による土地の農業利用への影響が15%までの場合、CAPの支援を受けることも可能とした。ドイツでは、営農型太陽光発電システムの規格であるDIN SPEC91434で、枠組みと支援制度の概要を公表している。農業収量については非設置エリアと比較して66%以上にするという評価基準がある。 イタリアでは、2024年5月に「農地での地上設置型ソーラーパネルを禁じる緊急政令」を発布した。地上2.1メートル以上の高さを持つ営農型太陽光発電は除外している。すなわち、農地においては、営農型太陽光発電以外は設置できないこととした。 3. 営農型太陽光発電の特徴 ⑴ 営農型太陽光発電のメリット 欧州では、営農型太陽光発電のメリットは次のように捉えられている。[9] このうち、③農作物の保護、④持続可能な農業方法の支援、⑤気候変動への適応力向上、⑦先進的な再生可能エネルギー技術へのアクセスについては、我が国ではまだ強調されていないが、近年長期間の猛暑を記録しており、営農型太陽光発電のメリットとして再認識する必要がある。 ①農村経済に貢献 雇用を創出し、地域の収入や税収を生み出し、エネルギーの安全保障と農家や土地所有者に多様な収入源を提供する。 ②再生可能エネルギーの自家発電 農家は自分たちで再生可能エネルギーを生成することで、エネルギーコストを削減し、グローバル市場の混乱によって著しく上昇した不安定なエネルギー価格に対する脆弱性を軽減できる。 ③農作物の保護 干ばつ、直射日光、洪水、雹などの厳しい気象から農作物を保護する。 ④持続可能な農業方法の支援 水管理の改善を通じて再生可能な農業などの持続可能な農業方法を支援できる。具体的には、蒸発散量の低下により灌漑目的の水使用を削減し、太陽光パネルの下での温度低下により農作物の水需要を減少させること、雨水収集システムを設置して雨水の再利用を行うなどである。 ⑤気候変動への適応力向上 太陽光発電設備の設置により、農作物の気候変動による物理的リスク(気温上昇、洪水、極端な気象イベント)に対する耐性を強化できる。 ⑥土地の二重利用 農業とエネルギー生産の両方のために土地を二重利用することを可能にし、土地の効率を最大化し、農作物生産を犠牲にすることなく利用可能な資源をより良く活用する。 ⑦先進的な再生可能エネルギー技術へのアクセス 農家に現代的な再生可能エネルギー技術へのアクセスを提供し、スマート農業ツール、スマート灌漑システム、エネルギー効率の高いシステムを活用することで、生産性をさらに向上させることができる。 ⑵ 営農型太陽光発電のタイプ 欧州においては、一般的に、図表3に示す10タイプがある。生物多様性タイプや牧草発電タイプなど我が国よりも多様な活用がされている。 図表3 営農型太陽光発電ビジネスのタイプ (出所)Solar Power Europe(2024)”Agrisolar Handbook”より、野村證券フード&アグリビジネス・コンサルティング部作成 ⑶ ビジネスモデル 営農と発電事業を両立させるために、図表4に示すようにいくつかのビジネスモデルが存在する。農家の同意の下で発電事業者がソーラーシステムを所有運営するモデルが一般的である。この場合は、農地を所有する農家は、その農地の一部を発電事業者に賃貸し、具体的な合意に基づいて農業活動を行う。農地所有者と農家が別の法人である場合、農地所有者は土地を賃貸し、農家は発電事業者との具体的な合意に基づいて農業活動を行う。 図表4 営農型太陽光発電のビジネスモデル (出所)Solar Power Europe(2024)”Agrisolar Handbook”より、野村證券フード&アグリビジネス・コンサルティング部作成 4. 注目すべき事例 欧州においては、図表5に示すように、近年、農地面積数十~数百ha、発電出力20MW以上の大規模な営農型太陽光発電が増加している。特に、2022年5月の欧州委員会「REPowerEU Plan」発表以降の事例が目立っている。事業主体のほとんどは大手の再生可能エネルギー発電会社であり、農家から農地をリースし、共同で事業を行っている。 図表5 欧州における大規模営農型太陽光発電の事例(発電出力20MW以上) (出所)SolarPower Europe “Agrisolar Digital Map” https://agrisolareurope.org/map/ より作成 このうち、我が国でも参考になる事例を紹介する。 ⑴ 羊の放牧 大規模な営農型太陽光発電では、羊の放牧をしている事例が多い。欧州には、もともと耕作に向いていなく、羊の放牧をして、羊毛、チーズ、肉などを生産している地域も多い。発電事業者にとっては大規模な面積を確保できることが最大のメリットである。羊はおとなしく草を食み、手間があまりかからなく、設備などへの損傷が少ないことも牛や馬と比較してのメリットである。一方、農家にとっても、経済的なメリットの他、①日陰により羊に休息や繁殖の場を与えることができる、②水分の蒸発を抑え、土壌の乾燥を抑えることができる、というメリットがある。 図表6 営農型太陽光発電での羊の放牧のイメージ (出所)Getty Images ⑵ ブドウ栽培 近年の猛暑は欧州のぶどうの生産に大きな影響を与えている。2023年、フランスのボルドーでは「ヒートドーム」現象が発生し、一部の地域で気温が40度を超え、猛暑と洪水が重なり、真菌(カビ)による病気が大発生し、ブドウ畑全体の約90%が被害を受けた。 図表7 営農型太陽光発電でのブドウ生産のイメージ (出所)Getty Images こうした中で、営農型太陽光発電下でブドウを栽培することが始まっている。農家にとっては、経済的なメリットの他、①水分の蒸発を抑え、散水を抑えることができる、②適度な日陰が生まれ、熱波をいくらかでも和らげ、ブドウの収穫時期を遅らせ成熟度を上げることができる、というメリットがある。 実際、イタリアのワインメーカー、Svolta Srl社が自社のブドウ畑に営農型太陽光発電設備を導入した結果、大幅にワインの品質が向上し、高品質のワインが生産できたとのことである。[10] 第2章 米国における営農型太陽光発電の状況 1. 発展の経緯 米国においては、NREL(国立再生可能エネルギー研究所)が2010年から営農型太陽光発電に関するフィールドリサーチを行っており、2015年以降、全米各地の研究サイトで研究を行ってきた。現在でも営農型太陽光発電に関する研究開発、情報発信、情報交流の全米のハブとなっている。[11] 営農型太陽光発電の本格的な商業展開は2021年以降のことである。2015年以降、太陽光発電は拡大をしていたが、2020年で米国全体の電力構成のわずか約2%に過ぎなかった。バイデン前大統領は、2021年1月、大統領就任後、「パリ協定への復帰」、「2050年までにGHG排出量ネットゼロ」など気候変動対策に積極的に取り組むことを発表した。2021年11月には、「温室効果ガス排出量を実質ゼロにするための長期戦略」[12]を発表し、「インフラ投資・雇用法」[13]を制定した。前者は、電力の脱炭素化、運輸部門でのクリーン燃料への転換、省エネの推進などを掲げ、後者はそのために5年間で5,500億ドルを支出し、技術の実用化、雇用の拡大を進めるものであった。。さらに、2022年8月には「インフレ削減法」[14]を制定し、気候変動対策に今後10年間で3,910億ドルを支出するとした。 この結果、電力構成に大きな変化が生じた。化石燃料の割合が下がり、再生可能エネルギーの割合が増加している。2023年では太陽光発電は米国全体の電力構成の約4%と2020年から倍増した。営農型太陽光発電についても2021年以降、大規模な事例が相次ぎ、全米各地に広がっている。(図表8参照) 2025年1月、 トランプ大統領は大統領就任後すぐに前政権の気候変動対策を大幅に転換し、「パリ協定からの離脱」、「化石燃料を中心とする国産のエネルギー資源の開発の加速化」などを表明した。しかしながら、太陽光パネルの米国内での生産能力の増加もあり、米国エネルギー環境局(EIA)によると、2050年には太陽光発電が石油・天然ガスをしのぐ主要電源になると予測[15]しており、土地を有効に活用する営農型太陽光発電への期待はますます高まるものと推察される。 図表8 米国における大規模営農型太陽光発電の分布(発電出力10MW以上:2024年) (出所)National Renewable Energy Laboratory (NREL)(2025)InSPIRE ”Agrivoltaics Map ” https://openei.org/wiki/InSPIRE/Agrivoltaics_Map 2. 法制度・支援制度 米国における営農型太陽光発電に関する法制度や支援制度は、州や地域によって大きく異なり、連邦政府の明確な規定は存在しない。州の制度の一例として、マサチューセッツ州の例を紹介する。ここでは、2018年に州エネルギー資源省は、「ソーラー・マサチューセッツ・リニューアブル・ターゲット(SMART)プログラム」を開始した。その中で、営農型太陽光発電を位置づけ、規定に合うものに対して、財政的インセンティブを与えている。主な規定は、①最大発電出力は5MW未満、②パネルの高さは固定式で約2.4m以上、追尾式で約3m以上、③遮光率は50%未満、④20年間の継続的営農の実施、⑤年次報告の義務(生産性、農作物管理)であり、それを満たしたものは0.06$/kwhを追加で得ることができるといった内容である。 3. 営農型太陽光発電の特徴 ⑴ 営農型太陽光発電のメリット 営農型太陽光発電のメリット、トレードオフ項目については、図表9のように整理されている。米国においても、植物や家畜の生態面、水管理のメリットが強調されている。 図表9 営農型太陽光発電のメリット (出所)”Agrivoltaics Basics” https://www.nrel.gov/docs/fy25osti/91638.pdf ⑵ 営農型太陽光発電のタイプ 欧州と同様に、農作物生産、家畜生産、植生管理を通じた生態系サービスの提供、及び ソーラーグリーンハウスがある。これらのタイプは、特定の場所で複数の活動が同時に行われることがあり、同じ地域内で異なる季節に実施されることもある。 図表10 営農型太陽光発電のタイプ (出所)the National Renewable Energy Laboratory (NREL) ” The 5 Cs of Agrivoltaic Success Factors in the United States: Lessons From the InSPIRE Research Study “ https://www.nrel.gov/docs/fy22osti/83566.pdf 4. 注目すべき事例 2025年4月現在、営農型太陽光発電は、全米で599サイト、発電出力10,310MW(平均17MW/件)、農地面積26,179ha(平均44ha/件)となっている。ほとんど発電事業者が事業主体である。1件あたりの農地面積は我が国の0.23haの約200倍と大規模である。 発電出力150MW以上の大規模営農型太陽光発電は、図表11に示すとおりであり、羊の放牧の事例が多い。テキサス・ソーラー・シープ社のように、各地の営農型太陽光発電事業者に羊を貸し出すビジネスまで登場している。 図表11 アメリカにおける大規模営農型太陽光発電の事例(発電出力150MW以上) (出所)National Renewable Energy Laboratory (NREL)(2025)InSPIRE ” Agrivoltaics Map” より、野村證券フード&アグリビジネス・コンサルティング部作成 おわりに 2020年代に欧米で急速に拡大している営農型太陽光発電の現状を概観したが、我が国への示唆をまとめて本論を締めくくりたい。我が国においては、太陽光発電の拡大が求められているものの、もはや適切な土地はあまりなく、丘陵地における発電所の災害の危険性への懸念、平地における野立て発電所の景観性などからその拡大に対する国民の理解は高まっていない。実際に、非住宅設置の新規の太陽光発電量は2012年7月のFIT開始後の2014年度の837万KWをピークに、年々減少し、2023年度は175万KWに留まっている。エネルギー基本計画に基づき太陽光発電を拡大し、2050年カーボンニュートラルの実現を達成するためには、建築物の壁面、道路などのインフラ空間、農地などの活用が真剣に検討されるべき状況になっている。 農業生産者にとって、営農型太陽光発電は経営を安定させるだけでなく、欧米の事例で見たように、猛暑からの農作物や家畜の保護、農作物の水需要の削減、発電した電力を活用したスマート農業への展開などメリットも大きい。我が国において、今後、飛躍的に営農型太陽光発電を拡大するために望まれる事項は次の通りである。 ⑴ 営農型太陽光発電の法律への位置づけ 営農型太陽光発電の設置に関しては、2024年4月にそれまで通知であった一時転用許可基準等を農地法施行規則第30条に定めた所である。今後、フランスの「再生可能エネルギー生産加速法」 での取り扱いのように、法律の中で営農型太陽光発電の推進を位置付けることが検討される。また、フランスやイタリアのように、農地での野立ての太陽光発電は、農業振興地域に指定されている農地を転用しての建設も含めて、一切禁止することも検討すべきである。法的位置づけをしっかりすることで、推進する政策や規制及び設置条件をより明確にすることができる。 ⑵ 営農型太陽光発電に関するプラットホームの形成 米国においては、エネルギー省に属するNREL(国立再生可能エネルギー研究所)が研究開発、情報発信、情報交流の全米のハブとなっている。我が国においても、農林水産省と経済産業省が連携し、我が国における営農型太陽光発電に関するプラットホーム(民間企業、研究機関、農業者などが連携し、 営農型太陽光発電の普及を加速させるための場)を構築することが望まれる。そのハブとして全国に研究センターや農場等を有している農研機構(国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構)が担うことが期待される。 ⑶ 農作物の避熱効果に関する実証研究の推進 現在の営農型太陽光発電の下部農地での栽培作物は、さかき、しきみ、みょうが、ふき、うど、キノコ類などの日陰で手間をかけずに育つ陰性作物が約5割を占めている。決して否定するものではないが、営農と発電の両立という趣旨からするとそれが多くを占めるのは好ましくはないだろう。 欧米では、太陽光パネルの遮光効果が近年の熱波から農作物や家畜を守るという認識が共有されている。2024年の我が国の夏の平均気温は過去最高を記録した[16]。コメ、豆類、イチゴ、トマト、果樹、花卉等に広範な影響が報告されている。[17] 農研機構等がリードし、各地の農場や各道府県の農業試験場などで営農型太陽光発電による農作物の避熱効果の実証を進めることが期待される。 ⑷ モデルプロジェクトの組成 大規模営農型太陽光発電の普及にあたっては、農林水産省と経済産業省が協力し、公募で次世代営農型太陽光発電プロジェクトを募ったらどうであろうか。先駆的事例として、植物工場の黎明期に両省がワーキンググループを設置し検討を進め、農林水産省が主導し、2013年度より全国10箇所で自治体、生産者、実需者等がコンソーシアムを形成し、次世代施設園芸拠点の整備を進めたことが参考となる。その後の植物工場の大規模化の契機になった。 我が国においても、営農の継続と再生可能エネルギーの拡大を図り、生産者の所得向上にも寄与する営農型太陽光発電の拡大をおおいに期待している。 ⑸ わかりやすい名称の検討 営農型太陽光発電の名称について、一般的に、欧米ではAgrisolar(アグリソーラー)、Agrivoltaics(アグリボルタイクス)を使用している。「営農型太陽光発電」という名称は、太陽光発電の1形態として営農型があるというような意味と捉えられやすく、営農と発電を両立させるという本来の意義が伝わりにくい。特定非営利活動法人環境エネルギー政策研究所は、 Solar Power Europe(2023)「Agrisolar Best Practice Guidelines」を翻訳するにあたって、「営農ソーラー」を使用している。愛称でもいいが、「営農ソーラー」というようなわかりやすい名称の使用を官民で検討してほしい。 (参考文献) AgriSolar Clearinghouse(2025)”Best Practices in AGRISOLAR” Solar Power Europe(2024)”Agrisolar Handbook” Solar Power Europe(2023)「営農ソーラーベストプラクティスガイドライン第2版 日本語版」 U.S. Department of Agriculture(2024)”Trends, Insights, and Future Prospects for Production in Controlled Environment Agriculture and Agrivoltaics Systems” [1] https://www.meti.go.jp/press/2024/08/20240805002/20240805002.html [2] https://www.meti.go.jp/press/2024/02/20250218001/20250218001-1.pdf [3] 日本では長島彬氏が2003年末にソーラーシェアリングとして発案し、2009年に自ら実証実験農場を設け、研究を重ね、2015年9月に「日本を変える、世界を変える!「ソーラーシェアリングのすすめ」」を出版する等、全国への普及に努めている。 [4] Solar Power Europe(2023)「営農型太陽光発電ベストプラクティスガイドライン第2版 日本語版」(特定非営利活動法人環境エネルギー政策研究所訳) [5] JETRO(2023)「フランス、再生可能エネルギー生産加速法を施行」2050年までに、太陽光発電の発電容量を100ギガワット(GW)超まで増やす目標を設定。https://www.jetro.go.jp/biznews/2023/03/b1b61052873729b0.html [6] Décret NO.2024-318 https://www.legifrance.gouv.fr/jorf/id/JORFTEXT000049386027 [7] 農地に対する架台の最大投影面積 [8] 入札制度とは、特定の発電容量に対して、複数の事業者が価格を提示し、最低価格を提示した事業者が選ばれる制度。発電方式ごとに増設目標枠が設定されている。 [9] Solar Power Europe(2024)”Agrisolar Handbook” [10] PV magazine (September 18, 2024)” Agrivoltaics postpone harvest, improve wine quality” https://www.pv-magazine.com/2024/09/18/agrivoltaics-postpone-harvest-improve-wine-quality/ [11] 地域経済とエコシステムと統合された革新的太陽光発電の実践InSPIREホームページ https://openei.org/wiki/InSPIRE [12] “Pathways to Ne-Zero Greenhouse Gas Emissions by 2050” [13] “Infrastructure Investment and Jobs Act” [14] “Inflation Reduction Act” [15] https://www.eia.gov/outlooks/aeo/pdf/AEO2023_Release_Presentation.pdf [16] 気象庁によると、2024年夏(6〜8月)の日本の平均気温の基準値(1991〜2020年の30年平均値)からの偏差は+1.76℃で、1898年の統計開始以降、2023年と並び最も高い値となった。日本の夏(6〜8月)平均気温は、様々な変動を繰り返しながら、長期的には100年あたり1.31℃の割合で上昇している。 [17] 農林水産省「令和6年夏の記録的高温に係る影響と効果のあった適応策等の状況レポート」 https://www.maff.go.jp/j/seisan/kankyo/ondanka/attach/pdf/report-76.pdf ディスクレイマー 本資料は、ご参考のために野村證券株式会社が独自に作成したものです。本資料に関する事項について貴社が意思決定を行う場合には、事前に貴社の弁護士、会計士、税理士等にご確認いただきますようお願い申し上げます。本資料は、新聞その他の情報メディアによる報道、民間調査機関等による各種刊行物、インターネットホームページ、有価証券報告書及びプレスリリース等の情報に基づいて作成しておりますが、野村證券株式会社はそれらの情報を、独自の検証を行うことなく、そのまま利用しており、その正確性及び完全性に関して責任を負うものではありません。また、本資料のいかなる部分も一切の権利は野村證券株式会社に属しており、電子的または機械的な方法を問わず、いかなる目的であれ、無断で複製または転送等を行わないようお願い致します。 当社で取り扱う商品等へのご投資には、各商品等に所定の手数料等(国内株式取引の場合は約定代金に対して最大1.43%(税込み)(20万円以下の場合は、2,860円(税込み))の売買手数料、投資信託の場合は銘柄ごとに設定された購入時手数料(換金時手数料)および運用管理費用(信託報酬)等の諸経費、等)をご負担いただく場合があります。また、各商品等には価格の変動等による損失が生じるおそれがあります。商品ごとに手数料等およびリスクは異なりますので、当該商品等の契約締結前交付書面、上場有価証券等書面、目論見書、等をよくお読みください。 国内株式(国内REIT、国内ETF、国内ETN、国内インフラファンドを含む)の売買取引には、約定代金に対し最大1.43%(税込み)(20万円以下の場合は、2,860円(税込み))の売買手数料をいただきます。国内株式を相対取引(募集等を含む)によりご購入いただく場合は、購入対価のみお支払いいただきます。ただし、相対取引による売買においても、お客様との合意に基づき、別途手数料をいただくことがあります。国内株式は株価の変動により損失が生じるおそれがあります。 外国株式の売買取引には、売買金額(現地約定金額に現地手数料と税金等を買いの場合には加え、売りの場合には差し引いた額)に対し最大1.045%(税込み)(売買代金が75万円以下の場合は最大7,810円(税込み))の国内売買手数料をいただきます。外国の金融商品市場での現地手数料や税金等は国や地域により異なります。外国株式を相対取引(募集等を含む)によりご購入いただく場合は、購入対価のみお支払いいただきます。ただし、相対取引による売買においても、お客様との合意に基づき、別途手数料をいただくことがあります。外国株式は株価の変動および為替相場の変動等により損失が生じるおそれがあります。 野村證券株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商) 第142号 加入協会/日本証券業協会、一般社団法人 日本投資顧問業協会、一般社団法人 金融先物取引業協会、一般社団法人 第二種金融商品取引業協会
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05/25 12:00
自主流通による酪農市場の成長に向けて -自主流通が酪農市場に与える影響とポイント-
執筆:野村證券株式会社フード&アグリビジネスビジネス・コンサルティング部 シニア・アソシエイト 谷 和希(2025年5月20日) はじめに 日本国内の酪農業界では、年々酪農家の離農が進んでいる。特に最近では、物価高や円安の影響を背景とした生乳の生産コストの上昇に伴い、1989年に66,700戸存在していた酪農家数は、2024年には11,900戸とこの35年で8割以上減少し、過去最低を記録した。食品業界ではインフレに対応するために、多くの企業が値上げを進めているが、生乳については酪農家が自ら生乳の価格を決めることができない。これは、生乳が傷みやすい、季節や気候によって生産量・需要量が変動しやすいなどの特性を持っているためである。また、生産される生乳のほとんどを指定生乳生産者団(以下、「指定団体」という)が集乳している。この流通構造は高度経済成長期から続いており、現在も大きな変化はない。 しかし、生産者の構造には変化がみられる。酪農家の離農が進んでいる一方で、酪農家の大規模化の進展に伴い、求められる流通構造も少しずつ変化しはじめている。昨今、指定団体の他に、生乳流通事業を行う民間の自主流通事業者が生まれており、筆者はこの存在が酪農市場を成長に導くきっかけになると考えている。本稿では、酪農市場において自主流通事業者が酪農市場に与える影響について考察する。 1. 生乳の業界構造の現状 酪農家が生産した生乳は、各地域の農協(単位農協・県連合会など)が集乳し、全国に10存在する指定団体(ホクレン農業協同組合連合会、東北生乳販売農業協同組合連合会、関東生乳販売農業協同組合連合会、北陸酪農業協同組合連合会、東海酪農業協同組合連合会、近畿生乳販売農業協同組合連合会、中国生乳販売農業協同組合連合会、四国生乳販売農業協同組合連合会、九州生乳販農業協同組合連合会、沖縄県酪農農業協同組合)を通じて、各乳業メーカーに販売される。現状では、国内で生産される生乳のほとんどがこの仕組みで集乳・販売されている(図表1)。 生乳の価格(乳価)は、飲用向けと加工用向けの二つに分類される。加工用の中でも、仕向ける種類によって価格が細分化され、酪農家には仕向けた割合に応じた乳価と、それに対する加工原料乳生産者補給金を合わせた金額が支払われる。ただし、生産者は用途を指定することができず、乳業メーカーがどの商品にどの量を仕向けるかによって、酪農家に支払われる乳価が変動する仕組みとなっている。 図表1 生乳の流通構造 (出所)一般社団法人Jミルク「生乳の生産・流通構造」、株式会社MMJ「生乳流通に関する提案」より、野村證券フード&アグリビジネス・コンサルティング部作成 この仕組みが確立されたのは、1966年に遡る。指定団体が設立される以前は、小規模な生産者団体が数多く存在していた。生乳は毎日乳牛から生産され、傷みやすく貯蔵性がない特性を持つため、集乳後は短時間のうちに取引することが求められ、取引ができない場合には廃棄せざるを得ない。また、需要や供給量は季節や天候などに左右される。小規模な生産者団体は乳業メーカーに対して価格交渉力が弱く、不利な条件を受け入れざるを得ない状況が続いていたため、政府は「加工原料乳生産者補給金等暫定措置法(不足払い法)」を施行し、全国に10の指定団体を設立した。これにより、多くの酪農事業者から一元的に集荷を行うことが可能となり、乳業メーカーに対する価格交渉力が強化された。これが酪農家にとって大きなメリットとなっており、今後も酪農家が安心して生乳を卸すためには、指定団体は必須の存在であると言える。 2. 自主流通事業者の役割 一方で、昨今存在感が増しているのが、民間の生乳自主流通事業者である。酪農乳業速報によると、生乳の国内生産量の半分以上を占める北海道において、自主流通事業者の道外移出量は2019年度に6万7,899トンであったのに対し、2024年度には20万トンを超えることが見込まれているなど(北海道で生産された生乳は2024年度で約420万トン)、ここ数年間での存在感が急速に高まっている。 自主流通事業者のビジネスモデルは、指定団体と同様に酪農事業者が生産した生乳を集乳し、乳業メーカーに販売するものであるが、その役割は異なる(図表2参照)。 図表2 自主流通と指定団体の比較 (出所)野村證券フード&アグリビジネス・コンサルティング部作成 図表2に示したとおり、自主流通の担う役割は指定団体とは異なる。自主流通は、民間の事業会社や生産者が集まった協同組合などが運営主体となるため、指定団体のように全酪農家から生産される生乳を集乳する義務はない。そのため、仕入先(契約農家)も任意で決めることが可能である。例えば品質に基準を設けることも可能となる。また、販売先についても、どの企業に販売をすることも自由であり、条件に見合う顧客のみに限定して販売することも可能である。 特に重要な乳価については、当事者間で自由に契約することができるため、生産者としては経営の選択肢が広がり、収益性を向上させるチャンスとなる。また、乳業メーカーにとっては、「いつ」、「どこで」、「誰が」生産した生乳か、追跡しやすく(トレーサビリティが比較的容易)、産地指定の商品なども容易となる。昨今は、消費者の有機農業やカーボンファーミングなどへ関心も高まっており、これに則した生産方法などに限定した仕入及び商品開発も容易となる。自主流通事業者は、民間企業(協同組合含む)であるため、価格、取引先に制限がないことが最も大きな特徴と言える。 3. 酪農市場の成長に向けた課題 日本の酪農市場はさまざまな課題に直面している。第一の課題として、酪農家の販売先の選択肢が少ないことが挙げられる。最近では大規模化した酪農事業者や生産技術の向上によって高品質な生乳の生産が可能になるなど、多様な事業者が存在する一方で、販売先の選択肢は限定的である。販売先が少ないことで、価格競争が生まれない場合、価格が適正に設定されにくくなることが想定される。生乳を買い取る事業者が多数存在すれば、事業者間で価格競争も生まれ、生産者にとっては収益性を高める機会に繋がる。 第二の課題は、自社の経営努力により品質の良い生乳を生産しても、販売価格(乳価)が変わらない点である。乳価は仕向けられた用途によって決定するため、餌や飼育環境に資金を投入して品質の良い生乳を生産した場合でも乳価は変わらない。自助努力で乳価が変わらないため、生産者としては経済的なインセンティブがなく、持続的に成長させる必要性がなくなってしまう。さらに、昨今は生産コストも上昇しているが、そのコストを乳価に転嫁することができない。このような状況下では、設備投資や人材の確保など更なる投資の意欲を失ってしまい、長期的には生産量が減少し、酪農市場の衰退に繋がると考えられる。 上記のような課題に直面しているからこそ、酪農市場では新たな選択肢が求められている。その一つとして、自主流通の存在がある。新たな流通構造が構築されることで、生産者にさまざまなインセンティブが生まれ、市場の成長につながる可能性がある。 4. 自主流通事業者の先進事例とそこから得られる示唆 自主流通事業者の数はまだ多くはないと考えられるが、その中でも特に存在感を持つ事業者は、酪農市場の活性化に向けて独自の取り組みを行っている。本章ではその事例を取り上げたい。 (1) 高付加価値化商品の開発 【名称】 株式会社MMJ(以下、「MMJ」と記載)【所在地】 群馬県伊勢崎市【設立年】 2002年【代表者】 茂木 修一 MMJは、民間企業として日本で初めて酪農家から生乳を直接買い付け、乳業メーカーなどの各種事業者へ販売を行う生乳卸事業を始めた企業である。北海道をはじめ、東北、関東、中国、四国など日本各地から生乳を仕入れている。その独自に仕入れた生乳を活用することで、例えば2017年には大手食品スーパーのベイシアと協業して「別海のおいしい牛乳」という商品名のPBブランドを開発・販売している。これは、自主流通の特性を活かして、北海道別海町という特定の地域から仕入れた生乳のみを活用したブランドである。 第2章でも述べた通り、自主流通はどの酪農家から仕入れ、販売したかが明確であるため、生産者の顔が見える商品として人気を博している。その原料を活用して、牛乳のほかにもバウムクーヘン、飲むヨーグルト、あんドーナツ、ソフトキャンディーなど、幅広い商品の開発も行っており、「別海の美味しい牛乳シリーズ」として消費者に広く受け入れられている。 また、2020年頃からは、加工用として仕入れた生乳の高付加価値化にも取り組んでいる。先述の通り、加工向けの乳価は飲用よりも安いとされているが、MMJは通常と同じ価格で酪農事業者から生乳を買い付け、その付加価値を高めることで新たな事業の可能性を見出している。その一例として「フリーズドライ牛乳」がある。従来の粉乳とは異なり、より生乳に近い風味となるように加工しており、料理や菓子などにも活用できる。最近では海外からの輸出の引き合いも高まっており、価格は一般的な粉乳の5〜10倍程度で販売されている。 (2) オリジナルブランドの立ち上げと商品製造・販売 【名称】 ちえのわ事業協同組合(以下、「ちえのわ」と記載)【所在地】 北海道野付郡別海町【設立年】 2014年【代表者】 島崎 美昭 ちえのわは、酪農が盛んな北海道別海町で酪農業を営む4名の事業者が集まり、自分たちが生産した生乳の販売先や用途に選択肢を持たせたいという意向で事業をスタートした。現在では、根室地域だけでなく、釧路やオホーツクなど道東エリアの多数の酪農事業者がこの方針に賛同し、組合員も増加している。 ちえのわも、自主流通の特徴を活かして、特色のある牛乳の製造を行っている。例えば、商品のひとつである「浜中のおいしい牛乳」は神奈川県を中心に、「北海道別海の特選牛乳」は兵庫県を中心に販売されており、地域ごとに特色やパッケージ、ブランドを変えて製品を製造できていることは自主流通事業者の大きな特徴のひとつと言える。 また、当組合員が生産した生乳を活用してオリジナルブランド「NOWA」を立ち上げており、高品質な生乳のみを使用したソフトクリームやカップアイス、プリンなどを製造している。これらの商品は各小売スーパーへ販売されているほか、ふるさと納税でも人気を博している。また、他の取り組みとして、道内の円山牛乳販売店(株式会社ATTAKAIDOが運営)と協力し、菓子類の製造にも着手している。これらの商品はいずれも単価が他よりも高く設定されており、高付加価値商品の位置づけとなっている。 同組合に所属する全組合員がJGAP認証の取得を前提としており、品質も担保することで、消費者に対して、安心・安全な製品を届けることを実現している。 (3) 品質の保証による適正な価格による取引 【名称】 株式会社Milk Net(以下、「Milk Net」と記載)【所在地】 北海道釧路市【設立年】 2019年【代表者】 福田 貴仁 Milk Net代表の福田氏は自身も酪農業を営んでおり、酪農事業者、自主流通事業者のどちらの立場でもあり、生乳の生産から販売までの流通過程を最適化したいという思いの中で同社を設立している。同社の取り組みは商品開発の観点ではなく、前述の2社とは異なる視点での特徴を有する。 乳価については、乳業メーカーに対して柔軟に交渉を行っている。2022年には世界情勢の不安定化を背景に飼料費などの生産コストが暴騰したため、酪農事業者の生産活動を持続させることを目的に、乳業メーカーに対して乳価の値上げ交渉を行った。これは道内の自主流通事業者の中では初めての試みとなる(1kgあたり15円の値上げ)。 また、品質向上に対しても取り組みを行っている。同社は2022年に生乳の品質を自主検査するための機器を導入している。通常は乳業メーカー等が生乳の受け入れ時に検査をすることが一般的と言われる中で、自主的に検査をすることで品質を保証している。またその検査結果をもとに酪農事業者に対して餌の改善等の助言も行い、取り扱う原料の更なる品質向上に取り組んでいる。同社は生産者の持続的な発展、乳業メーカーに対しても安全性を担保することで、事業を拡大させている。 このように、自主流通事業者はそれぞれ独自の取り組みを行うことで、酪農事業者、乳業メーカー、消費者それぞれに対して今までの流通では実現することができなかった新たな価値を提供している。酪農事業者に対しては、経営の新たな選択肢を提供できる。生産者が安定的に高い乳価での販売を実現できれば、収益性が高まり、更なる事業拡大に繋がる。乳業メーカーに対しては、高品質でトレーサビリティが確保できるため、安全な原料の提供や、新たな商品開発による他社との差別化、仕入先の分散によるリスク回避などの機会を提供できる。消費者に対しても、乳業メーカーと協業することで、新商品や高品質な商品の選択肢、トレーサビリティを活かした安心・安全な商品を提供することができる。年々衰退していると言われる酪農市場であるが、自主流通の台頭により新たな価値提供がなされることで、市場が活性化し、成長の可能性を秘めている。 自主流通事業者の存在が酪農市場を活性化させると考えるが、指定団体は酪農市場においては非常に重要な役割を担っており、今後も欠かすことができない存在であることに変わりはない。自主流通事業者は民間企業であるため、生産された生乳を引き取る義務はないため、高い品質や事業における効率性を重視して取引を決めることができる。そのため、依然として小規模で家族経営の生産者が多く存在する中で、自主流通事業者の求める条件に合わなければ、生産した生乳を簡単には引き取ってもらえない可能性がある。このような状況になってしまうと、酪農市場全体として生乳の供給が不安定になり、消費者への乳製品供給が困難になるリスクが生じる可能性がある。そうならないためにも、指定団体が生産された生乳を引き取り、乳価交渉など一酪農家ではできない役割を担うことで、酪農家は安心して生産活動を行うことができる。今後の流通のあり方としては、自主流通事業者と指定団体が相互に補完し合い、酪農事業者に様々な選択肢を提供し、ともに酪農市場を支え、成長させることが重要であると考える。過去に青果や鮮魚において、生産者が価格を交渉できない農協及び卸売市場経由の取引から、民間の卸や流通事業者との直接取引に移行していった経緯があるが、今でも双方の取引が残り相互補完関係が残っている現状は、生乳流通においても参考になると思われる。 おわりに 本稿では深くは触れていないが、生乳から製造される製品は多岐にわたる。生乳は殺菌すると牛乳になり、遠心分離をすると生クリームと脱脂乳になる。更に生クリームから水分を抜けばバターが作られる。牛乳以外は何かの製品を作ると副次的に別の製品ができるため、それぞれの需要を踏まえて仕向ける割合を考慮する必要がある。また、前述の通り牛乳は季節や気候によって需要が変動する。しかし、生乳は毎日乳牛から生産されるため、工業製品のように需要が少ない時期だけ生産を減らすことはできない。そのため、すべてが価格の高い飲用に偏ってしまうと、需要の変動に対応できず、需給バランスを崩す原因となる。 また、日本は人口減少が進んでいるため、酪農市場の成長のためには海外市場の取り込みが必要不可欠である。ジーリーメディアグループが台湾人・香港人向けに実施した日本で飲みたいノンアルコール飲料のアンケート[1]では、牛乳が第1位という結果が出ており、海外市場にはまだ成長の可能性があると考えられる。 今後の酪農市場においては、指定団体が今まで培ってきたノウハウと自主流通が持つ新たなノウハウをうまく組み合わせて、新たな取り組みを実践することで、日本の酪農市場を成長させることに期待したい。 [1] ジーリーメディアグループ 「日本旅行で飲みたいノンアルコールの飲み物」に関するアンケート (掲載サイト)https://geelee.co.jp/11991/ ディスクレイマー 本資料は、ご参考のために野村證券株式会社が独自に作成したものです。本資料に関する事項について貴社が意思決定を行う場合には、事前に貴社の弁護士、会計士、税理士等にご確認いただきますようお願い申し上げます。本資料は、新聞その他の情報メディアによる報道、民間調査機関等による各種刊行物、インターネットホームページ、有価証券報告書及びプレスリリース等の情報に基づいて作成しておりますが、野村證券株式会社はそれらの情報を、独自の検証を行うことなく、そのまま利用しており、その正確性及び完全性に関して責任を負うものではありません。また、本資料のいかなる部分も一切の権利は野村證券株式会社に属しており、電子的または機械的な方法を問わず、いかなる目的であれ、無断で複製または転送等を行わないようお願い致します。 当社で取り扱う商品等へのご投資には、各商品等に所定の手数料等(国内株式取引の場合は約定代金に対して最大1.43%(税込み)(20万円以下の場合は、2,860円(税込み))の売買手数料、投資信託の場合は銘柄ごとに設定された購入時手数料(換金時手数料)および運用管理費用(信託報酬)等の諸経費、等)をご負担いただく場合があります。また、各商品等には価格の変動等による損失が生じるおそれがあります。商品ごとに手数料等およびリスクは異なりますので、当該商品等の契約締結前交付書面、上場有価証券等書面、目論見書、等をよくお読みください。 国内株式(国内REIT、国内ETF、国内ETN、国内インフラファンドを含む)の売買取引には、約定代金に対し最大1.43%(税込み)(20万円以下の場合は、2,860円(税込み))の売買手数料をいただきます。国内株式を相対取引(募集等を含む)によりご購入いただく場合は、購入対価のみお支払いいただきます。ただし、相対取引による売買においても、お客様との合意に基づき、別途手数料をいただくことがあります。国内株式は株価の変動により損失が生じるおそれがあります。 外国株式の売買取引には、売買金額(現地約定金額に現地手数料と税金等を買いの場合には加え、売りの場合には差し引いた額)に対し最大1.045%(税込み)(売買代金が75万円以下の場合は最大7,810円(税込み))の国内売買手数料をいただきます。外国の金融商品市場での現地手数料や税金等は国や地域により異なります。外国株式を相対取引(募集等を含む)によりご購入いただく場合は、購入対価のみお支払いいただきます。ただし、相対取引による売買においても、お客様との合意に基づき、別途手数料をいただくことがあります。外国株式は株価の変動および為替相場の変動等により損失が生じるおそれがあります。 野村證券株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商) 第142号 加入協会/日本証券業協会、一般社団法人 日本投資顧問業協会、一般社団法人 金融先物取引業協会、一般社団法人 第二種金融商品取引業協会