新着
420件
-
09/08 16:30
【野村の夕解説】日経平均株価625円高 史上最高値を一時上回る(9/8)
(注)画像はイメージです。 本日の動き 本日の日経平均株価は、寄り付きから大きく上昇し、引け値ベースの史上最高値である43,714円を一時上回りました。7日の記者会見にて石破首相が辞任の意向を示しました。今後実施される自民党総裁選において、積極財政を志向する候補者の出馬が市場では意識されました。日経平均株価は、一時43,838円まで上昇した後、やや調整する局面もありましたが、概ね堅調な値動きとなり前営業日比+625円の43,643円で取引を終えました。業種別では、すべての業種が上昇し、その他製品セクターが上昇率トップとなりました。また、総裁選が実施されるまで日銀が利上げに慎重な姿勢を示すとの見方から、市場では利上げへの期待が後退し、不動産セクターが前営業日比+2.61%と上昇した一方、銀行セクターは同+0.48%と相対的に軟調でした。個別では、5日の米国市場で半導体関連株が上昇した流れを受け、アドバンテストが前営業日比+4.37%と堅調に推移し、日経平均株価を135円押し上げました。 本日の市場動向 ランキング 本日のチャート (注)データは15時45分頃。米ドル/円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。米ドル/円は11:30~12:30の間は表示していない。(出所)Quickより野村證券投資情報部作成 今後の注目点 本日、米国にて7月消費者信用残高が発表される予定です。今後は、日米の金融政策に加え、自民党総裁選の動向に注視していく展開になるとみられます。 (野村證券投資情報部 笠原 光) ご投資にあたっての注意点
-
09/08 08:15
【野村の朝解説】予想下回る雇用統計受け米国株は反落(9/8)
(注)画像はイメージです。 海外市場の振り返り 5日の寄り前に発表された米国の8月雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比2.2万人増と市場予想(同7.5万人増)を下回りました。過去2ヶ月分が2.1万人下方修正され、6月は同1.3万人減と2020年12月以来初めて減少しました。失業率は4.3%へ上昇したものの、労働参加率(62.3%)の上昇を伴うものであること、特に25-54歳の参加率が約1年ぶりの水準に上昇したことから、悪い上昇と言う訳ではありません。S&P500指数は取引時間中の史上最高値を更新する形で寄り付いたものの下落に転じ、前日比-0.3%で引けました。利下げ観測の台頭を背景に、米国債利回りは低下、米ドルは加ドルを除くG10通貨に対して下落しました。 相場の注目点 米国の雇用増加ペースが大幅に減速したことを受けて 9月FOMCでの利下げが確実視されるなか、市場の関心は今後の利下げペースと政策金利の着地点にあるとみられます。先物金利は、1回当たりの利下げ幅を0.25%ポイントとした場合、25年中の3会合連続を含み、26年末までに最大6回の利下げを見込んでいます。米国株式市場は業績改善と利下げ継続の「いいとこ取り」の様相が見受けられることから、景気悪化、あるいは利下げ期待の後退など、いずれかの修正に対する反応が注目されます。 日本から輸出する自動車、並びに日本に対する米国の相互関税はいずれも15%となることが確定しました。関税を巡る不透明感の解消は日本株にとっては追い風です。一方、石破首相の退陣を受けて政局を巡る不透明感が高まったことは、財政拡張政策への思惑等を通じて日本国債や円にとっては重石となりそうです。 (野村證券 投資情報部 尾畑 秀一) ( 注)データは日本時間2025年9月8日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、中心限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。 ご投資にあたっての注意点
-
09/07 09:00
【銘柄特集】2025年8月IPO銘柄のパフォーマンスと9月IPO銘柄の紹介
2025年8月のIPO銘柄のパフォーマンスと、今後のIPOの予定を紹介します。 8月IPO銘柄のパフォーマンス 8月13日上場アクセルスペースホールディングス(402A)市場区分:グロース事業内容: 小型衛星の設計・製造・打上・運用サービス(AxelLiner事業)及び光学衛星画像の販売及び衛星画像を用いたソリューションサービスの提供(AxelGlobe 事業) (注1)初値及び直近月末終値が公開価格に対して上回っているものは赤、下回っているものは青で表示。(注2)TOKYO PRO Marketの新規上場会社は含まれない。(注3)全てを網羅しているわけではない。(出所)日本取引所グループのウェブサイト、各新規上場会社の有価証券届出書等公表情報を基に野村證券作成 9月IPO銘柄の紹介 9月25日上場オリオンビール(409A)市場区分:プライム事業内容:酒類清涼飲料の製造・販売及びホテル等の運営 9月25日上場GMO コマース(410A)市場区分:グロース事業内容:店舗のCX 向上およびDX 推進を支援するマーケティングプラットフォーム等の開発、提供 9月26日上場UNICON ホールディングス(407A)市場区分:スタンダード事業内容:建設事業(土木事業・建築事業)及びそれに関連する事業を営むグループ会社の経営管理及びこれに付帯する一切の業務 (注1)TOKYO PRO Marketの新規上場会社は含まれない。(注2)全てを網羅しているわけではない。(注3)新規IPO銘柄は、前月末時点での予定。(出所)日本取引所グループのウェブサイト、各新規上場会社の有価証券届出書等公表情報を基に野村證券投資情報部作成 ご投資にあたっての注意点
-
09/06 12:00
【オピニオン】「減益下での最高値に危うさも、」を論破せよ!
※画像はイメージです。 日経平均株価は2025年8月18日、史上最高値を更新しました。米国の関税政策への不透明感が払拭されたことなどが定性的な理由として支配的ですが、報道では「減益下での最高値に危うさも、」といった論調も多く見られました。今回は、最高値更新の『定量的』な牽引役を4つほど紹介したいと思います。 ①【RI】‥通常、リビジョン・インデックス(RI) が-30%を下回るほど悪化した場合、それ以上マイナス幅が拡大することはほぼなく、その後はマイナス幅が縮小し、いずれプラス転換します。その過程で株価も復調に向かいます。今回は、RIのマイナス幅縮小/プラス転換が同時に達成されるという異例の展開のため、株価上昇の速度が高まったと考えられます。 ①リビジョン・インデックス(四半期毎) (注)ラッセル野村Large Cap(除く金融)の四半期毎(3/6/9/12月月初)のリビジョン・インデックス(RI)。RIが-30%以下の部分を網掛けしている。(出所)野村證券市場戦略リサーチ部 ②【EPS】‥RIは株価の方向性に大きな影響力を持ちますが、株価水準を決定する力は弱いと考えられます。株価水準に見合った利益水準がなければ高値更新は難しかったでしょう。日経平均株価のEPS(1株当たり利益)は、2024年度に過去最高を記録、2025年度は減益、2026年度は2桁増益となり過去最高益奪還、が見込まれています。少なくとも資産バブル崩壊後、1期で最高益に返り咲くという例はありませんでした。関税の影響が一巡する2026年度業績予想への信頼度が高いことが、最高値更新の背景にあったと見られます。 ②日経平均株価 EPS(1株当たり利益) (注)2025年度以降は予想。なお、赤字だった年度は表示していない。(出所)日本経済新聞社、東洋経済新報社などより野村證券市場戦略リサーチ部 ③【資本効率】‥利益面だけでも高値挑戦の実力が十分にあった日本株ですが、2023年より続く企業の資本効率向上の取り組みも継続しています。株式市場では、自己資本に対する政策保有株の比率が低い銘柄に対する高評価が定着しています。東証プライム企業の政策保有株(簿価)の残高は2024年度に前年度比18%減少しました。 ③政策保有株の対純資産比率とPBR(株価純資産倍率) (注)政策保有株(特定投資株式、簿価)の対純資産比率は2024年度。PBR(株価純資産倍率)は時価総額(2025年7月31日時点)を2024年度純資産で除した実績PBR(各グループ構成銘柄の中央値)。(出所) 野村證券投資情報部作成 ④【自社株買い】‥今局面では、順調に拡大してきた自社株買いに特徴的な動きがみられました。決算発表と同時に行われることが多い自社株買い枠設定が、今年7~8月は低調でした。RIは好転しており、先行きの不透明感が理由ではなさそうです。株価上昇の結果、益利回りが低下し、WACC(加重平均資本コスト)とのスプレッドが縮小したため、多くの企業が『今』は自社株買いが魅力的な財務・投資行動ではない、という判断をした可能性があります。 ④自社株買い設定額の推移(月次) (注)対象は全上場銘柄の普通株式。各年度の4月からの累積額。(出所)QUICKより野村證券市場戦略リサーチ部 このようにEPSの拡大と、(企業の財務行動の変化による)マルチプルの上昇が同時に起きたことが株価上昇の理由だったとすると、今回の最高値更新が瞬間風速にとどまる可能性は低そうです。 ご投資にあたっての注意点
-
09/06 09:00
【注目トピック】ウクライナ停戦実現に向けて
※画像はイメージです。 ロシアのウクライナ軍事進攻から3年半 2022年2月24日のロシアによるウクライナ侵攻から約3年半が経過しました。トランプ大統領は当初、和平交渉の仲介役として、大統領就任直後の早期終結に自信を示していました。しかし、2025年2月にはウクライナのゼレンスキー大統領との口論が報じられたうえ、和平交渉が思うように進まない苛立ちなどから、トランプ大統領は停戦外交から手を引く可能性すら度々言及しています。その後、一時はウクライナ問題への関心を失ったようにみられたトランプ大統領ですが、足元では再び交渉継続への意欲を強めており、8月15日にロシアのプーチン大統領と、18日にはゼレンスキー大統領との首脳会談を実施しています。しかし、全面停戦は未だ実現しておらず、先行き不透明感が漂う状況にあるといえます。 ウクライナ復興の財政負担は限定的 紛争の長期化に伴い、復興に必要な費用は増加の一途を辿っています。世界銀行は2025年2月に、10年間で5,236億米ドル(1ユーロ=1.16米ドル換算で4,514億ユーロ、1米ドル=147.50円換算で77.2兆円)の費用が必要になるとの試算を公表しています。欧州株式市場では復興需要が欧州景気や企業業績を押し上げるとの思惑を織り込む動きも一部で見受けられます。もっとも、復興費用はEU27ヶ国の名目GDP比で1年当たり0.2%程度に留まると試算されることから、ウクライナ紛争の完全終結が実現した場合でも影響は限定的となる公算が大きいとみられます。 ウクライナ復興費用 (注)復興費用は世界銀行による試算(2025年2月時点)。1ユーロ=1.16米ドルでユーロ建てに換算。名目GDPはIMFによるEUの2026~2030年の名目GDP見通しの平均値。灰色の州は東部。(出所)世界銀行、IMF、野村證券市場戦略リサーチ部より野村證券投資情報部作成 停戦実現でエネルギー価格は下落へ 一方で、ウクライナ停戦が実現した場合、欧州企業の業績を圧迫し続けた原材料および電力価格の高騰が緩和される可能性があります。2022年2月のウクライナ紛争勃発以降、欧米諸国はロシアに対する経済制裁の一環として、ロシア産エネルギーを締め出してきました。EU理事会(閣僚理事会)はロシア産の石炭や原油(パイプライン経由を除く)の輸入禁止措置を採択しており、2022年以降、EUのロシアに対する貿易赤字は大幅に縮小しています。さらに、ロシア産ガスの輸入も2027年末までに禁止する計画を公表しており、すでにロシアからEUへの天然ガス輸送ルートのうち、ロシア・ドイツ間を直接結ぶ「ノルドストリーム」が2022年9月以降使用不能となっています。また、ベラルーシ・ポーランドを経由する「ヤマルヨーロッパ」は2022年5月に、ウクライナ経由のパイプラインも2024年12月末で停止となり、エネルギーの脱ロシア化が進んでいます。 EUの対ロシア貿易収支 (注)データは月次、直近値は2025年6月。(出所)欧州統計局より野村證券投資情報部作成 原油価格(北海ブレント先物価格)は2022年2月末に2014年6月以来となる1バレル/100米ドルを超え、天然ガスの先物価格(欧州での指標価格であるオランダTTF)は2022年8月下旬までに、ロシアのウクライナ侵攻前と比較して約2.9倍まで急騰しました。当時の混乱はすでに落ち着き、原油価格および天然ガス価格は下落傾向が続いていますが、コロナ禍以前の水準を依然として上回っており、ウクライナ紛争終結でロシアによる天然ガスの供給停止が解消となれば、価格下落余地が広がる可能性があると考えられます。 欧州天然ガス価格と原油価格 (注)単位のMWh(メガワット時)は、1時間当たり100万ワットのエネルギー量。原油は北海ブレント先物価格、欧州天然ガスはオランダのTTF(The Title Transfer Facility)で、オランダのパイプライン網を仮想集積地とした市場価格指標。データは日次で、直近値は2025年9月1日時点。見やすさを優先して縦軸を制限している。(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成 ドイツ経済の復活は近い? ロシアへのエネルギー依存の高い欧州諸国ではエネルギー価格の高騰により、深刻なインフレが生じました。紛争前は前年比+1.0%前後での推移が続いたユーロ圏のコア消費者物価(HICP)は、2023年3月には同+5.7%まで上昇し、製造業大国ドイツでは電気料金の高騰が国際競争力の低下につながったことが、輸出減と製造業の不振を招く大きな要因となりました。2025年8月の失業者数が10年ぶりに300万人の大台に乗せるなど、雇用市場の悪化が個人消費の重石となる中、消費者信頼感も低迷しています。ドイツの2023年の実質GDP成長率は-0.7%、2024年は-0.5%と、ドイツ経済は景気後退に陥っています。 ドイツ経済が浮上できるのか関心が集まりますが、折しもドイツ政府は2025年に入り、財政拡大への歴史的転換を進めています。加えて、仮に停戦が実現し、ロシアへの経済制裁が解除されることになれば、商品市況の下落によりディスインフレ(インフレの鎮静化)圧力が高まり、家計の購買力増加や企業収益の改善につながることが期待されます。 EUとドイツの電気料金 (注)データは半期毎で、直近値は2024年下半期。非家庭用消費者を対象としたデータ(500MWhから1999MWh)。付加価値税(VAT)およびその他控除対象の税金を除いた電気料金。(出所)欧州統計局より野村證券投資情報部作成 野村證券投資情報部 ストラテジスト引網 喬子 2023年10月より投資情報部に在籍。米国株の調査業務を経験後、各国経済・為替に関する投資情報の発信を担当。個人投資家を対象に、わかりやすい情報提供を心掛ける。 ご投資にあたっての注意点
-
09/06 07:00
【来週の予定】日本の政局、米国の8月物価統計
8月下旬から米国株は頭の重い展開となっていますが、FRBによる利下げが市場の思惑通りに進むかが相場浮沈の一つのカギになりそうです。市場では年内2回程度の利下げが織り込まれていますが、パウエルFRB議長は9月FOMCでの利下げの可能性を示唆したものの、今後の利下げの道筋はデータ次第であるとの姿勢を維持しています。10日(水)に8月生産者物価指数、11日(木)に8月消費者物価指数、12日(金)に9月ミシガン大学消費者マインド速報値など、金融政策への影響が大きく、関税の影響を確認するうえでも注目度の高い指標が発表されます。 日本では、9月2日に開催された自民党の「両院議員総会」での参院選の総括を踏まえ、党執行部の主要メンバーが辞意を表明するなど政局が流動化しています。総裁選の前倒しを巡っては、前倒しを要求する国会議員は8日(月)に意思確認の書面を自民党本部に提出するように通達された模様です。 8日(月)には4-6月期実質GDP(2次速報値)が発表されます。市場予想は1次速報と同値の前期比年率+1.0%となっていますが、翌7-9月期は関税の影響によりマイナス成長に転じると野村證券では予想します。他方、同日発表の8月景気ウォッチャー調査の現状判断DIは、日米関税交渉の妥結が発表されて改善した7月調査からさらに改善したと野村證券では予想します。 欧州では11日(木)にECBの金融政策理事会が開催されます。米国の関税によるインフレ圧力、欧州経済の底堅さを背景に、ECBは当面様子見姿勢を継続すると考えられます。利下げの休止や、ドル資産からの資金シフト観測を受けてユーロは年末にかけて対米ドルでは堅調に推移すると野村證券では予想します。 中国では8日(月)に8月貿易統計が発表されます。8月の輸出の伸びは、米国向け輸出の低調に加え、比較対象となる前年の水準が高いため、前月から減速すると野村證券では予想します。 (野村證券投資情報部 坪川 一浩) (注1)イベントは全てを網羅しているわけではない。◆は政治・政策関連、□は経済指標、●はその他イベント(カッコ内は日本時間)。休場・短縮取引は主要な取引所のみ掲載。各種イベントおよび経済指標の市場予想(ブルームバーグ集計に基づく中央値)は2025年9月5日時点の情報に基づくものであり、今後変更される可能性もあるためご留意ください。(注2)画像はイメージです。(出所)各種資料・報道、ブルームバーグ等より野村證券投資情報部作成 ご投資にあたっての注意点
-
09/05 16:33
【野村の夕解説】日経平均株価438円高 8/19以来の43,000円台回復(9/5)
(注)画像はイメージです。 本日の動き 5日の日経平均株価は、トランプ米大統領による自動車関税の大統領令への署名を受けて大幅に上昇し、一時円高が重石となる場面もありましたが終日堅調な値動きとなりました。寄り前に発表された7月の毎月勤労統計では、現金給与総額が前年同月比+4.1%、物価変動の影響を除いた実質賃金は同+0.5%となり、7ヶ月ぶりの増加となりました。日銀の利上げを後押しするとの受け止めから、外国為替市場では円高が進行しました。日経平均株価は続伸して始まり、セクターでは自動車関税引き下げを受けて自動車株が上昇したほか、半導体関連株も上昇に寄与し、一時前日比+640円の43,220円となりました。その後円高が重石となったことに加えて、5日の日本時間21:30に発表される米国の8月雇用統計の結果を見極めたいとの思惑から上昇が一服する場面があったものの、値がさ株や半導体関連株が日経平均株価を押し上げ、大引けは前日比+438円の43,018円となりました。 本日の市場動向 ランキング 本日のチャート (注)データは15時45分頃。米ドル/円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。米ドル/円は11:30~12:30の間は表示していない。(出所)Quickより野村證券投資情報部作成 今後の注目点 5日、米国では8月雇用統計が発表されます。7月の雇用統計では、過去分の下方修正も併せて米景気への先行き懸念を大きく高める内容となりました。概ね市場予想通りであれば、市場の景気失速懸念を高めるには至らず、9月のFOMCで0.25%ポイントの利下げというメインシナリオが維持されそうです。 (野村證券投資情報部 松田 知紗) ご投資にあたっての注意点
-
09/05 12:00
【今週のチャート分析】日経平均に続きNYダウも8月にゴールデン・クロス、中期上昇相場へ
※画像はイメージです。※2025年9月4日(木)引け後の情報に基づき作成しています。 25日線を下支えに反発、本格上昇再開なるか 今週(9月1日~)の日経平均株価は一進一退の動きが続きましたが、4日には600円を超える大幅上昇となりました。週前半は米国の半導体関連株の下落が相場の重しとなりましたが、為替が円安・ドル高方向に動いたことが相場の下支えとなりました。4日には半導体関連銘柄の買い戻しが見られ、反発の動きにつながりました。 次に、チャート分析の視点から見てみましょう。8月19日に史上最高値(ザラバベース:43,876円)をつけた後、一時調整が入りましたが、8月下旬以降は、今年6月以降何度も下支えとなっている上向きの25日移動平均線(図1-①:9月4日時点42,243円)で下げ渋り、反発しています。今後、本格的な上昇トレンドに復帰できるかが注目されます。まずは、8月19日の高値(図1-②:43,876円)を突破できるかがポイントです。 (注1)直近値は2025年9月4日時点。(注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成 一方で、上値が重く再び調整に入り、25日移動平均線を割り込む場合は、75日移動平均線(図2-④:9月4日時点40,096円)や心理的節目の40,000円(図2-⑤)、さらに8月4日安値(図2-⑥:39,850円)の水準がさらなる下値メドとして挙げられます。 (注1)直近値は2025年9月4日時点。(注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成 (野村證券投資情報部 岩本 竜太郎) ゴールデン・クロス示現で5万ドル台後半向けた上昇に期待 前週の特集では日経平均株価のゴールデン・クロスについて取り上げましたが、今週はNYダウを見てみましょう。 2025年8月8日、NYダウは75日移動平均線が200日移動平均線を上抜くゴールデン・クロス(中期的な強気シグナル、G.C.)が示現しました。リーマンショック以降、8回目のG.C.示現となります。 今回を除く、過去にG.C.が示現した図3-①~⑦の局面において、G.C.示現日の終値から次のデッド・クロス(D.C.)示現までに付けた最高値までの株価上昇率と上昇期間を検証すると、平均で30.5%上昇、上昇期間は19ヶ月(約1年半)でした。リーマンショック以降では「ダマシ」もなく、信頼性の高いシグナルと言えます。 (注1)株価は日次終値ベース。直近値は2025年9月4日。(注2)丸数字①~⑧は75日・200日移動平均線がゴールデン・クロス(G.C.)した箇所。(出所)S&P ダウジョーンズ・インデックス社データより野村證券投資情報部作成 この経験則を今回のケースに当てはめ、NYダウが8月8日終値(44,175ドル)から30.5%上昇すると仮定すると57,648ドルとの試算結果が得られます。平均上昇期間(19ヶ月)も踏まえれば、NYダウは2027年前半にかけて5万ドル台後半を目指す中期上昇相場がスタートしている可能性があると判断されます。 (野村證券投資情報部 山内 正一郎) ご投資にあたっての注意点
-
09/05 08:07
【野村の朝解説】利下げ観測の高まりを受けて米国株は上昇(9/5)
(注)画像はイメージです。 海外市場の振り返り 4日の米国株式市場では主要3指数が揃って上昇し、S&P500指数は過去最高値を更新しました。8月ADP全米雇用レポートや週間新規失業申請件数(8月30日の週)などの雇用関連指標が米労働市場の減速を示す内容となり、改めて9月FOMCでの利下げ再開への期待が高まったことなどが株式市場の支援材料となりました。一方、NY連銀のウィリアムズ総裁は講演で、米景気は緩やかに減速し、労働市場は均衡を維持しているが、冷えつつあるとの見解を示しました。 相場の注目点 本日、今週最大のイベントである8月米雇用統計が発表されます。パウエル議長は8月に開催された「ジャクソンホール会議」で、雇用に対する下振れリスクが高まっているなどとして、利下げ再開の可能性を示唆しました。そのため、9月FOMCを控えた、今回の雇用統計への関心はいつも以上に高まっています。市場では、非農業部門雇用者数は前月比7.5万人増(7月:同7.3万人増)と概ね前月並みの増加、失業率は4.3%(7月:4.2%)への悪化が予想されています。雇用情勢の軟化は米国の景気悪化懸念が強まるため、注意が必要です。ただし、急速な悪化を示す内容でなければ、利下げ観測の高まりが相場を支える展開になる可能性があります。 トランプ大統領は4日、日本車の自動車関税引き下げに関する大統領令に署名しました。現在27.5%の自動車関税の税率が15%に引き下げられることになります。また大統領令には、その他の品目については既存の税率とあわせて15%が上限となるようにする相互関税の負担軽減措置を日本に適用することも盛り込まれました。本日の東京市場では、昨晩の米国株高に加え、関税引き下げに関する大統領令への署名も追い風となりそうです。 (野村證券 投資情報部 岡本 佳佑) ( 注)データは日本時間2025年9月5日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、中心限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。 ご投資にあたっての注意点