ハッシュタグ銘柄
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2022/07/11 15:00
ヘリオス/栗田工/丸井G(銘柄紹介)
ヘリオス(4593) 医薬品 再生医療等製品の上市に向け開発中 iPS 細胞や間葉系幹細胞(MSC:Mesenchymal stem cell)などの幹細胞を用いた医薬品開発を行う。骨髄由来MSC製剤であるHLCM051はARDS(急性呼吸窮迫症候群)と脳梗塞急性期を対象とした治験が終了するなど開発が進捗している。iPS 細胞に遺伝子導入し、ヒトへの移植時に誘発する免疫拒絶反応を回避したユニバーサルドナー細胞の開発も進め、パイプラインの展開が拡大してきている。 2022.12期1~3月期の売上高は11百万円(前年同期比15.4%増)、費用面では創薬パイプラインの進捗で研究開発費が1,087百万円(同29.3%増)となり、営業損失は1,429百万円(同24百万円の悪化)となった。 開発パイプラインの動向に注目 HLCM051の開発は進捗しているものの、PMDA(医薬品医療機器総合機構)への製造販売承認申請段階で足踏みしている。ARDSは治験(フェーズ2)において、ヒトに対する安全性と有効性を示したものの、PMDAからデータ補強を求められている。脳梗塞急性期では治験(フェーズ2/3)のトップラインデータで脳梗塞症状の改善に至ったものの、主要評価項目が未達となっている。 22年7~9月期には、① ARDSのデータ補強詳細、②脳梗塞急性期の本解析データ、が公表されると野村ではみており、当社業績に大きく寄与するイベントの到来に注目する。 (エクイティ・リサーチ部 松原 弘幸) 栗田工業(6370) 機械 安定性が高い収益構造を有する 当社は水処理技術を手掛けており、事業はハード事業(装置の製造販売事業)とサービス事業(水処理薬品事業、装置のメンテナンス事業、契約事業等)に分けられる。ハード事業は、顧客の設備投資計画に左右されるため、変動幅が大きい傾向にある。一方、サービス事業は顧客設備の稼働に連動する傾向があるため、相対的に収益が安定している。サービス事業は全社売上高(2023.3期予想)の約9割を占めており、このうち半導体向けのサービス事業は営業利益率が高いうえに堅調な増収も見込まれる。総じて当社は安定成長性の確度が高く、足元の経済の先行きが不透明な環境下ではより魅力的であると考える。 電子産業向け事業が増益を牽引しよう 電子産業向けサービスには、半導体向けの超純水供給サービスと精密洗浄サービスの他、ハード納入後のメンテナンスが含まれる。22.3期は全社設備投資664億円のうち、超純水供給関連が364億円あったと見られ、23.3期も同規模の投資額が見込まれる。同事業は当社が設備投資を行い、超純水の供給を行う。新規投資額の約2割は翌期の売上増分となるため、23.3期、24.3期の堅調な増収を見込む。精密洗浄事業は20年に連結子会社化した米国企業とのシナジー効果に期待する。同社は、半導体製造装置の新品洗浄において、高い技術力があり、半導体製造装置メーカーからの認証を有する。 (エクイティ・リサーチ部 王 博瓊) 丸井グループ(8252) 小売業 フィンテック・小売軸に、無形投資も推進 創業は1931年。関東を中心に都市型商業施設を展開する小売事業と、エポスカードを中心としたフィンテック事業からなる。店舗では、テナントの定借化、飲食・サービスカテゴリーの拡大など、百貨店の変革に取り組んできた。フィンテックでは家計シェア拡大の取組みを進めている。また、新規事業投資や共創投資といった無形投資を拡大することで、知識創造型企業への進化を目指している。 環境、社会、企業統治(ESG)への取組み、資本効率を意識した経営など、先進的な取組みが評価できる。ステークホルダー(利害関係者)を取締役会に迎えるなど、ガバナンス体制も進化させている。 フィンテック、小売共に業績は着実 今年度の営業利益を前期比12%増益の412億円と予想する。家賃払いや定期払い等の継続的な拡大もあり、カードクレジット取扱高は拡大が続こう。リボ・分割などフィンテックの残高も着実に増加していくと予想する。小売についても、定借収入は着実に改善しよう。空室率は低位で、家賃収入面でのリスクは小さい。 フィンテックでは、家賃・定期払い・EC(電子商取引)のカード利用促進といった家計シェア拡大の取組みは順調である。小売においても、非物販テナントの面積構成拡大などは着実で、今後もその拡大が続こう。フィンテック、小売共に安定的な業績拡大が今後も予想される。 (エクイティ・リサーチ部 山岡 久紘) ※野村週報 2022年7月11日号「銘柄研究」より 【FINTOS!編集部発行】野村オリジナル記事配信スケジュールはこちら ご投資にあたっての注意点
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2022/07/11 12:00
【#感染第7波】AI『xenoBrain』が導き出した15銘柄
新型コロナウイルス、感染第7波入りへの懸念 日本国内の新型コロナウイルスの新規感染者数は増加傾向にあり、感染第7波入りへの懸念が高まっています。仮に感染再拡大となった場合、日本企業にどのような影響を与えるのでしょうか。AI『xenoBrain』が「日本新型コロナウイルス感染拡大」の業績影響シナリオを分析しました。 ニューストピック:日本新型コロナウイルス感染拡大 『xenoBrain』は外食需要減少の影響を受ける企業やドラッグストアなどをリストアップしました。 ※本分析結果は、株価へのインプリケーションや投資判断、推奨を含むものではございません。 xenoBrain 業績シナリオの読み方 ①トピック影響係数トピック影響係数は、左右二つのトピック間における影響の大きさを示す数値です。右側のトピックが左側のトピックに対してどの程度の影響を受けるかを0~1の数値で重みづけした、xenodata lab.社が独自に推定した数値になります。 ②時間軸トピック、または企業が影響を受けると推定された期間の目安になります。三重丸記号・・・短期(1ヶ月~3ヶ月未満程度)◎・・・中期(3ヶ月以上~1年未満程度)〇・・・長期(1年程度~) ③業績影響係数業績影響係数は、トピックと企業間における影響の大きさを示す数値です(最大1~最小0)。左側トピックが影響する事業(セグメント)と販売エリアの構成比率を参考にxenodata lab.社が独自に推定した数値になります。 ④シナリオ影響スコアシナリオ影響スコアとは、表示されているシナリオが企業業績へどの程度影響を及ぼすかを推定したスコアです。0~100の範囲のスコアであり、スコア1につき、営業利益1%程度への影響を目安として計算されています。 ⑤評価目安HIGH・・・シナリオ影響30以上。強い影響が予測されるシナリオ。MID・・・シナリオ影響5以上、30未満。ある程度強い影響が予測されるシナリオ。LOW・・・シナリオ影響5未満。影響はあると予測されるが、重要な影響と呼べるレベルになるかは不明。 (注1)本分析結果は、株式会社xenodata lab.が開発・運営する経済予測専門のクラウドサービス『xenoBrain』を通じて情報を抽出したものです。『xenoBrain』は業界専門誌や有力な経済紙、公開されている統計データ、有価証券報告書等の開示資料、及び、xenodata lab.のアナリストリサーチをデータソースとして、独自のアルゴリズムを通じて自動で出力された財務データに関する予測結果であり、株価へのインプリケーションや投資判断、推奨を含むものではございません。 (注2)『xenoBrain』とは、ニュース、統計データ、信用調査報告書、開示資料等、様々な経済データを独自のAI(自然言語処理、ディープラーニング等)により解析し、企業の業績、業界の動向、株式相場やコモディティ相場など、様々な経済予測を提供する、企業向け分析プラットフォームです。 (注3)時価総額1,000億円以上の銘柄を表示している。xenoBrainのデータは7月11日時点。 (出所)xenoBrainより野村證券投資情報部作成 ご投資にあたっての注意点
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2022/07/04 13:00
プロロジス/山特鋼/東映(銘柄紹介)
日本プロロジスリート投資法人(3283) 不動産投資信託 安定した賃貸事業収益を享受 米国最大級の物流施設開発・運営会社であるプロロジス・グループがスポンサーで主な投資対象は物流施設。2021.11期のポートフォリオ全体の期中平均稼働率は98.8%であった。当社では、22.5期及び22.11期の期中平均稼働率を各々97.6%、98.3%と保守的に計画している。一方、21.11期は賃貸借契約期間満了(予定含む)面積の83%のうち9割弱で賃料増額を実現し、平均改定賃料変動率は+2.6%となった。21.11期末時点の平均賃貸借残存期間が4.1年であるうえに、賃貸面積ベースのテナント取扱商品の83%がEコマース・消費財となっていることに鑑みれば、安定した賃貸事業収益を享受できる構造を有していると考える。 豊富なパイプラインを有している 21.11期中に「プロロジスパーク猪名川2」を含む3物件(総額577億円)を取得した。当社のスポンサー・パイプラインは合計13物件2,400億円相当であり、豊富なパイプラインを有していると考える。21.11期末のLTV(総資産有利子負債比率)は37.6%であり当社では取得余力は1,900億円程度と見ていることから、外部成長(新規物件取得)による配当成長ポテンシャルを保持していると言える。近年の物流施設における鑑定評価額の上昇を主因に、21.11期末の含み益(鑑定評価額合計及び帳簿価額合計の差)は2,100億円超まで拡大しており、一口当たりNAV(純資産+含み益)は前期比+2.5%の250,004円であった。 (エクイティ・リサーチ部 大村 恒平) 山陽特殊製鋼(5481) 鉄鋼 減益ながら一定の収益確保 兵庫県姫路市に拠点を持つ大手特殊鋼電炉会社。軸受鋼の国内シェア約4割と首位。欧州、インドでも事業展開している。 2023.3期の経常利益は前期比40%減益の130億円と予想する。22.3期の欧州子会社における決算期変更の影響を除くと実質35%減益に相当する。 22.3期中から続く半導体不足等による自動車減産の影響で、23.3期は特殊鋼需要が上期を中心に低迷する影響を受ける。また、日本を中心に原油高に伴う電力費や燃料費の増加が予想される。ただし、欧州子会社の業況が比較的堅調であるため、減益ではあるが、歴史的には高水準の営業利益を確保できるであろう。 脱炭素への取り組みは順調に進展 北欧に生産拠点を持つ欧州子会社のオバコは22年1月からカーボンニュートラル(CN)体制に移行した。世界の鉄鋼会社で最も早く、唯一のCN 体制の移行である。 オバコではCN 体制への移行に伴い、製品価格を値上げし、CN 鋼材に対する実質的なプレミアム価格制を導入した。この取り組みにより、利益率の改善につながっている。欧州ではCN への関心が高く、販売面でも一定のプラス効果があると野村では予想している。 当社がオバコを買収した19年3月以来、日本の操業技術を活用した生産性の改善にも取り組んでいる。この成果もオバコの好業績につながっている。 (エクイティ・リサーチ部 松本 裕司) 東映(9605) 情報・通信 特撮やアニメに強い映画会社 当社は映画の製作から配給、興行まで行う国内映画大手3社の一角である。「仮面ライダー」や「スーパー戦隊」等の特撮作品の制作に強みを有する。子会社の東映アニメーションでは「ワンピース」や「ドラゴンボール」等の人気アニメ作品を制作しており、近年はこれら作品のモバイルゲーム展開により得られる版権収入が拡大している。自社制作作品では2019年公開の「翔んで埼玉」以来ヒットに恵まれなかったが、23年1月には俳優の木村拓哉氏主演の「THE LEGEND & BUTTERFLY」を公開予定であり興行収入への期待は高い。7月には創業来と見られる大型組織再編を実施予定であり、制作力の強化等に注目する。 2023.3期は大型作品の公開が相次ぐ 野村では、23.3期は大型作品公開が相次ぐことを踏まえ、営業利益は前期比49.9%増の267億円と最高益更新を予想する。4~6月期は「ドラゴンボール」、7~9月期は「ワンピース」、10 ~ 12 月期は「SLAMDUNK」、1~3月期は「シン・仮面ライダー」や「THE LEGEND & BUTTERFLY」の公開が予定されている。これらは自社グループ制作作品のため、版権収入や配信関連収入の獲得に期待できる。24.3期にはこれら大型作品の反動減に留意したいが、中期的に子会社で海外向けのオリジナル作品の創出が進んでおり、その貢献や組織再編による効率化等により25.3期以降は最高益更新が続くと予想する。 (エクイティ・リサーチ部 三木 成人) ※野村週報 2022年7月4日号「銘柄研究」より 【FINTOS!編集部発行】野村オリジナル記事配信スケジュールはこちら ご投資にあたっての注意点
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2022/06/29 08:00
【特集】ラーメンや餃子が楽しめる優待 2022年版
「野村インベスター・リレーションズ株式会社『知って得する株主優待』公式サイト」より 2020年の4月にお届けして好評だった「ラーメンや餃子が楽しめる優待」。あれから2年が経ち、優待内容に変更があった企業もあるため、増補改訂した2022年版をお届けします。 ※保有期間中に優待内容の変更や廃止等が発表されることがあります。各企業のリリース等最新情報をご確認ください。※100株以上で受けられる優待内容を紹介しています(力の源ホールディングスを除く)。 イートアンドホールディングス (2882) 優待内容 割当基準日:2月末日/8月末日 JBイレブン (3066) 優待内容 割当基準日:3月末日/9月末日 物語コーポレーション (3097) 優待内容 割当基準日:6月末日/12月末日 クリエイト・レストランツ・ホールディングス (3387) 優待内容 割当基準日:2月末日/8月末日 丸千代山岡家 (3399) 優待内容 割当基準日:1月末日/7月末日 力の源ホールディングス (3561) 優待内容 割当基準日:3月末日/9月末日 幸楽苑ホールディングス (7554) 優待内容 割当基準日:3月末日 ハイデイ日高 (7611) 優待内容 割当基準日:2月末日/8月末日 NATTY SWANKYホールディングス (7674) 優待内容 割当基準日:1月末日/7月末日 リンガーハット (8200) 優待内容 割当基準日:2月末日/8月末日 ギフトホールディングス (9279) 優待内容 割当基準日:10月末日/4月末日 王将フードサービス (9936) 優待内容 割当基準日:3月末日/9月末日 ハチバン (9950) 優待内容 割当基準日:3月20日/9月20日 記事の内容は原則として、2022年5月24日までに公表された情報・データを基に作成しています。また、保有株数や保有期間により優待内容が異なる場合があります。最新の情報や詳細についてはご自身でご確認をお願いいたします。 ご投資にあたっての注意点
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2022/06/27 13:00
レンゴー/塩野義/IHI(銘柄紹介)
レンゴー(3941) パルプ・紙 包装材料で事業の多角化を推進 国内の段ボール市場でシェア約3割を持つ最大手だが、近年はフィルム系包材や海外など事業の多角化を強力に推し進めている。フィルム包材は食品や日用品、産業用途まで多岐に渡る。海外事業は自動車部品や機械を運ぶ重量物段ボールに焦点を合わせている。事業拡大の有力なツールとして数多くの企業買収を行ってきた。フィルム包材では当初加工から事業を拡大したが、その後、上流のフィルム製造にも手を広げた。海外重量物段ボールは当初アジアから拡大したが、近年は欧州の企業買収で事業を拡大している。この結果、2023.3期は国内板紙・段ボール以外の事業の営業利益構成比は36%まで高まると予想する。 段ボールは値上げで採算改善を目指す 一方、直近は都市ガスや古紙など原燃料のコストアップが大きい。22年3月頃から段ボール原紙・箱の値上げを行っているが、21年秋に発表されたこの値上げはロシア・ウクライナ紛争勃発後のエネルギー高や円安によるコストアップは反映されていない。従って、値上げ幅が不十分であることから、野村では23.3期は段ボールやフィルム包材などで更なる値上げがなされる可能性が高いと見ている。段ボールの販売先の5~6割は食品向けで、必需品であることから需要は安定的である。有力な代替製品も存在しないことから、タイムラグはあっても採算が改善するまで値上げを進めることは可能だと思われる。 (エクイティ・リサーチ部 河野 孝臣) 塩野義製薬(4507) 医薬品 コロナ関連売上高と費用増 感染症や疼痛・神経領域の製品ポートフォリオが豊富な大手製薬企業である。2023.3期の売上高について会社はコロナ関連で1,100億円を織り込み、内訳は900億円が治療薬、200億円がワクチンとしている。ほとんど国内での政府向け販売分のみとなる。 販管費については様々な費用増を想定し前期比約250億円増の1,200億円を会社は想定する。コロナ関連の販促費用には未知な部分が多いとはいえ、会社は23.3期営業利益を1,200億円と計画し、これが保守的な前提であるとコメントしている。 一方、HIV 治療薬の期待の新薬である持続注射剤Cabenuva は処方が進まないが、コロナ禍の収束後に販売増が期待される。 コロナ治療薬日本承認で普及へ コロナ治療薬が承認されれば日本は同治療薬普及の世界的リーダーになる可能性がある。当社の治療薬は競合製品とは異なり、重症化ハイリスク因子(年齢や心血管疾患などの因子)が無い患者でも使えるようになる可能性が高い。そのため、当社の治療薬が承認されれば日本のコロナ収束に貢献すると考える。リスクは世論の評価であろう。症状軽減の効果が実証されていないことに注目が集まると、普及は限定的となりうる。 アップサイドは海外販売の可能性。日本で承認されればアジアでの販売が視野に入る。その際は治験に参加した韓国・ベトナムが当初の対象となろう。 (エクイティ・リサーチ部 甲谷 宗也) IHI(7013) 機械 総合重機械の中で航空機向け売上が多い 総合重機械大手で、1853年創設の石川島造船所、1907年設立の播磨船渠に起源。航空機エンジン部品の大型シャフトで世界トップシェア、自動車用ターボチャージャーなど主要製品で高い競争力をもつ。同業他社と比較して、航空機向けの売上高の比率が高く、とくに、民間向け航空エンジン事業ではスペアパーツの販売動向が重要であり、航空旅客需要が当社のメンテナンス需要に影響を与える。 2023.3期の野村予想の営業利益は820億円と前期比で微増だが、22.3期には590億円の資産売却益の効果があり、これを除くベースでは大きく利益成長する見方で、航空エンジンの需要回復が牽引するとみる。 スペアパーツは航空旅客需要を上回る伸び 航空旅客需要を示すRPKs(有償旅客距離)の水準は足元コロナ前比で60%程度である一方、当社のスペアパーツの売上高の回復水準は同80%程度と高い。旅客の回復を見込んでメンテナンスが前倒しされていることも考えられるが、野村ではコロナ前においてRPKs の年率平均成長が4%だった一方、当社のスペアパーツ売上は同10%程度で成長していた点に注目している。 オーガニックな成長にコロナ禍からの回復が加わるため、23.3期のスペアパーツ売上は前期比66%増と大きく上昇することに加え、24.3期は同13%増、25.3期で同12%増と中期でも拡大し、全社の利益拡大に寄与すると見込む。 (エクイティ・リサーチ部 前川 健太郎) ※野村週報 2022年6月27日号「銘柄研究」より 【FINTOS!編集部発行】野村オリジナル記事配信スケジュールはこちら ご投資にあたっての注意点
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2022/06/20 13:00
ロート/インフロニアHD/ローム(銘柄紹介)
ロート製薬(4527) 医薬品 スキンケア市場でプレゼンスを確立 一般用目薬で国内市場シェア4割を誇り、2001年以降に投入した「オバジ」「肌ラボ」が急拡大、現在はスキンケア製品を主力とする。製薬会社の知見を活かした商品開発力と消費者ニーズのマッチング力が強みで、SNSマーケティングやキャラクターコラボが商品認知向上に奏功している。 22.3期は2度の上方修正を経て、営業利益は前期比28%増加し293億円となった。ウィズコロナ環境に適した商材(肌ラボや高機能目薬)、新機軸商材(目薬サプリ)の強みが活きたこと、会社が推進する構造改革の成果等が表れ、利益水準が引き上がったと言えよう。天藤製薬の子会社化など、更なる業容拡大へ向けた施策も進んだ。 再生医療と医療用眼科材へ事業領域拡大 既存事業の強化に加え、「健康寿命の延伸」を目指して13年から新領域(食・再生医療)に進出、目に見えた成果はまだだが開発は前進している。再生医療では、脂肪由来間葉系幹細胞による肝硬変治療薬を塩野義製薬に導出、フェーズ2試験が行われている。再生医療技術をスキンケアへ活用(エピステーム)するなどユニークな商品開発につなげている。 眼科用薬では、製品導入や子会社ロートニッテンが持つ販路や製造設備を活かした開発が進められている。医薬品製造受託子会社クオリテックファーマでのCDMO(医薬品の受託開発生産)ラボ開設など、新たな成長源育成に注目する。 (エクイティ・リサーチ部 繁村 京一郎) インフロニア・ホールディングス(5076) 建設 インフラ運営と採算管理が強み 準大手ゼネコンの一角である前田建設工業と道路舗装大手の前田道路、建設機械の製造・販売を行う前田製作所が経営統合を行い2021年10月に設立。前田建設工業は建築、土木の建設請負がメイン事業だが、中長期での展開を目指して「脱請負」をかかげ、再生可能エネルギー関連や有料道路などのコンセッション事業を展開する。 当社は準大手、大手の中で、受注時採算の改善が継続している唯一のゼネコンと言える。インフラ運営事業を手がけ、同事業に関連した好採算案件を獲得するとともに、受注時利益率を厳格に管理し受注時採算を公表する特徴があり、建築での採算管理を徹底する上で他社との違いであろう。 23.3期は増益確度が高い 23.3期は建築での増収による増益に加えて、インフラ運営での売却益70億円程度(第1四半期に売却予定)が見込まれることから、野村では営業利益を前期比12%増と予想する。建築では採算管理が徹底され受注時利益率の改善が続いており、23.3期の建築粗利率は資材価格の高騰が続く中でも維持されよう。 道路舗装事業における製造・販売では、原材料価格の上昇が続く中、値上げが進まず減益傾向である。政府は公共工事の単価の適切な引上げを今後進める方針で、工事代金が適切に設定されれば、工事を行う中小の道路舗装会社も合材メーカーの値上げを受け入れやすくなろう。 (エクイティ・リサーチ部 濱川 友吾) ローム(6963) 電気機器 車載と産機向けが牽引し業績拡大 2022.3期は前期比25.6%増収、営業利益は同85.7%増益の714億円と期初計画の490億円を大きく上回り、3月時点の計画690億円も上回った。市況好転を受けて各用途向けに半導体需要が旺盛で、車載情報娯楽システムや動力機構中心に車載向けが同29.1%増収、産業機械向けが同47.0%増収であった。車載・産機合計の売上構成比は52%と目標の50%以上を達成した。 23.3期会社計画は前期比12.8%増収、同6.3%営業増益と、為替前提等保守的な印象で、野村では同11.9%営業増益を予想する。減価償却費負担増により利益率は前期比小幅低下を見込むが、市場拡大ペースの加速に伴う先行投資負担増が要因である。 中期計画を大幅上方修正 26.3期が最終年度の中期計画は売上高が4,700億円から6,000億円以上へ、営業利益率は17%以上から20%以上へ上方修正され、野村では新計画を達成可能と見る。 最大の成長牽引役は次世代パワー半導体のSiC(炭化珪素)で、電動自動車向け中心に26.3期の売上高目標は1,000億円超、5年間累積設備投資計画は1,200~1,700億円である。低オン抵抗化技術に優れ、材料のウェハを内製している強みがある。 既存のSi(シリコン)パワー半導体も順調な拡大が見込まれ、課題であったLSI 部門でも車載向けに絶縁ゲートドライバ、電源LSI、LED ドライバ等、多くの製品が海外向けに採用が進んでいる。 (エクイティ・リサーチ部 山崎 雅也) ※ 野村週報2022年6月20日号「銘柄研究」より 【FINTOS!編集部発行】野村オリジナル記事配信スケジュールはこちら ご投資にあたっての注意点
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2022/06/19 08:00
【特集】「推し」が尊い / 二次元&ゲーム優待
「野村インベスター・リレーションズ株式会社『知って得する株主優待』公式サイト」より 「推し」――それはあなたの心を燃やす大切な存在。アニメやゲーム、実写モノなど対象問わず“好き”という気持ちは純粋で美しいものです。ちなみに、「推し」に関する活動を「推し活(おしかつ)」、「推し」にまつわるアレコレを「推し事(おしごと)」と呼びます。今回は「あなたの推しが見つけられるかもしれない」優待をPickUpしました。 ※保有期間中に優待内容の変更や廃止等が発表されることがあります。各企業のリリース等最新情報をご確認ください。※100株以上で受けられる優待内容を紹介しています(ブシロードを除く)。 まんだらけ (2652) 優待内容 まんだらけ株主優待券(9月のみ)など2,000円分の優待券進呈。希望者には自社発行隔月刊誌「まんだらけZENBU」有料配布。 割当基準日:9月末日/3月末日 ブロッコリー (2706) 優待内容 株主限定オリジナルグッズ1点500円分のオリジナルQUOカード、絵皿などが選択可能。 保有株数に応じて品数が変わります。 割当基準日:2月末日 アートスパークホールディングス (3663) 優待内容 「CLIP STUDIO PAINT EX」1デバイス6カ月版アクティベーションコードイラスト・マンガ・アニメーション制作アプリでファンアートがはかどります。 割当基準日:12月末日/6月末日 東映アニメーション (4816) 優待内容 株主優待オリジナルキャラクターQUOカード1セット(1,200円分)進呈。※株主優待限定の描き下ろしデザインを含む、人気の新作アニメーション2枚、なつかしの名作アニメーション2枚(各300円)計4枚で1セット 割当基準日:3月末日 ハピネット (7552) 優待内容 「株主様ご優待カタログ」掲載の自社オリジナル・独占販売商品を選択玩具・ゲーム・映像音楽ソフトから選べます。 割当基準日:3月末日 ブシロード (7803) 優待内容 株主優待ポイント※300株以上保有で3,000ポイント進呈。自社運営ECサイト「ブシロードオンラインストア」で1ポイント=1円相当として利用可。 割当基準日:12月末日 バンダイナムコホールディングス (7832) 優待内容 ポイント(1ポイント=1円相当)2,000ポイント進呈。(保有株数に応じて増加)アート・コレクション(バンダイナムコグループの人気IP[Intellectual Property:キャラクターなどの知的財産]の描き下ろし複製イラスト。額縁、シリアルナンバー付属[インターネットによる申し込みのみ])などと交換できます。 割当基準日:3月末日 KADOKAWA (9468) 優待内容 BOOKWALKERで使える角川文庫・ラノベ読み放題カード3カ月分1枚(2,500円分)など※1年以上継続保有ゲームソフトやBOOKWALKER GIFTカードなど、10種類の中から選べます。 割当基準日:3月末日 記事の内容は原則として、2022年6月14日までに公表された情報・データを基に作成しています。また、保有株数や保有期間により優待内容が異なる場合があります。最新の情報や詳細についてはご自身でご確認をお願いいたします。 ご投資にあたっての注意点
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2022/06/13 15:00
大和ハウス/カカクコム/トヨタ紡織(銘柄紹介)
大和ハウス工業(1925) 建設 実質的な利益は増益予想 住宅建築のみならず商業や物流施設の建設及び開発事業も手がける総合建築会社。2022.3期は、一括で会計処理する退職給付数理差異益が509億円発生し、営業利益を押し上げた。23.3期の営業利益計画には同差異益を含めず、前期比9%減益とされた。野村では新型コロナの悪影響を受けたホテルやスポーツジム事業の業績回復や物流施設の開発事業の好調を予想し、同2%減益を予想する。ただし、それぞれ差異益の影響を除けば実質増益の予想である。 建築資材の価格高騰がリスクであるが、資材調達一元化に伴うコスト抑制と、販売価格への一部転嫁で、22.3期と同水準の収益性を確保できると野村では考える。 海外事業が利益成長を牽引 23.3期を初年度、27.3期を最終年度とする中期経営計画が始まった。売上高5.5兆円、営業利益5,000億円、ROE(自己資本利益率)13%以上を目指す。持続的な成長を目指し、不動産の賃貸管理などのストック型事業と海外事業を増やす方針である。 海外事業は22.3期の売上高4,451億円、営業利益261億円に対して、米国の住宅事業などの拡大で27.3期に売上高1兆円、営業利益1,000億円を目指す計画である。 株主還元方針は、配当性向35%以上、DPS(1株当たり配当金)の下限を130円とし、機動的な自社株買いも検討する。利益成長期待もあり株価の好材料となろう。 (エクイティ・リサーチ部 福島 大輔) カカクコム(2371) サービス 情報集約型Webサイト運用のエキスパート 月間利用者約6,000万人で国内最大の購買支援サイトの『価格.com』、同約9,000万人の『食べログ』、求人情報の一括検索の『求人ボックス』などを運営。その他に不動産、旅行など20以上のサイトを有する。 投資魅力は、①安定成長要素の強い生活密着型事業を展開、②食べログ、求人ボックス、その他サービスなど中長期の利益成長が見込まれる事業を複数有し、③事業の利益率が高く、高ROE(自己資本利益率)で高いキャッシュ創出力が期待できる点。 直近の経営戦略では食べログのネット予約サービスの動向に注目する。固定費なしでネット予約機能を利用できるようにし、当面は単価より有料契約店舗増を優先。 23.3期以降、リオープンと値上げが追い風 食べログのネット予約人数は2022年1~3月で累計711万人と回復が進捗、予約単価の高いディナー割合もコロナ前の水準に戻りつつある。リオープンで外食需要が高まり、業績のV字回復が期待できよう。加えて、ネット予約サービスの貢献で23.3期中に有料契約店舗7万店達成を予想する。 価格.com は電気料金などの上昇に伴い価格比較ニーズが引き続き高まろう。家電製品の値上げも続いており、ショッピング部門の増収要因となろう。 求人ボックスの月間利用者は22年1~3で約800万人と推定され、高成長が確認できた。求職利用者・広告出稿企業数の継続拡大を予想する。 (エクイティ・リサーチ部 嚴 智用) トヨタ紡織(3116) 輸送用機器 シートが強みのトヨタ系サプライヤー シートなどの内装関連製品が主力のトヨタ自動車系列サプライヤーである。トヨタ自動車向けの売上高比率が2022.3期で約92%と高く、同社車両生産台数との業績の連動性が高い点が特徴。近年はトヨタ外への拡販や製品領域の拡大に注力すると同時に、原価低減も推し進めている。 22.3期は、主要顧客による月中減産や原材料価格の高騰などが向かい風となった。23.3期は、中国での都市封鎖の影響を注視するも、上海で6月より規制が解除されるなど、中国での生産は最悪期を脱し改善に向かっている。夏以降に生産正常化、10~12月期に挽回生産に入るとみて、営業利益は前期比27%増の765億円と予想する。 業態の進化に向けた動きに注目 当社はトヨタ外比率を26.3期に13%、31.3期に20%まで高める目標を掲げる。特にアジアで車格に合わせたシート骨格の設計・開発や価格競争力が評価され今後も新規採用が進むとみる。また、当社は内装全体の企画、デザイン、開発、生産までを一貫して提案する内装システムサプライヤーを目指す。顧客が行うシート表皮開発の受託活動を進めており、顧客の開発負担の軽減に加え、意匠・表皮開発の同時進行により量産開発時のロス軽減にもつながろう。 さらに、移動中の新たな体験価値創出に向け、ソフト・ハード両面の開発にも22年より着手するとみられ、今後の事業領域の拡大に期待がもてよう。 (エクイティ・リサーチ部 石本 渉) ※ 野村週報 2022年6月13日号「銘柄研究」より 【FINTOS!編集部発行】野村オリジナル記事配信スケジュールはこちら ご投資にあたっての注意点
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2022/06/12 08:00
【特集】6月優待銘柄でつくるNISAセット
「野村インベスター・リレーションズ株式会社『知って得する株主優待』公式サイト」より NISAとは、国民の資産形成を後押しするために創設された税制優遇制度です。 毎年120万円まで投資することが可能で、最長5年間、投資から得られた利益が非課税となります。モデルケースとして、 6月割当銘柄でNISAセットを組んでみました。 ピックアップ条件①100株保有で優待が受けられる②割当基準日が6月末日 ※NISAを始めるには、NISA口座を開設する必要があります。※優待内容の詳細については、各企業のサイト等でご確認ください。 ※保有期間中に優待内容の変更や廃止等が発表されることがあります。各企業のリリース等最新情報をご確認ください。 江崎グリコ (2206) 優待内容 6/3終値:3,710円 フジオフードグループ本社 (2752) 優待内容 6/3終値:1,382円 カゴメ (2811) 優待内容 6/3終値:3,290円 一正蒲鉾 (2904) 優待内容 6/3終値:830円 アルペン (3028) 優待内容 6/3終値:1,975円 ムゲンエステート (3299) 優待内容 6/3終値:503円 ※優待内容は年2回進呈の場合、6月末日の優待内容。※上の6銘柄を100株ずつ購入すると、合計116万9,000円(2022年6月3日終値ベース/手数料除く)になります。 記事の内容は原則として、2022年6月7日までに公表された情報・データを基に作成しています。また、保有株数や保有期間により優待内容が異なる場合があります。最新の情報や詳細についてはご自身でご確認をお願いいたします。 ご投資にあたっての注意点