特集
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06/01 12:00
【6月の投資戦略】米利下げ先送りの織り込みが進めば、業績拡大が株価の下支えに
目次・日本の企業業績見通しの下方修正は保守的な色彩が強い・FRBの利下げは先送りもいずれ実施へ・米国企業業績の拡大は幅広い業種に広がる・中国政府による断続的な政策対応が続く・日本銀行の次の一手はバランスシート縮小・日本の主要企業の業績は拡大へ 日本の企業業績見通しの下方修正は保守的な色彩が強い 日米で、2024年1-3月期決算発表はほぼ一巡しました。米国では企業業績の上方修正が続いています。日本の企業業績は、2023年度の実績は上振れて着地したようですが、2024年度は会社の保守的な期初計画の影響もあり、アナリストの業績見通しが下方修正されています。しかし、日米ともに巡航速度の経済成長が続き、米国はいずれ利下げ局面に入るとみられます。我々は、米国株式市場は金融相場から業績相場に、日本株市場も業績拡大が続くことで、株式市場の好環境が持続するとみており、この見方に変更はありません。 ▲TOPに戻る FRBの利下げは先送りもいずれ実施へ 米国では雇用環境のひっ迫からの緩和が進むものの、景気は良好で、インフレ率も望むような減速は進んでいません。FRB高官のほぼ全員が、政策金利を当面据え置くことが望ましいと主張しています。一方、インフレ率は加速しておらず、いずれ利下げが行われるとの見方は変わっていないため、長期金利の更なる上昇は限定的とみられます。 ▲TOPに戻る 米国企業業績の拡大は幅広い業種に広がる 米中貿易問題は続いていますが、バイデン政権の対中追加制裁関税は一部の戦略製品に対象が限られており、経済や物価への影響は限定的でしょう。企業業績は大手テクノロジー企業を中心に増益モメンタムが続いており、AIに関連するビジネスが急拡大しています。今後は、大手テクノロジー企業以外にも業績拡大が広がるとみられ、株価の下支えになるとみられます。 ▲TOPに戻る 中国政府による断続的な政策対応が続く ユーロ圏の景気は持ち直しつつあります。インフレ率が減速する中で、ECBによる6月の利下げの可能性が高まっていますが、ECB高官の多くは続く7月の連続利下げには消極的なようです。中国では不動産市場の低迷が景気の重石となっています。中国政府は断続的に景気対策や経済問題に対する対応策を発表しており、景気の安定化に努めています。 ▲TOPに戻る 日本銀行の次の一手はバランスシート縮小 日本の製造業は、自動車の挽回生産や設備投資関連の機械などを中心に、生産増が予想されています。春闘の歴史的な賃上げに対して、実際の賃金上昇率への反映はこれからのようです。日本銀行の追加利上げには、賃金上昇などの条件が満たされておらず、まだ時間を要するとみられます。一方、国債買入れの減額など、日本銀行のバランスシート縮小に向けた議論が進められており、円安懸念に対する金融面での対応の一つとなるでしょう。 ▲TOPに戻る 日本の主要企業の業績は拡大へ 日本の主要企業の2024年度業績見通しは、事前予想に対して下方修正が進みました。ただし、生産の回復や保守的な為替前提を踏まえると、時間の経過と共に下方修正要因となった懸念や悪材料が薄らぎ、業績予想の上振れが期待されます。東証の「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」として、企業の成長戦略への取り組みや大規模な自社株買いなども相次いで発表されました。景気と企業業績の拡大に加え、このような企業行動が続く中で、野村證券は2024年内の日経平均株価のレンジ高値を44,000円と予想します。 ▲TOPに戻る 投資戦略については、日本では業績見通しの引き下げが株価の重石となっているようですが、経済ファンダメンタルズ(基礎的条件)などは、今後の業績拡大を否定するものではありません。米国の利下げ先送りが一定程度織り込まれた後は、引き続き、日米企業業績の拡大が株価を下支えするとみます。 (野村證券投資情報部 小髙 貴久) ※野村證券投資情報部「Nomura 21 Global 6月号」(発行日:2024年5月27日)「投資戦略の概要」より※掲載している画像はイメージです。 Nomura21Global参考銘柄について ご投資にあたっての注意点
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06/01 09:00
【オピニオン】米長期金利の高止まりを十分視野に入れるべき
※画像はイメージです。 4月30日~5月1日に開催されたFOMC(米連邦公開市場委員会)の議事要旨が公開されました。その中で、「ディスインフレのプロセスが従来考えられていたよりも時間がかかる可能性が高い」との見方が示された一方、「多くの参加者は政策の引き締め度合いについて不確実性がある点について言及した」と述べられています。FOMC後のFRB(米連邦準備理事会)要人からの発言をみても、概ねこの時点の判断が続いていることがうかがえ、インフレに対する警戒感が根強い状況が続いています。 2024年1-3月期の米国のインフレ関連の経済指標は概ね上振れました。しかし、同年4月の消費者物価指数、及び雇用統計における時間当たり賃金の伸びが同年3月から減速したため、市場におけるインフレ警戒感はやや後退しています。米国10年国債利回りは24年4月下旬に一時4.7%台まで上昇しましたが、足元では4.6%台へやや低下しています(24年5月29日時点)。 改めて、FOMC議事要旨を点検してみると、「24年1-3月期のECI(雇用コスト指数)は前年比では減速しているものの、前期比では顕著に加速した」との記述があります。雇用コストに関連する経済統計の中でも、賃金のみならず福利厚生費なども含めたより広範囲の労働コストを集計したECIをFRBは重視しています。24年1-3月期のECIは前期比年率+4.8%と、23年10-12月期の同+3.8%から加速しました。セクターや主要な構成項目全体で比較的広範に顕著な上昇を示しており、上振れが一時的ではない可能性があります。 労働コストは他の経済統計に比べ遅行的ではありますが、下方硬直性、つまり一旦加速傾向となった場合、減速するまでに時間がかかりますので、金融政策の効果を計るうえで、相応の時間軸が必要となります。前回の24年3月のFOMCで示された参加メンバーの政策金利見通しの分布、いわゆるドット・チャートでは、1回当たりの利下げ幅が0.25%ポイントとすれば、24年中の利下げ回数が3回であることが示されました。24年6月11-12日に開催される次回のFOMCでは新たな政策金利見通しが公表されますが、24年内の利下げ回数が3回から2回に修正される可能性があります。ただし、FF(フェデラル・ファンド)金利先物市場などで観察される24年内の利下げ回数は現在2回未満と想定されており、その意味では市場期待とのギャップはほぼなくなるものと推察されます。 雇用コストの減速に時間がかかり、米国10年国債利回りが高止まりするシナリオを十分視野に入れるべきと考えます。米国株式のバリュエーションを考える際には、EPS(1株当たり利益)などの企業収益がどの程度増益になるかがより注目されることでしょう。 ※(アプリでご覧の方)2本の指で画面に触れながら広げていくと、画面が拡大表示されます。 ご投資にあたっての注意点
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06/01 07:00
【来週の予定】最重要統計の一つ「5月米雇用統計」の発表へ
来週の注目点:米国の重要統計、中村日銀審議委員、ラガルドECB総裁の発言 多くのFRB(米連邦準備理事会)高官は、前回(4月30日~5月1日開催)のFOMC(米連邦公開市場委員会)以降、利下げに関して慎重に見極める姿勢を強めています。そのため次回FOMC(6月11~12日)では金融政策は据え置きが予想され、市場の関心は政策金利見通しに集まっています。 今週は米国経済の先行きや金融政策の行方を予想する上で注目度の高い、月初の重要指標の発表が予定されています。6月3日(月)の5月ISM製造業景気指数、5日(水)の5月ISMサービス業景気指数は、業種別の景気動向だけではなく、投入価格の変化や企業の採用意欲を探る上でも注目されます。また、4日(火)の4月雇用動態調査(JOLTS)、7日(金)の5月雇用統計は、労働需給の状況や潜在的なインフレ圧力の状況を確認するための最重要統計の一つです。 日本では3日(月)の1-3月期法人企業統計季報、5日(水)の4月毎月勤労統計が重要です。法人企業統計は設備投資や在庫投資に関するGDPの基礎統計です。この結果を受けて各社が24年1-3月期のGDP見通しの改定を行います。毎月勤労統計では引き続き実質賃金の動向が注目を集めそうです。 日銀の金融政策面では、6日(木)の中村日銀審議委員のコメントが注目されます。中村委員は「中小企業の賃上げ余力の高まり」を確認する必要があるとして、24年3月の会合でマイナス金利の撤廃に反対しました。 ユーロ圏では6日(木)、ECB(欧州中央銀行)が金融政策理事会を開催します。市場では広く0.25%ポイントの利下げが予想されています。ただし、その後の利下げペースに関しては加盟各国の中銀総裁など、ECB高官の間でも見方が定まっていないと見受けられます。このため、今後の政策経路に関してラガルド総裁がどのような見方を示すかが注目されます。 (野村證券投資情報部 尾畑 秀一) (注1)イベントは全てを網羅しているわけではない。◆は政治・政策関連、□は経済指標、●はその他イベント(カッコ内は日本時間)。休場・短縮取引は主要な取引所のみ掲載。各種イベントおよび経済指標の市場予想(ブルームバーグ集計に基づく中央値)は2024年5月31日時点の情報に基づくものであり、今後変更される可能性もあるためご留意ください。(注2)画像はイメージです。(出所)各種資料・報道、ブルームバーグ等より野村證券投資情報部作成 ご投資にあたっての注意点
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05/31 16:20
【野村の夕解説】前日の大幅下落を受け、日経平均株価は自律反発(5/31)
(注)画像はイメージです。 本日の動き 本日の日経平均株価は、前日比119円高の38,173円で取引を開始しました。前日までの3営業日で累計845円下落していたこともあり反発しました。ただ、前日の米国株市場下落の流れを受けて半導体関連株等が下落したことから、上値を抑えられ、日経平均株価は前日比65円高の38,119円で午前の取引を終えました。しかし午後に入ると、日経平均株価指数先物の上昇を受けて日経平均株価も上げ幅を急速に拡大しました。前日の米国株の下落要因ともみられる米国1-3月期実質GDP改定値の下方修正に加え、本日発表予定の米国経済統計によりインフレ鈍化が示されれば、米国の早期利下げにつながる可能性があり、株価の押し上げ要因になるとみられた面もあるようです。日経平均株価は前日比191円高の38,245円で午後の取引を開始した後も上昇幅の拡大が続き、一時、本日の高値である前日比472円高の38,526円を付けました。その後も高値圏で推移し、同指数は前日比433円高の38,487円で本日の取引を終えました。また、本日の東証プライム市場の売買代金は7兆7,612億円と、今年に入って最高の水準となりました。 本日の市場動向 ランキング 本日のチャート (注)データは15時15分頃。ドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。(出所)Quickより野村證券投資情報部作成 今後の注目点 本日、米国4月個人消費支出・所得統計、ユーロ圏5月消費者物価指数が発表されます。FRBならびにECBが物価の動向を見極める上で重要視している経済指標であることから、その結果が注目されます。 (野村證券投資情報部 秋山 渉) ご投資にあたっての注意点
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05/31 12:00
【今週のチャート分析】日経平均株価25日移動線を割り込む、早期奪回なるか注目
※画像はイメージです。 ※2024年5月30日(木)引け後の情報に基づき作成しています。 日経平均株価の下値メドは36,700円近辺、二番底形成なるか 今週の日経平均株価は、日米金利上昇が嫌気され、30日まで3日続落となり、取引時間中に一時3万8000円を割り込みました。日本の10年国債利回りは、約13年ぶりに1.1%に達しました。 チャート面からこれまでの動きを振り返ってみましょう(図1)。5月16日に日経平均株価は、これまで概ね上値を抑えられてきた25日移動平均線(5月30日:38,448円)を上回り、その後もしばらく同線を維持していました。 しかし、長期金利の上昇により上値は重くなり、5月30日の大幅安を受けて25日線を再び割り込みました。この調整が継続となり、30日安値(37,617円)を下回った場合は、4月19日安値(36,733円)の水準が下値メドとして挙げられます。 今年4月安値までの下落率(9.3%)は、波動分析上の参考局面である昨年10月安値までの下落率(9.6%)と比較し、値幅調整は概ね十分と捉えられます(図2)。 日足チャートで昨年10月安値(10月4日:30,487円)形成後の動きをみると、その後“二番底”(10月30日:30,538円)をつけ、本格的な上昇トレンドに移行しました。今回も同様に“二番底”形成の動きに留まるか注目されます(図1)。 一方で、5月30日安値(37,617円)形成後は引けにかけて値を戻し、昨年10月以降の上昇トレンドライン上で下ヒゲを引いて反発しています。この先戻しを試す展開となった場合は、早期に25日線(同:38,448円)を奪回できるか注目されます。 ※(アプリでご覧の方)2本の指で画面に触れながら広げていくと、画面が拡大表示されます。 (注1)直近値は2024年5月30日時点。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成 (注1)直近値は2024年5月30日時点。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成 新興国株指数は底練り局面を脱するか 新興国株が今年に入り上昇傾向となっています。新興国株の代表的な指数であるMSCIエマージング・マーケット指数(ドル建て)は、2008年10月以降、上下に大きく動きながらも緩やかな長期上昇トレンドを形成してきました(図3)。 2022年10月安値形成時に前述の長期上昇トレンドラインを下支えとして反発、その後はチャート上の底練り局面へと移行しました。今春には、2023年1月高値以降の上値抵抗線を突破しており、今後、本格的な戻り相場入りとなることが期待されます。 (注1)直近値は2024年5月28日時点。(注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。(注3)ドル建てのMSCIエマージング・マーケット指数を使用している。(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成 新興国株の代表的な存在である中国株は今年2月にかけて下落傾向となっていましたが、当局の相次ぐ景気刺激策や景況感の改善などによって、今春に大幅上昇しました。 上海総合指数(図4)のチャートをみると今年2月安値形成後の大幅上昇で、2021年から約3年続く下降トレンドラインまで値を戻しています。この先同ラインを突破となれば、中長期的な上昇トレンドに入った可能性が高まったと捉えられます。 (注1)直近値は2024年5月28日。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成 次にインドSENSEX指数(図5)をみると、昨年末にかけて大幅上昇した後、今年に入ってからもじり高となり、史上最高値の更新が続いています。インドではインフレ率が低下する中で成長が加速し、経済は好調な状態を維持しています。 6月4日に開票予定の総選挙では与党・インド人民党が世論調査通り圧勝するか注目が集まります。今後も24ヶ月移動平均線を下支えとする中長期的な上昇トレンドが続くか注目されます。 (注1)直近値は2024年5月28日。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。(注3)日柄は両端を含む。(出所)ボンベイ証券取引所より野村證券投資情報部作成 新興国の経済環境は各国で大きく異なりますが、今後米国経済が緩やかな減速に留まる中で米国金利が低下してくれば、投資資金が新興国へ向かいやすくなると考えられます。また、新興国の金融政策の自由度も高まる可能性があります。引き続き新興国株から目が離せません。 (野村證券投資情報部 岩本 竜太郎) 【FINTOS!編集部発行】野村オリジナル記事配信スケジュールはこちら ご投資にあたっての注意点
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05/31 08:30
【野村の朝解説】NYダウ3日続落し約1ヶ月ぶりの安値(5/31)
(注)画像はイメージです。 海外市場の振り返り 30日の米主要3指数は、揃って下落しました。寄り前に発表された2024年1-3月期実質GDP改定値が、前期比年率+1.3%(市場予想同+1.3%)と、速報値の同+1.6%から下方修正されました。GDPの約7割を占める個人消費の改定値が、同+2.0%と速報値の同+2.5%から市場予想以上に下方修正されたことなどから、米景気ソフトランディングへの期待の後退につながりました。また、前日引け後に、市場予想を下回る売上高実績とガイダンスを発表したセールスフォースが、前日比-19.73%と大幅下落したことがNYダウを押し下げました。NYダウは3日続落し、約1ヶ月ぶりの安値となりました。 相場の注目点 昨日、日本の10年国債利回りが約13年ぶりに1.1%に達したことなどを受け、日経平均株価は一時900円超下落する場面がありました。6月の日銀金融政策決定会合(13-14日)を前に、当面は日銀の政策修正観測による金利変動が株式市場に影響を与えるとみられます。本日寄り前に、全国の物価の先行指標となる5月東京都区部消費者物価指数が発表されます。また、来週には、4月毎月勤労統計(5日)が発表されます。物価上昇率分を差し引いた実質賃金は、3月まで24ヶ月連続で前年同月比マイナスが続いています。これらの物価と賃金に関連する統計は、日銀の追加利上げのタイミングを見極める上で重要です。加えて、中村日銀審議委員の挨拶(6日)も、市場の関心を集めるでしょう。 本日のイベント 東京時間の午前中に、中国で5月政府版PMIの発表が予定されています。米国では、FRBが物価統計として重要視している4月PCEデフレータ―が発表されます。 (投資情報部 澤田 麻希) (注)データは日本時間2024年5月31日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。 野村オリジナル記事の配信スケジュール ご投資にあたっての注意点
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05/30 16:14
【野村の夕解説】日経平均株価は続落、502円安 米株安が重石に(5/30)
(注)画像はイメージです。 本日の動き 本日の日経平均株価は、前日比444円安の38,112円で取引を開始しました。前日の米国市場で、米国10年債利回りが4.61%と、約1ヶ月ぶりの水準まで上昇し、米国主要3指数が揃って下落したことが重石となりました。ソフトバンクグループやファーストリテイリングといった高PERな成長株のほか、アドバンテストなど半導体関連の下落が目立ち、一時は前日比939円安の37,617円まで下落する場面もありました。 為替市場では、午前の取引時間中、日米金利差の拡大などを受けて、1米ドル=157円台と、前日に比べて円安ドル高で推移しました。これが輸出関連企業への追い風となり、国内株式市場を下支えしました。上海総合指数などアジア株式市場が総じて軟調な中、日経平均株価は、下落幅を縮小させると、午後の取引時間中は38,000円を挟んだレンジでの推移となり、前日比502円安の38,054円で本日の取引を終了しました。個別では、本日、事業説明会を開催したソニーグループが前日比+1.24%と、国内株式市場が軟調な中で、逆行高となりました。 本日の市場動向 ランキング 本日のチャート (注)データは15時15分頃。ドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。(出所)Quickより野村證券投資情報部作成 今後の注目点 本日は、米国で、複数のFRB高官が発言予定です。また経済統計では米1-3月期実質GDP改定値が発表される予定で、市場予想は前期比年率+1.2%と、速報値の同+1.6%からの下方修正を見込んでいます。 (野村證券投資情報部 金井 一宜) ご投資にあたっての注意点
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05/30 09:30
【銘柄特集】日本のお金の増やし方が上手な企業
※画像はイメージです。 企業価値の向上に対する取り組みが広がる中で、ROICへの注目が高まっています。ROICとは、投下資本利益率のことで、企業が事業に投下した資本を活用して、どの程度効率的に利益を獲得したかを示す指標です。 ROICは、税引き後営業利益を、自己資本と有利子負債を合算した投下資本で割って算出します。分母となる投下資本は、企業が事業活動を行うために集めた資金や資産です。自己資本は、株主から集めた資金や資産などを指し、有利子負債は、銀行などの金融機関から借りた資金などを指しています。 一方、分子となる税引き後営業利益は、売上高から材料費などの売上原価、そして人件費などの販売費および一般管理費を差し引いて求められる営業利益から、法人税などを差し引いたもので、企業が本業から獲得した利益を示しています。 つまり、ROICは事業に着目した指標ともいえるため、経営の現場では、企業内の各事業の収益性を判断する基準の1つとして活用されています。例えば、企業が事業単位でROICを算出し、収益性が低いと評価した事業があった場合は、その事業の撤退や縮小に踏み切り、より収益性の高い事業に資本を集めるという判断がなされます。あるいは、収益性は低いものの、市場や競合他社なども合わせて分析した結果、市場シェアの獲得に挑戦するため、生産設備の増強など戦略的投資を行うという判断をする可能性も考えられます。 こうしたROICの活用例が想定される背景には、東京証券取引所が2023年3月に「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応などに関するお願い」を発表したことも関係しています。 このお願いは、上場企業に対して、自社の資本コストや資本収益性を的確に把握し、その内容や市場評価に関して、取締役会で現状を分析・評価したうえで、改善に向けた計画を策定・開示し、投資家との対話の中で取り組みをアップデートしていく、などの対応を要請したものです。 経営層が主体となって、持続的な成長の実現に向けた研究開発や、人的資本、生産設備などへの投資のほか、事業ポートフォリオの見直しなどの取り組みが推進されることで、経営資源の適切な配分を実現していくことが期待されます。 このような取り組みが進展していく中で、企業内で事業ポートフォリオが最適化されROICが上昇し、同時にROEの上昇につながり、最終的には、株式市場からの評価も高まる、という好循環の実現が期待されます。 ※(アプリでご覧の方)2本の指で画面に触れながら広げていくと、画面が拡大表示されます。 (注1)時価総額は、2024年5月17日時点。(注2)業種は、ラッセル野村Large Capの業種分類の大業種分類で、金融を除いている。(注3)ROICはNOPAT/IC。ただし、NOPATは営業利益×(1-税率)。ICは、自己資本+有利子負債。(注4)銘柄はROIC9.0%以上で、各業種で上位に位置している銘柄。(注5)該当銘柄が3社に満たない業種もある。(出所)東京証券取引所、野村證券市場戦略リサーチ部などより野村證券投資情報部作成 スクリーニング条件 資本の効率的活用や投資者を意識した経営の観点など、グローバルな投資基準に求められる諸要件を満たしたとされるJPX日経インデックス400の構成銘柄より。業種別にROIC(投下資本利益率)の過去10年間平均の高い上位3社の銘柄群です。 (野村證券投資情報部 大坂 隼矢) ご投資にあたっての注意点
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05/30 08:44
【野村の朝解説】米国株下落長期金利上昇を嫌気(5/30)
(注)画像はイメージです。 海外市場の振り返り 29日の米国株式市場では米長期金利上昇が嫌気され、主要3指数揃っての下落となりました。ドイツの5月消費者物価指数が前年同月比+2.8%と4月の同+2.4%から加速したことを受け、ドイツの長期金利が上昇しました。欧州各国の金利上昇に加え、29日実施された米国7年債の入札が2年債や5年債と同様に軟調な結果となったことが、米長期金利上昇につながりました。米金利上昇を受け、為替市場では1ドル=157円台まで円安ドル高が進行しています。 相場の注目点 世界的に金利上昇圧力が高まっており、日本の長期金利も上昇しています。29日には日本の10年国債利回りが12年ぶりの水準である1.075%まで上昇しました。背景には、日銀の利上げや国債買い入れ減額への思惑や、海外金利の上昇などが挙げられます。昨日、日銀の安達審議委員の講演では、「円安が長期化して物価高を招く場合は追加利上げなどの金融政策による対応も選択肢の1つ」と発言すると同時に、国債買い入れは段階的に減額していくことが望ましいとの考えを示しています。日本の長期金利上昇がどこまで継続するか注目されます。株式市場では銀行株や保険株などにとって、金利上昇は業績のサポート材料になると見られます。 本日のイベント 米国では、NY連銀のウイリアムズ総裁とダラス連銀のローガン総裁の講演があります。経済指標では、ユーロ圏の4月失業率や、米国の週間新規失業保険申請件数などが発表されます。 (投資情報部 大坂 隼矢) (注)データは日本時間2024年5月30日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。 野村オリジナル記事の配信スケジュール ご投資にあたっての注意点