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【注目トピック】参院選と株式市場 選挙後から年末にかけて株価上昇傾向も

※画像はイメージです。 参議院選挙は7月20日に決定 参議院選挙(以下、参院選)の投開票日が2025年7月20日に決定しました。参議院(任期6年)は衆議院と異なり解散がなく、3年ごとに半数が改選(定員248議席の半数124議席)となります。6月27日現在、参議院は自由民主党と公明党の与党合計で140議席と、過半数(125議席)を上回る議席を占めています。衆議院では少数与党となっている両党が、今回の参院選で過半数の議席を維持できるかどうかが大きな焦点(≒勝敗ライン)と見られています。 投開票日までの株価への影響は限定的 過去の参院選と株式相場動向をみると、投開票日までの日経平均株価の騰落率に特徴的な傾向は見出せません。参院選は衆院選と異なり政権選択選挙ではない点や、参議院に解散がなく選挙の大まかな日程が事前に想定できる点などが影響している可能性があります。 選挙後、年末までの平均騰落率+6.0%と良好 一方、参院選後の株価は上昇するケースが多く見られました。戦後25回の参院選のうち、投開票日から年末にかけて日経平均株価が上昇したのが18回、下落は7回にとどまっており、平均騰落率は+6.0%と良好です(下図)。   前回2022年の参院選では、10月の政府・日銀の円買い介入を受けて年末に向けて円高が進んだ結果、株価はマイナスに転じましたが、前々回2019年の参院選では、米中通商問題が激化する中、12月に米中通商協議が第一段階合意に達し不透明感が後退したことで、株価は投開票日から年末にかけて約10%上昇しています。 参議院選挙と日経平均株価の動向(戦後東証再開以降):表 (注1)▲はマイナス。(注2)該当日が休祭日の場合は前営業日の株価。(注3)※・・・投開票日当時は伊東正義内閣官房長官が内閣総理大臣臨時代理を務める。            鈴木善幸氏は1980年7月17日より就任。(注4)○印・・・衆参同日選挙。 △印・・・衆参同時選挙(投開票日が5日違い)。(出所)日本経済新聞社、その他データより野村證券投資情報部作成 参議院選挙と日経平均株価の動向(戦後東証再開以降):チャート (注1)▲はマイナス。直近値は2025年6月24日。下落率は直前の高値からの下落率。(注2)点線は参議院選挙の実施時。()内数字は前ページ表のNo.と対応。(注3)○印・・・衆参同日選挙。△印・・・投票日が5日違いで行われた衆参同時選挙。(出所)日本経済新聞社、その他データより野村證券投資情報部作成 ご参考:国会政党別議席状況 (2025年6月27日時点) (注1)グラフの赤系は与党、グレーが野党を示している。(注2)政党別議席数は、同じ会派に所属する政党も含む。参議院のその他には欠員の8名(今回改選7名、今回非改選1名)も含む。衆議院の議席は2025年5月14日時点、参議院の議席は2025年6月13日時点。自由民主党の非改選には関口昌一議長、比例代表の繰り上げ当選の見込みを含む。東京選挙区の非改選の欠員1を補充する分も含めると今回の参院選で争われる議席数は125となる。(出所)衆議院、参議院、各政党、各種報道資料より野村證券投資情報部作成 野村證券投資情報部 シニア・ストラテジスト山内 正一郎 1997年に野村総合研究所入社。翌年、野村證券金融研究所(現・金融経済研究所)に転籍。日本株ストラテジスト、テクニカルアナリストを経て、2013年より投資情報部。リテール向けにテクニカル・チャート分析に係る投資情報の発信・資料作成のほか、「野村週報」、「週刊パフォーマンス・モニター」の編集長を兼任。テクニカル展望(動画)などで相場解説を務める。日経ヴェリタス「テクニカル分析」に定期寄稿。 ご投資にあたっての注意点