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2024/10/04 12:00
【今週のチャート分析】日経平均株価、チャート好転シグナル複数点灯も、9月末に大幅安
※画像はイメージです。 ※2024年10月3日(木)引け後の情報に基づき作成しています。 調整一巡後、心理的フシの4万円へ向けた動きとなるか 今週の日経平均株価は、自民党総裁選結果を受け大幅下落で始まりましたが、その後円高一服を背景に下げ幅を縮めました。 チャート面からこれまでの動きを振り返ってみましょう(図1)。日経平均株価は、9月9日安値(35,247円)から27日高値(39,829円)にかけて大幅に上昇しましたが、自民党総裁選の結果を受けて9月30日(9月末)に前営業日比で1,900円を超える大幅安となり、その後も振れ幅の大きい展開が続いています。 この先、再度調整となった場合は、75日線(10月3日:38,258円)や200日線(同:37,834円)、25日線(同:37,569円)などを下値サポートとして下げ止まりとなるか注目されます。 一方で、9月27日高値にかけての上昇で、主要な移動平均線など複数の上値抵抗線を超えました。さらに、8月5日安値に対する二番底が完成する等、チャート好転のシグナルが複数みられており、本格的な上昇相場への移行が見込まれる局面となっています。調整一巡後、まずは9月27日高値(39,829円)や、心理的フシの4万円の水準へ向けた動きとなると考えられます。 ※(アプリでご覧の方)2本の指で画面に触れながら広げていくと、画面が拡大表示されます。 (注1)直近値は2024年10月3日。 (注2)日柄は両端を含む。(注3)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。 (出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成 8月に急落した日経平均株価は、10月に入ってからも引き続き振れ幅の大きい状況が続いています。ただし、ブラックマンデー時は底入れから約1ヶ月半(36営業日)で二番底をつけ、その後本格的な上昇相場に移行しました(図2)。今回は8月5日の安値からすでに約2ヶ月(40営業日)が経過しています。今後、年末にかけて徐々に落ち着きを取り戻し、本格的な戻し相場に入ることが期待されます。 (注1)直近値は2024年10月3日時点。 (注2)下落局面はすべてを網羅しているわけではない。(注3)ブラックマンデーや、コロナショック時や今回の下落局面は、直前の高値を起点とした。リーマンショックは2008年9月15日であり、その前営業日を起点とした。 (出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成 日経平均、2つのアノマリーで年末・年始への相場を占う 日経平均株価は、自民党総裁選や中東情勢緊迫化を受けて、大幅安となる等、引き続き振れ幅の大きい状況が続いています。ただ、年末・年始にかけて、以下2つのアノマリー(明確な理論的根拠がない相場の経験則や事象)が、日本株の追い風になると考えられます。 まず1つめは、衆議院選挙のアノマリーです。10月1日に石破首相は、記者会見で10月9日に衆院を解散し、27日に投開票を実施すると表明しました。過去の衆議院選挙と株式相場動向(図3)をみると、解散日から投票日までの期間に株価が上昇する傾向が見られます(図3:A→B)。戦後東証再開以降、25回の衆議院選挙のうち20回で日経平均株価は上昇しており、1990年以降に限れば11回中10回で上昇しています。新政権の政策や経済対策等への期待が背景として考えられます。自民党は現在政権公約を準備しているとみられますが、総裁選直後の市場の反応を踏まえた政策転換の有無を含めて、石破新政権の具体的な経済政策に注目が集まります。 (注1)投票日が休祭日の場合は前営業日の株価を基準日に採用。(注2)○印・・・衆参同日選挙。△印・・・投票日が5日違いで行われた衆参同時選挙。(出所)日本経済新聞社、その他データより野村證券投資情報部作成 2つ目のアノマリーは、月別騰落率のアノマリーです(図4)。日経平均株価の月別騰落率をみると、9月が最もパフォーマンスが悪く年末年始にかけて改善していく傾向がみられます。特に11月~1月にかけてのパフォーマンスが良い傾向がみられます。 月別ランキングでは上昇率が高い順に、11月が3位、12月が4位、1月が1位となっています。 これら2つのアノマリーを考慮すれば、8月の大底から既に2ヶ月が経過し日柄調整が進展している日本株は、年末年始にかけて徐々に落ち着きを取り戻し、本格的な戻し相場に移行すると考えられます。 (注1)図中の平均は1-12月の月別騰落率の平均値 (注2) 順位は平均月別騰落率の上位順 (注3)矢印は最もパフォーマンスが悪い9月から翌年1月にかけての局面 (注4)騰落率がプラスを勝ち、マイナスを負けとしてカウント。 (出所)日本経済新聞社、S&Pダウ・ジョーンズ株式会社より野村證券投資情報部作成 (野村證券投資情報部 岩本 竜太郎) 【FINTOS!編集部発行】野村オリジナル記事配信スケジュールはこちら ご投資にあたっての注意点
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2024/10/04 08:43
【野村の朝解説】米株反落、中東情勢の悪化懸念が重石に(10/4)
(注)画像はイメージです。 海外市場の振り返り 3日の米国株式市場では、3指数が揃って小幅に反落しました。イランによるミサイル攻撃を受けたイスラエルが報復攻撃に備えて準備を進めていると報じられたことから、中東情勢が一段と悪化するとの懸念が高まりました。NYダウの下げ幅は一時前日比300ドルを超える場面がありました。一方、米9月ISMサービス業景気指数が54.9と市場予想(51.7)を大きく上振れ、8月(51.5)から改善しました。米国経済の底堅さが示されたことは、株式市場の下支えとなりました。 相場の注目点 今週の日本株式市場は、値動きの激しい展開が続いています。9月30日は、自民党総裁選で選出された石破氏の政策は財政再建や金融緩和策の正常化を志向していると受け止められ、ドル円が一時1ドル=141円台を割り込むなど急速な円高が進行し、日経平均株価は今年3番目の下げ幅となる前週末比1,910円安となりました。10月2日には、石破首相が「現在、追加の利上げをするような環境だとは思っていない」と発言したことで、日銀の利上げ姿勢をけん制したとの観測が広がり、ドル円は1ドル=146円台後半へと円安が進行し、3日の日経平均株価の上げ幅は一時1,000円を超える場面がありました。今後の市場の焦点は、解散総選挙です。自民党総裁選直後の日本株の急落は一時的なものに留まりましたが、選挙公約や公認候補者など、石破政権に対する市場の評価が改めて注目されます。 本日のイベント 米国では9月雇用統計が発表されます。FRBのリスクの軸足はインフレから雇用へと移行しており、今後のFRBの利下げペースを占う上で重要です。 (野村證券 投資情報部 澤田 麻希) (注)データは日本時間2024年10月4日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。 野村オリジナル記事の配信スケジュール ご投資にあたっての注意点