特集
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03/06 19:00
【銘柄ランキング】決算発表シーズンにNISA「成長投資枠」で買われた銘柄は?(2024年2月作成)
通信、銀行、自動車株などがランクイン 日本企業の決算発表が一巡しました。決算発表が集中したこの期間に、どのような銘柄が購入されたのでしょうか。主要企業の決算発表が本格化し始めた2024年1月24日から、決算発表がほぼ出そろった2月16日までの間に、野村證券のNISA口座の「成長投資枠」で購入された銘柄を見てみましょう。 情報・通信セクターからは、日本電信電話(9432)が1位に、ソフトバンク(9434)が12位に、KDDI(9433)が15位にランクインしました。2023年10-12月期決算(3Q)では、ソフトバンクが2024.3期の利益計画を上方修正しました。そのほか、KDDIはローソン(2651)に対する公開買付けの実施を発表しました。 銀行セクターからは、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)が2位に、あおぞら銀行(8304)が10位に、みずほフィナンシャルグループ(8411)が13位に、ゆうちょ銀行(7182)が17位にランクインしました。主要銀行株の3Q決算では、顧客部門収益を中心に増益基調が継続されました。来期にかけては、マイナス金利解除の行方などに注目が集まっています。 輸送用機器セクターからは、トヨタ自動車(7203)が3位に、本田技研工業(7267)が8位に、日産自動車(7201)が9位に、デンソー(6902)が19位にランクインしました。世界の自動車販売台数は、2024年1月もペントアップ(先送り)需要などに支えられ大幅増が続きました。ただし、米国では自動車ローン金利の高止まり、欧州や日本ではペントアップ需要の消化が進むなど、需要の先行きには注意が必要です。 医薬品セクターからは、アステラス製薬(4503)が6位に、武田薬品工業(4502)が11位にランクインしました。医薬品株の3Q決算では明暗が分かれました。武田は米国市場で潰瘍性大腸炎・クローン病の治療薬「エンティビオ」などの販売が好調だった一方、アステラスは更年期障害向け治療薬「フェゾリネタント(米国製品名ベオーザ)」の販売が難航しています。 (野村證券投資情報部 デジタル・コンテンツ課) (注1)画像はイメージ。(注2)各種データは2024年2月28日時点。(出所)各種資料より野村證券投資情報部作成 ご投資にあたっての注意点
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03/05 19:00
【週間ランキング】最も閲覧数が多かった個別銘柄は?トップ10を紹介(3/5)
トヨタの時価総額が日本企業で初めて60兆円台に トヨタ自動車(7203)が3位にランクインしました。2024年3月1日、トヨタ株は終値で上場来高値を更新し、日本企業としては初めて時価総額が60兆円を突破しました。 KDDI(9433)が7位にランクインしました。2024年2月26日、KDDIはソニーグループ(6758)と本田技研工業(7267)が共同出資するソニー・ホンダモビリティーとの協業を発表しました。KDDIは同社が2025年に発売予定のEV(電気自動車)「AFEELA(アフィーラ)」に通信回線を提供し、車内で映画やゲームの配信を可能にするとしています。 ルネサスエレクトロニクス(6723)が8位にランクインしました。2024年2月29日、三菱電機(6503)は保有するルネサスエレクトロニクス株をすべて売却して、売却益が1,093億円になったと発表しました。 日本製鉄(5401)が9位にランクインしました。日本経済新聞(2024年3月1日)は、日本製鉄とトヨタ自動車が2025.3期上半期の鋼材価格を前半期比で引き上げることを決定し、トヨタが集中購入制度に基づき部品メーカーに供給する鋼材の支給価格は前半期比で据え置くことにしたと報じました。この情報の真偽は未確認です。 (野村證券投資情報部 デジタル・コンテンツ課) (注1)画像はイメージ。(注2)各種データは2024年3月4日時点。 ご投資にあたっての注意点
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03/05 09:30
【#ヘッドマウントディスプレー】AI抽出15銘柄/日本セラミック、稲畑産業、EIZOなど
アップルが新端末「Vision Pro」を発売 2024年2月2日、米アップルのゴーグル型ヘッドマウントディスプレー「Vision Pro(ビジョンプロ)」が米国で発売されました。アップルの参入が市場の活性化を促し、仮に今後ヘッドマウントディスプレーへの需要が増加した場合、日本企業にどのような影響を及ぼすのでしょうか。AI「xenoBrain」は、「ヘッドマウントディスプレー需要増加」が他のシナリオにも波及する可能性を考慮し、影響が及ぶ可能性のある15銘柄を選出しました。 ※ xenoBrain 業績シナリオの読み方 (注1)本分析結果は、株式会社xenodata lab.が開発・運営する経済予測専門のクラウドサービス『xenoBrain』を通じて情報を抽出したものです。『xenoBrain』は業界専門誌や有力な経済紙、公開されている統計データ、有価証券報告書等の開示資料、及び、xenodata lab.のアナリストリサーチをデータソースとして、独自のアルゴリズムを通じて自動で出力された財務データに関する予測結果であり、株価へのインプリケーションや投資判断、推奨を含むものではございません。(注2)『xenoBrain』とは、ニュース、統計データ、信用調査報告書、開示資料等、様々な経済データを独自のAI(自然言語処理、ディープラーニング等)により解析し、企業の業績、業界の動向、株式相場やコモディティ相場など、様々な経済予測を提供する、企業向け分析プラットフォームです。(注3)時価総額500億円以上の銘柄を表示している。xenoBrainのデータは2024年3月1日時点。(注4)画像はイメージ。(出所)xenoBrainより野村證券投資情報部作成 ご投資にあたっての注意点
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03/04 20:00
【今週の米国株】時価総額に明暗、2兆ドル超えのエヌビディアと1兆ドル割れのテスラ(3/4)
先週:2年3ヶ月ぶり、ナスダックが史上最高値を更新 先週の米国株式市場は、インフレ再加速への警戒から週半ばまでは上値が重い展開でした。しかし、2月29日(木)寄り前発表の1月コアPCE(個人消費支出)デフレーター(FOMCで参照されるインフレ指標)がほぼ市場予想通りとなり、インフレ警戒感が後退して米長期金利が低下、2年3ヶ月ぶりにナスダック総合指数が29日(木)には終値ベースで史上最高値を更新し、3月1日(金)には場中での史上最高値も更新しました。同日、S&P 500 指数も史上最高値を更新しました。 今週のポイントは2点です。 ポイント1:パウエルFRB議長の議会証言 3月9日(土)以降、19日(火)・20日(水)開催のFOMC(米連邦公開市場委員会)を前に、FRB(米連邦準備委員会)幹部は沈黙期間に入ります。そのため金融政策に関するFOMC参加者コメントには注目が集まりやすく、特にパウエルFRB議長の議会証言は高い関心を集めています。6日(水)には米議会下院で、7日(木)に米議会上院での証言が予定されています。 また、8日(金)には2月雇用統計の発表が予定されています。非農業部門雇用者数の市場予想は前月比+19.3万人(1月同+35.3万人)と予想されていますが、6ヶ月平均で見れば月+25万人と、労働市場が堅調な推移が示唆されます。時間当たり賃金でインフレ減速、雇用者数で景気堅調が確認されれば、市場は米景気ソフトランディングへの見方を強め、株式市場には追い風となるでしょう。 ポイント2:2兆ドル超えのエヌビディア、1兆ドル割れのテスラ 足元の米国株上昇には、マグニフィセント・セブン(大手テクノロジー企業7社)が大きく寄与していますが、実はこの7社の中でも明暗が分かれています。もっとも株価の上昇率が高いのはエヌビディア(2023年末比+66%)、もっとも下落率が高いのはテスラ(同-18%)です。エヌビディアの時価総額は1日(金)に2兆ドルを超え、マイクロソフト、アップルに次ぐ時価総額世界3位です。一方のテスラは6000億ドル台、時価総額で米国10位(2024/3/1時点)と、その他のマグニフィセント・セブン銘柄だけでなく、製薬のイーライリリーや通信用半導体のブロードコムよりも低い位置になっています。 ここで、2023年10-12月期決算発表前と現在で2024年通年の各セクター(S&P500の産業グループ)の増益率予想がどのように変化したかを確認してみましょう。エヌビディアは半導体・半導体製造装置グループ、テスラは自動車・自動車部品グループです。 決算発表前(2023年12月29日時点) 現時点(2024年3月1日時点) (注)表題の時点のLSEG(旧リフィニティブ)集計による市場予想平均。産業グループ名に付されている( )内の番号は、識別のために野村證券投資情報部で付与している番号。*は景気敏感業種。 (出所)LSEG(旧リフィニティブ)より野村證券投資情報部作成 半導体・半導体製造装置グループは、決算発表前から2024年の高い増益率が予想されていましたが、決算発表を終え増益率への確信度はさらに高まったようです。決算実績で示されたAIの処理を行うデータセンター向けの半導体への需要は市場の期待以上でした。当社やアドバンスド・マクロ・デバイセズといったデータセンター向け半導体メーカー各社は、演算用(ロジック)半導体にメモリーも搭載した最新の半導体を販売しており、高単価化が進んでいます。課題となっていた供給制約も、エヌビディアCEOのジェンスン・フアンCEOが決算後カンファレンスで制約解消に自信を示すなど明るい兆しも見えています。2024年を見通してみても、新製品の発表に加え中国向けの出荷再開の寄与本格化が期待されています。 一方、自動車・自動車部品グループを見てみると決算発表を経て増益率は低下し、産業グループごとの比較でも下位に甘んじています。EV(電気自動車)市場の普及スピードが鈍化しており、特に低~中価格帯のモデルで値下げとリベートの上昇による粗利益率の低下などの問題に直面しています。長期的には、新しい商機(次世代モデル、エネルギー貯蔵、EV充電インフラなど)の業績寄与、人工知能(AI)への投資なども評価対象として期待されますが、市場は反転のタイミングを見極めている最中です。 そのほかのグループに目を向けると、メディア・娯楽グループの増益率が高まっています。これは、メタ・プラットフォームズ等、業績に従来の広告業モデルだけでなく、AI製品の寄与を業績予想に織り込み始めたことが背景にあります。 決算が落ち着きつつある現局面は、業種やグループごとの情報を見極め、選別投資の準備を進める良い機会と考えます。上記表を活用し、個別株選定のヒントにしてみてはいかがでしょうか。 (FINTOS!外国株 小野崎通昭) ご投資にあたっての注意点 野村オリジナル記事の配信スケジュール
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03/04 15:43
【速報・解説】日経平均が初の4万円台、年内高値は「43,000円」を予想(3/4)
本日の株式市場 本日の日経平均株価は、前週末比290円高の40,201円で取引を開始しました。前週末の米国株式市場で、半導体関連株を中心に上昇し、主要3指数が揃って続伸したことが好感されました。また、寄り前に発表された10-12月期の法人企業統計で設備投資が前年同期比+16.4%と、10-12月期で過去最高となったことも、日経平均株価の押し上げ要因となりました。寄付き後は、やや上げ幅を拡大し、一時40,300円台をつける場面もありました。もっとも、心理的な節目でもある4万円台に乗せたことによる達成感もあり、後場に入ると、上値が重い展開となりました。4万円台を割りかける場面もあったものの、前週末比198円高の40,109円と、史上初の4万円台に乗せて取引を終えました。一方で、TOPIXは前週末比-0.12%と小幅に反落しました。 個別では、東京エレクトロンやアドバンテストといった半導体関連株が上昇し、2銘柄で日経平均株価を約160円押し上げました。 日経平均、年内高値は43,000円を予想 日経平均株価は終値で初めて節目の40,000円を上回りました。ただし、現在の株価バリュエーション(投資尺度)は、12ヶ月先予想PER(株価収益率)で2013年以降の12〜17倍の範囲内に収まっています。従来の高値(1989年12月29日の終値:38,915円)だった1989年当時とは異なり、現在の株高は業績によって裏付けられています。 日本株上昇の背景には、日本経済と企業のデフレ体質脱却があります。物価指標を見ると、現在の日本企業がこれまでとは異なる値上げ行動を取っていることがよくわかります。輸入物価が2022年の半ばにピークを迎えたにもかかわらず、国内企業物価は2024年1月のデータでも依然として上昇傾向にあります。日本企業のROE(自己資本利益率)および売上高営業利益率は徐々に上昇していますが、値上げ文化の定着により更なる改善が見込まれます。野村では、売上高営業利益率が欧州企業と同程度まで高まると、日本企業のROEは約40%上昇する可能性があると考えています。 デフレ脱却に次ぐ重要なテーマとして、日本企業のコーポレートガバナンス(企業統治)改革が挙げられます。東京証券取引所は2023年3月に、株価や資本コストを意識した経営を企業に要請しました。これが企業のコーポレートガバナンス改革を後押しし、特に政策保有株の売却加速というはっきりとした成果を上げています。自社株買いが増加し、日本企業のEPS(1株当たり利益)の増加に寄与してくることが期待できます。現在もまだ、上場株式の約3割が政策保有株として残存しているため、このテーマは数年間にわたり続く可能性が高いと考えられます。 需給面では、自社株買いに加えて、海外投資家が日本株の買い越し主体として影響力を増しています。野村では、グローバル投資家が日本株のウェイトを「アンダーウェイト(弱気)」から「ニュートラル(中立)」に修正するだけでも、まだ10兆円規模の買い余地があると試算しています。日本株インデックスの年内レンジ高値は、日経平均で43,000円、TOPIXでは過去最高値(1989年12月18日の終値:2,885)を上回る3,025を予想しています。推奨セクターは、銀行、建設、不動産、システム・アプリケーション、食品の5業種とします。内需セクターを中心に推奨している中長期の根拠としては、野村が日本経済と企業のデフレ体質脱却を重視していることがあります。 (要約編集:野村證券投資情報部 デジタル・コンテンツ課) 要約編集元アナリストレポート 日本株ストラテジー – 日経平均、史上最高値更新の背景と展望(2024年2月22日配信) 日本株ストラテジー – 注目点とトピック(2024年2月29日配信) (注)各種データや見通しは、要約編集元アナリストレポートの配信日時点に基づいています。画像はイメージ。(出所)野村證券市場戦略リサーチ部などより野村證券投資情報部作成 ご投資にあたっての注意点
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03/04 09:30
【#ドラッグストア】AI抽出15銘柄/バローHD、クリエイトSD、スギHDなど
ドラッグストア市場拡大の影響を受けそうな15銘柄をAIが選出 2024年2月28日、ツルハホールディングス(3391)、ウエルシアホールディングス(3141)および親会社のイオン(8267)は、資本業務提携契約の締結を決定したことを発表しました。3社は、2027年12月31日までにウエルシアHDとツルハHDの経営統合を含む最終契約を締結することを目指すとしました。ドラッグストア業界については、外出需要などを背景とした化粧品の貢献や食品での価格優位性などを背景に、その成長性にも注目が集まりつつあります。今後、ドラッグストア市場が拡大した場合、日本企業にどのような影響を与えるのでしょうか。AI「xenoBrain」は、「ドラッグストア市場拡大」が他のシナリオにも波及する可能性を考慮し、影響が及ぶ可能性のある15銘柄を選出しました。 ※ xenoBrain 業績シナリオの読み方 (注1)本分析結果は、株式会社xenodata lab.が開発・運営する経済予測専門のクラウドサービス『xenoBrain』を通じて情報を抽出したものです。『xenoBrain』は業界専門誌や有力な経済紙、公開されている統計データ、有価証券報告書等の開示資料、及び、xenodata lab.のアナリストリサーチをデータソースとして、独自のアルゴリズムを通じて自動で出力された財務データに関する予測結果であり、株価へのインプリケーションや投資判断、推奨を含むものではございません。(注2)『xenoBrain』とは、ニュース、統計データ、信用調査報告書、開示資料等、様々な経済データを独自のAI(自然言語処理、ディープラーニング等)により解析し、企業の業績、業界の動向、株式相場やコモディティ相場など、様々な経済予測を提供する、企業向け分析プラットフォームです。(注3)時価総額500億円以上の銘柄を表示している。xenoBrainのデータは2024年3月1日時点。(注4)画像はイメージ。(出所)xenoBrainより野村證券投資情報部作成 ご投資にあたっての注意点
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03/03 17:00
【オピニオン】政府・日銀はなぜインフレを目指すのか
日本政府・日銀は「2%の物価安定目標」の達成を目指しています。また、直近の日本株高の背景には、「日本経済のデフレ体質からの脱却への期待」があるとの見方もあります。なぜ、日本の政策当局はインフレを目指し、なぜ市場はそれを評価しているのでしょうか。 結論を一言でいえば、「適度なインフレが効率的な資源配分に寄与する」と考えられているからです。デフレの世界では円安や原油高などによる原材料コストの上昇を販売価格に転嫁することは容易ではないことから、企業の業績が悪化する、あるいは、業績悪化を回避するために人件費など、その他のコスト削減によって対処されることが想定されます。雇用や給与などの人件費の削減は、家計の購買力を低下させ、更に値上げを難しくさせる、あるいは値下げ圧力を高める悪循環に陥りかねません。 一方、インフレの世界では原材料コストの上昇を販売価格に転嫁することが比較的容易であることから、デフレ下で懸念されたような業績悪化や、賃金と販売価格の悪循環に陥るリスクが小さいため、デフレ脱却期待が市場の評価につながっていると考えられます。日本経済の状況を振り返ってみると、1990年代初頭のバブル崩壊後、日本経済は雇用・設備・債務の「3つの過剰」を抱え、成長力が低下し、デフレに陥ったと考えられています。実際に、企業は人件費抑制を優先し95年前後には「就職戦線は氷河期」と言われ、98年前後からは「リストラ」と言った言葉が蔓延しました。債務の過剰が転換点を迎えたのは、大手銀行の国有化が決まった2003年前後、雇用・設備の過剰感が解消したのは2005年前後と見られています。 2010年代には売上の増加とともに企業の売上高営業利益率は大幅に改善した一方で、人件費は90年代末をピークに、横ばいから低下基調で推移してきました。 ※(アプリでご覧の方)2本の指で画面に触れながら広げていくと、画面が拡大表示されます。 日銀は政策目標に「賃金と物価の好循環」を掲げています。コロナ禍後のインフレ上昇に対して、昨年の春闘で約33年ぶりの高い賃上げが行われたこと、今年も昨年を上回る高い賃上げ率が実現する可能性が高まっていることは、日本経済の変化の象徴として、市場の評価につながっていると見られます。 ただし、高い賃金上昇率が持続するためには、それに見合う業績拡大が不可欠なことは論を待ちません。このため、「賃金と物価と成長の好循環」を続けていくことが、日本経済、ひいては日本株への市場の評価が継続するかの鍵を握っていると考えられます。 ※画像はイメージです。 ご投資にあたっての注意点
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03/03 12:00
【野村の視点】最高値を更新した日経平均の「けん引役」は
日経平均株価は、約34年ぶりに史上最高値を更新しました。図1は、グラフの薄い灰色の棒グラフが日経平均株価の終値です。2023年12月末、2024年1月末、2024年2月22日の3つの時点での株価を掲載しています。 ※(アプリでご覧の方)2本の指で画面に触れながら広げていくと、画面が拡大表示されます。 その間にあるのが、どのような銘柄や業種が、日経平均株価の上昇や下落に寄与しているのか、寄与度を分解してみたものです。2023年12月末から2024年1月末にかけては、小売業の好決算や円安によって輸出関連企業が上昇のけん引役になるなど、様々な要因が株高に寄与していました。 2024年2月22日までの日経平均株価の上昇については、半導体関連銘柄が大きく影響しています。加えて、情報通信サービスの上昇寄与の中で、AIに関連する半導体に関係の深い企業へ投資している大手企業が大きく貢献しています。 図2は、世界の半導体販売額の推移です。半導体市場は、パソコンやスマホ、サーバーなどの製品サイクルが3~4年周期で訪れることで、需給が山谷として現れる「シリコンサイクル」が存在します。現在はサイクルの谷を抜け、世界の半導体販売額の反転拡大が鮮明です。 野村證券は、半導体の販売額が、2022年のピークを2024年中にも超えると予想します。サイクルの平均的な期間から見て、半導体市場の成長は当面続くとみられるため、こうした成長期待が日経平均株価を押し上げているとみられます。 (野村證券投資情報部 小髙 貴久) (注)画像はイメージです。 ご投資にあたっての注意点
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03/03 09:00
【基礎から学べる「行動ファイナンス」】 第10回 複雑さを避ける(1)
野村證券金融工学研究センターの大庭昭彦が投資や資産運用の際に人が陥りがちな「バイアス」に関して解説する「基礎から学べる行動ファイナンス」シリーズ。第10回は投資で複雑さを避ける「単純化」について解説します。 「決定麻痺」を避けるために リフレーム、コミットメントに続いて、行動コントロールで重要な技術の三つ目は「単純化」です。これは、複雑さを避けることだと言ってもよいかもしれません。 第6回「決定麻痺のわな」では、いったん投資をすることにしたものの、何をどのくらい投資するかで迷ってしまい、結局投資しなかったという失敗例を挙げました。そこでは多くの情報を受け取ってしまったせいで判断ができなくなり、その結果「決定麻痺」が起こっていました。 「問題が複雑であること」がよくないのであれば、「決定麻痺」を避けるためには、不要な情報・選択肢を減らした方がよいでしょう。 例えば有名な話として、企業型DC(確定拠出年金)で選べる投資信託の数が10以上の企業よりも、2つや3つの投資信託しか選択肢を用意していなかった企業の方が、DCへの平均参加率が高くなる傾向があるという研究結果が米国で知られるようになり、その後の企業年金のユーザーインターフェースデザイン(※1)に大きな影響を与えています。 (※1)主に企業年金加入時のシステム操作画面のデザイン 強引に単純化する さて、問題を単純化する場合、もともと不要な情報だったなら排除すればよいでしょう。悩ましいのは「正確さを求めると複雑になってしまう」場合です。この問題に対しては、古くから、正確さを犠牲にして「強引に単純化する」という興味深い方法が使われています。この中から2つの例を紹介します。 (1)「100-年齢」をリスク投資に 日本国内の多くの人は、今でも余裕資産を全て預貯金にしています。 そのうちのかなりの割合が「投資したいという気持ちはあるのに、具体的に投資する金融商品の配分を決められない」人たちです(※2)。 一口に「最適な比率で」と言っても、具体的な数字をそれぞれの人に合わせて厳密に決めるのは難しいでしょう。ここで一つの目安となるのが「100-年齢」です。20歳なら80%、50歳なら50%を株式などの「リスク資産」に投資するという考え方は分かりやすく、現在販売されている多くのターゲットデートファンドの内容とも整合しているといえます(※3)。 (※2)2022年「投資教育と投資推進に関する新展開」(大庭昭彦、証券アナリストジャーナル)(※3)2023年「エッセンシャル金融ジェロントロジー・第2版」(駒村康平(編)、慶應義塾大学出版会) (2)「72の法則」を基にした投資 人を長期投資に促すキーワードの一つに「複利」があることは間違いないでしょう。 複利の効果によって、ほんの数年の投資開始時期の違いが、後々投資結果に大きな差を生むこともあります。一方「自分で確かめないと決めたくないけれど、意外に面倒だった。」という理由で「決定麻痺」に陥る人も多いといえます。 そこで、投資金額が2倍になるまでにかかる年数を算出するには、72を利回りで割れば良いという「72の法則」が役に立ちます。試しに72を「利回り4%」で割ってみると18年、「利回り3%」で割ると24年です。 投資信託で期待利回り3~4%はかなり保守的と言えそうです。しかし、それでも意外に早く資産額が膨らんでいくことがわかります(※4)。 (※4)つみたて投資の場合には慶應大学の枇々木教授が126の法則を提唱している。 (KINZAI Financial Plan 2023年10月号掲載の記事を再編集したものです) 大庭 昭彦 野村證券株式会社金融工学研究センター エグゼクティブディレクター、CMA、証券アナリストジャーナル編集委員、慶應義塾大学客員研究員、投資信託協会研究会客員。東京大学計数工学科にて、脳の数理理論「ニューラルネットワーク」研究の世界的権威である甘利俊一教授に師事し、修士課程では「ネットワーク理論」を研究。大学卒業後、1991年に株式会社野村総合研究所へ入社。米国サンフランシスコの投資工学研究所などを経て、1998年に野村證券株式会社金融経済研究所に転籍、現在に至るまで、主にファイナンスに関わる著作を継続して執筆している。2000年、証券アナリストジャーナル賞受賞。 本稿は、野村證券株式会社社員の研究結果をまとめたものであり、投資勧誘を目的として作成したものではございません。2023年10月掲載時点での情報に基づいております。 ご投資にあたっての注意点