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08:14
【野村の朝解説】中東情勢の悪化を懸念し、米国株は下落(6/16)
(注)画像はイメージです。 海外市場の振り返り 13日の米国株式市場では、主要3指数が反落しました。イスラエルによるイラン核施設への攻撃に対してイランが報復措置に出たと伝わり、紛争激化への懸念から原油先物価格は、1日の上昇率で約3年ぶりの大幅上昇を記録、金価格も過去最高値近辺で推移しています。米国債市場では原油高に伴うインフレ観測から金利が上昇、為替市場では米ドルが反発し、対円では1米ドル=144円台で推移しています。イスラエルとイランは24年4月、10月にも報復攻撃を展開しましたが、深刻な事態は回避してきました。野村證券では事態の進展を注視しながらも、現時点では長期化する可能性は低いと見ています。 相場の注目点 今週は日本、米国ともに金融政策会合が開催されますが、いずれも政策金利は据え置きの見通しです。日本銀行は現在、国債の月間購入額を四半期ごとに4,000億円程度減額しています。今回の会合では現行の計画の中間評価と26年4月以降の減額ペースが議論される予定です。日銀内では長期・超長期国債利回りの上昇を受けて、2,000億円程度への減額が議論されていると報じられています。米国ではFRBの政策金利見通しに注目が集まっています。3月FOMC時点では1回当たりの利下げ幅を0.25%ポイントとした場合、25年、26年ともに政策金利見通し(中央値)は2回の利下げが見込まれています。先物金利は25年中に2回、26年中には2.5回の利下げを織り込んでいます。一方、野村證券では25年の利下げは「1回」へ変更される可能性が高いと予想しています。3月FOMC時点と比較して、関税を巡る状況は厳しさを増しており、地政学リスクも高まっています。このため、FRB内では従来の想定以上にインフレへの警戒感が高まっていると考えています。利下げ幅や政策金利の着地点に大きな変更がなければ市場への影響は限定的だと考えられます。 (野村證券 投資情報部 尾畑 秀一) (注)データは日本時間2025年6月16日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。 ご投資にあたっての注意点
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昨日 18:00
【投資と税金】相続後に上場株式を売却 特例で税負担を減らせる?
相続で残された財産には、現金や不動産のほかに、上場株式が含まれている場合もあると思います。無事に遺産分割協議がまとまり、上場株式を取得しても、それを売却し譲渡所得が発生した場合には、所得税・住民税がかかります。しかし、相続で取得した株式を売却した場合、税金負担が軽くなる特例があると聞きました。その特例について、大手町トラストの税理士に伺いました。 (注)画像はイメージです。 はじめに 上場株式を売却した場合の譲渡所得の金額は、通常、売却金額から取得価額と売却手数料等の譲渡費用を差し引いて計算しますが、相続により取得した上場株式を売却する場合は、取得価額の取り扱いが下記のようになります。 相続した上場株式を売却した場合の取得価額 相続により取得した財産を売却した場合、その財産の取得価額は相続時の時価ではなく、被相続人の取得価額を引継ぎます。なお、非課税口座(NISA)に受け入れられていた上場株式等が相続により払い出された場合は、原則として、相続開始日の終値に相当する金額が取得価額となります。被相続人の取得費が分からない場合は、同一銘柄の株式ごとに、売却代金の5%相当額を取得費とすることも認められています。 上場株式等の取得価額の確認方法 ① 証券会社などの金融商品取引業者等から送られてくる取引報告書で確認取引内容は、取引報告書のほか、金融商品取引業者等が交付する取引残高報告書、月次報告書、受渡計算書などで確認できる場合があります。 ② 取引した金融商品取引業者等の「顧客勘定元帳」で確認過去10年以内に購入した金融商品は、その金融商品取引業者等で確認可能です。 ③ ご自身の手控えで確認取得価額が日記帳や手控えで分かる場合はその額を使用し、取得時期のみ分かる場合はその時期を基に算定可能です。 ④ ①~③で確認できない場合名義書換日を調べて取得時期を特定し、その時期の相場を基に取得価額を算定できます。例えば、発行会社の株主名簿・複本・株式異動証明書などの資料(④’)を手がかりに株式等の取得時期(名義書換時期)を把握し、その時期の相場(④”)を基にして取得費(取得価額)を計算することができます。※④’ 株券電子化後、手元に残った株券の裏面で確認可能 相続税の取得費加算の特例 相続により取得した財産を、相続開始日の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年以内、すなわち相続開始日の翌日から3年10ヶ月以内に売却した場合には、その売却した人が負担した相続税のうち一定金額を取得費に加算して譲渡所得の計算を行うことができます。「相続税の取得費加算の特例」と呼ばれ、譲渡所得にかかる税負担を減らすことができます。 ※この特例は譲渡所得のみに適用されるため、株式等の譲渡による事業所得及び雑所得については適用できません。 取得費加算額の計算式 取得費に加算する相続税額は、次の算式で計算した金額となります。 ただし、その金額がこの特例を適用しないで計算した譲渡益の金額を超える場合は、その譲渡益相当額となります。 なお、譲渡した財産ごとに計算します。 相続により取得した株式と同一銘柄の株式を保有している場合において、取得費加算の特例適用対象期間内にその株式の一部を譲渡したときには、その譲渡については、その相続により取得した株式の譲渡からなるものとしてこの特例を適用することができます。 手続き 相続税の取得費加算の特例を適用するには下記の書類を添付して確定申告をすることが必要です。 ① 相続財産の取得費に加算される相続税の計算明細書② 株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書 まとめ 相続税の取得費加算の特例が適用されるには、相続税を納めていることが前提となります。 相続した株式の内容を精査した上で、株を売却する場合は特例の適用期限を考慮し、早めに税理士に相談するなど対応されるとよいでしょう。 この資料は情報提供を唯一の目的としたもので、投資勧誘を目的として作成したものではありません。この資料は信頼できると考えられる情報に基づいて作成しておりますが、野村證券は、その正確性および完全性に関して責任を負うものではありません。この情報は、ご覧いただいたお客様限りでご利用いただくようお願いいたします。詳しくは、所轄税務署または顧問税理士等にご確認ください。 ご投資にあたっての注意点
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昨日 09:00
【動画 3分チャート塾】シーズンⅤ:第7回 他のサインと重なっているかもポイント
「動画 3分チャート塾」は、株価チャートの見方を学びたい初心者から中級者の方向けの動画シリーズです。 今回は、ローソク足など、トレンドライン以外のサインとの関連性について、説明しています。 シーズン I:意外と知らないローソク足(全8回)ローソク足の基本の読み方や中長期的な相場の捉え方などについてわかりやすく解説していきます。シーズンII:相場の見方の強い味方、移動平均線(全9回)移動平均線の基礎や活用法についてわかりやすく解説していきます。シーズンIII:上値、下値のメドを探ろう(全10回)上値、下値メドの探り方についてわかりやすく解説していきます。シーズンIV:相場の過熱感を測るには?(全9回)オシレーター系指標についてわかりやすく解説していきます。シーズンV:トレンドラインを引いてみよう(全9回)トレンドラインについてわかりやすく解説していきます。 ご投資にあたっての注意点
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06/14 12:00
【注目トピック】英国発「トラス・ショック」を振り返る 米国債市場への示唆
※画像はイメージです。 米国債市場への懸念は「トラス・ショック」を彷彿 足元で米国の超長期国債利回りの上昇リスクをどう捉えるかというテーマに関心が寄せられています。特に、債券価格の下落(金利上昇)と通貨安の同時進行が、2022年に英国で生じた「トラス・ショック」を彷彿とさせたことは、米国債市場への懸念を高めたと考えられます。 2022年9月23日、リズ・トラス英首相(当時)は2023年度予算を見据え、大規模な減税政策を柱とする一連の財政政策、ミニ予算「成長計画2022」を公表しました。所得税率の引き下げや法人税増税計画の中止などが盛り込まれ、停滞が続く英国経済の立て直しを目的とするものでしたが、トラス政権の思惑に反して発表直後から金融市場は混乱に陥り、英国市場は、通貨ポンド、国債、株価の「トリプル安」に見舞われる結果となりました。 市場がここまで過敏に反応した背景には、①予算責任局(OBR)※による経済・財政の推計や政府の財政目標の検証・評価を先送りにし、財源を示さず「成長計画2022」で財政拡張の断行を目指したことで、②財政悪化懸念から英国債利回りが上昇し、③英国を中心とした年金運用機関等が資産運用のために提供していた国債の担保価値が下がり、一部のポジションの解消で国債利回りの上昇が加速したこと、などがあったと考えられます。 ※ 英国政府は通常、新しい財政計画作成の際には独立機関である予算責任局(OBR:Office for Budget Responsibility)ヘ経済・財政の推計の予測・検証を委託する。 ミニ予算「成長計画2022」発表当時の英国 「トラス・ショック」が発生した当時の英国は、EU離脱の余波が続くなか、エネルギー価格の高騰がインフレ率を押し上げ、CPI(消費者物価指数)は2022年9月に前年同月比+10.1%、同年10月には同+11.1%へと加速していました。実質賃金はマイナスに沈み、景気は低迷、また、政治の混乱から短期間での政権交代が続く中で、財政拡張によって景気を押し上げようという機運が高まりやすい状況にあったといえます。 一方、2022年の世界経済はコロナ禍からの回復途上にあり、また世界的なインフレ加速に対応してFRBを中心とする海外主要中央銀行は政策金利引き上げ局面の最中にありました。英国においても、イングランド銀行(英中銀)は2021年12月に利上げを開始しており、それ以降、会合毎の利上げを継続、さらに2022年2月には保有する国債の償還分の再投資停止による量的引き締め策(QT)にも踏み出していました。 行き過ぎた財政拡張は国の信認棄損を招きうる 「成長計画2022」を引き金とした金融市場の混乱は、2週間程度と比較的短期間で鎮静化に向かいました。カギとなったのは、英中銀による緊急対応と政府の計画撤回による財政政策方針の見直しだったと考えられます。 「トラス・ショック」発生当時、英中銀はQTを実施しており、2022年9月22日には、同年10月上旬から国債の売却を開始しQTを加速する計画を公表したところでした。しかし、翌日にトラス政権が「成長計画2022」を打ち出し金融市場が混乱に陥ると、発表から1週間足らずで国債売却計画を延期し、英長期国債を同年10月14日まで無制限に購入する緊急対応を発表しました。これを受け、一時5%前後まで上昇していた英国30年国債利回りは3%台後半まで急低下しました(下図表)。また、根本的な原因である政府の財政拡張計画に関しても、クワーテング財務大臣(当時)が解任され、後任となったハント氏が就任早々、10月17日に「成長計画2022」の大部分の撤回を発表しました。トラス政権の財政拡張計画によって英国は一時、英国からの資本逃避という厳しい事態に見舞われました。仮に先進国であっても、財政拡張策には限度があることを示唆する経験であったと言えます。 2022年の英国国債利回りと株価指数 (注)データは日次。期間は2022年年初~年末まで。(出所)各種資料、LSEGより野村證券投資情報部作成 ショック時は高格付け社債ほど影響は軽微 英トラス政権による「成長計画2022」公表を受け、英社債市場ではハイイールド債だけでなく格付けの高いAAA債の利回りも上昇しました。しかし、高格付け社債の利回り上昇の程度は相対的に抑えられ、社債の中でも格付けの高低による選別が顕著になっていたことが推察されます。 格付け高低別社債と英国10年国債利回りのスプレッド (注1)データは日次で、直近値は2025年6月12日。各格付けの社債を対象とした指数(Sterling Corporate Index)の利回りから英10年国債利回りを差し引いて算出。(注2)米シリコンバレー銀行(SVB)が経営破綻したことを受けて金融市場にリスク回避の動きが広がった。(出所)ICE、米バンク・オブ・アメリカ、LSEGより野村證券投資情報部作成 減税法案の行方とトランプ大統領の言動に注意 米国に目を移すと、現在、トランプ政権は7月4日の独立記念日までの減税法案成立を目指し、議会審議を進めています。同法案は下院を通過していますが、上院との調整は難航することが予想され、減税規模は現在の下院案からさらに拡大する可能性があるもようです。 2022年の「トラス・ショック」では、財政拡張による景気押し上げ効果への期待よりも、財政規律を無視した大規模減税の断行が国債増発やインフレのさらなる加速を招くリスクへの懸念が強く意識され、政府債務の健全性や政府への信認低下につながりました。米国も英国同様双子の赤字を抱えていますが、米国債は世界的に安全資産と認識されています。また基軸通貨である米ドルに対する需要は強く、通貨安圧力が働きにくいという点は英国とは異なります。そのため、英国と同じ事態に陥る可能性は低いと考えています。 しかし、足元では財政赤字拡大やトランプ関税を背景に、「米ドル離れ」の議論が根強く、米10年国債利回りが高止まりする中でも米ドルの反発力が鈍い状況が続いています。財政運営においては、財源についての議論も含め、広く国民の理解を得ることで予見可能性を高めることが重要です。また、足元では一部で、トランプ大統領がFRBに利下げや議長の解任を迫るリスクが警戒されていますが、実行された場合は米ドルに対する信認を低下させかねません。今後の減税法案の行方とあわせて、トランプ大統領の言動にも引き続き注意が必要です。 <執筆者紹介> 野村證券投資情報部 ストラテジスト引網 喬子 2023年10月より投資情報部に在籍。米国株の調査業務を経験後、各国経済・為替に関する投資情報の発信を担当。個人投資家を対象に、わかりやすい情報提供を心掛ける。 ご投資にあたっての注意点
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06/14 09:00
【オピニオン】米20年国債入札不調 国債市場への懸念が浮き彫りに
※画像はイメージです。 2025年5月の米国債市場は下記の要因により、不安定な値動きとなりました。 ■米国の信用格下げ■トランプ減税による財政赤字拡大懸念■低調な米20年国債入札(5月21日) 米10年国債利回りは4月末の4.16%から、5月22日には4.63%に上昇し、米30年国債利回りは同期間に4.68%から5.16%に上昇しました。 5月16日に米格付け会社ムーディーズ・レーティングスは、米国の信用格付けを引き下げました。理由として、①過去10年間に連邦債務が急増したこと、②トランプ減税の恒久化により今後10年間で約4兆ドル(注)の財政赤字拡大を見込むこと、を挙げました。これらは、下図に示された米国連邦債務の対名目GDP比率の実績(赤色の実線)および「トランプ減税が恒久化された場合」の試算と概ね整合的です。 経済危機を財政政策で救ったが国の債務は増加 (注)イベントは全てを網羅している訳ではない。米議会予算局(CBO)の試算は2025年4月10日公表。灰色の網掛けは景気後退期局面。年度は前年10月から当年9月。データは四半期毎で、直近値は2024年10-12月期。矢印は灰色の網掛けの景気後退期以降に米国連邦債務の対名目GDP比率が上昇したことを強調。(出所)セントルイス連銀、米議会予算局、NBER(全米経済研究所)より野村證券投資情報部作成 これらを受けて米20年国債入札は不調でした。20年国債や30年国債などの超長期債は投資家が限られ、需給が一方向に傾くことが懸念されます。加えて、2022年に当時の英国トラス政権の減税案をきっかけに発生した英国債市場の混乱が想起されたことも要因と考えられます。 今後の金融市場に対しては以下の点が期待されます。 ■経済危機の回避■適温経済の継続 過去の経済危機の際は、その後米国の債務は急拡大しました。2008年前後のリーマンショックは、家計や企業が債務の返済を進めたため「バランスシート不況」と呼ばれました。国は「最後の借り手」として対応し、景気を支えました。 経済危機は、その対策により国の財政悪化を招くため、回避のための予防措置が必要です。また、経済が好調な時に、危機の最中のような大規模な財政政策を行うことは、短命な景気過熱とその後の悪化を招く懸念があります。現在がコロナ禍からの回復途上にあると仮定すると、過度の悲観も過熱もない適温経済の継続が、限られた財源の範囲内で達成されることが金融市場には望ましいと考えられます。 米下院を通過したトランプ減税法案の上院審議について野村では、州・地方税控除や公的医療費、再生可能エネルギーなどに関する修正を経た上で7月上旬までに成立する可能性が高まったとみています。8月末までに必要とみられる米連邦債務上限引き上げと併せて、米国議会の動向が注目されます。 (注)米議会予算局が2025年6月4日に発表した試算では、2025年から2034年までの減税を含むトランプ政権の減税を含む政策による財政赤字拡大への影響は累計で2.4兆ドル(2034年の名目GDP推計値の約6%)。 ご投資にあたっての注意点
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06/14 07:00
【来週の予定】G7サミットが15日から開幕 関税交渉の行方は
来週の注目点:日米金融政策会合とG7首脳会議 16日(月)~17日(火)に日銀の金融政策決定会合が開催されます。今回は政策金利の据え置きが予想されます。注目点は2026年4月以降の国債買い入れ額の減額ペースです。日銀は現在、国債買い入れを段階的に減らしており、月間の購入予定額を24年7月の5.7兆円程度から毎四半期に4,000億円程度ずつ減らし、26年1-3月に2.9兆円程度とする計画です。今回の会合では、現行計画の中間評価と26年4月以降の国債買い入れ方針を議論する予定であり、市場は新計画における減額ペースに注目しています。ブルームバーグの調査では4割のエコノミストが2,000億円程度への減額を予想しています。 17日(火)~18日(水)には米国でFOMCが開催されます。米国でも金融政策は据え置きが予想され、併せて公表される経済見通しに注目が集まっています。3月FOMC時点では25年、26年ともに2回の利下げ見通しが中央値でしたが、今回どのような見通しが示されるかが、最大の注目点です。 経済指標について日本では、18日(水)に4月機械受注、5月貿易統計、20日(金)に5月全国消費者物価指数が発表されます。近年、日本の貿易統計に対する市場の注目度は低下していますが、今回は関税の影響を確認するうえで注目されることが予想されます。 米国では16日(月)に6月NY連銀製造業景気指数、17日(火)に5月小売売上高と5月鉱工業生産、18日(水)に5月住宅着工・建設許可件数、20日(金)に6月フィラデルフィア連銀製造業景気指数と、景気に先行性の高いサーベイ調査と実体経済の動向を示すハードデータが共に発表されます。トランプ関税やそれに伴う金利上昇が消費や住宅需要にどのような影響を与えているのかが注目点です。 15日(日)~17日(火)にはG7首脳会議が予定されており、トランプ関税やウクライナ紛争等、山積する課題に対する対応が注目されています。 (野村證券投資情報部 尾畑 秀一) (注1)イベントは全てを網羅しているわけではない。◆は政治・政策関連、□は経済指標、●はその他イベント(カッコ内は日本時間)。休場・短縮取引は主要な取引所のみ掲載。各種イベントおよび経済指標の市場予想(ブルームバーグ集計に基づく中央値)は2025年6月13日時点の情報に基づくものであり、今後変更される可能性もあるためご留意ください。(注2)画像はイメージです。(出所)各種資料・報道、ブルームバーグ等より野村證券投資情報部作成 ご投資にあたっての注意点
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06/13 16:49
【野村の夕解説】日経平均株価は338円安 中東情勢が緊迫化(6/13)
(注)画像はイメージです。 本日の動き 日本時間13日9時頃、イスラエルがイランの核関連施設を含む数十ヶ所の軍事目標に対して攻撃を行ったと報じられました。地政学リスクの高まりを受けて、13日の日経平均株価は寄り付きから急落、一時前日比632円安の37,540円となりました。円高が進行し、輸出関連株が大きく下落しました、また、米トランプ大統領が12日、輸入自動車に対する25%の関税について、そう遠くない将来に引き上げるかもしれないと発言したことを受け、自動車・自動車部品株が下落したことも、日経平均株価の重石となりました。他方、ドバイ原油先物価格が一時前日比+7.6%と急騰し、石油株や鉱業株が上昇したほか、中東情勢の緊迫化に伴って運賃が上昇するとの思惑が広がり、海運株の上昇が目立ちました。午後に入って、円高進行に歯止めがかかったことを背景に、日経平均株価は緩やかに下げ幅を縮小したものの、終値は前日比338円安の37,834円でした。 本日の市場動向 ランキング 本日のチャート (注) データは15時45分頃。米ドル/円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。米ドル/円は11:30~12:30の間は表示していない。(出所)Quickより野村證券投資情報部作成 今後の注目点 13日、米国で6月ミシガン大学消費者マインド速報値が発表されます。関税政策の先行きに関して不透明な状況が続く中、消費者の景況感や1年先、5年先の期待インフレ率の動向に注目が集まります。 (野村證券投資情報部 秋山 渉) ご投資にあたっての注意点
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06/13 12:00
【今週のチャート分析】日経平均株価、上向きの25日移動平均線が下支えとなるか注目
※画像はイメージです。 ※2025年6月12日(木)引け後の情報に基づき作成しています。 日経平均株価、戻り高値集中の水準を突破なるか 今週の日経平均株価は、米国と各国・地域との関税交渉に焦点が当たる中、3万8,000円台前半にかけて堅調に推移しました(6月12日時点)。 これまでの動きをチャートから振り返ってみましょう(図1)。日経平均株価は、5月中旬にかけて急反発となったものの、その後は上値の重い動きとなりました。今後、再び調整となった場合は、これまで下支えとなってきた上向きの25日移動平均線(6月12日:37,746円)が下支えとなるか注目されます。同線を割り込んでさらなる調整となった場合は、5月22日安値(36,855円)が次の下値メドとして挙げられます。 一方で、5月22日安値形成後は徐々に下値を切り上げています。この先、5月13日高値(ザラバベース:38,494円)や6月11日高値(同:38,529円)等の戻り高値が集中する38,500円前後の水準を上放れとなれば、保ち合いを突破してきたと捉えられます。その場合は、心理的フシの40,000円や、昨年12月高値(同:40,398円)の水準を目指す動きとなると考えられます。 ※(アプリでご覧の方)2本の指で画面に触れながら広げていくと、画面が拡大表示されます。 (注1)直近値は2025年6月12日時点。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。入っておりますのでご留意ください。(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成 東証グロース250、ダブルボトムが示す新たな上昇局面 株式市場では、米国の関税政策に対する懸念が依然として残っています。米中の通商合意により一時的に緊張は緩和されたものの、トランプ政権が関税政策そのものを撤回する可能性は低く、今後も各国との交渉が続くと見られます。 こうした状況の中で、米国の関税の影響を比較的受けにくいと考えられる東証グロース市場への関心が高まっています。東証グロース市場は、高い成長が期待される企業が多く、インターネットサービスなど主に内需関連の企業が中心です。 代表指数である「東証グロース250指数」のチャートをみてみましょう(図2)。同指数は2025年に入り、52週移動平均線を上抜けした後、25年2月高値(692.66pt)も突破しました。24年8月安値と25年4月安値を底とする「ダブルボトム」が完成し、大底形成のシグナルがみられます。2020年10月から約4年半続いた長期の低迷を脱し、本格的な上昇相場に入った可能性があります。 この先の上値メドとして、2020年10月高値から24年8月安値までの下落幅に対する38.2%戻し(821.35pt)や、23年6月高値(864.77pt)、同50%戻し(925.25pt)の水準が挙げられます。これら水準へ向けて押しをこなしつつ、上昇傾向が続くか注目されます。 (注1)直近値は2025年6月12日。天底の数値は日次終値ベース。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。(出所)日本経済新聞社データ、各種資料より野村證券投資情報部作成 <ご参考>東証グロース250指数とは 東証グロース市場は、高い成長が期待される企業が集まる市場です。この市場に上場している企業の中から、代表的な250銘柄で構成される株価指数が「東証グロース250指数」です。なお、以前は「東証マザーズ指数」と呼ばれていました。2022年4月の東証市場区分の再編により、マザーズ市場が廃止されました。その後、マザーズ指数の構成銘柄は段階的に見直され、2023年11月6日から「東証グロース250指数」へ名称が変更されました。 (野村證券投資情報部 岩本 竜太郎) 【FINTOS!編集部発行】野村オリジナル記事配信スケジュールはこちら ご投資にあたっての注意点
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06/13 08:26
【野村の朝解説】長期金利低下を受け、米国株は小幅反発(6/13)
(注)画像はイメージです。 海外市場の振り返り 12日の米国株式市場で主要3指数は小幅に反発しました。長期金利低下を受けた不動産などの金利敏感株や、オラクルの好調な決算を受けたテクノロジー株が上昇をけん引しました。経済指標では、5月米PPI(生産者物価指数)が昨日発表のCPI(消費者物価指数)に続き市場予想を下回り、新規失業保険申請件数が市場予想を上回ったことで労働市場の悪化が意識されました。また、午後発表された米30年国債入札が需要が堅調で米国の財政問題への懸念が和らぎ、これらを背景に米10年国債利回りは前日比で低下しました。 相場の注目点 来週のFOMCが注目されます。今回の会合での利下げは見送られると市場では予想されています。一方で、FOMC参加者による政策金利見通しの変更が注目されます。市場では、2025年内に0.6%ポイント程度、26年末までに累計で1.1%ポイント程度の利下げが予想されています(野村では、25年9月、26年1月および3月に各0.25%ポイントの利下げを予想)。トランプ政策による経済の不確実性が高い状況を、FOMC参加者がどう判断しているかを読み取る上で注目されます。 本日のイベント 米国では6月ミシガン大学消費者調査(速報値)が発表されます。消費者態度指数は、市場では53.5と、5月確報値の52.2から改善すると予想されています。なお、5月確報値は速報値の50.8から上方修正されました。トランプ政権の関税政策への懸念が和らいだことが背景にあると考えられます。また、1年先と5年先のインフレ見通しも注目されます。こちらも5月分は確報値がそれぞれ速報値からインフレ率が低下する方向に修正されていました。 (野村證券 投資情報部 竹綱 宏行) (注)データは日本時間2025年6月13日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。 ご投資にあたっての注意点