〇オピニオン
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02/27 08:51
【野村の朝解説】エヌビディアの決算は市場予想を上回る(2/27)
(注)画像はイメージです。 海外市場の振り返り 26日の米国株式市場で、NYダウは下落、S&P500指数は横ばい、ナスダック総合指数は小幅高となりました。エヌビディアの決算発表を引け後に控える中、AIインフラへの需要期待が高まり、半導体株が全体をけん引しました。一方、トランプ大統領の関税をめぐる発言が株価を押し下げました。 相場の注目点 米国市場26日引け後に、エヌビディアが2024年11月-2025年1月期の決算を発表しました。売上高、調整後EPSともに市場予想を上回りました。データセンター部門の売上高は前年同期+93%となり、新型のAI半導体「ブラックウェル」が収益拡大に寄与したとみられます。加えて、2025年2-4月期の売上高見通しも市場予想を上回っています。ジェンスン・フアンCEOは、「ブラックウェルの需要は驚異的である」とコメントしています。中国発の新興AI「DeepSeek」が注目を集めて以降、データセンターを中心とするAIインフラへの過剰投資が懸念されていましたが、現時点ではエヌビディアの決算は市場に安心感を与える内容になったとみられます。また、26日の米国市場ではメタ・プラットフォームズが2,000億米ドル以上を投資してAI向けのデータセンターの建設を検討していると報じられたことを受け、半導体株が上昇しています。 本日のイベント 本日は米国でクリーブランド連銀のハマック総裁やフィラデルフィア連銀のハーカー総裁の講演が予定されています。その他、2024年10-12月期実質GDP成長率(改定値)や1月耐久財受注など、米国の経済指標の発表も多く予定されています。 (野村證券 投資情報部 大坂 隼矢) (注)データは日本時間2025年2月27日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。 野村オリジナル記事の配信スケジュール ご投資にあたっての注意点
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02/26 16:22
【野村の夕解説】日経平均株価は95円安 半導体関連株安が重石に(2/26)
(注)画像はイメージです。 本日の動き 25日の米国株式市場は、景気減速を示す経済指標やテクノロジー株の下落が株価の重石となり、為替が1ドル=148円台へと円高が進んだことから、26日の日経平均株価は寄り付きから下落して始まりました。前日の米国対中半導体規制強化の影響は26日も続き、値嵩株の東京エレクトロンなどの下落が日経平均株価の下押し圧力となりました。10年国債利回りも1.32%まで急激に低下し、日経平均株価は一時前日比495円安の37,742円まで下落しました。その後、円高が修正され、本日の米国エヌビディアの決算発表を前に業績への期待からアドバンテストが上昇に転じるなどの動きがあり、日経平均株価は午後には38,000円台を回復し、終値は前日比95円安の38,142円となりました。業種別では、国内金利の低下を受けて不動産セクターが上昇した一方、銀行や証券など金融株が下落したほか、原油価格が下落したことで、鉱業・石油セクターが下落しました。 本日の市場動向 ランキング 本日のチャート (注) データは15時45分頃。米ドル/円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。米ドル/円は11:30~12:30の間は表示していない。(出所)Quickより野村證券投資情報部作成 今後の注目点 本日、米国市場引け後に半導体大手のエヌビディアが2024年11月-2025年1月期決算を発表します。AI向け先端半導体への高い需要が継続しているか、注目が集まります。 (野村證券投資情報部 秋山 渉) ご投資にあたっての注意点
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02/26 08:30
【野村の朝解説】NYダウ続伸も、テクノロジー株下落(2/26)
(注)画像はイメージです。 海外市場の振り返り 25日の米国株式市場で、NYダウは続伸したものの、S&P500指数とナスダック総合指数は下落しました。2月消費者信頼感指数の結果が98.3と、市場予想の102.5や1月の105.3を下回ったことや、大手テクノロジー企業の株価下落が株式市場の重石となりました。 相場の注目点 トランプ政権による関税政策が貿易戦争や米国内のインフレ率上昇につながるとの警戒から上値が重い展開が続いています。足元では、米国で2月のS&PグローバルPMIやミシガン大学消費者態度指数など弱めの経済指標が発表され、個人消費や米国景気の先行きに対する懸念が高まったことに加え、情報技術企業の設備投資の先行きに対する警戒感等が台頭し、株式市場は軟調となりました。しばらくは米国の政策により、株式市場のボラティリティー(変動率)が高まる場面もあると考えられます。しかし、米国と日本では2025年も経済成長が続き、企業業績の拡大基調は続くとみます。基本観としては、株価変動が大きくなる局面があったとしても、株式市場は最終的に、実体経済や企業業績などのファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)に沿って推移するとみています。 本日のイベント 本日は米国で半導体大手エヌビディアや、クラウドでCRM(顧客関係管理)を提供するセールスフォース、半導体設計にEDA(電子設計自動化)ツールを提供するシノプシスなど、テクノロジー企業の2024年11月-2025年1月期決算発表があります。 (野村證券 投資情報部 寺田 絢子) (注)データは日本時間2025年2月26日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。 野村オリジナル記事の配信スケジュール ご投資にあたっての注意点
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02/25 16:21
【野村の夕解説】米株下落の流れを引き継ぎ、日経平均株価539円安(2/25)
(注)画像はイメージです。 本日の動き 本日の日経平均株価は前週末比417円安の38,359円で取引を開始しました。日本の連休の間、米国市場では弱い経済指標を受けて景気減速懸念が浮上する中で、アナリストによるデータセンターへの投資減速観測が伝わり、データセンター関連株や半導体株が大きく下落しました。日本でもアドバンテストなどの半導体関連株の下落が指数を下押しし、寄り付き直後には前週末比645円安の38,131円まで下げ幅を広げました。一方、大手商社株は逆行高となり、指数の下値を支えました。米著名投資家ウォーレン・バフェット氏率いる投資会社バークシャー・ハサウェイが日本の五大商社の株式買い増しを検討しており、「五大商社と、上限を適度に緩めることで合意した」と明らかになったことが材料視されました。前引け前の日経平均株価は前週末比290円安の38,485円まで下げ幅を縮める場面もありました。しかし、トランプ政権の当局者が日本とオランダの当局者と最近会談し、東京エレクトロンとオランダのASMLホールディングのエンジニアが、中国で行う半導体製造装置の保守・点検を制限することについて協議したとの報道が伝わると、日経平均株価は再度下げ幅を広げ、前週末比539円安の38,237円と反落して、本日の安値圏で取引を終了しました。 本日の市場動向 ランキング 本日のチャート (注) データは15時45分頃。米ドル/円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。米ドル/円は11:30~12:30の間は表示していない。(出所)Quickより野村證券投資情報部作成 今後の注目点 本日米国では、2月の消費者信頼感指数(コンファレンスボード)が発表されます。 (野村證券投資情報部 神谷 和男) ご投資にあたっての注意点
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02/25 08:48
【野村の朝解説】景気先行きへの警戒が米国株の重石に(2/25)
(注)画像はイメージです。 海外市場の振り返り 21日の米国株式市場では、主要3指数が揃って下落しました。2月S&PグローバルPMI(速報値)で、サービス業PMIが49.7と1月(52.7)から低下し、約2年ぶりに景況感の境目となる50を下回りました。また、1月中古住宅販売件数が前月比-4.9%と、市場予想以上に悪化した他、2月ミシガン大学消費者態度指数(確報値)が64.7と前月の71.7から低下しました。軟調な経済指標を受けて、景気減速への懸念が強まり、NYダウは前日比748ドル安と今年最大の下げ幅を記録しました。24日には、NYダウが、前週末の大幅下落の反動もあり、主力銘柄を中心に反発しました。一方、マイクロソフトがデータセンターの拡大路線を減速させているとのアナリストの指摘を受け、AIの演算能力が供給過剰になる可能性が意識されたことで、AI関連など一部ハイテク株が売られました。ハイテク株比率の高いナスダック総合指数は3日続落しました。 相場の注目点 2月25日のドル円相場は、1ドル=149円台後半で推移しています(7時50分現在)。2月21日15時30分時点の150円40銭台から円高が進行しています。米経済指標が軟調だったことなどから、米国金利が低下したことが一因です。円高進行に加え、トランプ大統領が、3月4日から発動する計画のカナダとメキシコの関税について、「予定通り、スケジュールに沿って進んでいる」と述べたことが24日に報じられており、関税政策への警戒も、本日の日本株式市場の重石となりそうです。 本日のイベント 米国では、今週情報技術や小売企業の2024年11月-2025年1月期決算発表が多数予定されています。本日は、ホーム・デポ、ワークデイ、ズームインフォ・テクノロジーズなどが決算発表を予定しています。 (野村證券 投資情報部 澤田 麻希) (注)データは日本時間2025年2月25日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。 野村オリジナル記事の配信スケジュール ご投資にあたっての注意点
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02/22 12:00
【注目トピック】日本企業業績、4Qの大幅増益の確度が高まる
※画像はイメージです。 日本:2024年10-12月期決算レビュー 2024年10-12月期決算が出揃う 2024年10-12月期決算がほぼ固まりました。2025年2月14日までに決算発表を終えた企業を対象に集計を行った結果、ラッセル野村Large Cap(除く金融)では、売上高が前年同期比+4.2%、営業利益は同-1.5%、経常利益は同+22.1%となった模様です。 ※(アプリでご覧の方)2本の指で画面に触れながら広げていくと、画面が拡大表示されます。 (注1)ラッセル野村Large Cap(除く金融)の四半期・増収率および営業増益率、経常増益率の推移。(注2)2024年7-9月期までは実績値。2024年10-12月期は、灰色の線が2025年1月6日時点のQUICKコンセンサス予想で、予想が存在する企業のみで集計している。赤色の線は、実績値で2025年2月14日までに決算発表を終えた企業を集計対象にしている。(注3)ソフトバンクグループを集計から除外している。2024年1-3月期以降はさらに公益セクターに属する企業を除外している。(出所)QUICKなどより野村證券投資情報部作成 事前のコンセンサス予想に対して、売上高および営業利益は小幅に上振れて着地したのに対し、経常利益は大幅に上振れて着地しています。これは主に、2024年10-12月期は前四半期末に比べて13円/米ドル程度円安で終了したため、一部企業で為替に起因する差損・減損の戻し入れが発生したためと考えられます。 なお個別レベルでは、営業利益ベースでも60%の企業が、また経常利益ベースでは68%の企業が事前コンセンサスを上回って着地しており、過去の平均的な上振れ率50%台半ばを大きく上回っています。 10-12月期は製造業中心に減速 2024年10-12月期の業種別の増減益額を、事前コンセンサスと実績値とで比較すると、輸出型の製造業では、化学や鉄鋼・非鉄などの素材産業ではほぼ事前コンセンサス通りに着地したのに対し、機械や自動車、電機・精密など加工産業では下振れが目立ちました。 (注)ラッセル野村Large Cap(除く金融)の、2024年10-12月期の業種別営業増減益寄与額。上段は、2025年1月6日時点の市場コンセンサス予想で、コンセンサス予想が存在している企業のみ集計している。下段は、2025年2月14日までに決算発表を終えた企業を集計対象にしている。(出所)野村證券投資情報部作成 素材産業は、中国発のデフレ輸出などが警戒されるようになって久しく、期待値も低下していたことがうかがわれます。一方、加工産業では、半導体や情報機器の需要不振に対しては十分に警戒していたものの、2024年10-12月期には資本財の不振および、自動車生産の一層の停滞が新たに加わった形です。 内需・サービス産業では、建設、住宅不動産、運輸などの健闘が目立ちました。一方、食品や小売りなどでは上振れの動きは乏しい結果となりました。人件費、原材料費などのコストが上昇していますが、BtoBのほうが価格転嫁が順調に進んでいる可能性があります。 2025年1-3月期は大幅増益に 為替等に起因する特殊要因を除けば、2024年10-12月期の業績モメンタムは減速感が目立つ結果となりました。 (注1)ラッセル野村Large Cap(除く金融)の営業増益率の四半期の推移。2024年10-12月期までは実績値、2025年1-3月期以降はマクロ前提による試算値。2025年1-3月期以降の鉱工業生産は2025年2月17日時点の野村證券経済調査部による予想、2025年1-3月期以降の為替は150円/米ドル、その他の要因は考慮していない。(注2)積み上げグラフは、営業増益率を、生産要因、為替要因、残差(その他)に分解したもの。1%の生産増加で4%、1円/米ドルの円安で0.4%弱、営業利益が増加すると仮定している。残差(その他)には、マージンの改善、イレギュラーなコストの発生に伴う利益変動、などの要因が含まれる。(出所)野村證券投資情報部作成 トップダウンの観点からも、(前年同期比での)円安の追い風がほとんどなく、鉱工業生産も2023年7-9月期以降1年以上続いた減少の最終局面にあったことを勘案すると、やむを得ないと言えるでしょう。 なお、2025年1-3月期以降は、自動車を中心に生産活動の活発化が予想されています。また、長らく不振であった電子部品や半導体でも在庫調整が進展しています。前年同期比2桁前後の増益がしばらくの間継続する可能性が高まっています。 会社見通しの修正件数は例年並み 2024年10-12月期は生産が低水準に留まったことなどから業績モメンタムはやや低調でした。このため、会社側の通期見通しの修正が低位に留まる可能性も懸念されましたが、2025年2月14日時点でほぼ例年通りの修正件数となっています。また、見通しを変更した企業のうち7割弱の企業が従来見通しに対し上方修正でした。 (注1)上段は、期初(6月)からの東証プライム市場構成企業(2~3月決算企業)の会社側経常利益見通しの修正動向(累計)。赤色の線は2012~2023年度の平均値。2024年度の直近値は2025年2月14日時点。期中に複数回見通しを変更する企業が存在するため、累計社数構成比が100%を超えることがある。(注2)下段は、2024年度の会社側見通しの経常増益率(前年度比)の推移。(出所)野村證券投資情報部作成 トランプ米大統領の関税政策など不透明な要素を勘案しても、企業側が2025年1-3月期の業績に自信を持っていることの顕れと考えられるでしょう。 なお、今回の決算シーズン(2025年1月~2月)に、2024年度通期の経常利益見通しを修正した企業の割合は、製造業で3社に1社、非製造業(除く金融)では4社に1社と、非製造業よりも製造業の方が高くなっています。 トップダウンが示唆する、2025年1-3月期以降の、(主に生産回復を背景とした)製造業中心の業績回復期待と整合的な動きと言えるでしょう。 (野村證券投資情報部 伊藤 高志) ご投資にあたっての注意点
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02/22 09:00
【オピニオン】「関税引き上げは米ドル高」は本当か
※画像はイメージです。 2025年2月19日、FRBは1月28-29日に開催されたFOMCの議事要旨を公開しました。この中で、参加者全員が政策金利の据え置きが適切だと認識していたことが示されました。一部の参加者は、トランプ政権の通商政策や移民政策がインフレ抑制のプロセスを妨げる可能性があると指摘しています。 また、2月7日に発表された25年2月のミシガン大学消費者期待インフレ率(速報値)は、5-10年先は1月確報値の3.2%から3.3%に、1年先については同様に3.3%から4.3%へ上昇しました。この要因の一つとしてトランプ政権の関税政策の影響を挙げています。 1月20日にトランプ政権が発足して1ヶ月が経過しました。事前に予想されていたとはいえ、関税を巡るトランプ大統領の政策を受け、市場のボラティリティー(変動性)は高い状況となっています。貿易相手国に対する関税率の引き上げが実際にどの程度実施されるか、それがひいては米国の消費者、企業にどの程度のインパクトを及ぼすか不透明感が強いためです。 様々な試算が示している通り、例えば中国に対して60%の追加関税、その他の国に対して10%の関税を賦課した場合、最終的には米国の消費者等の購買価格が押し上がると想定されます。下図が示す通り、米国の輸入価格に対する為替レート(米ドル)と関税の影響を比較すると、関税の転嫁率は90%以上と試算されています。 (注)1.0が完全転嫁を示す。NBERは「全米経済研究所」で民間の研究組織。(出所)ノムラ・セキュリティーズ・インターナショナル・インク(NSI)より野村證券投資情報部作成 早くも26年11月の中間選挙に向けて、政局は動いています。24年の大統領選挙の主要な争点の一つは高インフレと所得格差の拡大でした。米国民のインフレ懸念が再燃するようであれば、トランプ大統領、共和党に強い逆風が吹くことになります。企業収益の悪化という形で株式市場にも下押し圧力がかかることが想定されます。 一般的には「関税引き上げは米ドル高」と認識され、足元の市場の反応もその様に見られます。しかし、果たしてそうでしょうか。期待インフレ率、あるいは実際のインフレ率の加速による長期金利等の上昇は必ずしも米ドル高とはならないでしょう。25年末に期限を迎えるトランプ減税の延長も財政赤字拡大要因となり、長期金利等を押し上げることが懸念されます。 その際、史上最高値圏にある米国株式市場も調整を余儀なくされることも予想されます。 (注)直近値は2025年1月(コアPCEは24年12月)。「コア」は変動の激しい食料品、エネルギーを除いたもの、スーパーコアは更に住居費を除いたもの。PCEは個人消費支出。野村予想は25年2月19日現在のノムラ・セキュリティーズ・インターナショナル・インク(NSI)による。(出所)ノムラ・セキュリティーズ・インターナショナル・インク(NSI)より野村證券投資情報部作成 ご投資にあたっての注意点
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02/22 07:00
【来週の予定】日銀利上げ期待で金利上昇、主要経済指標に市場の視線
来週の注目点:米住宅指標と個人消費、国内長期金利、ドイツ総選挙 米国のS&P500株価指数は2025年入り以降、過去最高値圏ながらも、横ばいと方向感が見え難い展開を続けています。その背景として強弱錯綜する経済指標やトランプ政権の政策不透明感が挙げられます。FRB高官の多くは、足元でインフレが粘着的な動きを示す中、景気が堅調であることから、トランプ政権の政策の影響を見極める時間が必要として、利下げに慎重な姿勢を示しています。 米国では25日(火)に消費者信頼感指数、26日(水)に1月新築住宅販売件数、27日(木)に1月耐久財受注、28日(金)に1月個人消費支出・所得統計など重要な指標の発表が予定されています。先週18日(火)に発表された1月NAHB住宅市場指数の6ヶ月先の販売見通し指数は新型コロナ禍以来最大の低下幅を記録し、住宅需要の悪化を示唆しました。このため、新築住宅販売の動向は従来以上に市場の関心を集める可能性があります。また、金融政策の判断材料としては、個人消費支出(PCE)とPCEデフレーターの結果が注目されます。 日本では10年国債利回りが2019年以来、約15年振りの水準まで上昇しています。背景には日銀に対する利上げ期待があると見られているため、28日(金)の2月東京都区部消費者物価指数、1月鉱工業生産の結果が注目されます。12月の鉱工業生産は前月比+0.3%、同時に公表された1月の生産計画は同+1.0%でしたが、経済産業省は過去の計画と実績の乖離幅を勘案すると同-2.1%となるとの試算を示しました。このため、市場では下振れリスクに対する警戒感が高いと想定されます。 ドイツでは23日(日)に連邦議会(下院)選挙が行われます。支持率では野党第1党のキリスト教民主・社会同盟(CDU/CSU)が首位で、これに極右政党の「ドイツのための選択肢(AfD)」が続いています。現与党の社会民主党(SPD)は苦戦しており、政権交代の実現が広く予想されていますが、極右政党の台頭を抑えるため、選挙後はCDU/CSUとSPDの大連立となる可能性が高いと見られます。 (野村證券投資情報部 尾畑 秀一) (注1)イベントは全てを網羅しているわけではない。◆は政治・政策関連、□は経済指標、●はその他イベント(カッコ内は日本時間)。休場・短縮取引は主要な取引所のみ掲載。各種イベントおよび経済指標の市場予想(ブルームバーグ集計に基づく中央値)は2025年2月21日時点の情報に基づくものであり、今後変更される可能性もあるためご留意ください。(注2)画像はイメージです。(出所)各種資料・報道、ブルームバーグ等より野村證券投資情報部作成 ご投資にあたっての注意点
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02/21 16:50
【野村の夕解説】植田総裁の金利上昇けん制発言受け日経平均は反発(2/21)
(注)画像はイメージです。 本日の動き 本日寄り付き前に1月の全国消費者物価指数が発表されました。生鮮食品を除くコアCPIが前年比で2023年6月以来の高水準となり市場では日銀による追加利上げの思惑が強まり、日本の10年債利回りの上昇(価格は下落)とともに、寄り付き後の日経平均株価は下げ幅を広げる展開となりました。 午前中に日銀の植田総裁が、長期金利が急激に上昇するような状況では「機動的に国債買い入れの増額をする」と発言をしたと報じられ、市場では金利上昇へのけん制だと受け止められました。日本の10年債利回りは一時1.405%前後に低下(価格は上昇)し、外国為替市場では朝9時台の1米ドル=149.50円前後の水準から一時150.70円前後となり、円安進行を受けて株価は上げに転じました。その後は株価の更なる上昇への材料には欠け、大引けは前日比98円高の38,776円と3営業日ぶりの反発となりました。 ランキング 本日のチャート (注) データは15時45分頃。米ドル/円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。米ドル/円は11:30~12:30の間は表示していない。(出所)Quickより野村證券投資情報部作成 今後の注目点 24日(月)は日本株市場は休場です。26日(水)は米国大手テクノロジー企業エヌビディアの2024年11月ー2025年1月期決算が発表され、本格出荷が始まった次世代AI半導体「ブラックウェル」の販売動向に注目が集まります。 (野村證券投資情報部 清水 奎花) ご投資にあたっての注意点