特集
404件
-
08/15 07:57
【野村の朝解説】インフレ観測再燃で利下げ期待が後退(8/15)
(注)画像はイメージです。 海外市場の振り返り 14日の米国市場では、7月のPPI(生産者物価指数)が前月比+0.9%と、市場予想(同+0.2%)を大幅に上回り、約3年ぶりの高い伸びを記録したことから早期利下げ観測が後退し、国債利回りが上昇しました。米ドルは主要通貨に対して全面高となったものの、主要株価指数は前日比±0.05%以内と概ね横ばい圏で引けています。 相場の注目点 米国市場では2025年7月雇用統計発表以降、景気減速との見方から利下げ観測が急速に高まっています。先物金利を見ると25年9月FOMCでの0.25%ポイントの利下げが一時完全に織り込まれ、26年末までに3.00-3.25%への利下げが見込まれてる一方、主要な株価指数は過去最高値近辺で推移するなど、「いいとこ取り」の状態にあります。市場ではこのような状況は長くは続かないとの警戒感がある一方で、FOMO(Fear Of Missing Out:株高に乗り遅れることの恐怖)が喧伝されるなど、過熱感と共に株高は続くとの見方もあります。米国では8月21-23日の日程でジャクソンホール会合が開催され、22日にはパウエルFRB議長の講演が予定されています。パウエル議長が早期利下げに引き続き慎重な姿勢を示した場合、米国株は失望売りに見舞われる可能性がある一方、利下げに柔軟な姿勢を示せば一段高の可能性もあり注目されます。 本日のイベント 米国では7月の小売売上高、鉱工業生産と8月の消費者マインド速報値と注目度の高い経済指標の発表が予定されています。家計の購買意欲が回復していることを示す結果となれば、市場の利下げ観測は一段と後退する可能性があります。 (野村證券 投資情報部 尾畑 秀一) (注)データは日本時間2025年8月15日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。 ご投資にあたっての注意点
-
08/14 16:20
【野村の夕解説】円高進行と連騰の過熱感で、日経平均株価は625円下落(8/14)
(注)画像はイメージです。 本日の動き 本日の日経平均株価は7営業日ぶりに反落となりました。背景には、ベッセント米財務長官が米国の利下げや日銀の利上げに言及したことを受け、日本の10年国債利回りの上昇などから外国為替市場で円高が進行した点が挙げられます。これにより、連日上昇し過熱感が意識されていたアドバンテストなどを中心に幅広い業種の株価が下落し、日経平均株価を押し下げました。その後は、42,600円台を中心に方向感に欠ける展開が続き、前日比625円安の42,649円で引けました。業種別では33業種中26業種が下落し、特に値がさ株や輸出関連株の下落が目立ちました。こうした中、ソフトバンクグループが7営業日連騰となり、上場来高値を更新しました。なお、本日は日本株式市場のみならず、中国本土、香港や台湾といったアジア主要市場でも株価が下落し、上昇基調が一服する一日となりました。 本日の市場動向 ランキング 本日のチャート (注)データは15時45分頃。米ドル/円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。米ドル/円は11:30~12:30の間は表示していない。(出所)Quickより野村證券投資情報部作成 今後の注目点 本日米国にて、7月生産者物価指数と新規失業保険申請件数の発表とアプライド・マテリアルズの決算発表が予定されています。特に、新規失業保険申請件数は7月米雇用統計で雇用情勢の悪化が示されたことから、注目です。 (野村證券投資情報部 笠原 光) ご投資にあたっての注意点
-
08/14 08:28
【野村の朝解説】利下げ観測が一段と強まり、米国株は続伸(8/14)
(注)画像はイメージです。 海外市場の振り返り 13日の米国株式市場で主要3指数は揃って続伸し、S&P500指数とナスダック総合指数は連日で過去最高値を更新しました。ベッセント米財務長官がブルームバーグのインタビューで、政策金利は「(現在の水準より)1.5~1.75%ポイント低い水準にあるべき」や、「9月FOMCでの0.5%ポイントの利下げを皮切りに、一連の利下げ局面に入る可能性がある」との考えを示しました。この発言を受けて、早期利下げ観測が一段と強まり、米10年国債利回りは低下し、株価が上昇しました。 相場の注目点 13日の日経平均およびTOPIXは続伸し、ともに連日で過去最高値を更新しました。労働市場の軟化や、7月米消費者物価指数の上昇率が伸び悩んだことで、米国の早期利下げ観測が強まっており、ハイテク株高も相まって世界的な株価上昇につながっています。日本では、トランプ関税の悪影響が懸念された2025年4-6月期決算発表シーズンを無難に通過し、さらに日米貿易協議の合意を経て企業業績を巡る不透明感が薄れつつあることなどが、相場の追い風になっていると見られます。ただし、日経平均は13日まで6連騰し、その間に約3,000円上昇しており、短期的には過熱感が強まっています。目先は高値警戒感から利益確定の売りが出やすい局面である点に注意が必要です。 本日、日本では主要なイベントや経済指標の発表はありませんが、米国では7月生産者物価の発表やリッチモンド連銀のバーキン総裁の講演が予定されています。また、8月月初に発表された7月米雇用統計で米国の雇用情勢の悪化が示されたことから、毎週木曜日に発表される週間新規失業保険申請件数などの週次の雇用関連データにも市場の関心が集まると見られます。そのほか、英国では2025年4-6月期実質GDP(速報値)が発表される予定です。 (野村證券 投資情報部 岡本 佳佑) (注)データは日本時間2025年8月14日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。 ご投資にあたっての注意点
-
08/13 16:37
【野村の夕解説】日経、日経平均株価とTOPIX ともに連日の最高値更新(8/13)
(注)画像はイメージです。 本日の動き 12日に発表された米国のインフレ指標の結果を受け米国の利下げ観測が強まり、市場心理が改善しました。これを受け本日の日経平均株は前日比372円高の43,090円で始まりました。外国為替市場では、12日15:30時点の1米ドル=148.20円前後の水準から147.70円程度の円高に止まり、株価は終日43,000円台の水準が続きました。業種別ではその他製品が上昇したほか、空運、非鉄金属、サービス、機械など幅広い業種が上昇しました。非鉄金属は、12日の米ハイテク株高を受け、AIデータセンター関連とされる電線株が連日の上昇をけん引しました。日経平均株価は一時733円高の43,451円まで上昇する場面もあり、終値は前日比556円高の43,274円となり、TOPIXは25ポイント高の3,091ポイントと、揃って12日に引き続き史上最高値を更新しました。個別株ではアドバンテストが上昇し、終値は前日比+5.42%となり1銘柄で日経平均株価を163円押し上げました。そのほか、良好な企業業績が好感され、ソニーグループや三菱重工業、サンリオなどが終値ベースで上場来高値を更新しました。 本日の市場動向 ランキング 本日のチャート (注)データは15時45分頃。米ドル/円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。米ドル/円は11:30~12:30の間は表示していない。(出所)Quickより野村證券投資情報部作成 今後の注目点 本日米国で7月生産者物価指数が公表されます。関税の影響を確認するうえで注目が集まります。 (野村證券投資情報部 清水 奎花) ご投資にあたっての注意点
-
08/13 09:00
【週間ランキング】日本株の値上がり/値下がり銘柄は?(8月第2週)
※画像はイメージです。 日本主要銘柄・株価騰落率ランキング(上位) 2025年8月第2週(2025年8月1日~8月8日) 2025年8月月間(2025年7月31日~8月8日) 2025年年間(2024年12月31日~2025年8月8日) (注)対象はTOPIX500、直近値は2025年8月8日。(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成 日本主要銘柄・株価騰落率ランキング(下位) 2025年8月第2週(2025年8月1日~8月8日) 2025年8月月間(2025年7月31日~8月8日) 2025年年間(2024年12月31日~2025年8月8日) (注)対象はTOPIX500、直近値は2025年8月8日。(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成 <参考>今週の日本株式市場パフォーマンス 主要指数 TOPIX: 東証33業種 (注)業種分類は東証33業種ベース。直近値は2025年8月8日時点。(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成 ご投資にあたっての注意点
-
08/13 08:06
【野村の朝解説】米株大幅高、米CPIで9月利下げ期待上昇(8/13)
(注)画像はイメージです。 海外市場の振り返り 8月12日の米国株式市場では、主要3指数が揃って大幅高となりました。午前8時半発表の7月消費者物価指数(CPI)のエネルギーと食品を除くコア指数は、前月比+0.3%と市場予想に一致し、前年同月比では+3.1%と市場予想を上回りました。財の価格上昇は緩やかでしたが、航空運賃や医療サービスなどのサービス価格がコア指数の伸びに寄与しました。関税による物価上昇が概ね想定内であったことから、インフレ圧力への懸念が緩和し、FRBが9月会合で利下げに踏み切るとの観測が強まりました。NY主要3指数は揃って上昇して寄り付き、S&P500の全セクターが上昇して取引を終了しました。外国為替市場では、9月会合での利下げ期待の上昇を受けて、1米ドル=147円台後半まで円高ドル安が進みました。 相場の注目点 足元の米国株の好調は、事前の想定を上回る企業業績や、FRBの早期利下げ期待が背景にあります。S&P500構成企業の8割超が予想を上回る好決算を発表していますが、大手企業は価格引き上げでコストの増加分を吸収しようとしているように見受けられます。関税引き上げの影響はこれから本格化すると考えられますが、このような企業のコスト転嫁の動きが注目されます。今週の米国では14日の7月生産者物価指数(PPI)、15日の7月小売売上高など、金融政策への影響が大きく、関税の影響を確認するうえでも注目度の高い指標の発表が続きます。これらの経済指標の結果は21日-23日にジャクソンホールで開催されるFRBの年次総会に影響を与えると考えられます。パウエルFRB議長が講演で利下げに如何なる姿勢を示すのかが最大の焦点となります。野村證券では、FOMCが9月会合において0.25%ポイントの利下げを実施するとの予想に変更しました(従来は25年12月に0.25%ポイント) 。 (野村證券 投資情報部 坪川 一浩) (注)データは日本時間2025年8月13日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。 ご投資にあたっての注意点
-
08/12 16:39
【野村の夕解説】日経、TOPIXともに最高値更新 企業業績の改善期待 (8/12)
(注)画像はイメージです。 本日の動き 対日関税の上乗せ是正に向けた最終調整や、米中関税交渉が進展したことなどにより、米国の関税政策に対する懸念が後退し日米の企業業績への期待が高まりました。これらを受けて12日の日経平均株価は前営業日比277円高の42,098円で始まり、終日上昇基調が続きました。外国為替市場では前営業日の15:30時点の1米ドル=147.30円前後から、一時148.40円前後となりました。円安進行に加え、底堅い企業業績なども好感され、幅広い業種や銘柄が上昇しました。後場に入ると日経平均株価は、前営業日比1,179円高の42,999円まで上昇する場面もありましたが、心理的節目となる43,000円台に近付くと短期的な過熱感が強まり、また引けにかけては本日夜発表の米7月CPI(消費者物価指数)の結果を見極めようとする動きもみられました。日経平均株価の終値は前営業日比897円高の42,718円、TOPIXは同42ポイント高の3,066ポイントとなり、いずれもザラ場ベースの史上最高値を更新しました。個別株では、ソフトバンクグループ、アドバンテスト、ファーストリテイリングの3銘柄で日経平均株価を523円押し上げました。 本日の市場動向 ランキング 本日のチャート (注)データは15時45分頃。米ドル/円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。米ドル/円は11:30~12:30の間は表示していない。(出所)Quickより野村證券投資情報部作成 今後の注目点 本日米国で7月のCPI(消費者物価指数)が発表されます。インフレ率が加速する場合、FRBの利下げ開始が遠のくとの見方が市場に広がる可能性があります。 (野村證券投資情報部 清水 奎花) ご投資にあたっての注意点
-
08/12 08:02
【野村の朝解説】米CPIの発表控え様子見ムード(8/12)
(注)画像はイメージです。 海外市場の振り返り 8日、11日の米国市場は本日発表予定の、7月CPI(消費者物価指数)を控え、様子見ムードの展開となり、S&P500は6380ポイントを挟んで横ばいとなりました。為替市場では米ドルが主要通貨に対して全面高となり、対円では148円台と2日間で1円超の米ドル高が進行しました。 相場の注目点 市場ではFRB人事に対する市場の関心が高まっています。最も注目されるのは2026年5月に議長としての任期を迎えるパウエル議長の後任人事です。ブルームバーグはウォラーFRB理事が大統領側近の間で最有力候補として浮上していると報道しています。仮にウォラー理事が任命された場合、パウエル氏が理事として残った場合でも、新たな理事を1名任命することになります。また、トランプ大統領は8月8日付で退任したクーグラー理事の後任としてミランCEA(大統領経済諮問委員会)委員長を指名する意向を明らかにしました。パウエル議長の後任候補との位置付けではなく、任期は26年1月までの予定とされていることから、改めてトランプ大統領の意向に沿った理事を任命することが可能になります。これらはいずれもFRBがハト派化(利下げに積極的)することを示唆していることから、市場では米金利低下、米ドル安材料視されています。 本日のイベント 米国で7月のCPIが発表されます。食品・エネルギーを除くコア指数は6月まで5ヶ月連続で市場予想を下回りましたが、一部に関税コストを価格転嫁する動きが見受けられます。予想を上回る伸びとなれば、市場の早期利下げ観測が後退する可能性があります。 (野村證券 投資情報部 尾畑 秀一) (注)データは日本時間2025年8月12日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。 ご投資にあたっての注意点
-
08/12 05:30
【オピニオン】日経平均株価、見えてきた5万円シナリオ
※画像はイメージです。 2025年の日本株は、主要国との金融政策の方向感の違いや円高リスクへの警戒感に加え、4月以降はトランプ大統領の関税政策に対する不透明感が重石となり、欧米株式市場と比べて出遅れ感が目立っていました。しかし、難航すると見られた日米関税交渉が合意に達した7月下旬以降は見直しが進み、日経平均株価は4万円大台を回復し、一時4万2,000円を超えて2024年7月に付けた過去最高値に迫る場面もありました。なお、TOPIX(東証株価指数)は一足早く過去最高値を更新しています。 日経平均株価の過去最高値更新は一旦お預けとなりましたが、遠くない時期に最高値を更新する可能性は高いと考えられます。下図は2006年以降の月足チャートです。リーマンショック以降、3年半で約2.6倍となったアベノミクス相場を皮切りに、スケールの大きな中長期上昇局面は合計4回(下図A~D)あります。注目されるのは、いずれも直前の天井(高値)から引き下ろした下降トレンドラインや上値抵抗ラインに相当する水準を明確に上抜けたことが、中長期上昇局面入りのシグナルと捉えられる点です。 日経平均株価:月足チャート(2006年~) (注1)直近値は2025年8月7日時点。(注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。(注3)日柄は両端を含む。(注4)▲はマイナス。(出所)日本経済新聞社、各種資料より野村證券投資情報部作成 改めて足元に目を向けると、2024年7月に過去最高値を付けて以降、ここまで値幅・日柄両面で調整十分と捉えられる中、25年6月以降の株価上昇で2024年7月以降の下降トレンドラインを明確に上抜けてきています。2025年4月安値を起点とした5回目の中長期上昇局面(Eに相当)に移行した可能性が高いと言えそうです。 過去4回(A~D)の安値から高値までの上昇倍率はおよそ1.6~2.6倍となっています。今回の局面に当てはめると、最も上昇倍率が控えめな下図Bの1.6倍では4万9,817円(=2025年4月安値31,136円×1.6倍)、前回の上昇局面(D)の上昇倍率1.7倍では5万2,931円と試算されます。 日柄面では、中長期上昇トレンド入りが明確となった2013年以降、約3年おきに高値を付けるリズムが観察されており、次のピークが到来する2027年央ごろに向けた株価上昇が期待されます。これは、過去4回(A~D)の平均上昇期間(約2年)を当てはめた時間軸とも概ね合致します。「日経平均株価は2027年に5万円超え」は、チャート面から見て十分達成可能な目標値と言えそうです。 テクニカル分析は過去の株価・為替等の値動きを分析・表現したものであり、将来の動きを保証するものではありません。また、記載内容は一般的に認識されている見方について記したものですが、チャートの見方には解釈の違いもあります。 ご投資にあたっての注意点