特集
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09/05 08:25
【野村の朝解説】米景気の減速を懸念、ドル円は143円台へ(9/5)
(注)画像はイメージです。 海外市場の振り返り 9月4日の米国株式市場では、NYダウは反発した一方、S&P500指数、ナスダック総合指数は続落となりました。米国労働市場の冷え込みを示す経済指標を受け、米国景気減速への懸念が高まりました。FRBによる利下げペースが加速するとの見方から米国金利は低下し、為替市場では1ドル=143円台半ばへと円高ドル安が進行しています。 相場の注目点 足元で市場の焦点となっているのは米国の景気動向です。4日に発表された7月JOLTS米求人件数は767.3万件と市場予想(810.0万件)を下振れ、2021年1月以来の水準に低下しました。レイオフ件数も176.2万件と2023年3月以来の高水準となっています。また、同日発表のベージュブックでは、経済活動が横ばいあるいは低下とした地区が9地区に上り、前回の5地区から増加しました。本日も8月ISMサービス業景気指数や8月ADP全米雇用レポート、週間新規失業保険申請件数といった米国経済指標の発表が予定されています。仮に、これらの結果が軟調なものとなれば、9月FOMCにおいて0.5%ポイントの利下げが実施されるとの見方が強まる可能性があり、さらに円高ドル安が進行するとみられます。 本日のイベント 日銀の高田審議委員が講演を行います。講演では、タカ派的な姿勢が示され、年内利上げへの期待が維持されるとみられていますが、為替動向を見極めるうえで注目されます。その他、EIA(米エネルギー情報局)が週間石油在庫統計を発表します。4日にはWTI原油先物価格が9ヶ月ぶりの安値を付ける中、注目されます。 (投資情報部 大坂 隼矢) (注)データは日本時間2024年9月5日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。 野村オリジナル記事の配信スケジュール ご投資にあたっての注意点
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09/04 08:33
【野村の朝解説】半導体関連を中心に米国株安(9/4)
(注)画像はイメージです。 海外市場の振り返り 米国で9月3日に発表された7月ISM製造業指数は47.2と、前月の46.8を上回ったものの低い水準にとどまりました。生産や新規受注が前月より低下し、米国経済に対する悲観的な見方が強まり、米国株の重石となりました。半導体を中心に下落が広がり、個別銘柄ではインテルがNYダウ構成銘柄から除外されるのではとの観測報道を受け、株価は前日比-8.80%と大きく下落しました。エヌビディアも同-9.52%と急落しています。同社については、司法省がAI半導体の販売における優先的地位の乱用に対して反トラスト法の調査を本格化させたと報じられています。この他、ハリス副大統領が日本製鉄によるUSスチール買収について否定的な発言を行ったことから、USスチールの株価は同-6.09%の下落となりました。米国株式市場は寄り付きから下落トレンドが続き、株価主要3指数は安値付近で引けました。VIX指数は20.72と、市場のボラティリティー(変動率)に対する懸念の節目とされる20を上回りました。20超えは8月12日以来となります。 相場の注目点 米国では半導体関連を中心に株価が下落し、米ドル円相場も3日の15:00時点から4日8:00時点で1円程度円高に振れています。CME日経225先物は38,000円の大台を下回っており、4日の日本株市場は軟調な展開が予想されます。 本日のイベント 本日から6日にかけて台湾で半導体に関する展示会のセミコン台湾が開催されます。米国では7月統計の貿易統計、雇用動態調査(JOLTS)、製造業受注に加え、9月17-18日に開催されるFOMCで参考にされる米国の経済状況を分析した米地区連銀経済報告(ベージュブック)が発表されます。 (投資情報部 小髙 貴久) (注)データは日本時間2024年9月4日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。 野村オリジナル記事の配信スケジュール ご投資にあたっての注意点
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09/03 16:19
【野村の夕解説】対中半導体規制に対する報復懸念から、日経平均は反落 (9/3)
(注)画像はイメージです。 本日の動き 今晩発表が予定されている米国8月のISM製造業指数への警戒感から、外国為替市場で1米ドル=146円台後半と円安・米ドル高が進んだことを受けて、日経平均株価は前日比44円高の38,745円で本日の取引を開始しました。寄り付き後も、為替市場で円安が一段と進むにつれて日経平均株価は上昇し、上げ幅は一時前日比266円高まで拡大しました。しかし、円安進行が一服すると徐々に上げ幅を縮小し、前日比86円高の38,787円で午前の取引を終えました。その後は、一部報道による半導体規制措置に対する中国の報復措置への懸念が改めて意識され、東京エレクトロンなどの半導体関連株が日経平均株価を押し下げました。その後も上値を追う動きは限られ、前日比14円安の38,686円で本日の取引を終えました。東証プライム市場の売買代金は3兆3,167億円と低調な水準でした。 本日の市場動向 ランキング 本日のチャート (注)データは15時15分頃。ドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。(出所)Quickより野村證券投資情報部作成 今後の注目点 本日、米国で8月のISM製造業景気指数が発表されます。9月17-18日に開かれるFOMC(連邦公開市場委員会)を前に、米国経済の動向を見極める経済指標の一つとして、注目されます。 (野村證券投資情報部 秋山 渉) ご投資にあたっての注意点
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09/03 08:45
【野村の朝解説】材料に欠く中、米経済への警戒強まる (9/3)
(注)画像はイメージです。 海外市場の振り返り 9月2日の米国市場はレイバー・デーの祝日のため、休場でした。8月31日に発表された中国の8月政府版製造業PMI(購買担当者景気指数)は49.1と前月比0.3ポイント低下し市場予想を下回った一方で、中国メディア財新版が発表した8月の製造業PMIは50.4となり、市場予想を上回りました。強弱まちまちとなりましたが、景気の先行き不安が払しょくされることはなく、上海総合指数は終値ベースで2月6日以来、約7ヶ月ぶりの安値を更新しました。中国景気への懸念が高まる中、9月2日に発表されたユーロ圏製造業PMIはそれぞれ速報値から上方修正され、市場予想を上回りました。好悪材料が拮抗し、欧州の主要株価指数は前週末近辺での小動きとなりました。 相場の注目点 9月17ー18日に開催されるFOMC(米連邦公開市場委員会)での利下げ幅を巡って市場の思惑が交錯しています。 0.25%ポイントの利下げが有力ですが、0.5%ポイントの利下げも相当程度予想されています。本日、米国では8月ISM製造業景気指数が発表されますが、前月発表された7月ISM製造業景気指数は8ヶ月ぶりの大幅な活動縮小を示し米国株の大幅下落につながったことから注意が必要です。 本日のイベント 本日、日本の引け後にファーストリテイリング傘下衣料小売りユニクロの8月国内売上高発表が予定されています。日経平均株価への影響が大きいファーストリテイリングの業績動向が注目されています。 (投資情報部 神谷 和男) (注)データは日本時間2024年9月3日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。 野村オリジナル記事の配信スケジュール ご投資にあたっての注意点
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09/02 18:00
【週間ランキング】日本株の値上がり/値下がり銘柄は?(8月第5週)
※画像はイメージです。 日本主要銘柄・株価騰落率ランキング(上位) 2024年8月第5週(2024年8月23日~8月30日) 2024年8月月間(2024年7月31日~8月30日) 2024年年間(2023年12月29日~2024年8月30日) (注)対象はTOPIX500、直近値は2024年8月30日。(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成 日本主要銘柄・株価騰落率ランキング(下位) 2024年8月第5週(2024年8月23日~8月30日) 2024年8月月間(2024年7月31日~8月30日) 2024年年間(2023年12月29日~2024年8月30日) (注)対象はTOPIX500、直近値は2024年8月30日。(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成 <参考>今週の日本株式市場パフォーマンス 主要指数 TOPIX: 東証33業種 (注)業種分類は東証33業種ベース。直近値は2024年8月30日時点。(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成 ご投資にあたっての注意点
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09/02 16:04
【野村の夕解説】日経平均株価、1ヶ月ぶりの39,000円回復も維持できず (9/2)
(注)画像はイメージです。 本日の動き 前週末に発表された経済指標が米国のインフレ減速と消費堅調を示し、米国景気悪化懸念が後退し、米株主要3指数は揃って上昇しました。週明けの日経平均株価は前営業日比377円高の39,025円と取引時間中では7月31日以来約1ヶ月ぶりに39,000円を上回って取引を開始しました。9月のFOMC(連邦公開市場委員会)での大幅利下げ観測が後退し米国の長期金利は上昇、日米金利差の拡大から米ドル高円安が進行し146円を超える円安進行も追い風となりました。しかし、39,000円台では高値警戒感が強く、円安進行も一服したことから上げ幅を縮小し、一時は下げに転じる場面もありました。新規の買い材料に欠く中で前営業日終値近辺で下げ渋った日経平均株価は、前週末比53円高の38,700円と小幅に続伸して本日の取引を終えました。アップルが9月9日に開くイベントで新型のiPhone(アイフォーン)を発表すると見込まれておりiPhoneに関わる受注が増えるとの期待から、TDKが前週末比+2.72%、京セラは同+2.11%、村田製作所は+2.30%とアップル関連銘柄の上昇が目立ちました。 本日の市場動向 ランキング 本日のチャート (注)データは15時15分頃。ドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。(出所)Quickより野村證券投資情報部作成 今後の注目点 本日米国はレイバーデーで休場です。明日3日の8月ISM製造業指数をはじめ、米国では今週重要統計の発表が相次ぎます。総じて堅調な結果が予想されていますが、9月FOMCを控えて注目は高まっています。 (野村證券投資情報部 神谷 和男) ご投資にあたっての注意点
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09/02 08:24
【野村の朝解説】景気堅調、インフレ減速で米国株上昇 (9/2)
(注)画像はイメージです。 海外市場の振り返り 8月30日の米国株式市場で、主要3指数は揃って上昇し、NYダウは史上最高値を更新しました。注目された7月米個人消費・所得統計ではPCEコア価格指数は概ね市場予想通りに減速した一方、個人消費支出が堅調に推移するなど、米国の景気悪化への懸念が後退したことが株価を押し上げました。 相場の注目点 米国では9月3日(火)に8月ISM製造業景気指数、4日(水)に地区連銀経済報告(ベージュブック)、5日(木)に8月ADP全米雇用レポート、8月ISMサービス業景気指数、6日(金)に8月雇用統計と重要統計の発表が続きます。これら指標で米国景気に底堅さとインフレの鎮静化傾向が確認され、米国経済のソフトランディングへの期待が強まれば、S&P500指数も史上最高値を更新する可能性が考えられます。金融政策関連では4日に地区連銀経済報告、いわゆるベージュブックが公表されます。なお9月FOMC(17-18日)を前に、FRB高官は7日から沈黙期間に入ります。FRB高官の講演会等における発言も含め、FRBによる経済の現状認識と政策スタンスを確認したいと考えます。日本では、9月5日(木)に7月毎月勤労統計が発表されます。野村證券では、7月の現金給与総額(1人当たり賃金)は前年同月比+2.3%と、前月から減速すると予想します。夏季賞与の支給タイミングが6月にずれ込んだことが7月の賃金の伸び率の鈍化をもたらしたと見ています。 本日のイベント 日本市場場中には、中国の8月財新版PMIが発表されます。週末に発表された政府版では、製造業は悪化、非製造業は改善とまちまちの結果となりました。中国景気に対する警戒感が和らぐか、財新版PMIが注目されます。 (投資情報部 澤田 麻希) (注)データは日本時間2024年9月2日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。 野村オリジナル記事の配信スケジュール ご投資にあたっての注意点
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09/01 09:00
【動画 3分チャート塾】シーズンⅠ:第2回 形から「相場の勢い」と「迷い」が読める
「動画 3分チャート塾」は、株価チャートの見方を学びたい初心者から中級者の方向けの動画シリーズです。 今回は、ローソク足の形から相場の勢いや迷いをつかむヒントについて説明します。 シーズン I:意外と知らないローソク足(全8回)ローソク足の基本の読み方や中長期的な相場の捉え方などについてわかりやすく解説していきます。シーズンII:相場の見方の強い味方、移動平均線(全9回)移動平均線の基礎や活用法についてわかりやすく解説していきます。シーズンIII:上値、下値のメドを探ろう(全10回)上値、下値メドの探り方についてわかりやすく解説していきます。シーズンIV:相場の過熱感を測るには?(全9回)オシレーター系指標についてわかりやすく解説していきます。シーズンV:トレンドラインを引いてみよう(全9回)トレンドラインについてわかりやすく解説していきます。 ご投資にあたっての注意点
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08/31 12:00
【オピニオン】日経平均株価、史上最高値奪還の可能性を探る
※画像はイメージです。 2024年7月11日に42,224円(終値)の最高値を更新した日経平均株価は、その後円高進行を嫌気して下落基調をたどり、8月5日には前日比4,451円と史上最大の下げ幅を記録、最高値からの下落率は25.5%に達しました。その後、市場は落ち着きを取り戻し、8月23日時点の日経平均株価は最高値まであと10%、値幅にして3,860円まで回復しています。ただ、最高値まではそれなりの距離感があるのも事実です。今回は日経平均株価が、『近い将来』最高値を奪還できる可能性について考えてみましょう。 まず、下落過程において報道等で盛んに取り上げられたフレーズ、「円高の進展による、企業業績への悪影響を懸念し、株価は大きく下落した」について確認しましょう。この時期は決算発表シーズンだったということもあり、アナリストによる業績予想修正が活発な時期でしたが、2024年度予想を中心に上方修正が優勢でした。 (注)ラッセル野村Large Cap(除く金融)の経常利益予想実額の推移。直近は2024年8月23日時点。(出所)野村證券市場戦略リサーチ部より野村證券投資情報部作成 蛇足ながら、アナリスト予想の上方修正と下方修正の比率から計算されるリビジョン・インデックス(RI)は歴史的に見ても高水準ですし、海外との比較でも日本企業のRIは世界で最も強い状況です。今回の株価調整では、先進国・地域のうち日本市場の下落率がとびぬけて大きくなりましたが、その原因を業績に求めるのは無理がありそうです。 次に、バリュエーション(PER:株価収益率)について確認してみましょう。まず、最高値時(7/11)の2024年度予想EPS(1株当たり利益)は前年度比+7.7%、PERは17.5倍程度という組み合わせでした。その後8月5日には円高による業績懸念にもかかわらず、予想EPSは同+8.7%に上方修正され、PERは過去10年強の平均的レンジ内に収まる13倍前後まで低下しました。現在では、予想EPSは同+9.3%、PERは15倍台半ばとなっています。 (注)2024年度の予想EPS伸び率(前年度比)別、およびPER別の日経平均株価試算値。予想EPS伸び率の下のカッコ付きの数字は日付。2024年7月11日時点の予想EPS伸び率は前年度比+7.7%、PER17.5倍前後。2024年8月5日時点の予想EPS伸び率は同+8.7%、PER13倍前後。2024年8月23日時点の予想EPS伸び率は同+9.3%、PER15.5倍前後。日経平均株価の試算値は、250円刻み。(出所)東洋経済新報社、野村證券市場戦略リサーチ部などより野村證券投資情報部作成 1989年末と異なり今局面では、最高値時(7/11)にせよ、その後のボトム時(8/5)にせよ、現時点(8/23)にせよ、常識的なEPSの伸び率と、PERの組み合わせで説明が可能なことは重要なポイントでしょう。この組み合わせが成り立たない世界では、高値奪還の可能性は神頼みになりがちですが、今回はそう言った難易度の高いロジックを持ち出す必要はなさそうです。 最後に、今回の株価下落のメカニズムは、円高⇒業績懸念⇒株安、とされていますが、円高が(業績によらない別のメカニズムにより)株安につながった可能性が高いと思われます。 ご投資にあたっての注意点