特集
463件
-
10/27 12:00
【11月の投資戦略】イベントを乗り越え、株価はファンダメンタルズに戻るか?
目次・株価はファンダメンタルズに回帰・米国経済指標の短期的な振れに一喜一憂しない・米国主要企業は二桁増益へ・中国政府の断続的な景気対策・日本では緩やかな利上げならば受け入れられる・日本株の評価が高まる余地は十分ある 株価はファンダメンタルズに回帰 米国S&P500指数は史上最高値の更新が続いています。我々は、株価はボラティリティー(変動率)の高い状況から、実体経済や企業業績などのファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)に沿うものに回帰するとみてきました。米国市場は、概ね良好な経済指標の発表が続く中で、このトレンドに戻ってきたとみます。日本市場は、ボラティリティーの低下に時間がかかっていますが、政治・経済の様々なイベントをこなしつつ、いずれこのトレンドに回帰するとみます。 米国経済指標の短期的な振れに一喜一憂しない 米国では時折り発表される弱い経済指標などにより、景気減速懸念が台頭する場面が散見されます。しかし、全体としては概ね良好な経済指標が続いており、実体経済はFOMCメンバーの見通しよりも、良好な状況にあるとみられます。港湾ストやハリケーンなどのかく乱要因はありますが、経済指標の発表における一時的な要因に一喜一憂する必要は無いでしょう。米国家計の債務や信用リスクの状況などから判断して、スパイラル的な景気悪化リスクは限定的です。利下げが進めば、住宅投資や消費が復調し、景気の下支えになると期待されます。 米国主要企業は二桁増益へ 米国市場参加者の金利観は、中長期では良好な経済環境が続くとの見方から、長期金利は安定化し、FRBの利下げにより短期金利は低下し、金利の正常化が進むとみられます。大統領・上下院議会選挙の結果によっては、経済政策の方針が変わることもあり得ますが、企業業績の拡大は変わらないとみます。2024年7-9月期は一時的に増益率が減速するものの、AIビジネスの拡大などが業績を支え、2025年にかけて主要企業は二桁増益が続くでしょう。 中国政府の断続的な景気対策 ユーロ圏では景気下振れ懸念が強まっており、ECBは連続利下げへと利下げペースを加速させました。中国でも景気減速が強まっており、中国政府は、利下げや預金準備率の引き下げなどの金融緩和を含む、景気対策を断続的に発表しています。 日本では緩やかな利上げならば受け入れられる 日本では輸出に中国の景気減速が影を落としているものの、インバウンド需要の拡大や企業の値上げによる収益性の改善などが進み、大企業の業況は概ね良好です。連合は、2025年の春闘に向けて、再び5%を上回る賃上げ方針を示しました。賃金上昇と物価の安定への信頼感が増せば、日銀による追加利上げが視野に入るとみられます。金融市場は2026年末にかけても政策金利は1%未満という緩やかな利上げを想定しています。長期金利を含めて金利上昇ペースが緩やかなものにとどまれば、景気の下押し圧力は限定的でしょう。 日本株の評価が高まる余地は十分ある 総選挙の結果が注目されますが、石破首相は金融市場の関心の高い政策に配慮するよう、発言が変化しています。急激な円高が一服し、為替が企業業績の下方修正リスクとなる懸念は低下しています。主要企業の業績拡大は続いており、バリュエーション(株価に基づく企業価値評価)に割高感は無く、PBR(株価純資産倍率)やPER(株価収益率)の上昇余地は十分あります。野村證券は、2025年末の日経平均株価の予想を42,000円としています。 投資戦略については、米国で良好な経済環境と業績拡大が続くならば、米主要株価指数の史上最高値更新は続くとみます。中国景気への懸念などはありますが、総選挙などのイベントを消化しつつ、日本株も主要企業の史上最高益更新への信頼感が高まれば、業績拡大の趨勢に回帰するとみます。 (野村證券投資情報部 小髙 貴久) ※野村證券投資情報部「Nomura 21 Global 11月号」(発行日:2024年10月21日)「投資戦略の概要」より※掲載している画像はイメージです。 Nomura21Global参考銘柄について ご投資にあたっての注意点
-
10/27 09:00
【動画 3分チャート塾】シーズンⅡ:第2回 移動平均線の3つの使い方
「動画 3分チャート塾」は、株価チャートの見方を学びたい初心者から中級者の方向けの動画シリーズです。 今回は、移動平均線の3つの主要な使い方について説明しています。 シーズン I:意外と知らないローソク足(全8回)ローソク足の基本の読み方や中長期的な相場の捉え方などについてわかりやすく解説していきます。シーズンII:相場の見方の強い味方、移動平均線(全9回)移動平均線の基礎や活用法についてわかりやすく解説していきます。シーズンIII:上値、下値のメドを探ろう(全10回)上値、下値メドの探り方についてわかりやすく解説していきます。シーズンIV:相場の過熱感を測るには?(全9回)オシレーター系指標についてわかりやすく解説していきます。シーズンV:トレンドラインを引いてみよう(全9回)トレンドラインについてわかりやすく解説していきます。 ご投資にあたっての注意点
-
10/26 19:00
【来週の米国株】いよいよGAFAM決算発表!前回決算を復習(10/26)
※執筆時点 日本時間25日(金)12:00 今週:好調な経済→利下げ先送り観測 ※10月18日(金)- 10月24日(木)4営業日の騰落 好調な経済指標を受けた、FRB(米連邦準備理事会)高官による利下げ先送りの示唆などにより長期金利が上昇し、米国株3指数は軟調でした。 来週:決算発表が本格化 政治に揺れる市場 米大統領選が大詰めを迎える中で、トランプ候補が勝利するとの見方が強まり米金利が上昇し、円安ドル高圧力と米国株の下押し圧力となっています。米国では大統領選に向けた世論調査やオンライン予想サイトの動向が引き続き焦点となりそうです。 雇用統計を中心に経済指標に注目 経済指標面では11月1日(金)雇用統計が重要です。ハリケーンの影響から雇用が伸び悩む可能性があることから、市場コンセンサスは前月比12.0万人増と9月(同25.4万人増)から減速する予想となっています。ハリケーンの影響によるかく乱もあり、FRBの政策姿勢への影響は限定的となりそうですが、雇用の増加ペースが10万人を切った場合や失業率が上昇した場合、利下げ期待の回復に寄与しそうです。 10月31日(木)コアPCE(個人消費支出)デフレーターや、11月1日(金)ISM製造業景気指数なども注目ですが、大統領選が近づく中、相場の反応は限られそうです。なお、FRBは10月26日(金)からブラックアウト(発言自粛期間)入りとなります。 GAFAM決算で霧は晴れるか 来週以降、米国企業の2024年7-9月期決算を発表がピークを迎えます。特にテクノロジー大手のアルファベット(10月29日/GOOGL)、マイクロソフト (10月30日/MSFT)、メタ・プラットフォームズ(10月30日/META)、アマゾン・ドットコム(10月31日/AMZN)、アップル(10月31日/AAPL)の決算からは、AIやクラウド、Eコマース、スマホといった成長テーマの持続性への示唆に注目です。 前回決算はYoutubeやECなどが弱含み、AI好調 前回決算(4-6月期決算を指し、来週から始まる7-9月決算の内容でないことには注意)を振り返りましょう。 (注)GAFAMは、アルファベット(旧グーグル)、アマゾン、メタ(旧フェイスブック)、アップル、マイクロソフトを指す。決算発表は各社とも引け後。灰色の網掛けは株価騰落率がマイナス、もしくは、業績の実績が市場予想を下回った場合。決算のポイントの灰色の太字はネガティブな内容。決算のポイントはすべてを網羅しているわけではない。アルファベットの株価騰落率はA株。純利益市場予想の変化額は、2024年7月1日(決算発表前)と2024年8月2日(決算発表後)時点の比較で、期間は暦年(1-12月期)、LSEG集計による市場予想平均。 (出所)会社資料、ウルフ・リサーチ社、LSEGより野村證券投資情報部作成 AIが広告・クラウドの収益に貢献 アルファベットは、主力の検索広告やクラウド事業が好調で、それらを含むすべての事業でAIがイノベーションを起こしている、とコメントしました。メタは、SNS広告事業において前年同期比でユーザー数と広告単価がともに増加した理由としてAIアシスタントの利用拡大を挙げ、2024年末に世界で最も利用されるAIアシスタントになるとコメントしました。 マイクロソフトのクラウド部門の売上高は市場予想を下回りました。中核の「アジュール」のAIサービスの収益化が遅れているとみられますが、会社は2025年6月期下半期(2025年1-6月期)にアジュールの成長が加速するとコメントしました。 Eコマースは高インフレ継続による消費者の低価格志向が逆風 アマゾンのEコマース事業の売上高は市場予想を下回りました。会社は、長引く高インフレを背景に想定以上の消費者の低価格志向が販売単価の低下につながり、高価格帯商品のPCや電子機器の販売が好調でも好景気時に比べて売上高成長率の鈍化がみられたとコメントしました。 AI関連の設備投資は増額へ 各社ともAI関連の設備投資の増額に言及し、アップル(ほぼ横ばい)を除く4社の設備投資額の市場予想は、決算発表後に2024年1-12月期予想、2025年1-12月期予想ともに上方修正されました。 これらの大手企業は、AIの活用などにより収益を拡大させ、その利益を基に設備投資額を増やし、さらに成長することが期待されています。この成長の好循環は、エヌビディア(11月下旬に決算発表予定/NVDA)など設備投資の受け皿企業にとっても重要です。 (編集:野村證券投資情報部 デジタル・コンテンツ課) ご投資にあたっての注意点 要約編集元アナリストレポートについて 野村オリジナル記事の配信スケジュール
-
10/26 11:00
【オピニオン】米金融決算は景気のソフトランディングを示唆
※画像はイメージです。 米国では10月中旬以降、2024年7-9月期の企業決算が本格化しています。米金融機関は、早めの日程で決算発表を行うため、その期の決算の方向性を確認する上で注目されます。金融機関の決算内容については、下記の2点が注目されていました。①クレジットカードローンの貸倒率②純金利収益の見通し 下図の赤色の線は、JPモルガン・チェースのクレジットカードローン等のカードサービスの貸倒率です。2021年から2022年にかけては、コロナ禍支援の財政政策による給付金やローン返済の猶予、また、緩和的な金融政策などにより急低下しました。その後、政策の正常化などにより急上昇し、2024年4-6月期には3.50%と、コロナ禍前の水準や2024年12月期通期見通しの3.40%を超えて上昇し、信用悪化が懸念されました。2024年7-9月期は3.24%に低下し、会社は通期見通しを3.40%に据え置きました。 FRBが発表する、米国の全金融機関のクレジットカードローンなどのリボルビングローン残高(灰色の線)は、物価の上昇などを背景にコロナ禍前の水準を大きく超えて増加しました。このため、「借りて使う」消費がいつまで継続するかが注目されます。また、積み上がったローンの貸倒率の上昇は、いわゆる「バブルの崩壊」を意味するため懸念されます。ローンの返済能力に直結する雇用について、米国の失業率が上昇傾向にあることから、貸倒率の上昇が「正常化」なのか悪化が継続するのかが注目されていました。決算内容から、ひとまず懸念は後退したと考えられます。 (注)米リボルビングローン残高は、データは月次で直近値は2024年8月時点。JPモルガン・チェースのカードサービス純貸倒率は、データは四半期毎で直近値は2024年7-9月期時点。(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成 2点目の純金利収益は、銀行の収益の柱で、銀行の財務、ひいては金融システムの健全性にとって重要な項目です。下図の、米大手3行(JPモルガン・チェース、バンク・オブ・アメリカ、シティグループ)の純金利収益は、過去においては金利水準との相関が高いといえそうです。JPモルガン・チェースは2024年9月に、FRBによる利下げや長期金利の低下を背景に、2025年12月期通期の同社に対する市場の純金利収益の見通しは楽観的過ぎる、とコメントし、同社の株価は下落しました。しかし、その後の2024年7-9月期の決算時には、純金利収益について、2024年12月期通期の見通しを引き上げ、2025年についても年央までは減少するものの、その後成長基調に戻る可能性があるとコメントしました。 金融機関の貸倒率や収益性からは、状況の悪化がさらに悪化を招くような負のスパイラルに陥る可能性が低下し、景気のソフトランディング(軟着陸)の可能性が高まったといえそうです。 (注)米大手3行は、JPモルガン・チェース、バンク・オブ・アメリカ、シティグループ。国債利回りは、データは日次で直近値は2024年10月18日時点。米大手3行の純金利収益は、データは四半期毎で直近値は2024年7-9月期時点、2024年10-12月期以降はLSEG集計による市場予想平均。(出所)LSEGより野村證券投資情報部作成 ご投資にあたっての注意点
-
10/26 09:00
【注目トピック】接戦続く米大統領選!市場はトランプ氏勝利を意識し始めたか
※画像はイメージです。 2024年米国大統領・議会選挙 米大統領選挙は大接戦 米国の大統領・議会選挙は11月5日の投開票に向けて、いよいよ大詰めを迎えています。各種世論調査を見ると、大統領選挙は依然として接戦が続いている模様です。全米での支持率では民主党大統領候補であるハリス副大統領が、共和党大統領候補のトランプ前大統領を終始リードしています。ただし、両者の差は2%を下回っています。この種の世論調査では2-3%程度の統計誤差があることを勘案すると、決して有意な差とは言えません。 大統領選挙のたびに勝者が変わりやすいためスイングステートと呼ばれ、今回も激戦が予想される主要7州の支持率を見ると、ここにきてトランプ氏が巻き返している様子が確認できます。スイングステートの中でも民主党が相対的に優位な「青い壁(ブルーウォール)」と呼ばれる3州(ミシガン、ウィスコンシン、ペンシルベニア)に関してはハリス氏の優勢が続いてきましたが、その差は文字通り誤差の範囲内となっており、特に最大の選挙人が割り当てられているペンシルべニア州ではトランプ氏が逆転し、各州の選挙人を現在の調査結果に基づいて割り振るとトランプ氏が62人、ハリス氏が31人となります。 (注)支持率はFiveThirtyEightによる調査で、表中の数値は2024年10月21日時点。全米に加えて、激戦が予想される7つの州を抽出。支持率は各大統領候補者に対する評価で、それぞれ優勢な候補者の支持率を塗りつぶしている。(出所)FiveThirtyEight、各種資料より野村證券投資情報部作成 議会選挙は上院は共和党優位・下院は依然拮抗 米国議会は現在、上院は民主党、下院は共和党が過半数を占める「ねじれ議会」の状況にあります。上院の改選議席は民主党が23議席(無所属の4議席を含む)、共和党は11議席です。下院は全435議席が改選になります。各種世論調査では、上院はやや共和党が優勢、下院は依然として拮抗しています。通常、下院選挙は大統領候補の全国支持率が結果に影響しやすい傾向にあるため、ハリス氏が大統領選に勝利すれば、下院でも民主党が票を伸ばす可能性があります。一方で、上院は州毎の戦いとなる傾向にあり、大統領選の結果は影響しにくいと見られています。このため、現在の状況を踏まえると、ハリス氏が勝利した場合でも議会はねじれ議会となる可能性がある一方、トランプ氏が勝利した場合は上院、下院でも共和党が過半数を占める「レッドスウィープ」となる可能性がありそうです。 (注)2024年の上院議員では、無所属の4議席も改選される。選挙区情勢は2024年10月21日時点。(出所)270toWINより野村證券投資情報部作成 足元の市場では、長期金利上昇、ドル高など、トランプ氏勝利の可能性を意識し始めた様子が伺われます。ただし、期待先行で織り込みが進むほど、期待外れの結果となった際の反動が大きくなる可能性もあることから注意が必要です。 (野村證券投資情報部 尾畑 秀一) ご投資にあたっての注意点
-
10/26 07:00
【来週の予定】選挙と金融政策で日本が揺れる一週間
来週の注目点:日本の総選挙と金融政策、米国の経済指標 今週の注目点は日本の総選挙と金融政策です。27日(日)には衆議院議員選挙の投開票が行われます。石破政権は、岸田前政権の運営方針を引き継ぐ見込みですが、自公過半数が微妙との世論調査が相次いでおり、石破内閣が景気重視の姿勢を強めて支持率の回復に努める可能性があります。このように与党の議席数によって石破内閣の政策方針が変化するリスクがあり、注目を集めます。 また、31日(木)には日銀金融政策決定会合の結果発表と植田総裁の記者会見が行われます。野村證券では、今会合では政策金利や物価見通しを据え置き、12月会合で利上げを実施すると予想します。他方、先行きの金融政策運営に関わる物価見通しのリスク評価が変更される可能性があり、今会合の焦点の一つと見られます。 米国経済は堅調に推移しており、FRBがより長くタカ派的(物価の安定を重視して金融引き締めに前向き)な姿勢を維持せざるを得なくなる経済の「ノーランディング」シナリオが台頭しています。29日(火)に10月コンファレンスボード消費者信頼感指数、30日(水)に7-9月期実質GDP速報値、10月ADP全米雇用レポート、31日(木)に9月個人消費支出・所得統計、10月シカゴ購買部協会PMI、11月1日(金)に10月雇用統計、10月ISM製造業景気指数と重要統計の発表が相次ぎます。今後の金融政策を見通す上で注目されます。 ユーロ圏では、30日(水)に7-9月期実質GDP速報値、31日(木)に10月消費者物価指数(HICP)が発表されます。ECBは次回の12月会合から2025年6月会合まで0.25%ポイントずつの連続利下げを行うと野村證券では予想します。ただし、想定を上回るユーロ圏景気の弱さやインフレ率の減速が確認された場合には、市場の大幅利下げ観測が強まる可能性もあります。 中国では、31日(木)に10月政府版PMI、11月1日(金)に10月財新版・製造業PMIが発表されます。これまでの金融緩和や不動産市場の支援策などの政策効果が注目されます。 (野村證券投資情報部 坪川 一浩) (注1)イベントは全てを網羅しているわけではない。◆は政治・政策関連、□は経済指標、●はその他イベント(カッコ内は日本時間)。休場・短縮取引は主要な取引所のみ掲載。各種イベントおよび経済指標の市場予想(ブルームバーグ集計に基づく中央値)は2024年10月25日時点の情報に基づくものであり、今後変更される可能性もあるためご留意ください。(注2)画像はイメージです。(出所)各種資料・報道、ブルームバーグ等より野村證券投資情報部作成 ご投資にあたっての注意点
-
10/25 16:18
【野村の夕解説】日経平均は229円安、衆議院議員選挙を前に慎重姿勢(10/25)
(注)画像はイメージです。 本日の動き 前日、米国では週間新規失業保険申請件数が発表され、市場予想を下回る結果となりました。また、10月のS&Pグローバル米国サービス業PMI、製造業PMIがともに市場予想を上回ったほか、9月の新築住宅販売件数は直近1年余りで最も高い水準となりました。発表された経済指標は概ね良好で、米国景気の堅調さを示す内容となった一方、米国金利の上昇は一服し、ニューヨーク為替市場では米ドル円が円高方向に進みました。国内では27日(日)の衆議院議員選挙に関して、主要メディアから与党の苦戦が報じられており、円高米ドル安進行と不透明な国内政治情勢への警戒感から、日経平均株価は寄り付きから下落し、下げ幅は一時400円を超えました。その後引けにかけて小動きの展開となり、前日比229円安の37,913円で本日の取引を終了しました。選挙を目前に控えた投資家の様子見姿勢が強まり、東証プライム市場の売買代金は3兆1,579億円と、今年に入って最も低い水準となりました。 本日の市場動向 ランキング 本日のチャート (注)データは15時15分頃。ドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。(出所)Quickより野村證券投資情報部作成 今後の注目点 27日(日)は衆議院議員選挙の投開票日です。読売や日経の世論調査では、与党の苦戦が報じられており、結果に注目が集まります。 (野村證券投資情報部 秋山 渉) ご投資にあたっての注意点
-
10/25 12:00
【今週のチャート分析】日経平均株価、主要な移動平均線が集中する水準を割り込む
※画像はイメージです。 ※2024年10月24日(木)引け後の情報に基づき作成しています。 調整一巡後は、年末にかけて戻し相場となるか 今週の日経平均株価は、衆議院議員総選挙を前に、政治リスクが嫌気され、軟調な展開となりました。 チャート面からこれまでの動きを振り返ってみましょう(図1)。日経平均株価は、10月15日に一時4万円台を回復しましたが、その後は調整となり、22-24日に25日移動平均線(10月24日:38,581円)や200日線(同:38,243円)、75日線(同:38,200円)といった主要な移動平均線が集中する水準を割り込みました。 この先、さらなる調整となり、10月2日安値(37,651円)を下回った場合は、9月19-20日のマド埋め水準(37,394円)や、9月18-19日のマド埋め水準(36,675円)が次の下値メドとして挙げられます。 一方で、10月高値までの上昇で、8月5日安値に対する二番底が完成し、本格的な上昇相場への移行が見込まれる局面となっています。今後早期に主要な移動平均線を奪回すれば、まずは、心理的フシの4万円や、10月15日高値(40,257円)水準回復を目指す動きとなると考えられます。 ※(アプリでご覧の方)2本の指で画面に触れながら広げていくと、画面が拡大表示されます。 (注1)直近値は2024年10月24日。 (注2)日柄は両端を含む。(注3)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成 8月に急落した日経平均株価は、9月・10月も一時大幅安となる等、振れ幅の大きい動きがみられます。ただ、8月5日の安値からこれまでに2ヶ月を超えており、日柄調整が進展しています(図2)。 今後徐々に相場は落ち着きを取り戻すと見られ、目先の調整一巡後は、年末にかけて本格的な戻し相場に入ることが期待されます。 (注1)直近値は2024年10月24日時点。 (注2)下落局面はすべてを網羅しているわけではない。(中3)ブラックマンデーや、コロナショック時や今回の下落局面は、直前の高値を起点とした。リーマンショックは2008年9月15日であり、その前営業日を起点とした。。(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成 米国株、選挙前の警戒感も、長期トレンドには上昇余地 NYダウは10月中旬にかけて史上最高値を更新し、43,000ドル台に乗せましたが、大統領選挙を控えていることから高値に対する警戒感も見受けられ、その後は押しを入れました。 しかし、チャート面からみれば、2022年9月から続いている長期的な上昇トレンド自体には、今後も上昇余地があると考えられます。月足チャートで過去の長期上昇局面を分析したところ、2009年の安値形成後には5回の上昇局面がありました(図3中①~⑤)。 コロナショックでの高値形成を除くと、株価は安値から1.7倍から2.0倍に上昇しています。仮に上昇倍率1.7倍を2022年9月の安値に当てはめると、48,832ドルとなり、引き続き上昇の余地があると考えられます。 (注1)直近値は2024年10月23日。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。 (注3)日柄は両端を含む。(出所)S&P ダウジョーンズ・インデックス社より野村證券投資情報部作成 今年7月につけた史上最高値に迫る動きとなっているナスダック総合指数についても同様の分析を行うと、株価は安値から1.9倍から2.3倍に上昇しています(図4中:①~⑤、④を除く)。 しかし、現在のところはまだ1.8倍の上昇にとどまっており、こちらにも上昇余地があると考えられます。 (注1)直近値は2024年10月23日。 (注2)日柄は両端を含む。(注3)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。(出所)ナスダックより野村證券投資情報部作成 さらに、業績面でみれば、NYダウやナスダック総合指数のEPS(1株当たり利益)は、市場予想ベースで2024年12月期、2025年12月期ともに大幅な増益が続くと見込まれています(図5)。これらも併せて考慮すれば、今後も米主要株価指数の史上最高値更新が続く可能性が高いと見ています。 (注1)EPSの予想は2024年10月14日時点。2024.12期以降は予想。NYダウとナスダック総合指数はファクトセット、S&P500指数はLSEGが集計した市場コンセンサス。図中の数字は、各EPSの前期比増減率。(出所)LSEG、ファクトセットより野村證券投資情報部作成 (野村證券投資情報部 岩本 竜太郎) 【FINTOS!編集部発行】野村オリジナル記事配信スケジュールはこちら ご投資にあたっての注意点
-
10/25 08:29
【野村の朝解説】企業の決算を受け、米株価指数はまちまち(10/25)
(注)画像はイメージです。 海外市場の振り返り 24日の米国株式市場では、NYダウが4営業日続落しました。決算内容が嫌気されたIBMとハネウェル・インターナショナルが大幅安となったことに加えて、労働組合のストライキ延長が決まったボーイングも軟調でした。他方、朝方発表された週間新規失業保険申請件数は前週から減少し、米国の労働市場の底堅さが確認されたことなどから一般消費財など景気敏感株の一角に買いが入り、株式市場を下支えました。また、テスラやラムリサーチ、サービスナウなどテクノロジー企業の決算が軒並み好調な結果となったことなどから、ナスダック総合指数は上昇しました。 相場の注目点 今週の日本株式市場は、軟調な展開が続いています。日経平均株価は、約3週間ぶりに3万8,000円台を割り込む場面もありました。円相場の変動に対する懸念に加えて、27日(日)に投開票の衆議院議員総選挙を前に、主要メディアから自民党の苦戦が報じられていることなどが影響しているとみられます。総選挙では、自民公明両党で過半数に届かない結果になれば、政治の流動化懸念から日本株の重石となるリスクがあります。逆に、自公で安定多数(244議席)や絶対安定多数(261議席)を確保できれば、長期安定政権への期待から日本株にとって追い風となることが期待されます。 本日のイベント 日本では、10月東京都区部消費者物価指数が発表されます。日銀の金融政策決定会合(10月30-31日)を翌週に控え、金融政策の動向を見極める上で重要です。また、引け後には、信越化学工業、ミスミグループ本社などが決算発表を予定しています。 (野村證券 投資情報部 澤田 麻希) (注)データは日本時間2024年10月25日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。 野村オリジナル記事の配信スケジュール ご投資にあたっての注意点