〇オピニオン
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09:00
【オピニオン】トランプ関税の影響は?韓国の貿易統計から紐解く
※画像はイメージです。 トランプ政権が発動した関税策は①2025年4月9日より一律10%の相互関税(上乗せ分は90日間停止。中国は除く)、②25年5月14日より中国に対しては30%の関税(24%の上乗せ分は90日間停止)、➂25年3月4日よりカナダ・メキシコに対しては25%の関税を賦課(USMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)に関わる特例措置は除く・25年4月2日より相互関税を不適用)、となっています。品目別では、Ⓐ25年3月12日に鉄鋼・アルミニウム製品、4月2日に自動車にそれぞれ25%の追加関税を賦課(6月4日から鉄鋼・アルミニウム製品に対して50%を適用)、Ⓑ自動車部品に関しては二重関税を回避するため軽減措置を導入、となっています。一方、銅製品、木材、医薬品と半導体については米商務省が国家安全保障への影響に関して調査中です。 米国の主要貿易パートナーの25年3-4月の輸出動向を見ると、3月は駆け込み需要で増加し、4月はその反動減の影響が出ている模様です。中国の対米輸出は25年3月に前年比+9.1%、4月は同-21.0%、日本の対米輸出はそれぞれ同+3.1%、同-1.8%となっています。このように、駆け込み需要のかく乱要因により25年3-4月の貿易統計から関税引き上げの影響を抽出することは難しいため、5月以降の統計が参考になるでしょう。主要国の中では韓国の統計発表のタイミングが早く、既に25年5月分の貿易統計が6月1日に発表されました。米国の対韓国の関税率は基本税率の10%が賦課されていますが、上乗せ分を含めた相互関税率は25%です。輸出総額は前年比-1.3%となり、25年1月以来4ヶ月ぶりのマイナスとなりました。対米輸出は同-8.1%、対中輸出は同-8.4%と大幅に落ち込んでいます。 足元の韓国の貿易統計 (注)MCPはMulti Chip Packageの略で2つ以上の半導体チップを積層して一つにパッケージしたもの。SSDはSolid State Driveの略で、集積回路を用いた補助記憶装置の一種。OLEDはOrganic Light Emitting Diodeの略で有機ELディスプレイ。ASEANはAssociation of South-East Asian Nationsの略で、東南アジア諸国連合。(出所)ノムラ・シンガポール・リミテッド (NSL)、LSEGより野村證券投資情報部作成 一方、台湾向けは25年4月の同+58.2%に続き、5月も同+49.6%と高い伸びが続いています。AIサーバー向けのHBM(High Bandwidth Memory)などの半導体需要が引き続き旺盛であることが、うかがわれます。前述の通り、米商務省は半導体、半導体製造装置、スマホに関して1962年通商拡大法232条に基づき調査中ですが、その結果が出る前の駆け込み需要の側面もあると考えられます。 米国に輸出している半導体関連企業は米商務省による調査に回答する形で、「半導体製造装置や半導体材料の多くは、品質面でも数量面でも米国内では現在入手不可能なものである。米国内での生産コストが大幅に上昇することになるだろう」と懸念を表明しています。AI、半導体関連産業は米国の屋台骨であるだけに、現実的な着地点を探る可能性も否定できないでしょう。 ご投資にあたっての注意点
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07:00
【来週の予定】米CPI発表、トランプ関税の影響に市場の関心集まる
来週の注目点:トランプ関税の帰趨と米CPI、米中貿易などへの影響 4月下旬以降、トランプ関税への懸念の一服、減税期待の高まりを背景とした過度な米景気後退懸念の緩和、米主要企業の概ね市場予想を上回る2025年1-3月期決算などが日米の株価を下支えしています。トランプ政権の支持率が低下する中、トランプ政権の対外政策は軟化したと見られていましたが、足元では強硬な姿勢に戻りつつあります。6月4日に鉄鋼・アルミニウム製品の追加関税を2倍の50%に引き上げる措置を発動しました。対中国ではハイテク製品の輸出規制を一段と強めるなど非関税障壁を強化しています。今後は、相互関税の上乗せ部分の発動延期の期限(7月9日)が近付くにつれ、米国と一部の国・地域では協議が大詰めを迎えると見られるため、要注目です。 景気に減速感が見えつつある米国では、6月17日(火)-18日(水)にFOMCが開催されます。FRBは7日(土)から金融政策に関する公式発言を自粛するブラックアウト期間入りするため、足元の米国景気や金融政策の方向性に関するヒントを得ようと経済指標に注目が集まります。11日(水)に5月消費者物価指数(CPI)、12日(木)に5月生産者物価指数、13日(金)に6月ミシガン大学消費者マインド(速報値)が発表されます。最大の注目点はCPIです。関税引き上げによるコスト転嫁が次第に進み、向こう数ヶ月でインフレ率を押し上げると野村では見ています。 中国では、9日(月)に5月貿易統計が発表されます。5月12日に米中が合意した90日間の暫定的な関税引き下げが輸出の前倒しを促した可能性があります。 日本では、9日(月)に2025年1-3月期実質GDP(2次速報値)、5月景気ウォッチャー調査が発表されます。実質GDPについて野村では、前期比年率-1.1%と、1次速報の同-0.7%から下方修正されると予測します。主因は輸入の増加であり、民間内需は力強さを欠くものの、底堅い推移となる見通しです。他方、景気ウォッチャー調査では、2~3ヶ月先の見通しを示す先行き判断DIが、トランプ関税を受けてどのように変化するか確認したいと思います。 (野村證券投資情報部 坪川 一浩) (注1)イベントは全てを網羅しているわけではない。◆は政治・政策関連、□は経済指標、●はその他イベント(カッコ内は日本時間)。休場・短縮取引は主要な取引所のみ掲載。各種イベントおよび経済指標の市場予想(ブルームバーグ集計に基づく中央値)は2025年6月6日時点の情報に基づくものであり、今後変更される可能性もあるためご留意ください。(注2)画像はイメージです。(出所)各種資料・報道、ブルームバーグ等より野村證券投資情報部作成 ご投資にあたっての注意点
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昨日 16:24
【野村の夕解説】日経平均株価は反発 米中関税交渉の進展期待(6/6)
(注)画像はイメージです。 本日の動き 5日に行われたトランプ米大統領と中国の習近平国家主席による電話会談を受け、米中関税交渉の進展期待が高まりました。これを背景に、6日の日経平均株価は前日比35円の37,590円と反発して始まりました。また、5日に実施された日本の30年利付国債入札が低調だったことを受け、財務省が超長期債の発行を減額するとの期待が高まったことで、日本の10年債利回りは低下(価格は上昇)し、これを受けて外国為替市場では、1米ドル=143円台後半へと円安が進行しました。円安進行を追い風に、日経平均株価は一時前日比201円高となる場面もありましたが、6日夜に発表される米国雇用統計を控え、その後は動意に乏しい展開となりました。大引けは前日比187円高の37,741円と反発し取引を終えました。個別企業では、アドバンテストと東京エレクトロンが上昇し、2銘柄で日経平均株価を75円押し上げました。 本日の市場動向 ランキング 本日のチャート (注) データは15時45分頃。米ドル/円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。米ドル/円は11:30~12:30の間は表示していない。(出所)Quickより野村證券投資情報部作成 今後の注目点 米国では、5月雇用統計が発表されます。4日発表のADP全米雇用レポートでは、米国労働市場の減速を示唆する結果となりましたが、雇用統計でも同様の結果となるか、注目されます。そのほか、6月17・18日に開催されるFOMCを前に、7日から19日まで、FRB高官や関係者が発言を自粛するブラックアウト期間に入ります。 (野村證券投資情報部 清水 奎花) ご投資にあたっての注意点
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昨日 08:21
【野村の朝解説】米中首脳会談実現も目立った進展なし(6/6)
(注)画像はイメージです。 海外市場の振り返り 5日の米国市場は雇用統計の発表を控えて動意に欠ける中、米国株、債券、米ドルが下落するトリプル安で引けました。第2次トランプ政権発足後初めて、米中首脳による正式な電話会談が行われましたが、貿易問題に目立った進展はありませんでした。加えて、米国株市場ではトランプ大統領がEV補助金の削減を示唆したことが嫌気されました。為替市場では米ドルが軟調な中で、円が主要通貨に対して全面安となり、対米ドルでは一時144円目前まで下落しました。 相場の注目点 トランプ大統領は4日、鉄鋼・アルミニウムへの関税を25%から50%へ引き上げました。市場の一部では「TACO(Trump Always Chickens Out(トランプ氏はいつも尻込みする))」と、同氏の関税政策を揶揄する見方もありますが、品目別関税に関しては引き続き警戒が怠れません。米国では中国によるレアアース製品の輸出規制が自動車など主要産業のボトルネックとなっているとの見方が高まっています。今後、米中間の貿易協議の加速感が高まるならば、市場にとっては好材料となりそうです。一方で、米上院では個人所得税減税の延長、連邦債務上限の引き上げなどを含んだ「大きくて美しい法案」の審議が開始されています。個人所得税減税の延長は、見送られれば景気にとって大きな逆風となる一方で、実施されれば市場の財政悪化懸念がさらに高まるリスクがあるため、審議の行方とともに市場の反応が注目されます。 本日のイベント 米国では5月の雇用統計が発表されます。今週発表された雇用関連統計はいずれも労働需給の緩和を示唆したことから、市場では9月にも利下げ実施との見方が高まっています。雇用者数の下振れや失業率の上昇が確認されれば、市場の利下げ観測が一段と高まり、米ドル安材料視されることが予想されます。 (野村證券 投資情報部 尾畑 秀一) (注)データは日本時間2025年6月6日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。 ご投資にあたっての注意点
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06/05 16:42
【野村の夕解説】日経平均株価は反落 米国景気の先行き懸念が重石(6/5)
(注)画像はイメージです。 本日の動き 4日に発表された米国の経済指標の結果を受け米国景気への懸念が強まり、FRBが利下げに動きやすくなるとの思惑から米国長期金利が低下しました。また5日寄り付き前には日本の4月毎月勤労統計が公表され、実質賃金は前年比-1.8%となったものの名目賃金は同+2.2%となったことで日銀による利上げの思惑が広がり、日本の長期金利の低下は小幅に留まりました。これらを受け外国為替市場では4日15:30時点の1米ドル=144円台から5日朝9時頃には143.20円前後と円高へ進行し、米国景気悪化懸念と円高進行が重石となり、日経平均株価は前日比157円安の37,590円で始まりました。前場では値がさの半導体関連株の上昇を追い風に底堅く推移したものの、後場に入ると、円高進行が嫌気された自動車関連株の下落が重石となり、再度下げ幅を拡大させました。その後は6日に発表される米国の5月雇用統計の発表を控え様子見姿勢が広がり、大引けは前日比192円安の37,554円と反落となりました。個別企業では、任天堂の「Nintendo Switch2」 が本日発売されましたが、株価の反応は限定的となりました。 本日の市場動向 ランキング 本日のチャート (注) データは15時45分頃。米ドル/円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。米ドル/円は11:30~12:30の間は表示していない。(出所)Quickより野村證券投資情報部作成 今後の注目点 日本時間5日夜にECBの政策委員会の会合が開かれます。トランプ米政権の関税政策によるインフレと景気の見通しが不透明な中、政策金利は7会合連続で0.25ポイント引き下げることが見込まれています。 (野村證券投資情報部 清水 奎花) ご投資にあたっての注意点
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06/05 08:17
【野村の朝解説】経済指標の悪化が相場の重石に(6/5)
(注)画像はイメージです。 海外市場の振り返り 4日の米国株式市場で主要3指数はまちまちの展開となりました。この日発表された米5月ADP全米雇用リポートでは非農業部門の雇用者増加数が市場予想を下回り、米5月ISM非製造業景況感指数は好不況の境目とされる50を11ヶ月ぶりに割り込み、市場予想にも届きませんでした。更に、FRBが公表した米地区連銀経済報告(ベージュブック)で、経済活動が前回の報告から「わずかに減速した」とされるなど、米経済の減速懸念が強まったことが株価の重石となりました。一方、EUの通商担当閣僚と会談した米通商代表部(USTR)のグリア代表が「交渉は迅速に前進している」との見方を示し、貿易摩擦の激化懸念がやや和らいだことなどは相場の支えになったとみられます。 相場の注目点 2025年年初来、グローバルの株式市場ではSTOXX欧州600が米S&P500やTOPIXを上回るパフォーマンスを上げています。ユーロ圏最大の経済大国であるドイツで財政出動期待が高まったことや、ECBの金融緩和姿勢が株価の追い風になっているとみられます。ECBは本日の理事会で0.25%ポイントの利下げを決定する見通しです。緩和的な金融環境の中、ドル離れによる投資資金のユーロへのシフトも起きており、先行きも欧州株の堅調地合いが継続する可能性があるとみています。 赤沢経済再生担当相は6月5日~8日の日程で米国を訪問し、日米間の関税を巡る5回目の閣僚協議を行う予定です。6月中旬のG7サミットでの開催が調整されている日米首脳会談での合意に向けた道筋をつけられるかがポイントです。一方、米国では4月貿易統計が発表されるほか、クーグラーFRB理事、フィラデルフィア連銀のハーカー総裁(25年のFOMCでの投票権なし)の講演が予定されています。 (野村證券 投資情報部 岡本佳佑) (注)データは日本時間2025年6月5日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。 ご投資にあたっての注意点
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06/04 16:37
【野村の夕解説】日経平均は300円高 円安と値がさ株の上昇が支え(6/4)
(注)画像はイメージです。 本日の動き 3日の米国における堅調な労働統計や半導体市場の成長見通しを受けた米国株高と円安進行を背景に、4日の日経平均株価は上昇して始まり、寄り付き後間もなく、この日の高値となる前日比+421円まで上昇しました。日経平均株価のけん引役は値がさ株で、ファーストリテイリングは3日引け後に発表された5月既存店売上高の前年同月比+13%が好感されたほか、アドバンテストなどの値がさの半導体関連株は3日発表のWSTS(世界半導体市場統計)で、AI関連を中心とする半導体市場の成長予測が追い風となりました。日本時間14:01に、米国で鉄鋼・アルミニウム製品への輸入関税が25%から50%に引き上げられたものの、株価への影響はみられませんでした。主要経済指標の発表が無く、38,000円を前に上値が重くなった後は横ばい圏の推移となり、終値は前日比300円高の37,747円となりました。個別銘柄では、豊田自動織機が前日比-11.92%と急落しました。3日引け後のトヨタグループによるTOBと株式非公開化の発表で、TOB価格が16,300円とされ、3日終値(18,400円)を下回っていたことから、同水準以下へと下落しました。 本日の市場動向 ランキング 本日のチャート (注) データは15時45分頃。米ドル/円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。米ドル/円は11:30~12:30の間は表示していない。(出所)Quickより野村證券投資情報部作成 今後の注目点 4日、米国で5月のADP全米雇用レポートが発表されます。3日発表の4月雇用動態調査(JOLTS)でみられた米国労働市場の堅調さが、ADPでも確認できるか、結果が注目されます。 (野村證券投資情報部 秋山 渉) ご投資にあたっての注意点
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06/04 08:21
【野村の朝解説】堅調な米雇用とAI半導体期待で、米株続伸(6/4)
(注)画像はイメージです。 海外市場の振り返り 6月3日の米国株式市場では、主要3指数が続伸しました。朝方発表された4月米雇用動態調査(JOLTS)の求人件数が739.1万件と市場予想を上回り、底堅い労働需要が相場の下支えとなりました。また、半導体受託生産大手のTSMCのCEOが、米国の関税の影響は多少あるが、AI関連需要は引き続き強いとコメントしたことが好感され、情報技術セクターが相場を牽引しました。他方、米国の関税政策を巡っては、トランプ大統領と中国の習国家主席との電話会談が週内にも行われる見込みです。また、米政権が貿易相手国に、交渉に関する最善の提案を6月4日までに提出を求めていると伝わる中、その進展を見極めたいとの思惑が働いています。外国為替市場では、堅調な雇用が確認される中、4営業日ぶりに円が下落し、1ドル=144円前後で推移しています。 相場の注目点 4月下旬以降、トランプ関税への懸念の一服、減税期待の高まりを背景とした過度な米景気後退懸念の緩和、自社株買いなどが日米の株価を下支えしています。トランプ政権の支持率が低下する中、トランプ政権の関税政策は軟化したと見られていましたが、前週末には中国への批判を強め、また、6月3日に鉄鋼・アルミニウム製品の追加関税を2倍の50%に引き上げる大統領令に署名するなど、再び強硬な姿勢も見え始めています。トランプ政権の政策には引き続き要注目です。 本日は、米国で景気に先行性のあるセンチメント指標である5月ISMサービス業景気指数や、5月ADP全米雇用レポートが発表されます。景況感の下振れや、労働需要の減退を示唆する内容だった場合には、市場の利下げ観測が前倒しされる可能性があります。 (野村證券 投資情報部 坪川 一浩) (注)データは日本時間2025年6月4日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。 ご投資にあたっての注意点
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06/03 16:32
【野村の夕解説】日銀総裁のハト派発言も、日経平均は上値重く 23円安(6/3)
(注)画像はイメージです。 本日の動き 米ホワイトハウスが2日、トランプ大統領と中国の習近平国家主席が週内に電話会談を行う可能性があると発表したことで、米中対立激化への警戒が和らぎ、米国株市場は上昇しました。この流れを引き継ぎ、3日の日経平均株価は上昇して始まりました。植田日銀総裁が10時から行われた参院財政金融委員会の質疑応答で、関税を巡る経済の不確実性が高い状況が続くとの認識を示し、将来の利下げ余地を作るために利上げを行うことはないと発言しました。この発言を受けて、東京外国為替市場で1米ドル=143円台まで円安米ドル高が進んだことを背景に、日経平均株価は前日比258円高の37,729円まで上昇しました。しかしその後、植田総裁の、「5月下旬に開催された債券市場参加者会合において、2026年4月以降も日銀による国債買い入れ減額を継続していくことが適切との意見があった」との発言をうけ、円安進行が一服し、日経平均株価は急速に上げ幅を縮小する展開となりました。反発の材料に欠ける中、午後は前日終値から小幅高での推移となり、大引けは前日比23円安の37,446円と下落して取引を終了しました。 本日の市場動向 ランキング 本日のチャート (注) データは15時45分頃。米ドル/円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。米ドル/円は11:30~12:30の間は表示していない。(出所)Quickより野村證券投資情報部作成 今後の注目点 3日、米国でWSTS(世界半導体市場統計)が2025年春季半導体市場予測を発表します。AI向け半導体が好調な一方、自動車や産業向けが低迷するとした前回予測から変化がみられるか、注目されます。 (野村證券投資情報部 秋山 渉) ご投資にあたっての注意点