〇オピニオン
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2024/12/30 16:37
【野村の夕解説】日経平均株価は35年ぶり年末での史上最高値(12/30)
(注)画像はイメージです。 本日の動き 米国金利の先高観を受け米長期金利が上昇(価格は下落)し、前週末の米国主要3指数は揃って反落となりました。本日の日経平均株価は前週末比44円高の40,325円で始まりましたが、寄り付き後まもなく下げに転じました。先週末は5ヶ月ぶりに節目となる4万円台を回復したことから利益確定の売りも出たとみられ、日経平均株価への寄与度が高い値がさ株が下落し全体を押し下げました。その後も上昇に転じる材料に欠け、終値は前週末比386円安の39,894円となりました。年間の騰落率では、日経平均株価は昨年末比19.2%高、TOPIXは同17.6%高となりました。日経平均株価は1989年末の38,915円を上回り、35年ぶりに年末での史上最高値を更新しました。 本日の市場動向 ランキング 本日のチャート (注)データは15時45分頃。ドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。(出所)Quickより野村證券投資情報部作成 今後の注目点 日本市場は、本日が大納会となり、2025年1月6日(月)が大発会と、長期間の休場となります。米国市場は2025年1月1日(水)が休場となり、2日(木)から通常取引となります。日本が休場の間に米国市場などが大きく動き、6日(月)の休場明けに国内市場が影響を受ける可能性には注意が必要です。また、1月6日(月)の上下両院合同会議においてトランプ氏が次期米大統領として正式決定され、20日(月)に大統領就任式が行われます。政権移行期の最中にトランプ次期大統領が発信する経済政策などを巡る情報に注意が必要です。 (野村證券投資情報部 清水 奎花) ご投資にあたっての注意点
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2024/12/30 08:36
【野村の朝解説】前週末の米国主要3指数は揃って下落(12/30)
(注)画像はイメージです。 海外市場の振り返り 前週末の米国市場は、参加者が少ない中で長期金利の上昇が嫌気され、主要3指数は揃って下落しました。中でも、ここ数日相場をけん引してきたテクノロジー株が利益確定売りに押され、重石となりました。一方、米ドル円レートにおいては、長期金利上昇の影響は限定的となり、前週末からはほぼ横ばいの157円台で推移しています。 相場の注目点 日本では本日大納会で、その後1月6日(月)の大発会まで休場です。米国市場は1月1日の休場を除いて取引が行われます。前週末の米国株下落の流れを引き継ぎ、本日の日経平均株価は下落しての取引が見込まれます。心理的節目の4万円を上回って今年の取引を終えるか注目されます。 本日のイベント 本日米国では、12月シカゴ購買部協会PMIの発表が予定されています。 (野村證券 投資情報部 神谷 和男) (注)データは日本時間2024年12月30日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。 野村オリジナル記事の配信スケジュール ご投資にあたっての注意点
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2024/12/28 09:00
【オピニオン】金利上局面で企業はいかにすべきか?
※画像はイメージです。 2024年最後の日銀金融政策決定会合では追加利上げが見送られました。ただ、市場参加者のほとんどが、経済ファンダメンタルズに照らして追加利上げは時間の問題と見ています。2025年は、複数回にわたり政策金利が引き上げられ、Rf(リスクフリーレート(長期金利))も大幅な上昇の可能性は低いものの、上昇圧力を受けやすくなると考えられます。今回は、金利上昇局面において求められる企業行動について考察してみます。 企業部門全体(図上)では、既に2023年度よりRf、WACC(加重平均資本コスト)ともに急上昇といってよい状況で、ROIC(投下資本利益率)とのスプレッドは縮小しています。ただ、2024~25年度にかけ利益拡大が予想されており、ROICとWACCのスプレッドは維持できる公算が大きいでしょう。 次に業種ごとに、Rfが1%から、(かなり極端な仮定ですが)2%に上昇した際に想定されるWACCの変化と、予想ROIC(2025年度)を見てみることにしましょう(図下)。まず製造業では、多くの業種でWACCを上回るROICを達成できていません。輸出比率の高い製造業は業績の変動性が高く、現時点では業績面で苦戦しておりこのような結果になりました。また、これらの業種では自己資本の厚い企業が多く、そもそもWACCの水準が相対的に高くなっており、金利上昇がその傾向に拍車をかける可能性が高そうです。 (注1)株式益利回りは、ラッセル野村Large Cap、ROIC(投下資本利益率)と WACC(加重平均資本コスト)はラッセル野村Large Cap(除く金融)を母集団。ROICは、NOPAT/IC。ただし、NOPATは、営業利益×(1-税率)。ICは、自己資本+有利子負債。WACCは、D/(D+E)×Rf×(1-t)+E/(D+E)×(Rf+Rp)。ただし、Dは有利子負債、Eは自己資本、tは税率、Rfはリスクフリーレート(長期金利)で、10年債パーイールドの各年度ごとの期中平均。Rpはイールドスプレッドとした。(注2)株式益利回りとWACC、リスクフリーレートの直近値は2024年度(2024年12月12日時点)。ROICの直近値は2024年12月12日時点の野村證券市場戦略リサーチ部による2025年度予想。(注3)右図の灰色の矢印は、Rfが現状の1%(起点)から2%に上昇(終点)した場合に想定されるWACCの変化。赤い●は、2025年度予想ROIC。ソフトウエアの予想ROICは軸の上限の9%を超える水準が予想されている。WACCは、D/(D+E)×Rf×(1-t)+E/(D+E)×(Rf+β×Rpm)。Rpmは市場のRp。(出所)野村證券市場戦略リサーチ部などより野村證券投資情報部作成 一方、内需・非製造業の業種では現状のRf1%ではROICがWACCを上回る業種が多いものの、Rf2%となると心もとない業種が複数存在します。もちろん、Rfが上昇すれば、多くの事業や資産でリターンが上昇することが見込まれ、ROICも上昇すると考えられます。ただ、金利上昇に追随してROICを引き上げることができる企業(業種)とそうでない企業(業種)との格差が顕在化することも予想されます。 まとめると、30数年ぶりの金利上昇局面で企業には、事業ポートフォリオを常に適正化することなどで、①収益性(ROIC)を向上させ、②業績の安定性を向上させ(≒Rp(リスクプレミアム)の低下)、さらに③適切な資本構成を実現する(≒WACCの低下)、などの施策が求められます。 2023年3月の東証による、「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」の要請から1年半強が経過し、要請の考え方は大半の企業に浸透したとみられますが、残念ながら結果にはつながっていません。2025年度は、東証要請に対して、金利上昇圧力が企業の背中を押す展開が予想されます。 ご投資にあたっての注意点
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2024/12/28 07:00
【来週の予定】トランプ政権と日米金融政策が左右する2025年
来週の注目点:トランプ次期政権の動向、日米のインフレ・賃金・景気 欧米など多くの国・地域では年末年始を挟んだ休暇シーズン入りし、多くの金融市場では2024年12月31日(火)~2025年1月1日(水)が休場となります。一方、日本では、12月30日(月)が大納会、1月6日(月)が大発会と、長期間の休場となります。国内が休場の間に海外市場が大きく動き、6日(月)の休場明けに国内市場が影響を受ける可能性には注意が必要です。 25年年明けの相場を動かす要因の一つは、25年1月に発足する米国トランプ次期政権の動向です。1月6日(月)の上下両院合同会議において次期米大統領として正式決定され、20日(月)に大統領就任式が行われます。政権移行期の最中にトランプ次期大統領が発信する経済政策などを巡る情報に注意が必要です。 もう一つの要因は、日米の金融政策です。FRBは24年12月FOMCで政策金利を0.25%ポイント引き下げましたが、パウエルFRB議長は会見で、今後の利下げペースの鈍化を示唆するなどタカ派的(インフレ抑制重視)な姿勢を示しました。1月8日(水)公表の12月FOMC議事要旨では、インフレ・景気に関する議論に注目です。また、1月3日(金)の12月ISM製造業景気指数、7日(火)の12月ISMサービス業景気指数、10日(金)の12月雇用統計、1月ミシガン大学消費者マインド速報値などの経済指標にも注目です。 日本では、24年12月会合で利上げを見送った日銀の次なる動向が焦点となります。植田総裁は利上げ見送りの理由として挙げていた賃上げ動向について、直近の講演で、経済データと共に支店長会議で集められた地方の動向も参考にすると述べました。1月9日(木)の日銀支店長会議、11月毎月勤労統計に注目です。 政府が景気支援姿勢を強めている中国では、不動産市況の回復が大都市など一部に限定され、家電などの買い替え支援策の効果に息切れが見られるなど、景気の回復力が弱い状態が続いています。12月30日(月)の12月政府版PMIでは、足元の景況感について確認できます。 (野村證券投資情報部 坪川 一浩) (注1)イベントは全てを網羅しているわけではない。◆は政治・政策関連、□は経済指標、●はその他イベント(カッコ内は日本時間)。休場・短縮取引は主要な取引所のみ掲載。各種イベントおよび経済指標の市場予想(ブルームバーグ集計に基づく中央値)は2024年12月27日時点の情報に基づくものであり、今後変更される可能性もあるためご留意ください。(注2)画像はイメージです。(出所)各種資料・報道、ブルームバーグ等より野村證券投資情報部作成 ご投資にあたっての注意点
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2024/12/27 17:28
【野村の夕解説】日経平均、およそ5ヶ月ぶりの40,000円回復(12/27)
(注)画像はイメージです。 本日の動き 前日、米国で発表された12月21日分の週間新規失業保険申請件数が市場予想を下回ったことで、FRBによる利下げペース鈍化が意識され、ニューヨーク外国為替市場では一時1米ドル=158円台まで円安米ドル高が進みました。日本では、本日寄り前に12月の東京都区部消費者物価指数が発表されました。食品とエネルギーを除く総合指数は前年同月比∔1.8%と前月の同+1.9%から伸びが縮小しましたが、特に材料視されませんでした。同じく寄り前に発表された11月の鉱工業生産では、輸送機械工業の1月の生産計画が前月比+11.0%となるなど、企業の生産回復が期待される結果となりました。円安と生産統計を受けて、本日の株式市場では幅広い銘柄が上昇し、指数を押し上げました。前日比104円高の39,672円で始まった日経平均株価は、寄り付き後も上げ幅を拡大し、11時前には40,000円を上回りました。その後も引けにかけて上昇基調が続き、大引けは前日比713円高の40,281円で、40,000円台は7月19日以来、約5ヶ月ぶりとなります。 本日の市場動向 ランキング 本日のチャート (注)データは15時45分頃。ドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。(出所)Quickより野村證券投資情報部作成 今後の注目点 国内市場の30日(月)の大納会から2025年1月6日の大発会まで休場となります。海外市場が1月2日から始まりますので、この間、市場環境が大きく変動する可能性があり、注意が必要です。 (野村證券投資情報部 秋山 渉) ご投資にあたっての注意点
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2024/12/27 08:41
【野村の朝解説】米国株、方向感に欠ける展開(12/27)
(注)画像はイメージです。 海外市場の振り返り 26日の米国市場でNYダウは、小幅に反落して寄り付きました。米10年債利回りが上昇し、一時約8ヶ月ぶりとなる高水準となったことなどが重石となりました。朝方発表された週間新規失業保険申請件数が21.9万件と市場予想を下回ったものの、継続受給者数が市場予想を上回る191.0万件と高水準となり、労働市場は堅調ながら減速感が示されました。その後、米財務省が実施した7年物国債入札が需要の強さを示したのをきっかけに米10年債利回りの上昇が一服すると、主力株を中心に買いが入り、NYダウはプラスに転じ、5日続伸で取引を終えました。一方、S&P500指数とナスダック総合指数は小幅反落となりました。休場明けで取引参加者が少ない中、米国株は総じて方向感に欠ける展開でした。 相場の注目点 足元のドル円相場は1ドル=157円台後半で推移しています。12月の日銀金融政策決定会合を経て、植田総裁の想定以上の利上げへの慎重姿勢を受けて円安が進行しています。25日の植田総裁の講演でもその姿勢に変化はみられませんでした。日銀の次回1月会合での利上げの有無を見極める上で、本日発表される12月東京都区部消費者物価指数や12月日銀金融政策決定会合における主な意見は重要です。後者では、政策金利の据え置きに反対票を投じた田村審議員の議論を含め、どの程度利上げに前向きな委員が増えているのか、市場の関心が集まっています。 本日のイベント 日本では、11月鉱工業生産が発表されます。日本企業の業績モメンタムは鉱工業生産との連動性が高く、翌月末から本格化する製造業の10-12月期の業績を占う上で重要な指標となります。 (野村證券 投資情報部 澤田 麻希) (注)データは日本時間2024年12月27日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。 野村オリジナル記事の配信スケジュール ご投資にあたっての注意点
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2024/12/26 16:35
【野村の夕解説】材料難も日経平均株価は続伸 437円高(12/26)
(注)画像はイメージです。 本日の動き 受渡日ベースで年内最終売買日となる本日の日経平均株価は、前日比1円安の39,129円で取引を開始しました。クリスマス休暇で米国など多くの市場が休場となり新規の材料が見当たらない中、前日ROEの目標を20%に引き上げると報じられ動意づいたトヨタ自動車が引き続き上昇し、市場をけん引しました。日経平均株価は寄り付き直後に上げに転じ39,300円前後で一進一退となりました。しかし、午後に入ると幅広い銘柄の上昇が追い風となり、日経平均株価は上げ幅を広げ、前日比437円高の39,568円と続伸して本日の取引を終了しました。東証プライム市場の売買代金は、3兆8,817億円と4営業日連続で3兆円台に留まりました。トヨタ自動車は前日比+5.98%の3,142円と、7月25日以来約5ヶ月ぶりに終値で3,000円を上回りました。 本日の市場動向 ランキング 本日のチャート (注)データは15時45分頃。ドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。(出所)Quickより野村證券投資情報部作成 今後の注目点 26日も欧州各国をはじめ多くの市場が休場となります。米国では、週間新規失業保険申請件数や週間石油在庫統計などが発表されます。また、トルコでは金融政策決定会合の結果発表が予定されています。 (野村證券投資情報部 神谷 和男) ご投資にあたっての注意点
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2024/12/26 08:46
【野村の朝解説】欧米市場休場 方向感に欠ける展開か(12/26)
(注)画像はイメージです。 海外市場の振り返り 欧米の株式市場はクリスマス休暇のため休場でした。足もとのドル円相場は1ドル=157円20銭台で推移しており、前日の15:30時点からほぼ横ばいです。 相場の注目点 日銀の植田総裁は25日、経団連の審議委員会で講演を行いました。講演の内容は概ね、12月の金融政策決定会合後の記者会見の内容と一致するものとなりました。12月会合後に円安が進展しましたが、今回の講演では、明確な円安牽制と言えるタカ派的な発言は見られませんでした。市場が織り込む1月利上げの期待は5割弱と、講演を受けて大きく変化していません。1月利上げの可能性を考慮する上では、20日のトランプ大統領就任前後での関税政策の動向を見極めることが重要となりそうです。また、今回の講演で植田総裁が、2025年1月9日予定の支店長会議で得られる情報を重視するとしたことから、支店長会議後の14日の氷見野副総裁の懇親会での発言にも注目が集まります。 百貨店大手のJ.フロント リテイリングは25日引け後に決算を発表しました。2024年3-11月期の営業利益は市場予想を上回りました。人件費の増加によるコスト増はあるものの、百貨店やパルコの売上が好調に推移し、利益を押し上げています。 本日のイベント 26日も欧州各国や香港など、多くの市場が休場となります。米国では、週間新規失業保険申請件数や週間石油在庫統計などが発表されます。また、トルコでは金融政策決定会合の結果発表が予定されています。 (野村證券 投資情報部 大坂 隼矢) (注)データは日本時間2024年12月26日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。 野村オリジナル記事の配信スケジュール ご投資にあたっての注意点
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2024/12/25 16:32
【野村の夕解説】閑散相場で動意に欠く、日経平均株価93円高(12/25)
(注)画像はイメージです。 本日の動き 本日の日経平均株価は前日比131円高の39,168円で始まりました。前日の米国株式市場は、クリスマスの祝日前の短縮取引で、目立った材料が見当たらない中、前週までの下落に対する自律反発のような動きとなり、幅広い銘柄が上昇しました。米国株高の流れを引き継ぎ、日経平均株価は反発して始まりましたが、年末年始の休場を控え上値を追う勢いは無く、間もなく下げに転じました。その後は、日銀植田総裁の講演で目新しい情報がなかったことから、動意に欠く展開となりました。39,000円を挟んで一進一退を続けましたが、引けにかけてはやや強含み前日比93円高の39,130円と反発して本日の取引を終えました。東証プライム市場の売買代金は3兆1,698億円と前日に引き続き3兆円をやや上回る水準に留まりました。個別銘柄では、ROE(自己資本利益率)の目標を20%に引き上げると報じられたトヨタ自動車が、資本効率向上への期待から前日比+4.56%の大幅高となりました。 本日の市場動向 ランキング 本日のチャート (注)データは15時45分頃。ドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。(出所)Quickより野村證券投資情報部作成 今後の注目点 本日はクリスマスの祝日で、米国市場はじめ欧米主要市場の多くは休場です。日本では、26日(木)は12月の配当・優待権利付き最終売買日となります。また、国内株は27日(金)以降が1月受け渡しとなる事から早くも2025年を見通しての売買が始まります。 (野村證券投資情報部 神谷 和男) ご投資にあたっての注意点