〇オピニオン
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05/14 16:46
【野村の夕解説】TOPIX 13連騰途切れる(5/14)
(注)画像はイメージです。 本日の動き 13日の米国市場では、トランプ米政権が、サウジアラビアによるAI半導体購入拡大を認める合意を準備していると報じられ、半導体大手エヌビディアやアドバンスト・マイクロ・デバイセズを中心にハイテク株が上昇しました。この流れを引き継いで、14日の日経平均株価は、値がさの半導体関連株がけん引しました。ただ、米中が関税の引き下げで合意し、実体経済の腰折れ懸念が後退、日銀の利上げ観測が再浮上し、東京為替市場で円高米ドル安が進行したことから、日経平均株価は寄り付き後間もなく下落に転じ、前日終値からの下げ幅は一時300円を超えました。しかし、ソニーグループやSMCなど、取引時間中に決算を発表した銘柄が、前日比下落から一転して上昇したことで、日経平均株価は午後に入って下げ幅を縮小する展開となりました。8日から続く連騰記録は4営業日で途絶えたものの、下げ幅を前日比55円まで縮小し、38,128円で本日の取引を終えました。また、4月22日から続いていた、TOPIXの連騰記録は13連騰で打ち止めとなりました。 本日の市場動向 ランキング 本日のチャート (注) データは15時45分頃。米ドル/円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。米ドル/円は11:30~12:30の間は表示していない。(出所)Quickより野村證券投資情報部作成 今後の注目点 米国で14日、ウォラーFRB理事とジェファーソンFRB副議長が、それぞれ講演を行います。13日発表の米国CPIの結果を受けて、米国景気や今後の金融政策について、どのような見方が示されるか、注目されます。 (野村證券投資情報部 秋山 渉) ご投資にあたっての注意点
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05/14 08:25
【野村の朝解説】米中合意とインフレ懸念緩和でS&P500続伸 (5/14)
(注)画像はイメージです。 海外市場の振り返り 5月13日の米国株式市場は、ナスダック総合及びS&P500が続伸しました。前日に米中の両政府が追加関税の大幅引き下げで合意したことが、この日も相場を押し上げました。また、朝方発表された米国の4月CPI(消費者物価指数)の伸びが市場予想を下回ったことを受けて関税によるインフレ懸念が緩和し、相場を下支えしました。一方、CEOの辞任と合わせて医療費の増加を理由に2025年の見通しを一旦取り下げると発表したユナイテッドヘルス・グループが大幅安となった影響で、NYダウは反落しました。外国為替市場では、インフレ懸念の緩和に伴い1ドル=147円台半ばまで円高ドル安が進みました。 相場の注目点 米中間の関税の暫定引下げによる過度な景気下振れ懸念の後退は、短期的には株式市場の支援材料となります。関税適用除外品目の大幅拡大などのポジティブ・シナリオが実現すれば、2025年末に日経平均が40,500円を試す可能性があると野村では見ています。ただし、今回の合意は相互の関税率を90日間引き下げるもので、米中の協議は今後難航するとの見方もあります。また、中国以外の通商交渉や品目別関税もあるため、関税政策への警戒は引き続き必要となります。外国為替市場では、米中協議の進展で円安ドル高が進行し、しばらくは1米ドル=145-150円のレンジでの推移を見込みますが、ドル高圧力は次第に弱まり、再び140円台前半へ移行すると見ています。米中の関税引き下げを受けて日銀の利上げ期待が大幅に高まっていることは今後の円高圧力になると考えられます。決算発表は終盤戦ですが、本日は、鹿島建設、楽天グループ、ソニーグループ、SUBARU、三井住友FGなど数多くの発表が予定されており、株式市場では物色が広がりそうです。足元の業績に加え、関税の影響についてのコメントが注目されます。 (野村證券 投資情報部 坪川 一浩) (注)データは日本時間2025年5月14日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。 ご投資にあたっての注意点
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05/13 08:02
【野村の朝解説】米中関税引き下げ合意でNYダウは大幅高(5/13)
(注)画像はイメージです。 海外市場の振り返り 米中貿易戦争激化への懸念が後退し、13日の米国株式市場で主要3指数は揃って大幅高となりました。世界経済に対する過度な下振れ懸念が後退し、投資家のリスクセンチメントが改善したことから、景気敏感セクターの一般消費財や、ハイテク株などをはじめ、幅広い銘柄に買いが広がり、NYダウは1,100ドル超の上昇となりました。為替市場では1米ドル=148円台半ばまで円安ドル高が進み、またFRBに対する利下げ期待の後退を背景に米国10年国債利回りは上昇しました。 相場の注目点 5月10、11日に貿易協議を開催した米中両国は、相互の関税率を90日間、115%ずつ引き下げるという共同声明を12日に公表しました。米国は対中関税を30%に、中国は対米関税を10%(一部を除く)に引き下げる意向を示しています。また、トランプ大統領は週内にも習近平国家主席と電話会談を行う可能性を明らかにしており、米中の強硬姿勢が和らいだことは、市場のリスクセンチメント改善に寄与しています。 もっとも、90日間の猶予期間では不十分との懸念も残ります。トランプ第1次政権を振り返ると、米国と中国は2018年5月に第1回通商協議を実施してから2019年12月に第1段階の合意に達するまで約1年半を要しました。通商政策による企業業績や米国経済への影響について、懸念が完全に払しょくされたとはいえず、引き続き今後の交渉の進捗状況を慎重に見極めることが必要になると考えられます。米国では今週、4月の消費者物価指数(CPI)や小売売上高の発表が予定されています。4月時点では高関税賦課前の在庫に対する駆け込み需要が続いた可能性もありますが、消費者心理の悪化が実際にハードデータにどの程度反映されるのかが焦点になるとみられます。今週は小売大手のウォルマートの決算も15日(木)に控えており、こちらも米国の消費動向を占ううえで注目されます。 (野村證券 投資情報部 引網 喬子) (注)データは日本時間2025年5月13日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。 ご投資にあたっての注意点
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05/12 16:46
【野村の夕解説】米中貿易協議進展期待で、日経平均株価は140円高(5/12)
(注)画像はイメージです。 本日の動き 日本時間12日早朝、米中両国から貿易協議の進展を示唆する発表がなされました。米中の対立緩和への期待から、米ドル円は146円20銭台へ約1円程度急速に円安方向に進みました。これを受けて、輸出関連株がけん引役となり、12日の日経平均株価の寄り付きは前営業日比193円高の37,697円と上昇して始まりました。しかし寄り前に、トランプ米大統領が米国の処方薬の価格引き下げを義務付ける大統領令に署名したと報じられると、医薬品株が大幅に下落し、日経平均株価は上値を抑えられる展開となりました。また、円安進行の一服を背景に、日経平均株価は上げ幅を縮小し、小幅ながら下落に転じる場面もありました。しかし、値がさ株のアドバンテストが前営業日比+9.03%と大幅上昇したこともあり、日経平均株価の終値は前営業日比140円高の37,644円と上昇しました。また、30年国債利回りが2.950%と2000年11月以来の高水準まで上昇しました。国内金利の上昇を受けて、銀行業が前営業日比+1.34%、保険業が同+1.37%と上昇しました。一方、医薬品は同-6.48%となりました。 本日の市場動向 ランキング 本日のチャート (注) データは15時45分頃。米ドル/円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。米ドル/円は11:30~12:30の間は表示していない。(出所)Quickより野村證券投資情報部作成 今後の注目点 日本時間12日16時、米国と中国が90日間の関税率引き下げで合意したと報じられており、株式市場の反応が大きくなることが予想されます。 (野村證券投資情報部 秋山 渉) ご投資にあたっての注意点
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05/12 08:17
【野村の朝解説】米中貿易協議を控えて様子見ムード(5/12)
(注)画像はイメージです。 海外市場の振り返り 9日の米国市場では、週末に米中貿易協議を控えて様子見ムードが漂う展開となりました。米国株式市場では主要3指数ともに方向感の定まらない展開となり、ほぼ横ばいで取引を終えました。米国債も小動きとなった一方、為替市場では米ドルがカナダドルを除くG10通貨に対して下落しました。対円でも一時下落幅が1円を上回り、145円を割り込みました。 相場の注目点 スイスで2日間にわたって行われた米中貿易協議に関しては、ベッセント財務長官が「著しい進展」があったと述べたものの、具体的な内容は明らかになっていません。市場では短時間での合意成立には慎重な見方が優勢だと見受けられることから、文字通り「著しい進展」が確認できればリスクセンチメント改善に寄与することが期待されます。同長官は詳細は12日に説明するとしています。週末には複数のFRB高官の講演が行われましたが、総じて先行きの不確実性が高い中で、利下げを急ぐ必要はないとの見解が示されました。パウエル議長も5月FOMC後の記者会見で同様の姿勢を示したことから、FRB内では「予防的利下げ」への機運は高まっていないようです。市場の利下げ期待も25年中は2.5回程度まで後退しています。 今週の米国では、実際の経済活動を補足した4月分のハードデータが相次いで発表されます。今後の米国景気や金融政策判断を予想する上では、13日(火)発表の4月消費者物価指数、15日(木)4月小売売上高、鉱工業生産統計が注目されます。トランプ関税の影響は、既に駆け込み輸入として確認できますが、今後、関税の価格転嫁が進めば消費者物価上昇を通じて消費に波及すると考えられます。また、原材料や部品への関税は、米国の生産動向に波及する可能性があります。小売りや生産が下振れする場合、市場の利下げ観測が高まる展開が予想されます。 (野村證券 投資情報部 尾畑 秀一) (注)データは日本時間2025年5月12日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。 ご投資にあたっての注意点
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05/10 12:00
【注目トピック】米国株決算分析 アナリスト達は業績予想を慎重にみている
※画像はイメージです。 米国:2025年1-3月期決算レビュー 25年1-3月期は前年同期比+9.7%推定 5月2日までに、S&P 500 指数構成企業のうち357社が、2025年1-3月期決算を発表しました。LSEGの集計では、同期のEPS(1株当たり利益)は前年同期比+9.7%の62.06ポイントと推定されています。 ※(アプリでご覧の方)2本の指で画面に触れながら広げていくと、画面が拡大表示されます。 (注)推定・予想は2025年5月2日時点のLSEG集計による市場予想平均。2025年1-3月期には、2024年12月-2025年2月期決算、2025年2-4月期決算の企業も含む。 (出所)LSEGより野村證券投資情報部作成 (注)推定・予想は2025年5月2日時点のLSEG集計による市場予想平均。2025年1-3月期には、2024年12月-2025年2月期決算、2025年2-4月期決算の企業も含む。 (出所)LSEGより野村證券投資情報部作成 今回の決算発表シーズンが始まる直前の4月4日時点の集計では、前年同期比+6.2%の60.05ポイントと予想されていました。これまでのところ、純利益の決算実績がアナリスト予想を上回る企業の比率(ポジティブサプライズ比率)は74.2%と多数を占めており、実績は上振れしています。 一方で、2025年4-6月期の予想については、直近の集計では前年同期比+5.2%と予想されていて、3月28日時点の同+8.4%よりも、増益率は鈍化が予想されています。 (注1)ポジティブサプライズ比率は、S&P 500 企業のうち決算実績がアナリスト予想平均を上回った企業の比率。2025年1-3月期には、2024年12月-2025年2月期決算、2025年2-4月期決算の企業も含む。(注2)直近4四半期平均とは2024年1-3月期~2024年10-12月期の平均。長期平均とは、売上高は2002年以降、純利益は1994年以降の平均。(注3)LSEGによる2025年5月2日時点(売上高について356社、純利益について357社)の集計。 (出所)LSEGより野村證券投資情報部作成 アナリスト達は慎重に見直している模様 アナリストの企業業績予想の修正動向を示すリビジョンインデックスは、概ね3ヶ月周期で循環的に動く傾向がみられます。 直近では、2024年10-12月期決算発表が始まる直前の2024年12月下旬に1を下回り始め(=下方修正優位)、同期の決算発表が概ね一巡した後も回復せずに、2025年1-3月期決算発表シーズンを迎えました。 (注) S&P 500 指数構成企業のリビジョンインデックス。リビジョンインデックスは直近4週間にアナリストが業績予想を上方修正した銘柄数/下方修正した銘柄数で計算。指数が1を上回ると上方修正優位、1を下回ると下方修正優位と判断される。FY1は予想1期目、FY2は予想2期目。直近値は2025年4月30日時点で、12月決算企業の場合、FY1は2025年12月期、FY2は2026年12月期。 (出所)LSEGより野村證券投資情報部作成 前述の通り2025年1-3月期は7割超の企業で決算実績が事前予想を上回ったにも関わらず、アナリスト達の業績予想の下方修正が続いています。トランプ政権の関税政策や、政府効率化省による連邦政府業務見直しの影響などの不透明要因から、アナリスト達は引き続き業績予想を慎重にみていると推察されます。 (注)推定・予想はLSEG集計による2025年5月2日時点の市場予想平均。カッコ内の数値は2025年4月4日時点の市場予想平均。 (出所)LSEGより野村證券投資情報部作成 今後の留意点 今後、2025年2-4月期を決算期とする小売企業やソフトウエア企業の決算発表が本格化します。決算が発表された際には、会社業績見通しや経営陣のコメントなどを通して、関税の企業業績に与える影響など、状況を把握していきたいと考えます。 (野村證券投資情報部 村山 誠) ご投資にあたっての注意点
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05/10 09:00
【オピニオン】米金融株決算、トランプ政権の政策による影響を総合的に評価へ
※画像はイメージです。 米国大手金融5社の2025年1-3月期決算は、各社とも純収益や収益、1株当たり利益が前年同期比で増加し、市場予想を上回りました。このため、決算発表当日の各社の株価は上昇しました。 以下は実績のポイントです。 ① 株式トレーディングは堅調、株式引受は軟調② 運用堅調(手数料、資金流入の増加) ③ 純金利収益の会社見通しは堅調 市場の値動きが大きかったことを受けて顧客アクティビティが活発で、株式トレーディング収益が高水準でした。一方で、事業会社が意思決定を延期した影響で株式引受は軟調でした。顧客が投資内容を見直したことから資産運用も概ね堅調でした。 純金利収益については、JPモルガン・チェースが25年12月期通期の見通しを引き上げました。また、バンク・オブ・アメリカは、ローンや運用資産の残高増加と利回り上昇の恩恵が、利下げの悪影響を上回ると分析し、同社の25年10-12月期純金利収益見通しは市場予想を上回りました。シティ・グループを加えた米大手3行合計の純金利収益の市場予想は24年末時点から上方修正されています。 (注)米大手銀行3行は、JPモルガン・チェース、バンク・オブ・アメリカ、シティ・グループ。純金利収益実績のデータは四半期毎で、直近値は2025年1-3月期時点、また、2025年4-6月期以降はLSEG集計による市場予想平均。米10年国債利回りのデータは日次で、直近値は2025年5月6日時点。(出所) LSEGより野村證券投資情報部作成 以下は各社の経営陣によるトランプ政権の政策に関するコメントの共通点です。 ①トランプ関税によるマイナス面は大きい②税制改革や規制緩和のプラス面と、関税を併せて評価する 各社は、トランプ関税が、景気への不透明性、市場の混乱、企業の資金調達を含む意思決定の先送りなどのマイナスの影響を与えたと認識した上で、大統領選挙時の公約で今後実施が予想される税制改革(トランプ減税延長、法人税減税など)や規制緩和などのプラスの影響と併せて評価する姿勢を示しました。 金融規制緩和については、補完的レバレッジ比率(SLR=Supplementary Leverage Ratio)算定からの米国債の除外が検討されています(注)。実施された場合、貸出や米国債需要の増加が期待されます。 下図のように、各社の株価はトランプ関税を受け25年に入り一旦は下落しました。今後は、純金利収益の増加や、政策のプラス面が注目されます。 (注)データは日次で、直近値は2025年5月6日時点。(出所)LSEGより野村證券投資情報部作成 (注)SLRは、自己資本規制の一つ。中核的自己資本(ティア1)を有価証券保有額で割った数値で、最低基準は5%。有価証券を追加で保有する際にその5%の自己資本の増額が必要となる。FRBはコロナ禍に対応して、20年4月にSLRを1年間の期間限定で緩和し、比率の分母から米国債と準備預金を外すことを認めた。2025年4月15日にフォルケンダー米財務副長官が米国債の除外措置を検討中とコメントした。 ご投資にあたっての注意点
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05/10 07:00
【来週の予定】FRB高官の講演に注目 政策運営の新たな手がかりは得られるか
来週の注目点:米経済指標、FRB高官発言、日欧1-3月期実質GDP トランプ関税の先行きや景気への影響を巡る不確実性が高まっていることから、直近の金融政策会合で、日米ともに中央銀行は政策変更に対して慎重な姿勢を示しました。このため、市場の関心はトランプ政権と各国の通商交渉の行方や品目別関税へ移行すると見込まれます。特に関心が高いのは米中通商交渉ですが、トランプ大統領が中国に対する厳しい姿勢を示しているため、交渉は難航することが予想されています。 米国では今週も多くのFRB高官の講演が予定されていることから、今後の政策運営を巡るFRB内のコンセンサスについて新たな手掛かりが示されるかが注目されます。また、経済指標では15日(木)に5月NY連銀製造業景気指数、5月フィラデルフィア連銀製造業景気指数といった先行性の高いソフトデータ(サーベイ調査)に加え、4月小売売上高、4月鉱工業生産といったハードデータ(実際の経済活動を示す指標)が発表されます。更に、13日(火)に4月消費者物価指数、15日(木)に4月生産者物価指数などの物価データが発表されます。関税の影響は既に駆け込み輸入として顕在化していますが、今後は価格転嫁、消費抑制として発現する可能性があるため注意が必要です。 日本では12日(月)に4月景気ウォッチャー調査、13日(火)に5月日銀金融政策決定会合における「主な意見」に続き、16日(金)に2025年1-3月期の実質GDP(1次速報値)が発表されます。実質GDPについては野村證券では前期比年率-1.8%と比較的大きく落ち込むと予想していますが、主因は輸入の増加であり、民間内需は堅調な推移となる見通しです。 欧州では13日(火)にドイツの5月ZEW景況感調査、15日(木)にユーロ圏の25年1-3月期実質GDP改定値、3月鉱工業生産が注目されます。特にユーロ圏のGDP改定値では需要項目の内訳が明らかになることから、今後の経済状況を予想する上で重要な手掛かりが得られる可能性があります。 (野村證券投資情報部 尾畑 秀一) (注1)イベントは全てを網羅しているわけではない。◆は政治・政策関連、□は経済指標、●はその他イベント(カッコ内は日本時間)。休場・短縮取引は主要な取引所のみ掲載。各種イベントおよび経済指標の市場予想(ブルームバーグ集計に基づく中央値)は2025年5月9日時点の情報に基づくものであり、今後変更される可能性もあるためご留意ください。(注2)画像はイメージです。(出所)各種資料・報道、ブルームバーグ等より野村證券投資情報部作成 ご投資にあたっての注意点
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05/09 16:36
【野村の夕解説】日経平均株価は37,000円台回復 3月28日以来(5/9)
(注)画像はイメージです。 本日の動き 8日の米国株取引時間中に米英の貿易協定が正式に成立し、市場では安心感が広がりました。また、寄り付き前には日本の3月毎月勤労統計が発表され、実質賃金は前年比で3ヶ月連続でマイナスとなりましたが、市場への影響は限定的でした。外国為替市場は前日のNY市場でリスクオンのムードが高まり、日本時間の朝9時台には1米ドル=145.90円前後と、昨日15:30時点の143.80円前後から大幅に円安が進行しました。本日の日経平均株価は前日比403円高の37,332円で始まり、その後は1日を通し、米関税政策への懸念が薄れたことや、円安進行が追い風となり堅調な推移が続きました。また、7日までに発表された企業決算や株主還元策などが好感された個別企業が上昇し、午後には一時前日比628円高となりました。大引けは前日比574円高の37,503円と続伸し、3月28日以来の3万7000円台を終値で回復しました。 本日の市場動向 ランキング 本日のチャート (注) データは15時45分頃。米ドル/円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。米ドル/円は11:30~12:30の間は表示していない。(出所)Quickより野村證券投資情報部作成 今後の注目点 週末にベッセント財務長官などと中国高官側との米中会談が予定されており、本格交渉開始に移行できるかが焦点です。トランプ大統領は協議が順調に行われれば、対中関税引き下げもあるとしていますが、中国側は交渉開始前の関税撤廃を要求しています。 (野村證券投資情報部 清水 奎花) ご投資にあたっての注意点