【今週のチャート分析】日米関税交渉合意で日本株大幅上昇、中長期の行方は?
※画像はイメージです。※2025年7月24日(木)引け後の情報に基づき作成しています。
日経平均株価、日米関税交渉合意受け急騰、史上最高値に接近
今週の日経平均株価は、日米関税交渉の合意を受け、景気敏感セクターを中心に大幅上昇となりました。
週足チャート(図1)でこれまでの動きを見ると、6月下旬の大幅上昇により、52週移動平均線と昨年7月高値以降の下降トレンドラインを明確に上抜けました。これにより中長期上昇トレンド入りの可能性が高まりました。
(注1)直近値は2025年7月24日時点。(注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成
次に、日足チャート(図2)を見ると、7月に入って一時的に調整となりましたが、25日移動平均線(7月24日:39,686円)が下支えとなって反発しました。その後、日米関税交渉合意を受けて7月23日に年初来高値を更新し、翌24日には一時42,000円台を付けました。今後の注目ポイントは、6月30日高値から7月14日安値までの押し幅の倍返しにあたる42,416円や、昨年7月に付けた史上最高値(ザラバベース:42,426円)を突破できるかどうかです。
(注1)直近値は2025年7月24日時点。(注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成
一方で、上昇が一巡して再度調整となった場合は、25日線(7月24日:39,686円)が下支えとなるか注目されます。
TOPIX 史上最高値更新、中長期トレンドの目指す先は
日米関税交渉の合意を受けて、日経平均株価は年初来高値を更新し、TOPIXは史上最高値を更新しました。前回の特集で日経平均株価を取り上げましたので、今回はTOPIXの長期チャートを詳しく見ていきます(図3) 。
(注1) 直近値は2025年7月24日時点。(注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。(出所)JPX総研より野村證券投資情報部作成
TOPIXは昨年7月に約35年ぶりに史上最高値を更新しましたが、その後は一時的に調整となりました。しかし、コロナショックでつけた2020年3月安値以降の中長期上昇トレンドラインが下支えとなりました。昨年8月安値に対する二番底を今年4月につけて、その後再び大幅に上昇しています。7月下旬の日米関税交渉の合意を受けて約1年ぶりに史上最高値を更新しており、中長期的な上昇局面に回帰してきたと判断できます。
目先の注目ポイントは、心理的節目である3,000ポイントを超え、その水準を維持できるかどうかです。なお、前回の中長期上昇局面(2022年3月~24年7月)では約1.7倍の上昇倍率を示しました。これを昨年8月の安値に当てはめて試算すると、目標値はおよそ3,786ポイントとなります。
(野村證券投資情報部 岩本 竜太郎)
ご投資にあたっての注意点