特集
458件
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01/28 08:29
【野村の朝解説】中国低コストAIの脅威で米半導体株急落(1/28)
(注)画像はイメージです。 海外市場の振り返り 27日の米国株市場は、半導体関連株を中心に急落しました。経済指標では、ドイツの1月ifo景況感指数が85.1と12月の84.7を上回り、米国の2024年12月新築住宅販売件数は69.8万件と、11月の67.4万件を上回りました。株式市場は、前週末に中国のAI開発企業DeepSeek(ディープシーク)社の生成AIが、低コストのAI開発によって米国大手テクノロジー企業の脅威になると報じられており、コスト面での競争優位性への懸念から、27日は半導体関連株を中心に大きく下落しました。AI半導体大手エヌビディアの株価は前日比-16.96%となり、時価総額は5,890億米ドル(約91兆円)減と、個別企業として過去最大の時価総額の消失となりました。この他、ブロードコムが同-17.39%、アームHDが同-10.18%、AMDが同-6.37%と半導体株は軒並み急落しました。一方、AIを利用してデジタルサービスを提供するクラウド企業は、セールスフォースが同+3.95%、ワークデイが同+2.29%、サービスナウが同+1.39%と上昇しており、米テクノロジー関連株すべてが下落した訳ではありません。ナスダック総合指数は大きく下落したものの、NYダウは反発して引けました。 相場の注目点 27日引け後の決算発表で、ファナックや日東電工は2025.3期通期営業利益の従来の会社予想を上方修正しました。27日の日本株市場で、中国の低コストAIは報道済みですが、米半導体株急落から日本株が更に調整するかが注目されます。 本日のイベント 日本は、引け後に日清製粉グループ本社の決算が発表されます。28~29日にかけて、米国の金融政策を決定するFOMCが開催されます。市場予想からは、政策金利の据え置きが予想されています。 (野村證券 投資情報部 小髙 貴久) (注)データは日本時間2025年1月28日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。 野村オリジナル記事の配信スケジュール ご投資にあたっての注意点
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01/27 18:00
【週間ランキング】日本株の値上がり/値下がり銘柄は?(1月第4週)
※画像はイメージです。 日本主要銘柄・株価騰落率ランキング(上位) 2025年1月第4週(2025年1月17日~1月24日) 2025年1月月間(2024年12月31日~1月24日) 2024年年間(2023年12月29日~2024年12月31日) (注)対象はTOPIX500、直近値は2025年1月24日。(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成 日本主要銘柄・株価騰落率ランキング(下位) 2025年1月第4週(2025年1月17日~1月24日) 2025年1月月間(2024年12月31日~1月24日) 2024年年間(2023年12月29日~2024年12月31日) (注)対象はTOPIX500、直近値は2025年1月24日。(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成 <参考>今週の日本株式市場パフォーマンス 主要指数 TOPIX: 東証33業種 (注)業種分類は東証33業種ベース。直近値は2025年1月24日時点。(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成 ご投資にあたっての注意点
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01/27 16:39
【野村の夕解説】半導体株と電線株の反落で、日経平均は366円安(1/27)
(注)画像はイメージです。 本日の動き 24日の米国市場では、1月サービス業PMI、1月ミシガン大学消費者センチメント確定値が市場予想を下回り、米国長期金利が低下しました。また、23日引け後に発表された米半導体大手テキサス・インスツルメンツの決算が嫌気され、米国半導体株が下落しました。米国株安を受けて、本日の日経平均株価は寄り付きは上昇して始まったものの、10分ほどで下落に転じました。半導体関連株や、トランプ米大統領がAI開発に巨額投資を行うと発表したのを契機に急騰してきた電線株が大幅安し、日経平均株価を下押ししました。取引時間中、不法移民の受け入れの合意に達したことから、米国が発表していたコロンビアに対する25%の関税賦課を撤回したことで、円高進行が一服しました。日経平均株価も後場に入って下げ幅を縮小する場面がありましたが、引けにかけて再度下げ幅を広げ、大引けは前週末比366円安の39,565円となりました。一方、日銀の利上げを受けて銀行株は上昇し、三菱UFJフィナンシャル・グループは一時19年ぶりに上場来高値を上回りました。 本日の市場動向 ランキング 本日のチャート (注) データは15時45分頃。米ドル/円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。米ドル/円は11:30~12:30の間は表示していない。(出所)Quickより野村證券投資情報部作成 今後の注目点 本日、米国で12月新築住宅販売件数が発表されます。24日に発表された12月中古住宅販売件数に続き、米国住宅市場に回復がみられるか注目されます。 (野村證券投資情報部 秋山 渉) ご投資にあたっての注意点
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01/27 08:52
【野村の朝解説】米国主要3指数は揃って5営業日ぶり反落(1/27)
(注)画像はイメージです。 海外市場の振り返り トランプ大統領就任や日銀の金融政策決定会合を無難に通過し、過度な警戒感が後退した事が前週の株式市場の追い風となりました。米国主要3指数は17日以降23日まで揃って4営業日続伸しましたが、NYダウは4営業日で1,400ドル超上昇した事による短期的な過熱感や、やや軟調な経済指標の結果から下落し、24日は5営業日ぶりに3指数揃って反落となりました。 相場の注目点 前週の為替市場や債券市場は小幅な変動となりましたが、今週は米国をはじめユーロ圏やカナダ、ブラジル、南アフリカで金融政策決定会合が開催されます。29日(水)に結果が発表されるFOMCでは政策金利の据え置きが有力視されていますが、前週に続いてトランプ大統領の発言やSNSへの投稿による影響も大きいと思われます。今週はマイクロソフト、テスラ、メタ・プラットフォームズ、アップルなど米国の主力企業の決算が発表されますが、日米の企業業績の動向も注目されます。本日は昨年12月27日の終値40,281.16円あたりでは、上値の重さも想定されており、これを上回り昨年7月以来の水準となるか注目されています。 本日のイベント 本日より日本の国会では、石破首相の施政方針演説に対する各党代表質問が行われます。他、ファナックなどの企業が決算発表を予定しています。中国では1月政府版PMIが発表され、米国では12月新築住宅販売件数が発表されます。 (野村證券 投資情報部 神谷 和男) (注)データは日本時間2025年1月27日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。 野村オリジナル記事の配信スケジュール ご投資にあたっての注意点
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01/26 09:00
【動画 3分チャート塾】シーズンⅢ:第6回 これも知っておきたい:押し率
「動画 3分チャート塾」は、株価チャートの見方を学びたい初心者から中級者の方向けの動画シリーズです。 今回は主に、押し率に注目したメドの探り方について、説明しています。 シーズン I:意外と知らないローソク足(全8回)ローソク足の基本の読み方や中長期的な相場の捉え方などについてわかりやすく解説していきます。シーズンII:相場の見方の強い味方、移動平均線(全9回)移動平均線の基礎や活用法についてわかりやすく解説していきます。シーズンIII:上値、下値のメドを探ろう(全10回)上値、下値メドの探り方についてわかりやすく解説していきます。シーズンIV:相場の過熱感を測るには?(全9回)オシレーター系指標についてわかりやすく解説していきます。シーズンV:トレンドラインを引いてみよう(全9回)トレンドラインについてわかりやすく解説していきます。 ご投資にあたっての注意点
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01/25 19:00
【来週の米国株】テスラなど決算発表/FOMCはトランプ相場に乱気流?(1/25)
※執筆時点 日本時間1月24日(金)12:00 今週の振り返り ※1月17日(金)- 1月23日(木)3営業日(20日はキング牧師記念日で休場)の騰落 20日(月)にトランプ新大統領の就任式が開かれました。就任初日にメキシコ、カナダに対する25%の関税等、関税発動に関する大統領令に署名するのではとの警戒感がありましたが、就任演説や、当日公表された「米国第一の優先課題」は、2024年の大統領・議会選挙で繰り返し主張されてきた公約に沿った内容に留まりました。市場には安心感が広がり、米国株の主要3指数は揃って上昇しました。 ソフトバンクグループとオラクルおよびオープンAIによる米国内への4年間で5000億ドルのAI関連投資の発表、ダボス会議でのトランプ新大統領によるOPEC(石油輸出国機構)に対する原油価格の引き下げ要請等、ポジティブなニュースフローが週を通して株式市場への追い風となりました。 来週①:FOMCはリスクか? 23日(木)-24日(金)に開催された日銀会合では0.25%ポイントの利上げが決定されましたが、利上げは事前に広く予想されていたことから株価への影響は比較的小さなものにとどまりました。一方、来週29日(水)のFOMC(米連邦公開市場委員会)には注意が必要です。S&P500の向こう数週間の期日別オプションプレミアムを見ると、今週中は下方リスクを警戒している模様です。来週のFOMCでは金利据え置きがコンセンサスであることもあり、来週は警戒度が低くなっています。このため予想外に利下げが実施されたり、今後の利下げパスに関して声明や議長会見で想定以上にタカ派的(利下げに消極的)もしくはハト派的(利下げに積極的)な発言が聞かれた場合には市場にサプライズと受け止められる可能性があります。 据え置きの場合でも声明次第で株高/株安に 2018年以降のFOMCにおいて、政策金利据え置きの際の米国株価指数の反応を見ると、声明がハト派的な際の株高と、タカ派的な際の株安といったコントラストが目立っています。 注: 2018年以降のFOMCで政策金利が据え置かれた34回中、声明文のトーンがタカ派的であった11回、ハト派的であった11回、中立的であった12回に分けて株価指数の平均的な動きを算出。ハト派・タカ派・中立派はブルームバーグのLLM(大規模言語モデル)が判定。出所: ブルームバーグ、野村證券市場戦略リサーチ部より野村投資情報部作成 FOMC声明文で、足元の堅調な景気指標が強調されるのか、それとも2024年12月CPI(消費者物価指数)の落ち着きや先行きのインフレ抑制見通しが強調されるか、そして今後の利下げ停止の可能性などが焦点となりそうです。 25年は24年よりもややハト派的か 注)野村セキュリティーズ・インターナショナルの政策姿勢についての評価。「FRB」は本部理事、地名は地区連銀名。「V」は25年の投票権を持つFOMC参加者であることを示す。FRB本部理事とニューヨーク連銀総裁は常に投票権を持つ。「26年」は2026年に投票権をもつことをを示す。フィラデルフィア連銀ハーカー総裁は25年6月に退任予定。出所: 野村セキュリティズ・インターナショナルより野村証券投資情報部作成 FOMCでは常に投票権を持つFRB(米連邦準備理事会)議長・副議長・理事・ニューヨーク連銀総裁に加え、地区連銀総裁が輪番制で投票権を持つ仕組みになっています。投票権を持つ地区連銀総裁では、クリーブランド連銀ハマック総裁に代わり、カンザスシティ連銀のシュミッド総裁が投票メンバーとなるため、引き続き強力なタカ派的なメンバーが1名いることになります。しかし、2024年にタカ派的だったリッチモンド連銀バーキン総裁、アトランタ連銀ボスティック総裁、サンフランシスコ連銀デイリー総裁の3名に代えて、タカ派(セントルイス連銀ムサレム総裁)、中道派(ボストン連銀コリンズ総裁)、超ハト派(シカゴ連銀グルースビー総裁)が2025年の投票メンバーとなるため、全体としてはややハト派化します。 こうしたメンバー変更が、前述の声明文にどの程度影響しているのかに関心が集まります。 来週②:テスラ・マイクロソフトなど決算本格化 30日(木)にマイクロソフト(MSFT)、テスラ(TSLA)、メタ・プラットフォームズ(META)、サービスナウ(NOW)、31日(金)にアップル(AAPL)、ビザ(V)など多くの銘柄が2024年10-12月期決算を発表します。 新政権の政策は企業向けソフトウェアに有利か トランプ新大統領が掲げる政策は、関税政策やエネルギー政策など相対的に米国内の中小企業に有利な政策を多く含みます。2025年は中小企業が一般業務で利用する企業向けソフトウェアに支出を振り向けることも大いに考えられます。マイクロソフトやサービスナウの見通しや経営陣のコメントに変化があるかを確認したいと考えます。 冬続く自動車業界 また、テスラに関しては消費鈍化や高止まりする自動車ローン金利の影響で厳しい自動車業界の中で堅調さを見せられるかに注目が集まります。2024年10-12月期の納入台数は既に発表されており、市場予想を2%ほど下回り、平均販売価格は前四半期比2,000ドルほど下落しています。ただ同社の業績は蓄電池をはじめとするエネルギー事業が高い粗利益率(約30%)が下支えすることで維持されている側面もあり、同部門の動向も併せて確認したいと考えます。 オンライン広告は製品構成の変化に注目 メタ・プラットフォームズなどのオンライン広告を手掛ける企業では、大きな環境変化はないものの、プロダクト構成の変化(例えば、フェイスブック上での短時間動画が占める構成の変化)や、X(旧twitter)に対抗して作られたThreadsの収益化など、ビジネスモデルの変化点が企業利益につながっているかが注目されます。 (投資情報部 デジタル・コンテンツ課) ご投資にあたっての注意点 要約編集元アナリストレポートについて 野村オリジナル記事の配信スケジュール
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01/25 16:00
【#大阪万博開催】AI抽出15銘柄/西鉄、リログループ、阪急阪神など
いのち輝く未来社会のデザイン! 大阪・関西万博開催まで100日切る 大阪・関西万博(日本国際博覧会)がいよいよ開催まで100日を切り、2025年4月13日からの開幕に向けた期待が高まっています。「いのち輝く未来社会のデザイン」というテーマのもと、158の国と地域が参加予定で、多様な文化や技術が集結します。この国際的なイベントは、地域の活性化のみならず、日本全体の経済振興にも寄与することが期待されています。AI「xenoBrain」は、「大阪・関西万博開催」が他のシナリオにも波及する可能性を考慮し、影響が及ぶ可能性のある15銘柄を選出しました。 ※ xenoBrain 業績シナリオの読み方 (注1)本分析結果は、株式会社xenodata lab.が開発・運営する経済予測専門のクラウドサービス『xenoBrain』を通じて情報を抽出したものです。『xenoBrain』は業界専門誌や有力な経済紙、公開されている統計データ、有価証券報告書等の開示資料、及び、xenodata lab.のアナリストリサーチをデータソースとして、独自のアルゴリズムを通じて自動で出力された財務データに関する予測結果であり、株価へのインプリケーションや投資判断、推奨を含むものではございません。(注2)『xenoBrain』とは、ニュース、統計データ、信用調査報告書、開示資料等、様々な経済データを独自のAI(自然言語処理、ディープラーニング等)により解析し、企業の業績、業界の動向、株式相場やコモディティ相場など、様々な経済予測を提供する、企業向け分析プラットフォームです。(注3)母集団はTOPIX500採用銘柄。xenoBrainのデータは2025年1月7日時点。(注4)画像はイメージ。(出所)xenoBrainより野村證券投資情報部作成 ご投資にあたっての注意点
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01/25 12:00
【注目トピック】日本企業のV字回復は実現可能か 業種によって明暗が分かれると見る
※画像はイメージです。 日本:2024年10-12月期決算プレビュー 2024年10-12月期決算発表が始まる 2024年10-12月期決算の発表が1月下旬より本格化します。2025年1月6日時点での、ラッセル野村Large Cap(除く金融)のコンセンサス予想は、2.2%増収(前年同期比)、同3.8%営業減益となっています。2024年7-9月期に比較して、増収率、営業増益率ともに減速が予想されています。 ※(アプリでご覧の方)2本の指で画面に触れながら広げていくと、画面が拡大表示されます。 (注1)ラッセル野村Large Cap(除く金融)の四半期・増収率および営業増益率、経常増益率の推移。(注2)2024年7-9月期までは実績値、2024年10-12月期以降は、2025年1月6日時点のQUICKコンセンサス予想が存在する企業のみで集計している。(注3)ソフトバンクグループを集計から除外している。2024年1-3月期以降はさらに公益セクターに属する企業を除外している。(出所)QUICKなどより野村證券投資情報部作成 2024年度は期初段階では、中国での在庫調整の進展などにより、生産財や資本財の回復が期待されていましたが、結果的には不発に終わり年度を通じて増収率、増益率ともにスローダウンを余儀なくされました。 四半期ベースの企業業績は、余程の事業環境の急変が無い限り、事前の市場コンセンサスを数%ポイント上回って着地しますが、それを考慮しても、今回の2024年10-12月期決算を通じて2024年度期初以来の減速感を払しょくすることは難しいでしょう。 一方、スタートしたばかりの2025年1-3月期は、同2.4%増収、同18.7%営業増益が見込まれています。 2025年1-3月期のV字回復の可能性 トップダウンの観点から、2025年1-3月期のV字型回復の実現可能性についてみてみましょう。 企業業績に非常に大きな影響力をもつ鉱工業生産は2023年7-9月期以降1年以上にわたりマイナスとなり、業績押下げ要因となりました。為替も、日米の金利差縮小が意識されるようになり、2023年度のような一方的な円安米ドル高の進展とはなりませんでした。 2025年1-3月期は、自動車を中心に生産活動の活発化が見込まれ、久しぶりに大幅な増益が期待できそうです。業績に限らず、減速局面での将来のV字回復予想は蓋然性が低いと捉えられがちですが、今回は既に前年同期の水準が1年超にわたって低いことから、生産増を理由にした業績回復のハードルは低そうです。 (注1)ラッセル野村Large Cap(除く金融)の営業増益率の四半期の推移。2024年7-9月期までは実績値、2024年10-12月期以降はトップダウン(マクロ前提)による試算値。2024年10-12月期以降の鉱工業生産は2025年1月20日時点の野村證券経済調査部による予想、2025年1-3月期以降の為替は150円/米ドル、その他の要因は考慮していない。(注2)積み上げグラフは、営業増益率を、生産要因、為替要因、残差(その他)に分解したもの。1%の生産増加で4%、1円/米ドルの円安で0.4%弱、営業利益が増加すると仮定している。残差(その他)には、マージンの改善、イレギュラーなコストの発生に伴う利益変動、などの要因が含まれる。(出所)野村證券投資情報部作成 製造業で苦戦する業種も 2024年10-12月期の業種別にみた営業利益増減益寄与額では、生産活動の停滞を反映して輸出型の製造業のほとんどが減益になると見られています。一方、内需・サービス型の業種で大幅な減益を見込む業種はほとんどありません。また、ここ数四半期は内需・サービス型の業種で、コスト増分の転嫁が順調に進んでいることから、2024年10-12月期業績は内需・サービス型業種がけん引する可能性が高いでしょう。 (注)ラッセル野村Large Cap(除く金融)の営業利益の、四半期・業種別増減益寄与額の推移。2025年1月6日時点の市場コンセンサス予想で、コンセンサス予想が存在している企業のみ集計している。(出所)野村證券投資情報部作成 一方、2025年1-3月期は、鉄鋼・非鉄を除く輸出型製造業が増益に転換し、内需・サービス型業種でも引き続き増益が見込まれています。久しぶりに、多くの業種が全体の業績を押し上げる構図が期待されます。 2025年1-3月期は業種選別が重要に 2024年12月末に経済産業省より発表された、業種別の鉱工業予測指数に基づけば、2025年1月は輸送機械の大幅な生産増が見込まれています。型式認証不正問題で停滞していた自動車生産は2025年に入り本格的な回復の可能性が高まっています。 (注1)積み上げグラフは2024年12月時点での、2024年12月(灰色)および2025年1月(赤色)の業種別生産予測指数(前月比)。(注2)折れ線グラフは、2024年12月および2025年1月の予測指数の合計。合計値の低い順に表示している。(出所)経済産業省より野村證券投資情報部作成 また、予測では電子部品・デバイスや化学でも生産増が見込まれています。これらの業種では、情報機器や工作機械など資本財の不振をうけて、在庫調整を粘り強く進めてきました。2024年末の段階で、出荷・在庫のバランスは正常な状態に近づいており、生産活動回復の時期を模索する局面に近づいていると考えられます。 一方、素材系の業種では生産回復の足取りは鈍そうです。中国のデフレ輸出の影響が大きい業種でもあり、警戒が必要でしょう。2025年1-3月期は生産活動の回復により全体としては久しぶりに大きな増益率が達成される可能性が高まっていますが、業種ごとの景況感格差はかなり大きくなりそうです。 (野村證券投資情報部 伊藤 高志) ご投資にあたっての注意点
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01/25 09:00
【オピニオン】米大手銀行に好景気・高金利の追い風が吹く
※画像はイメージです。 2025年1月中旬に発表された米大手3行(JPモルガン・チェース、バンク・オブ・アメリカ、シティグループ)の2024年10-12月期の決算は、各行とも純収益と調整後1株利益が前年同期比で増加し、市場予想を上回りました。金融機関の決算内容については、下記の2点が注目されていました。 ①純金利収益②貸倒率 米大手3行の2024年10-12月期の純金利収益実績は、それぞれ市場予想を上回りました。下図の赤色の線の3行の純金利収益は、過去においては米長期金利水準との相関が高いといえそうです。2024年9月以降の金利上昇が純金利収益の増加に寄与したと考えられます。 (注)米大手3行は、JPモルガン・チェース、バンク・オブ・アメリカ、シティグループ。米大手3行の純金利収益のデータは四半期毎で直近値は2024年10-12月期時点で、2025年以降はLSEG集計による2025年1月16日時点の市場予想平均。米10年国債利回りのデータは日次で直近値は2025年1月16日時点。(出所)LSEGより野村證券投資情報部作成 JPモルガン・チェースは2024年9月に、FRBによる利下げや長期金利の低下を背景に、2025年12月期通期の同社に対する市場の純金利収益の見通しは楽観的過ぎる、とコメントし、同社の株価は下落しました。2025年1月の2024年10-12月期の決算発表時に同社が示した2025年12月期通期の純金利収益は940億ドルと、市場予想に反し2024年通期の931億ドルから増加する見通しです。 非金利収益は米大手3行合計では、投資銀行部門は投資助言や株式引受が堅調で前年同期比、前四半期比とも増収でした。また、トレーディング部門は前年同期比では増収で、前四半期比ではやや減収でした。堅調な企業のアクティビティが好調の背景にあると考えられます。 JPモルガン・チェースの2024年10-12月期の貸倒率は全社ベースでは0.73%で、市場では2025年末にかけて低下すると予想されています。また、カード事業の貸倒率について同社は、2024年12月期通期の3.34%から2025年通期は3.6%程度に上昇するとの見通しを示しました。市場の一部で懸念された貸倒率急上昇の兆候は今のところ見られません。 下図は、米国の民間非金融部門債務の対GDP比率と米家計利払い額の対可処分所得比率です。いずれも分母のGDPと可処分所得の増加により、コロナ禍前の水準を下回っています。過去との比較では、信用の過剰な膨張期、いわゆるバブルのピークの状況にはないと考えられます。 (注)米民間債務は企業部門と家計部門の両方を含む。 (出所)BIS、FRBより野村證券投資情報部作成 好景気により金利が高止まりし、堅調な雇用環境などによりローン支払い能力が維持される状況の継続は、金融機関の業績には追い風といえそうです。 ご投資にあたっての注意点