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08/28 08:13
【野村の朝解説】様子見姿勢が強い中、S&P500が最高値(8/28)
(注)画像はイメージです。 海外市場の振り返り 27日の米国株式市場で主要3指数は揃って続伸しました。主要な経済指標の発表がなく、多くの投資家が引け後のエヌビディアの決算を控えて様子見姿勢を強める中、S&P500指数は過去最高値を更新しました。米エネルギー情報局が発表した週間原油在庫統計で原油の需給ひっ迫が示されたことを受け、エネルギー株が上昇しました。NY連銀のウィリアムズ総裁は、米国の失業率が低位に推移していることを理由に、雇用情勢は「底堅い」とし、利下げは慎重に進めるべきとの考えを示しました。しかし、9月FOMCでの利下げシナリオを変更するような内容ではなく、市場への影響は限られました。 相場の注目点 米国市場27日引け後にエヌビディアが発表した2025年5-7月期の売上高、調整後EPS(1株当たり利益)は、いずれも市場予想を上回りました。さらに、25年8-10月期の売上高見通し(中間値)も市場予想を上回る内容となりました。現在は規制の対象から外れているものの、25年4月に米政府が同社の中国向けAI半導体「H20」を対中輸出規制の対象に加えた影響から中国ビジネスへの懸念が強まっていましたが、同社は中国市場の減収分を米国向けの需要が補い、高成長が続くとの見通しを示しました。今週最大のイベントであるエヌビディアの決算を受け、日本市場における半導体関連銘柄の動向が注目されます。 本日は日銀の中川審議委員が山口県金融経済懇談会に出席する予定で、今後の金融政策に関する見解に言及するかが注目されます。一方、米国では7月FOMCで利下げを求めたウォラーFRB理事の講演が予定されています。改めて9月FOMCでの利下げの必要性を主張する可能性があります。そのほか、米国で25年4-6月期実質GDP(改定値)、7月中古住宅販売仮契約、8月23日の週の週間新規失業保険申請件数が発表されます。 (野村證券 投資情報部 岡本 佳佑) (注)データは日本時間2025年8月28日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。 ご投資にあたっての注意点
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08/27 16:32
【野村の夕解説】日経平均株価125円高 生成AI関連株が上昇をけん引(8/27)
(注)画像はイメージです。 本日の動き 27日の日経平均株価は、米半導体大手エヌビディアの決算発表を控える中、期待感から半導体関連株の値動きが注目されました。日経平均株価は26日の米国株上昇の流れを引き継ぎ反発して始まりました。その後、前日比でマイナス圏に転じる場面もありましたが、円安を追い風に再びプラス圏へと転じ、半導体関連株の上昇幅が拡大するにつれて日経平均株価も上げ幅を拡大させました。上昇一巡後は、27日に発表されるエヌビディアの決算内容を見極めたいとの思惑から伸び悩む場面もありましたが、先端半導体の需要拡大期待から生成AI関連株が日経平均株価の上昇に寄与し、大引けは前日比125円高の42,520円となりました。個別銘柄では、アドバンテストが前日比4.49%高となり、1社で日経平均株価を132円押し上げました。また、ニコンがストップ高引けとなりました。仏眼鏡大手企業が同社株の保有比率を引き上げることを打診しているとの報道が好感され、東証プライムの値上がり率トップとなりました。 本日の市場動向 ランキング 本日のチャート (注)データは15時45分頃。米ドル/円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。米ドル/円は11:30~12:30の間は表示していない。(出所)Quickより野村證券投資情報部作成 今後の注目点 27日、米国株式市場引け後に、エヌビディアの2025年5-7月期の決算が発表されます。足元の業績見通しや経営陣のコメントを通し、関税や規制が業績に与える影響や、AI及び半導体の業界動向を見通す上で注目が集まります。 (野村證券投資情報部 松田 知紗) ご投資にあたっての注意点
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08/27 08:05
【野村の朝解説】米国株反発、 高まるFRBの独立性への懸念(8/27)
(注)画像はイメージです。 海外市場の振り返り 8月26日の米国株式市場では、主要3指数が揃って反発しました。朝方発表された7月米耐久財受注などの経済指標は、市場予想ほど落ち込まなかったため、市場の反応は限定的でした。一方、25日夜、クックFRB理事の解任をトランプ大統領がSNS上で公表しましたが、クック理事は自身の解任について「法的根拠はなく、権限はない」、「職務を継続する」とし、法廷で争う姿勢をみせています。FRBの独立性を巡る懸念が相場の重石となりましたが、一方では後任にトランプ氏の求める人物が指名されてFRBがよりハト派的(利下げに積極的)になることを好感する向きもあり、市場の思惑は交錯しています。この日は小幅な値動きが続く中、27日に決算発表を迎える半導体大手エヌビディアや、治験の結果が好感された製薬大手イーライリリーなどが上昇して相場を下支えし、S&P500は後半にかけて上昇しました。 相場の注目点 ジャクソンホール会議でのパウエルFRB議長の発言が9月FOMCでの利下げの可能性を示唆するものとの見方から主要株価指数が大幅上昇した反動もあり、足元で米国株の上値は重くなっています。パウエル議長は講演で「雇用に対する下振れリスクが高まっている」との見方を示したうえで、今後の利下げの道筋はデータ次第であるとの姿勢を維持しました。米国では来週にかけて重要統計の発表が控えており、29日の7月個人消費支出デフレーターや、9月5日の8月雇用統計などに注目が集まります。米国景気の堅調推移やインフレの想定外の加速を示唆する結果になった場合には、9月利下げ観測が後退し、株式市場を下押しする可能性もあります。また、相場の試金石となるのはここ数年の米国株の上昇を支えてきたAIによる成長期待でしょう。27日にエヌビディアが決算発表を予定しており、注目が集まります。 (野村證券 投資情報部 坪川 一浩) (注)データは日本時間2025年8月27日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。 ご投資にあたっての注意点
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08/26 16:18
【野村の夕解説】日経平均株価413円安 FRB理事へ解任通知(8/26)
(注)画像はイメージです。 本日の動き 本日の日経平均株価は、寄り付きから大きく下落し終日軟調な動きとなりました。寄り前に発表された7月企業向けサービス価格指数は、前年同月比+2.9%となり、10ヶ月ぶりに2%を超える上昇率となりました。人件費の上昇をサービス価格へ転嫁する動きが続いています。また、日本時間26日朝方、トランプ大統領が住宅ローン不正疑惑を理由にクックFRB理事の解任を発表しました。クックFRB理事の解任は、FRBの利下げを後押しするとの見方から、米ドル円は一時1米ドル=146円台まで円高が進行しました。輸出関連株を中心に下落幅はさらに拡大し、日経平均株価は一時670円安の42,137円となりました。しかしその後、クック理事は「解任の理由はなく、辞任するつもりはない」と表明したことを受け、米ドル円は寄り前の水準まで戻り、日経平均株価は下げ幅を縮小しました。ただし、米国のインフレ指標やエヌビディアの決算を控える中、買い戻しの動きは続かず、終盤にかけて再び軟調な動きとなり、日経平均株価は前日比413円安の42,394円で取引を終えました。 本日の市場動向 ランキング 本日のチャート (注)データは15時45分頃。米ドル/円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。米ドル/円は11:30~12:30の間は表示していない。(出所)Quickより野村證券投資情報部作成 今後の注目点 本日米国では、8月消費者信頼感指数が発表される予定です。消費者の景況感など個人消費の先行指標とされるため、注目です。 (野村證券投資情報部 笠原 光) ご投資にあたっての注意点
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08/26 09:30
【週間ランキング】日本株の値上がり/値下がり銘柄は?(8月第4週)
※画像はイメージです。 日本主要銘柄・株価騰落率ランキング(上位) 2025年8月第4週(2025年8月15日~8月22日) 2025年8月月間(2025年7月31日~8月22日) 2025年年間(2024年12月31日~2025年8月22日) (注)対象はTOPIX500、直近値は2025年8月22日。(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成 日本主要銘柄・株価騰落率ランキング(下位) 2025年8月第4週(2025年8月15日~8月22日) 2025年8月月間(2025年7月31日~8月22日) 2025年年間(2024年12月31日~2025年8月22日) (注)対象はTOPIX500、直近値は2025年8月22日。(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成 <参考>今週の日本株式市場パフォーマンス 主要指数 TOPIX: 東証33業種 (注)業種分類は東証33業種ベース。直近値は2025年8月22日時点。(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成 ご投資にあたっての注意点
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08/26 08:04
【野村の朝解説】米国株は反落、金利上昇が重石に(8/26)
(注)画像はイメージです。 海外市場の振り返り 25日の米国株式市場で主要3指数は揃って反落しました。FRBの利下げ期待を背景に先週末に急伸した反動から、週明け25日のNYダウは反落して始まり、その後は終盤にかけて下げ幅を拡大する展開となりました。ナスダック総合は、27日に決算発表を控えるエヌビディアの上昇が支えとなり、寄り付き後にプラス圏を回復する場面もみられましたが、米金利の上昇が重石となり、終盤にかけて下落に転じる展開となりました。為替市場では米ドルが主要通貨に対して全面高となり、米ドル円は現在147円台後半で推移しています。 相場の注目点 先週は、金融政策の先行きを占う上で注目された「ジャクソンホール会合」で、パウエルFRB議長が利下げの可能性を示唆しました。市場の一部では利下げに消極的な姿勢を示す可能性も意識されていただけに、イベント通過の安心感から先週末の米国株は急伸する格好となりました。米先物金利は2025年9月FOMCでの利下げを8割程度織り込んでおり、9月の利下げ再開はほぼ確実視されています。一方、年内のFOMCは9月16~17日、10月28~29日、12月9~10日の3回が予定されていますが、9月以降の利下げペースに関しては慎重な見方が根強いとみられます。利下げ1回あたり0.25%ポイントとすると、現時点では年内2回程度の利下げが織り込まれており、野村證券でも9月から四半期に1度のペースで利下げが実施されると見ています。FRB内では関税引き上げによる経済や物価への影響に関して見解が分かれていることから、FRBが利下げを急ぐかどうかは今後の雇用および物価指標を見極める必要があります。目先は今週29日発表の7月個人消費支出(PCE)価格指数や、9月5日に発表される8月雇用統計が注目されます。 (野村證券 投資情報部 引網 喬子) (注)データは日本時間2025年8月26日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。 ご投資にあたっての注意点
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08/25 16:30
【野村の夕解説】日経平均株価は続伸 半導体関連株が上昇をけん引(8/25)
(注)画像はイメージです。 本日の動き 25日の日経平均株価は、米国の利下げ期待を受けて、値がさの半導体関連株が上昇し、続伸しました。もっとも、円高進行が重石となり上値は抑えられました。22日から開催されていたジャクソンホール会議における、パウエルFRB議長の講演を受けて、米国では利下げ観測が高まり、米主要3指数は揃って上昇しました。また植田日銀総裁の講演では、日銀の利上げ継続期待を維持するものとなりました。米ハイテク株高を受け、25日の日経平均株価は寄り付き後に一時568円高と上昇する場面もありました。一方、外国為替市場において、一時1米ドル=147円10銭台後半と、22日の15:30時点の148円80銭台から円高へ進行したことが重石となり、日経平均株価の上値を抑える動きもみられ、大引けは前日比174円高の42,807円と続伸して取引を終えました。業種別ではAIデータセンター関連とされる電線株が含まれる非鉄金属が上昇し、個別株では、ソフトバンクグループやリクルートホールディングス、アドバンテストといった主要な値がさ株が上昇し、3銘柄で日経平均株価を179円押し上げました。 本日の市場動向 ランキング 本日のチャート (注)データは15時45分頃。米ドル/円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。米ドル/円は11:30~12:30の間は表示していない。(出所)Quickより野村證券投資情報部作成 今後の注目点 本日米国では、ダラス連銀のローガン総裁やNY連銀のウィリアムズ総裁などのFRB高官が発言するイベントが予定されています。ジャクソンホール会議を終え、FRBによる利下げ観測が強まる中注目が集まります。 (野村證券投資情報部 清水 奎花) ご投資にあたっての注意点
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08/25 08:06
【野村の朝解説】FRB議長講演受けNYダウは最高値更新(8/25)
(注)画像はイメージです。 海外市場の振り返り 22日の米国金融市場では、パウエルFRB議長の発言がハト派的(利下げに積極的)と受け止められ、NYダウは史上最高値を更新、S&P500も6営業日ぶりに上昇しました。パウエル議長は労働市場に関して「奇妙な均衡状態」にあり、「雇用に対する下振れリスクが高まっている」との見方を示したうえで、「基本見通しとリスクバランスの変化が、政策スタンスの調整を正当化する可能性がある」との見解を示しました。市場では9月FOMCでの利下げの可能性を示唆するものとの見方が広がり、米国債市場では短期債中心に金利が低下、米ドルは主要通貨に対して全面安の展開となりました。議長の講演直前に148円台後半で推移していた米ドル円相場は一時2円以上円高・米ドル安が進行し、146円台後半で取引を終えました。 相場の注目点 米先物金利は9月FOMCでの利下げを8割強、年内中に0.5%ポイントの利下げを完全に織り込んでいます。FRBが米国の景気後退を予想する状況にはなく、パウエル議長が示唆した利下げは「予防的利下げ」の色彩が色濃いものだと言えます。このため、29日に発表される7月個人消費支出デフレーターや、9月5日に発表される8月雇用統計を筆頭に、月初の主要統計が米国景気の堅調推移を示唆する結果になった場合には、9月利下げ観測が大きく後退する可能性があります。その場合、足元の高い米国株のバリュエーションを踏まえると、米国株は景気の堅調推移を評価するよりも、利下げ観測後退による金利上昇を嫌気する可能性が否定できません。これらの調整リスクを消化しながら米国株が上昇基調を継続できるかという点からも、引き続き米国の決算動向が注目されます。今週は27日(水)にマグニフィセント7の一角であり、AI業界の重要な試金石として注目されているエヌビディアの決算発表が予定されています。 (野村證券 投資情報部 尾畑 秀一) (注)データは日本時間2025年8月25日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。 ご投資にあたっての注意点
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08/23 12:00
【注目トピック】日本株、史上最高値更新の裏にリビジョン・インデックス
※画像はイメージです。 2025年4-6月期決算ほぼ出そろう 2025年4-6月期決算がほぼ出そろいました。ラッセル野村Large Cap(除く金融)の、営業増益率および経常増益率は事前コンセンサスに対して5%ポイント前後上振れて着地した模様です。 個別企業レベルでは、事前のコンセンサス予想に対して上振れて着地した企業の割合は61%となっています。この上振れ比率は、過去においては概ね50%台後半~60%台半ばで推移しており、今回はほぼ歴史的な平均並みといってよいでしょう。 今回の決算シーズンでは、米国の関税政策の影響の織り込み度合いが注目されましたが、事前コンセンサスに対しやや上振れるという通常通りの着地となり、業績モメンタムの更なる悪化は避けられた格好です。 四半期 業績の推移 (注1)ラッセル野村Large Cap(除く金融)の四半期・増収率および営業増益率、経常増益率の推移。(注2)2025年1-3月期までは実績値で、ソフトバンクグループを集計から除外している。2024年1-3月期以降はさらに公益セクターに属する企業を除外している。(注3)2025年4-6月期は推定で、2025年8月15日までに決算発表を終えた企業を対象に集計している。(出所)野村證券投資情報部作成 4-6月期は製造業中心に大幅減益 2025年4-6月期決算では製造業の多くで減益となりました。業種別の営業増減益寄与額をみると、米国の関税政策の影響が最も大きいとされる自動車の減益寄与額が最大となりました。これに、化学、鉄鋼・非鉄など素材セクターが続く構図となっています。 米国の関税政策の影響が業種により濃淡はあるものの顕在化したほか、前年同期(2024年4-6月期)に比べて約10円/米ドル円高で推移したことも製造業の業績の重荷となりました。また、米国の関税政策の行方の不透明さから、世界的に企業の設備投資が低調であったことも製造業の業績に悪影響を及ぼしました。 一方、内需・サービス系では建設、住宅不動産、運輸など、主にBtoBに属する業態を中心に増益となる業種が多くみられました。事前の市場コンセンサスでは、内需・サービス系の業種のほとんどで、前年同期比で横ばいの利益が見込まれていました。人件費などのコスト増の価格転嫁が想定以上に順調に進んでいると考えられます。 四半期 2025年4-6月期 業種別営業増減益寄与額 (注)ラッセル野村Large Cap(除く金融)の営業利益の、2025年4-6月期・業種別増減益寄与額。2025年8月15日までに決算発表を終えた企業を対象に集計している。(出所)野村證券投資情報部作成 想定以上の改善となったRI 例年4-6月期決算シーズンは、期がスタートして日が浅いことから、会社側が見通し変更する動きは緩慢です。今回は更に、先行きの不透明さから見通しを変更した企業は東証プライム上場企業のうち9.8%と、例年の7割程度です。そのため、より機動的に業績予想を変更するアナリスト予想の動向が注目されました。 アナリスト予想の方向性を示すリビジョン・インデックス(RI)は、2025年6月に-30%を大きく下回る水準に沈みました。米国の関税政策の影響を初めて本格的に織り込んだことがRI悪化の主因です。2012年以降の経験則では-30%を下回るような大幅なRIのマイナスを記録したあと、さらにマイナス幅が拡大することはありませんでした。また、RIのマイナス幅が最大となる時期は、株価の下落が最大となる時期にやや先行、最悪でも一致しています。 2025年8月18日時点で、RIはプラス転換しており、想定以上の回復となっています。足元の株価上昇の背景には、RIの劇的ともいえる回復が大きく寄与していると見られます。 リビジョン・インデックス(RI)と日経平均株価 (注1)赤線は、ラッセル野村Large Cap(除く金融)の四半期毎(3/6/9/12月月初)のリビジョン・インデックス(RI)。直近値は2025年8月18日時点。(注2)灰色線は、日経平均株価の前年同月比で、四半期毎(2/5/8/11月月末)。直近値は2025年8月20日時点。見やすさを優先して縦軸を制限している。(出所)野村證券投資情報部作成 業績下方修正が続いている点には注意 ただ、RIがプラス転換したからといっても、下方修正が完全に止まったわけではありません。足元のラッセル野村Large Cap(除く金融)の2025年度の予想経常利益総額は6月月初比で下方修正となっています。 ①期初想定よりも5円/米ドル程度円安で推移していることに対応して小幅に業績予想が上方修正される企業が多いためRIはプラス転換したものの、②米国の関税の影響が大きい企業や業種の業績予想修正は続いていることから利益総額では下方修正、という構図です。 株価は、RIに反応して史上最高値圏にあるものの、予想利益水準が切り上がっているわけではないので、バリュエーションは(歴史的には)決して割安とは言えない点には留意すべきでしょう。 予想経常利益の推移と日経平均PER (注1)赤線は、ラッセル野村Large Cap(除く金融)の2025年度、2026年度予想経常利益額の3ヶ月ごとの推移。予想は野村證券市場戦略リサーチ部による。直近値は2025年8月15日時点。(注2)灰色線は、日経平均株価の12ヶ月先EPS基準予想PERの月次の推移。なお、予想12ヶ月先EPSは、今期の残存期間に応じて、今期/来期の予想EPSを時間按分したもの。予想は東洋経済新報社。直近値は2025年8月18日時点。 (出所)日本経済新聞社、東洋経済新報社、野村證券市場戦略リサーチ部より野村證券投資情報部作成 野村證券投資情報部 シニア・ストラテジスト伊藤 高志 ご投資にあたっての注意点