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【特集】高値からの積立投資を検証する バブル期から月1万円積み立てた評価額推移

バブル期、1989年末の日経平均株価最高値から2024年3月まで月1万円の積立投資を続けたとしたら評価額はどうなっていたでしょうか。シミュレーションしました。 積立投資はマーケットがどのような状態のときに始めるのがいいのでしょうか。2024年2月に日経平均株価は34年ぶりに最高値を更新しました。3月下旬以降株価は調整しましたが、「もう少し株価が下がったら積立投資を開始したい」と思っている方もいるかもしれません。 では、もし34年前の最高値のときから積立投資を始めたとしたら、どうなっていたでしょうか。野村證券投資情報部が試算しました。 1989年のバブル期最高値から始めた日経平均の積立投資、その投資成果は? こちらは日経平均株価がバブル期最高値の38,915円を付けた1989年12月末から、日経平均に毎月末1万円の積立投資を始めた場合の試算です。 (注)データは月次の終値ベースで、1989年末から2024年3月末日まで。積立投資は、日経平均に毎月末に10,000円ずつ投資をするとして計算。手数料、税金等は考慮していません。上記は過去の実績をもとにした試算結果であり、将来の投資成果を予測・保証するものではありません。局面によっては、積立による投資成果が期待できない場合があります。(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成 約19年後、2009年2月末には日経平均はバブル期以降の月末値の最安値、バブル・ピーク時の約1/5となる7,568円まで下がりました。それに対して積立投資の評価額は115万円で、累計投資額231万円の約1/2の水準に留まっています。 その後2013年4月末になると日経平均は、ピーク時の約1/3の13,860円まで戻しました。その時の積立投資の評価額は283万円となり、累計投資額の281万円を上回ってきました。つまり利益が出た状況になったわけです。 積立投資の継続で日経平均が低迷している期間に、より安い価格で多くの口数の買い付けができたことで平均買付コストが下がり、日経平均が高値に比べて低水準でも評価額がプラス圏に浮上できたといえます。 そして2024年3月末の日経平均が40,369円に達した段階では、積立投資の評価額は1,077万円となりました。累計投資額の412万円の約2.6倍になり、大幅に含み益の状況になりました。 積立投資の推移(試算)の特徴 積立投資の評価額(オレンジのグラフ)を見ると積立投資を始めた初期においては、買い付けた累計口数がまだ少ないため、投資対象(ここでは日経平均株価)の価格変動の影響が、金額として相対的に小さいことが分かります。 時間の経過とともに買い付けた累計口数が多くなるため、投資対象が価格変動することによる影響は金額的に大きくなります。つまりグラフが右側に行くほど金額のブレ幅は大きくなる傾向が見て取れます。 積立投資は、毎月同じ金額を投資することで、価格が安いときには多く、高いときには少ない量を自動的に購入できる、というメリットがあります。一定口数での買い付けと比較した場合、平均的な買い付けコストを低く抑えることが期待でき、これは投資対象の価格が上昇した際の投資効果を、さらに高めることにつながります。 本例でも明らかなように、積立投資を始める際は投資対象の価格が高いか安いかを気にするよりも、長期的な投資を通じて、平均的な買い付けコストを低く抑えることが期待できる積立投資のメリットを最大限活用することが重要となります。 ※本コラムで取り上げられた投資に関する基本的な考え方などについては、あくまで個人の見解によるものであり、野村證券の意見を代表するものではございません。 ご投資にあたっての注意点

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