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06/15 07:00
【来週の予定】注目度の高い米住宅関連統計で、利上げの影響を確認
来週の注目点:主要国の6月PMI速報値と日米中のハードデータ 6月に入って続いてきた主要中央銀行の金融政策決定会合もようやく一山超えました。ECB(欧州中央銀行)、BOC(カナダ中央銀行)は利下げを実施した一方、FRB(米連邦準備理事会)、日本銀行は政策金利を据え置きました。注目されていたFRBの政策金利見通し(中央値)は、24年中の利下げが前回3月時点の3回から1回へ修正されました。市場ではFRBの見通し変更に大きなサプライズはなく、同日公表された5月コア消費者物価指数(CPI)の減速が好感され、株高、金利低下、ドル安で反応しました。 今週、米国では18日(火)に5月小売売上高、5月鉱工業生産、20日(木)に5月住宅着工・建設許可件数、21日(金)に5月中古住宅販売件数と注目度の高いハードデータ(実際の経済活動を表すデータ)の発表が予定されています。米国では24年に入って、特に個人消費関連で利上げの影響を示す経済指標が散見され始めました。この点では、住宅関連統計の結果が注目されます。また、目先の景気動向を見極めるうえでは、6月のNY連銀(17日(月))やフィラデルフィア連銀(20日(木))の製造業景気指数、21日(金)発表の米国を含む、主要国の6月PMI速報値が市場の関心を集めると見られます。 日本では17日(月)の4月機械受注、19日(水)の5月訪日外国人客数、21日(金)の5月全国消費者物価指数が注目度の高い指標として挙げられます。19日(水)の4月日銀金融政策決定会合議事要旨では、円安への懸念や利上げ以外の政策オプションに対する議論の状況が注目点として挙げられます。 中国では17日(月)に5月小売売上高、鉱工業生産、1-5月固定資産投資・不動産投資と、重要なハードデータの発表が予定されています。中国経済の本格的な復調には不動産市況の改善が必要条件だと見られるため、最も市場の関心を集めるのは不動産投資の行方だと思われます。 (野村證券投資情報部 尾畑 秀一) (注1)イベントは全てを網羅しているわけではない。◆は政治・政策関連、□は経済指標、●はその他イベント(カッコ内は日本時間)。休場・短縮取引は主要な取引所のみ掲載。各種イベントおよび経済指標の市場予想(ブルームバーグ集計に基づく中央値)は2024年6月14日時点の情報に基づくものであり、今後変更される可能性もあるためご留意ください。(注2)画像はイメージです。(出所)各種資料・報道、ブルームバーグ等より野村證券投資情報部作成 ご投資にあたっての注意点
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06/14 16:23
【速報・解説】日銀、国債購入の減額方針を決定
日銀は金融政策を据え置き、国債購入の減額方針決定も具体策は次回会合 日本銀行は2024年6月13-14日に金融政策決定会合を開催し、事前予想通り政策金利の据え置きを決定しました。注目された長期国債の購入額は、月間6兆円程度のペースを維持することを決定しました。その上で、「長期金利がより自由な形で形成されるよう」、市場参加者の意見を確認したうえで、次回の決定会合で今後1~2年程度の具体的な減額計画を決定することを明らかにしました。市場では長期国債買い入れ額の減額予想が高まる一方で、具体的な枠組みが見えないことが嫌気され、米10年国債利回りが低下する中でも、日本の長期国債利回りは上昇(価格は下落)基調にありました。日銀が、①事前に債券市場参加者の意見を聴取すること、②最低でも1~2年の時間をかけて減額する意向であること、➂次回会合で計画を明らかにすること、を示したことで、国債市場における不透明感が後退することが期待されます。 日銀の発表を受けて10年国債利回りは0.94%、同じく20年国債利回りも1.71%程度と、発表前と比べて約0.3~0.4%ポイント低下、日経平均は前場引け値から190円程度上昇して後場の取引が開始されています。一方、ドル円レートは1ドル=157円20銭前後から158円目前までドル高円安が進行しました。 現在、日銀の金融政策ツールは無担保コール翌日物金利であり、長期国債の買い入れは政策ツールではありません。市場では次回7月会合での利上げ予想が高まっていますが、声明文から日銀が利上げに対して更に前向きになっている様子は確認できません。ただし、今後更に円安が加速する事態になれば、早期利上げ観測が高まることが予想されます。一方、長期国債購入額に関しては、為替動向と絡めた市場の思惑は鎮静化することが想定されます。日銀の国債保有額は約598兆円(6月10日時点)と、国債発行残高の半分弱を占めています。国債市場への無用なストレスを回避するため、日銀が国債購入額の減額に関して柔軟な枠組みを設定した場合、実際の運営に関して不透明感を残す結果となる点には注意が必要です。 ※(アプリでご覧の方)2本の指で画面に触れながら広げていくと、画面が拡大表示されます。 (注)データは日次で、直近値は2024年6月13日。 (出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成 (野村證券投資情報部 尾畑 秀一) ご投資にあたっての注意点
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06/14 15:59
【野村の夕解説】日経平均株価94円高、日銀会合の結果を受け反発(6/14)
(注)画像はイメージです。 本日の動き 本日の日経平均株価は前日比132円安の38,587円で取引を開始しました。その後前日の終値を挟んで一進一退の動きが続きました。注目されていた日銀の金融決定会合の結果は後場寄り付き前に発表されました。今回の会合では追加利上げを見送った一方、当面の長期国債買い入れを減額していく方針としました。新発10年物国債の利回りは、12時台に前日比0.03%ポイント低下(価格は上昇)の0.915%を付けました。外国為替市場では、国債減額の計画について具体的な発表がなかったことなどから日米で金利差が拡大した状況はしばらく続くとの見方が進み、一時1米ドル=158.10円台とおよそ1か月半ぶりの円安水準となりました。日経平均株価は金利低下と円安を背景に後場から上昇に転じ、一時前日比305円高となりました。その後、心理的節目である39,000円台に乗せると利益確定の売りのような動きも見られ、また大引け後の日銀の植田総裁の記者会見を見極めたい思惑もあり上げ幅を縮小させました。大引けは前日比94円高の38,814円となり、3日ぶりに反発し本日の取引を終えました。 本日の市場動向 ランキング 本日のチャート (注)データは15時15分頃。ドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。(出所)Quickより野村證券投資情報部作成 今後の注目点 日本では、本日引け後に行われる植田日銀総裁の記者会見に注目が集まります。また、米国では14日(金)に6月ミシガン大学消費者マインド調査速報値が発表されます。 ご投資にあたっての注意点
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06/14 12:00
【今週のチャート分析】日経平均株価、上値抵抗の75日平均線を突破なるか注目
※画像はイメージです。 ※2024年6月13日(木)引け後の情報に基づき作成しています。 日経平均株価、史上最高値更新も視野に 今週の日経平均株価は、週初に終値で5月23日以来の3万9,000円台を回復して始まりました。その後、米FOMC等の重要イベントを無難に通過しましたが、週後半は上値の重い動きとなりました。 チャート面からこれまでの動きを振り返ってみましょう(図1)。日経平均株価は、5月30日に一時37,617円まで下落しましたが、昨年10月以降の上昇トレンドライン上で下ヒゲを引き反発しました。ただ、戻り高値は75日移動平均線(6月13日:39,021円)に上値を抑えられ、狭いレンジでの横ばいとなっており、この先同線を上放れできるか注目されます。 さらに、5月20日高値(39,437円)を超えることができれば、4月19日安値と5月30日安値によるダブルボトムが完成しチャートが好転することとなります。その場合、まずは4月12日戻り高値(39,774円)や、心理的フシの4万円の水準へ向けた動きとなると考えられ、先行きは史上最高値(41,087円)更新が視野に入ってくるとみられます。 ※(アプリでご覧の方)2本の指で画面に触れながら広げていくと、画面が拡大表示されます。 (注1)直近値は2024年6月13日時点。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成 一方で、この先再度調整となり38,000円台を割り込む場合は、5月30日安値(37,617円)や、4月19日安値(36,733円)の水準が下値メドとして挙げられます。今年4月安値までの下落率(9.3%)は、波動分析上の参考局面である昨年10月安値までの下落率(9.6%)と比較し、値幅調整は概ね十分と捉えられます(図2)。この先、調整再開となった場合も、その調整規模は限定的に留まる可能性が高いと考えられます。 (注1)直近値は2024年6月12日。 (注2)トレンドラインには主観が含まれておりますのでご留意ください。(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成 米国10年債利回り、本格的な利回り低下局面入りか 米FRBは高い水準の政策金利(5.25~5.50%)を1年近く維持していますが、インフレは一様に鈍化せず、米国10年債利回りは高水準での推移が続いています。ただ、今年4月以降はインフレ鈍化の兆しがみられる中、10年債利回りのトレンド(方向性)に変化がみられます。 まずはトレンドラインの観点(図3)でみると、①2023年10月ピーク(5.018%)形成後に、それまでの上昇トレンドラインを割り込み、一時4%を下回りました。その後、②再び上昇傾向となり今年4月に4.7%台まで再上昇したものの、5月中旬から6月初旬にかけての調整で上昇トレンドラインを割り込みました。 さらに、6月12日に発表された5月米消費者物価指数が市場予想を下回ったことで、6月ボトム(4.248%)を更新しました。段階的に上昇トレンドラインを割り込んでおり、これまでのトレンドに変化がみられます。 (注1)直近値は2024年6月12日。 (注2)トレンドラインには主観が含まれておりますのでご留意ください。(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成 次に月足チャート(図4)をみれば、2020年3月ボトム(0.313%)形成後の利回り上昇局面で概ね下支えとなってきた12ヶ月移動平均線(6月12日:4.302%)を、今年6月に一時下回りました。この先、12ヶ月線を完全に下放れとなれば、2020年のボトムから続いた利回り上昇トレンドが終了したと捉えられます。 過去の利回りの動きをみると、天井形成後に横ばいトレンド入りとなるケースは少なく、1年を超える利回り低下トレンド入りとなっていました。今回についても利回り上昇トレンドが終了した後は、本格的な利回り低下トレンドへ移行する可能性が高いと考えられます。 (注1)直近値は2024年6月12日。 (注2)トレンドラインには主観が含まれておりますのでご留意ください。(注3)日柄は両端を含む。(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成 (野村證券投資情報部 岩本 竜太郎) 【FINTOS!編集部発行】野村オリジナル記事配信スケジュールはこちら ご投資にあたっての注意点
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06/14 08:35
【野村の朝解説】PPIは鈍化、ナスダックは高値更新(6/14)
(注)画像はイメージです。 海外市場の振り返り 13日の米国株式市場は、まちまちな展開でした。NYダウが3日続落した一方で、ナスダック総合とS&P500は4日続伸し史上最高値を更新しました。前日引け後にAI需要を背景に好決算を発表した半導体設計・ソフトウエアを手掛けるブロードコムの株価が上昇したことなどを受け情報技術指数が堅調だった一方、コミュニケーション・サービスやエネルギーなどの指数は下落しました。13日引け後に決算を発表した画像ソフトウエア大手のアドビはAI製品への需要を背景に好決算を発表し、AIの業績への貢献が半導体からソフトウエアへ広がっていることを示唆しました。経済指標では、5月米PPI(生産者物価指数)が前月比-0.2%と市場予想の同+0.1%に反しマイナスとなり、食品とエネルギーを除くコアPPIも前月比変わらずと市場予想の同+0.3%を下回りました。また、週間新規失業保険申請件数は24.2万件と市場予想の22.5万件を上回り、労働市場のひっ迫による賃金インフレに対する懸念が和らぎました。インフレの低下が意識され、米10年国債利回りは低下しました。 相場の注目点 日本では本日、日銀の金融政策決定会合(6月13・14日開催)の結果が発表されます。注目点は、①国債買い入れの減額や、②植田総裁の会見です。国債買い入れ減額については、新聞の観測記事などにより減額の方向性自体は市場はある程度織り込んだと考えられる一方、声明文で具体的な金額や開始時期が示されるかが注目されます。植田総裁の会見では、市場の利上げ期待を維持するようなコミュニケーションが見られるか、また、為替に関する質疑応答が注目されます。 米国では14日に、6月ミシガン大学消費者調査速報値が発表されます。総合指数は5月の69.1から72.1へ上昇すると予想されています。また、1年、5年先のインフレ見通しが今後の物価や個人消費の観点から注目されます。 (投資情報部 竹綱 宏行) (注)データは日本時間2024年6月14日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。 野村オリジナル記事の配信スケジュール ご投資にあたっての注意点
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06/13 16:08
【野村の夕解説】日経平均株価は続落、日銀政策決定会合への警戒が重石(6/13)
(注)画像はイメージです。 本日の動き 本日の日経平均株価は、前日比305円高の39,182円で取引を開始しました。前日、米国で発表された5月米消費者物価指数は市場予想を下回り、前月から鈍化しました。また、注目のFOMCは24年中の利下げ回数が1回に留まる可能性が示された一方、25年中、及び26年中の利下げ回数は4回と前回3月から1回増加し(それぞれ1回当たりの利下げ幅が0.25%ポイントとして)、利下げ方針自体は堅持されました。これを受けて、ハイテク株の上昇が目立ち、ナスダック総合株価指数やS&P500指数が過去最高値を更新したことが国内株式市場への追い風となりました。 一方、13日から14日にかけて、日銀の金融政策決定会合が開催され、日銀が行っている国債の買い入れについて、減額を決定する可能性に対し警戒が広がったことが、国内株式市場への重石となりました。また、香港や韓国、台湾といったアジア株式市場は概ね堅調だったものの、引けにかけて日経平均株価が下落幅を広げる展開は変わらず、前日比156円安の38,720円で本日の取引を終了しました。米半導体株の上昇を受けて、寄り付きは堅調だった東京エレクトロンが前日比-1.66%と下落に転じており、日経平均株価の下押し要因となりました。 本日の市場動向 ランキング 本日のチャート (注)データは15時15分頃。ドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。(出所)Quickより野村證券投資情報部作成 ご投資にあたっての注意点
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06/13 09:52
【速報・解説】FOMC利下げ回数減でも株高
年内利下げは前回の「3回」から「1回」へ見直しも、市場の反応は限定的 FRB(米連邦準備理事会)は2024年6月11-12日にFOMC(米連邦公開市場委員会)を開催し、大方の事前予想通り政策金利の据え置きを決定しました。注目された政策金利見通し(中央値)は、1回当たりの政策金利の変更幅を0.25%ポイントとした場合、24年中の利下げ回数は前回(24年3月)時点の3回から1回へ25年に関しては前回の3回から4回へ変更されました。直前のブルームバーグの調査では、24年中の利下げ回数見通しは「2回」と「1回あるいは利下げなし」との見方に2分されていたことから、市場にとって大きなサプライズではなかったと見られます。 声明文ではインフレに関する文言が、「(ここ数ヶ月に)委員会が目指す2%のインフレ目標に向けては緩慢なる一段の進展が見られた」と、利下げに向けて判断が一歩前進したことを示しました。また、会合後の記者会見でパウエル議長は「インフレ率が持続的に2%に向かっているという確信を強めるには、良好なデータをさらに目にする必要がある」と従来の見解を繰り返し、利下げに向けて慎重に判断する姿勢を改めて示しました。 結果発表前に発表されたCPIはインフレ鈍化を示唆も、神経質な展開続く 米国市場では寄り前に発表された5月のコアCPI(食品・エネルギーを除く消費者物価指数)が2ヶ月連続で鈍化したことが好感され、米国債市場では利回り曲線全域に渡って金利が低下、ハイテク関連を中心に株価が反発し、S&P500株価指数は過去最高値を更新しました。一方、ドルは主要通貨に対し全面安となり、対円では一時155円台まで下落しましたが、FRBによる24年利下げ見通しの修正を受けて156円台へ持ち直しました。 市場では米国経済のソフトランディング(軟着陸)とインフレ鎮静化が同時に達成され、FRBは利下げに転じ、長期金利が低下するとの期待から米国株は堅調に推移しています。ただし、利下げ見通しの下方修正が続いているように、このような見通しの実現に向けたハードルは必ずしも低くはありません。このため、米国市場では景気・インフレ動向と金融政策の行方に対して神経質な展開が続くと予想されます。 (注)図中の●はFOMC参加者が予想するその年の年末の政策金利(FF(フェデラル・ファンド)金利翌日物)のレンジの中央値。引き出し線で示されている数値は、参加者の予想中央値。政策金利のレンジ幅は0.25%であるため、例えば5.00%~5.25%のレンジを予想している参加者は中央値が5.125%となる。長期は長期先の着地点(Longer run)。2024年3月見通しの長期は、18名の回答中、9番目が2.500%、10番目が2.625%となるため、中央値となる2つを併記している。見通しは3の倍数月のFOMCの開催後に発表される見通しで、それぞれのFOMCの日程は2024年3月は3月19-20日、2024年6月は6月11-12日。(出所)FRBより野村證券投資情報部作成 (野村證券投資情報部 尾畑 秀一) ご投資にあたっての注意点
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06/13 08:12
【野村の朝解説】FRBの利下げ見通しは年内1回に(6/13)
(注)画像はイメージです。 海外市場の振り返り FRB(米連邦準備理事会)は2024年6月11-12日にFOMC(米連邦公開市場委員会)を開催し、大方の事前予想通り政策金利の据え置きを決定しました。注目された政策金利見通し(中央値)は、1回当たりの政策金利の変更幅を0.25%ポイントとした場合、24年中の利下げ回数は前回(24年3月)時点の3回から1回、25年に関しては前回の3回から4回へ変更されました。直前のブールムバーグの調査では、24年中の利下げ見通しは「2回」と「1回あるいは利下げなし」との見方に2分されていたことから、24年中に1回の利下げ見通しも市場にとっては大きなサプライズではなかったと見られます。米国市場では寄り前に発表された5月のコアCPI(食品・エネルギーを除く消費者物価指数)が2ヶ月連続で鈍化したことが好感され、米国債市場では利回り曲線全域に渡って金利が低下、ハイテク関連を中心に株価が反発し、S&P500株価指数は過去最高値を更新しました。一方、ドルは主要通貨に対し全面安となるなかで、対円では一時155円台まで下落しましたが、FRBによる24年中の利下げ見通しの修正を受けて156円台へ持ち直しました。 相場の注目点 声明文では「(ここ数ヶ月に)委員会が目指す2%のインフレ目標に向けては緩慢なる一段の進展が見られた」と利下げに向けて判断が一歩前進したことを示しました。また、会合後の記者会見でパウエル議長は「インフレ率が持続的に2%に向かっているという確信を強めるには、良好なデータをさらに目にする必要がある」と、利下げに向けて慎重に判断する姿勢を改めて示しました。市場では米国経済のソフトランディング(軟着陸)とインフレ鎮静化が同時に達成され、長期金利が低下するとの期待から米国株は堅調に推移していますが、利下げ見通しの先送りに示唆されるように必ずしもハードルは低くはありません。このため、米国市場では景気・インフレ動向と金融政策の行方に対して神経質な展開が続くと予想されます。 (投資情報部 尾畑 秀一) (注)データは日本時間2024年6月13日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。 野村オリジナル記事の配信スケジュール ご投資にあたっての注意点
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06/12 16:11
【野村の夕解説】日経平均株価、薄商いの中3日ぶりの反落、258円安 (6/12)
(注)画像はイメージです。 本日の動き 本日の日経平均株価は、前日比269円安の38,865円で取引を開始しました。昨日、一昨日の2営業日の続伸で450円超上昇していたことで高値警戒感は強く、日経平均株価は39,000円の節目を割れて寄り付きました。前場中頃には、長期金利の指標となる10年国債利回りが3営業日ぶりに1%を下回り、金利低下が一定の下支えとなって、日経平均株価は薄商いの中38,900円を挟んで一進一退を続けました。引けにかけても動意に乏しく、前日比258円安の38,876円と3営業日ぶりに反落して取引を終えました。本日米国で結果が公表されるFOMCを控えて様子見ムードは強く、東証プライム市場の売買代金は3兆3,653億円と4営業日連続で4兆円を下回りました。個別では、前日米アップルが開発者会議を受けて7%強上昇したことから、スマホに利用される部品関連銘柄が逆行高となり、TDKが前日比+4.35%、日東電工が同+2.66%、村田製作所が同+2.63%など大きく反応しました。 本日の市場動向 ランキング 本日のチャート (注)データは15時15分頃。ドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。(出所)Quickより野村證券投資情報部作成 今後の注目点 本日、米国では5月CPI(消費者物価指数)、FOMC(米連邦公開市場委員会)の結果公表が予定されています。FOMCでは政策金利の変更はないと市場で確実視されていますが、パウエル議長の会見内容や、FOMCに参加するFRB高官の政策金利見通しを示すドット・チャートへの注目が高まっています。 (野村證券投資情報部 神谷 和男) ご投資にあたっての注意点