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日経平均株価、29日に38,000円台回復、この先上昇ペースが緩やかになる可能性も

※画像はイメージです。 ※2025年5月29日(木)引け後の情報に基づき作成しています。 日経平均株価、戻り待ちの売りが出やすい水準に 今週の日経平均株価は、トランプ政権の強硬的な関税政策に対する懸念の後退や円安進行を好感し、堅調に推移しました(5月29日時点)。 これまでの動きをチャートから振り返ってみましょう。日経平均株価は、5月13日高値(38,494円)形成後に、短期的な過熱感や円高・ドル安が進展したことから押しを入れました。 ただ、5月22日に37,000円を割り込んだ後で反発に転じ、29日には再び200日移動平均線(5月29日:37,795円)を回復し、13日戻り高値に接近しています。この先、5月13日高値を上放れとなれば、心理的フシの40,000円や昨年12月高値(ザラバベース:40,398円)の水準が次の上値メドとして挙げられます(図1)。 一方で、昨年10月から今年2月にかけて長期間続いた保ち合いレンジ(37,700~40,300円)に入っており、5月13日の戻り高値更新後は戻り待ちの売りが出やすいとみられます。このため、上昇のペースが緩やかになることも考えられます。 再度押しを入れる場合は、上向きの25日移動平均線(5月29日:36,942円)が下支えとなるか注目されます。 ※(アプリでご覧の方)2本の指で画面に触れながら広げていくと、画面が拡大表示されます。 (注1)直近値は2025年5月29日時点。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成 為替の歴史から学ぶ プラザ合意、その時相場は? トランプ政権は具体的な通貨政策を示していないものの、市場では第二のプラザ合意の可能性が懸念されています。米ドルは戦後、1971年のニクソンショックと1985年のプラザ合意で二度の大幅な通貨切り下げを経験しました。本稿ではプラザ合意時の相場動向を振り返ります(図2)。 プラザ合意は、1985年9月22日に米国、日本、西ドイツ、フランス、英国の主要5か国が、過度な米ドル高を是正するために協調してドル安を目指すことを決めた国際的な取り決めです。背景には、米国が深刻な貿易赤字を抱えていたことがありました。この合意以降、大幅なドル安が進行しました。しかし、当初想定していた以上にドル安が進行したため1987年にはパリでルーブル合意が結ばれ、行き過ぎたドル安を是正するための対応が講じられました。 プラザ合意後、大幅な円高が進行したことで日本の輸出競争力が低下し、円高不況に陥りましたが、株価への影響は限定的でした。日本銀行は円高不況からの脱却と為替相場の安定のために、公定歩合の引き下げを次々に実施しました。これにより、いわゆる「超低金利」の環境が生まれます。この環境下で株価や不動産価格が急騰し、結果的に昭和末期のバブル経済へとつながりました。株価の上昇は1989年12月まで続き、日経平均株価は歴史的高値の38,915円をつけました。 なお、1985年と2025年では経済環境が大きく異なり、単純比較は困難です。ただ、過去の事例が現在を理解する一助になれば幸いです。 (注1)出来事はすべてを網羅している訳ではない。赤い点線丸印はプラザ合意時。下落率は直前の高値から計算。(出所)ブルームバーグ、各種資料より野村證券投資情報部作成 (野村證券投資情報部 岩本 竜太郎) 【FINTOS!編集部発行】野村オリジナル記事配信スケジュールはこちら ご投資にあたっての注意点

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