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04/16 19:00
【週間ランキング】最も閲覧数が多かった個別銘柄は?トップ10を紹介(4/16)
高値更新銘柄が相次いでランクイン ソシオネクスト(6526)が前週の3位から1位に順位を上げました。集計対象期間中(4月8日~4月14日)において、ソシオネクストの株価は連日で年初来高値を更新しました。記事執筆時点(4月15日終値)では、4月12日につけた5,250円が場中での年初来高値となっています。 さくらインターネット(3778)が前週の11位から3位に順位を上げました。4月9日(米国時間)、米マイクロソフトが今後2年間で日本に29億ドルを投資し、データセンターを拡充すると発表しました。データセンター市場の拡大が改めて注目され、さくらインターネットの株価は10日に一時的にストップ高を記録しました。 東京電力ホールディングス(9501)が前週の7位から6位に順位を上げました。集計対象期間中、東京電力の株価は連日で年初来高値を更新しました。記事執筆時点では、4月15日につけた1,114.5円が場中での年初来高値となっています。柏崎刈羽原子力発電所(新潟県)の再稼働への思惑が同社株の上昇の一因となっています。 QPS研究所(5595)が前週の10位から8位に順位を上げました。4月12日、2023年12月-2024年2月期(3Q)の決算が発表され、営業損益は1.93億円の黒字と好調に推移しました。このため、同社は2024.5期の通期計画を上方修正し、営業損益は4.7億円の赤字から2.9億円の黒字に引き上げられました。 (野村證券投資情報部 デジタル・コンテンツ課) (注1)画像はイメージ。各種データは2024年4月15日時点。(注2)今週分より閲覧数を野村アプリの銘柄詳細のサマリー画面を表示した回数としています。 ご投資にあたっての注意点
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04/16 15:51
【速報・解説】日経平均761円安 地政学リスク上昇に過度の懸念は不要(4/16)
(注)画像はイメージです。 本日の動き 本日の日経平均株価は前日比482円安の38,750円で取引を開始しました。13日のイランによるイスラエルへの報復攻撃後イスラエルは再報復の構えをみせており、地政学リスクの高まりが嫌気されほぼ全面安となりました。1米ドル=154.30円付近まで進行する円安も投資家心理を和らげることもなく、日経平均株価は、寄り付き後も下げ幅を広げ続けました。11時に発表された中国の経済指標では、1ー3月のGDPや固定資産投資で市場予想を上回る結果が示されました。中国経済回復への期待から、ファナックなどの中国関連銘柄の一角は逆行高となりましたが、全体に及ぼす影響は限定的でした。日経平均株価は一時910円安まで下げ幅を拡大した後は、やや値を戻して前日比761円安の38,471円と続落し、2月21日以来約2ヶ月ぶりの低い水準で取引を終えました。プライム市場全体では値上がり169銘柄に対して、値下がり1,465銘柄と全体の約9割の銘柄が下落しました。 (野村證券投資情報部 神谷 和男) 地政学リスク上昇に過度の懸念は不要 金融市場では、中東情勢の緊迫化による地政学リスクの高まりが懸念されています。過去の地政学リスクイベント発生時の国内外株式の傾向を確認すると、イベント発生から1~2ヶ月間ほどは株価が一進一退となるものの、その後は上昇する傾向が見られました。次に、過去20回の地政学リスクイベント発生時のTOPIX(東証株価指数)の傾向を確認します。他の重大イベントが同時に発生したケースを除いた平均値を見ると、イベント発生から1営業日後が平均0.9%のマイナス、その後は40営業日後まで一進一退となり、40営業日後から100営業日後の間に平均6%前後上昇しています。 続いて、セクターごとの特徴を確認します。イベント発生から10営業日後にかけては、ディフェンシブ業種や鉄鋼がアウトパフォームする一方、輸送用機器や空運、化学、証券がアンダーパフォームする傾向が見られました。その後は、精密業種や卸売、鉄鋼がアウトパフォームし、ディフェンシブ業種や空運、銀行がアンダーパフォームする傾向が見られました。スタイル別では、イベント発生から初めの10営業日はグロース(成長)株がアンダーパフォームし、その後はグロース株がアウトパフォームする傾向がありました。 原油価格の傾向を確認すると中東やロシア関連の地政学リスクイベント発生時のWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)先物は、イベント発生から40営業日後にかけて平均15%前後上昇しており、短期的には原油価格上昇が警戒されます。しかし、その後はピークアウトし、100営業日過ぎには上昇分が消失するなど、影響は長続きしません。 基本的には、イベント発生から1~2ヶ月間ほどの一進一退の期間を経て、日本株は上昇機会を模索すると考えられます。そのため、地政学リスクに対して過度の懸念は不要と判断しています。もし外部要因により日本株が過去平均以上に調整するような場合は、2024年度以降の業績や資本政策などを材料にセクターや銘柄を選別する機会が増すと考えられます。 (要約編集:野村證券投資情報部 デジタル・コンテンツ課) 要約編集元アナリストレポート 日本株メモ – 地政学的リスク上昇と日本株(2024年4月15日配信) (注)各種データや見通しは、要約編集元アナリストレポートの配信日時点に基づいています。(出所)野村證券市場戦略リサーチ部などより野村證券投資情報部作成 本日の市場動向 ランキング 本日のチャート (注)データは15時15分頃。ドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。(出所)Quickより野村證券投資情報部作成 今後の注目点 本日、IMFは世界経済見通しを発表します。米国では3月の住宅着工・建設許可件数や鉱工業生産が発表されます。経済見通しは投資家心理に、景況感はFRBの金融政策に影響を与えるため注目されています。また、イランやイスラエルに関する中東情勢も引き続き注視されます。 (野村證券投資情報部 神谷 和男) 要約編集元アナリストレポートについて ご投資にあたっての注意点
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04/16 08:30
【野村の朝解説】NYダウは6日続落(4/16)
(注)画像はイメージです。 海外市場の振り返り 15日の米国株式市場で主要3指数は続落しました。NYダウは一時400ドル超上昇しましたが、イスラエルがイランへの報復を検討していると伝わると中東情勢への懸念が再燃し、次第に失速。米10年国債利回りの上昇も上値を重くし、ハイテク株を中心に売りが加速しました。一方、寄り前に発表された米金融大手ゴールドマン・サックスの2024年1-3月期決算が増収増益となったことから、前週末の決算を受けて売りが広がった同業にも見直し買いが入り、金融セクターは上げが目立ちました。また、米国の3月小売売上高は前月比+0.7%と市場予想(同+0.3%)を上回り、個人消費の力強さが示されました。 相場の注目点 米国の利下げ後ずれが引き続き不安材料として意識されますが、足元では高金利のなか米国経済が底堅さを保っていることが投資家心理の改善につながるなど、市場の関心が徐々に米国経済の先行きに対する楽観へ移っている様子も伺えます。15日も、中東の地政学リスクへの懸念から次第に失速しましたが、朝方は予想を上回る3月小売売上高を手掛かりに米10年国債利回りが一時4.6%台と昨年11月以来の高水準をつけるなか、米国株は上昇してスタートしました。今後米企業の第1四半期決算発表が本格化するなか、金融引き締め長期化に対する懸念を跳ね返し上昇できるか注目されます。 本日のイベント 本日はIMFの世界経済成長率見通しが発表されます。また、中国では2024年1-3月期実質GDP、1-3月固定資産投資、3月小売売上高と鉱工業生産が、米国では3月住宅着工・建設許可件数や鉱工業生産の発表が予定されています。 (投資情報部 引網 喬子) (注)データは日本時間2024年4月16日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。 野村オリジナル記事の配信スケジュール ご投資にあたっての注意点
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04/15 19:00
【週間ランキング】日本株の値上がり/値下がり銘柄は?(4月第2週)
※画像はイメージです。 日本主要銘柄・株価騰落率ランキング(上位) 2024年4月第2週(2024年4月5日~4月12日) 2024年4月月間(2024年3月29日~4月12日) 2024年年間(2023年12月29日~2024年4月12日) (注)対象はTOPIX500、直近値は2024年4月12日。(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成 日本主要銘柄・株価騰落率ランキング(下位) 2024年4月第2週(2024年4月5日~4月12日) 2024年4月月間(2024年3月29日~4月12日) 2024年年間(2023年12月29日~2024年4月12日) (注)対象はTOPIX500、直近値は2024年4月12日。(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成 <参考>今週の日本株式市場パフォーマンス 主要指数 TOPIX: 東証33業種 (注)業種分類は東証33業種ベース。直近値は2024年4月12日時点。(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成 ご投資にあたっての注意点
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04/15 16:12
【速報・解説】日経平均一時700円安、中東情勢の今後の見通し(4/15)
(注)画像はイメージです。 本日の動き 本日の日経平均株価は前週末比466円安の39,056円で取引を開始しました。前週末の米国株式市場で主要3指数が揃って下落したことに加え、週末に中東情勢が悪化したことが、株式市場の重石となりました。寄り付き後下げ幅が一時、前週末比702円安まで拡大する場面もありました。もっとも、その後は米主要株価指数先物が堅調に推移していることや、為替市場で円安ドル高が進行したことなどから、日経平均株価は下げ渋る展開となりました。後場に入ると、39,100円を挟んで横ばいとなり、前週末比290円安の39,232円と反落して、取引を終えました。 業種別では、原子力規制委員会が停止中の柏崎刈羽原発への核燃料搬入の作業を承認したと報じられたことで、東京電力をはじめとした電力株が堅調に推移し、電気・ガス業が前週末比+3.11%となりました。一方で、ファーストリテイリングやソフトバンクグループ、アドバンテストや東京エレクトロンといった値嵩株や半導体関連株の一角が下落し、4銘柄で日経平均株価を約126円押し下げたほか、前週末引け後に業績の大幅下方修正を発表したアステラス製薬が前週末比-7.95%と大幅に下落しました。 (野村證券投資情報部 磯崎 博志) 中東情勢の争点はイスラエルによる反撃の有無 2024年4月1日、イスラエル軍がシリアの首都ダマスカスにあるイラン大使館を空爆しました。金融市場ではイランの報復に注目が集まっていましたが、4月13日にイランは自国の領土からイスラエルへ向けて報復攻撃を行いました。イランはイスラエル本土をドローンで攻撃し、イスラエルの占領地であるゴラン高原(シリア領)には弾道ミサイルで攻撃を行いました。 イランとしては、本土外とはいえ領土に相応する大使館を攻撃されたため、イスラエルへの報復が必要だったと見られます。レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラなどの周辺の親イラン勢力に代理攻撃をさせずに、イランの正規軍が自国領土から攻撃を行ったという意味では強硬な対応を示せたと言えます。イスラエル本土への攻撃には、飛行速度が遅くイスラエルにとって迎撃が容易なドローンを用い、結果的にイスラエル側の被害を限定的にしたのは、イランが報復をアピールしつつも、イスラエルとの全面戦争を避けようとしていたからだと考えられます。イランの国連代表部は、今回の大規模攻撃について「この問題は完了したとみなしうる」と表明しました。 問題はイスラエルが反撃を行うかどうかということでしょう。仮にイスラエルの反撃のリスクが残る場合、金融市場は株安・債券利回りの低下、原油高の反応を示すでしょう。イスラエルのネタニヤフ政権は国内の政治基盤が不安定です。パレスチナのイスラム教組織ハマスやヒズボラなど非政府組織との戦闘ではなく、イランを全面戦争に引き込めば、政権は延命するでしょう。 しかし、イランとの全面戦争は、米国の安全保障協力があるからこそ可能な戦争です。米国はイランのドローン、弾道ミサイル迎撃を支援しましたが、更なる事態の悪化を望んでいません。4月13日の攻撃直後、バイデン大統領はネタニヤフ首相と電話会談を行い、米大統領府からは「バイデン大統領はイランとの戦争を望んでいないことをはっきりと表明してきており、アメリカはこの地域の緊張をさらに高めることも望んでいない」との表明がありました。米国がイスラエルの反撃を許容するとすれば、イランが追加攻撃を行った場合であり、石油施設や民間居住地を避け、ミサイルやドローンの発射基地など軍事施設や核施設を対象にした限定攻撃を求めると考えられます。 バイデン政権は、11月に大統領選挙・議会選挙を控えています。ドライビング・シーズン(夏季休暇に伴うガソリンの需要期)の前にガソリン価格が高騰すれば、政権批判が高まり、バイデン大統領の再選や民主党の議会選挙に不利となります。また、戦費や米国人の犠牲を伴う米国の参戦という決断を選挙直前に迫られることをバイデン大統領は避けたいというのが実情でしょう。 (要約編集:野村證券投資情報部 デジタル・コンテンツ課) 要約編集元アナリストレポート 政治レポート – 中東情勢:イランの対イスラエル報復攻撃と今後の見通し(2024年4月15日配信) (注)各種データや見通しは、要約編集元アナリストレポートの配信日時点に基づいています。(出所)野村證券市場戦略リサーチ部などより野村證券投資情報部作成 本日の市場動向 ランキング 本日のチャート (注)データは15時15分頃。ドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。(出所)Quickより野村證券投資情報部作成 要約編集元アナリストレポートについて ご投資にあたっての注意点
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04/15 09:30
【銘柄ランキング】開業医に買われた個別銘柄は?(2024年1-3月分)
トップ3はNTT、三菱UFJ、トヨタ自動車 2024年の日本株は年始から大きく上昇し、3月には日経平均株価が初めて4万円台に到達しました。この期間には、どのような銘柄が個人投資家によって購入されていたのでしょうか。 今回は、2024年1月1日から2024年3月31日までの期間に、野村證券に口座を持つ開業医によって購入された上位20銘柄をランキング形式でご紹介します。さらに、野村證券の個人投資家口座全体での買い付けランキング(以下、全体ランキング)とも比較してみました。 トップ3は、1位が日本電信電話(9432)、2位が三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)、3位がトヨタ自動車(7203)で、全体ランキングと一致しました。 上位20銘柄のうち、全体ランキングと比較して10位以上順位が上振れている銘柄は以下の通りです。8位の日本航空(9201)、9位のソフトバンク(9434)、14位のデンソー(6902)、16位のゆうちょ銀行(7182)、17位のANAホールディングス(9202)、18位の楽天グループ(4755)、20位のL is B(145A)の7銘柄です。情報・通信業や空運の銘柄などが全体ランキングよりも上位にランクインしました。 (野村證券投資情報部 デジタル・コンテンツ課) (注)画像はイメージ。(出所)各種資料より野村證券投資情報部作成 ご投資にあたっての注意点
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04/15 08:20
【野村の朝解説】懸念材料重なり、米国株は下落(4/15)
(注)画像はイメージです。 海外市場の振り返り 12日の米国株式市場は懸念材料が重なり、主要3指数ともに前日比で下落しました。イスラエルがイランによる本土攻撃に備え警戒態勢、と報じられ、WTI価格は一時1バレル=87ドルを超えました。また、寄り前に発表されたJPモルガン・チェース、シティグループ、ウエルズ・ファーゴの大手銀行の2024年1-3月期決算は、いずれも市場予想を上回る純利益となりましたが、金利収入が市場予想に届かず、24年の通年ガイダンスでも金利収入の弱さが示唆されました。さらに、4月のミシガン大学消費者センチメント(速報値)は77.9と前月(79.4)を下回り、1年先期待インフレは3.1%、5~10年先期待インフレ率は3.0%といずれも前月(それぞれ2.9%、2.8%)を上回りました。加えて、シカゴ連銀のグールズビー総裁、カンザスシティ連銀のシュミット総裁、アトランタ連銀ボスティック総裁が従来通りながらも、改めて利下げに慎重なスタンスを表明しました。 相場の注目点 今週は、米国では15日(月)に4月NY連銀製造業景気指数、3月小売売上高、16日(火)に3月住宅着工・建設許可件数、3月鉱工業生産、18日(木)に4月フィラデルフィア連銀製造業景気指数、3月中古住宅販売件数などが発表されます。住宅市場の一部には回復の兆しも見える中で、金利上昇が水を差す懸念がありますので、要注目です。一方、中国では16日(火)に24年1-3月期実質GDP、3月小売売上高と鉱工業生産、1-3月固定資産投資と不動産投資と、主要統計の発表が予定されています。市場予想では、いずれも23年10-12月期、あるいは1-2月期累計から減速が予想されています。 (投資情報部 佐々木 文之) (注)データは日本時間2024年4月15日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。 野村オリジナル記事の配信スケジュール ご投資にあたっての注意点
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04/14 09:00
【野村の動画】米オフィス価格が急落、高まる米地銀への懸念
米国の商業用不動産市場は苦境に立たされています。金融システミックリスクに陥る可能性は低いと見られていますが、今後の商業用不動産の市況次第では経済や市場への影響が拡大する可能性もあるため、注意が必要です。 ご投資にあたっての注意点
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04/13 19:00
【来週の米国株】「CPIショック」に気を取られず本格化する決算をみよう(4/13)
※執筆時点 日本時間12日(金)12:00 先週:「CPIショック」でもナスダックは最高値更新 米国株式は3月米CPI(消費者物価指数)を受けて調整しましたが、企業業績拡大への期待もあり、ナスダック総合指数は終値での史上最高値を更新しました。 CPIショック 米国時間10日(水)寄り前に、3月CPI(消費者物価指数)が発表されました。総合指数が前月比+0.4%(市場予想は同+0.3%)、変動の大きいエネルギー・食品を除くコアCPIが同+0.4%(市場予想は同+0.3%)と、いずれも市場予想を上回りました。住居費や輸送サービス(主に自動車保険)などサービス価格が上昇に寄与しました。 CPI(消費者物価指数)~前月比の推移 (注)コア指数はエネルギー・食品を除く。直近値は2024年3月。(出所)労働省、LSEG(旧リフィニティブ)より野村證券投資情報部作成 5日(金)に発表された3月雇用統計では平均時給の伸び率が、2月の前年同月比+4.3%から同+4.1%へと鈍化していたことからインフレ警戒感がやや薄れていましたが、CPIを受け市場には利下げ開始時期が遠のいたとの見方が広がり、米金利は上昇し株価は下落しました。 数週間以内に消化可能か コロナ禍からの回復過程において生じたインフレに対してFRB(米連邦準備理事会)は「一時的」なものだと楽観視していましたが、その後も期待を裏切ってインフレ率が上昇基調を辿ったことを受けて、FRBは近年例を見ないペースで利上げを実施しました。CPIが3ヶ月連続で市場予想を上回ったことから、3月CPIの発表を受けて市場の利下げ観測は大幅に後退しました。ただし、年初来の米国市場を俯瞰してみると、米10年国債利回りが上昇(2023年末 3.88%→4月11日4.59%)している一方で、S&P500指数は短期的に下落する場面をはさみながらも上昇(2023年末4,769→4月11日5,199)しています。野村證券の試算によれば「CPI上振れショックの際の株式市場ではS&P500は10営業日(2週間)ほど、TOPIXも20営業日(1か月)ほど、それぞれ軟調な展開となった後に切り返す傾向が確認できる」としています。 なお、CPI発表翌日11日(水)寄り前に発表された3月米PPI(生産者物価指数)では、総合指数が同+2.1%(市場予想は同+2.2%)、エネルギー・食品を除くコア指数が同+2.4%(市場予想は同+2.3%)と大きな上振れはなかったことから、市場は落ち着きを取り戻しています。インフレ指標に一喜一憂する場面は続きますが、過度に懸念することなく冷静に次の指標・企業業績を確認していく場面と考えられます。 今週のポイントは2点です。 ①ブラックアウト前、高官発言に注目 FRBは20日(土)からFOMC(米連邦公開市場委員会)前のブラックアウト(公に金融政策に関する発言を自粛する)期間に入ります。CPIやPPIの内容を受けたFRB高官の発言が注目されます。 そのほか、経済指標では15日(月)に4月NY連銀製造業景気指数、3月小売売上高、16日(火)に3月住宅着工・建設許可件数、3月鉱工業生産、18日(木)に4月フィラデルフィア連銀製造業景気指数、3月中古住宅販売件数など注目度の高い指標が発表されます。 ②1-3月期決算発表がスタート 米企業の2024年1₋3月期決算発表で業績が堅調さを示し、2024年4-6月期以降の増益基調の見通しが確認できれば、株式市場では今後の米国企業の業績拡大を織り込み、上昇基調に復帰すると予想されます。来週から本格化する2024年1-3月期決算発表に市場の注目が集まります。既に発表が始まっている金融セクターに加え、17日(水)に予定される半導体製造装置大手のASMLホールディング※、18日(木)に予定されるメディア大手のネットフリックスの決算発表が市場の関心を集めています。 ※ASMLはオランダ企業だが、ADR(米国預託証券)を米国上場している ASMLの前回の決算発表(2023年10-12月期)では実績は市場予想を上回ったものの、会社は2024年12月期が「移行の年になる」として、売上高は前期比横ばい、粗利益率は若干低下すると保守的な見通しを示していました。一方で受注は大幅に増加しており、メモリー半導体メーカーからの受注が前四半期比730%増、前年同期比107%増となりました。ロジック(演算)半導体だけでなく、メモリー半導体においてもAI用データセンターからの引き合いが強く、ASMLが得意とする最先端露光装置であるEUVへの需要が高い環境が続いているようです。ASMLのメモリー半導体に対する需要急増の動きは、同じくマイクロン・テクノロジーの2023年12月-2024年2月期決算や、サムスン電子の2024年1-3月期決算速報値が好調であったこととも整合的です。ASMLが今期の業績見通しをどのように示すかに市場の注目が集まります。 ネットフリックスの前回の決算(2023年10-12月期)では、全世界の有料会員純増数が1,310万と市場予想(900万)を大幅に上回ったことが好感されました。アカウント共有(追加で数ドルを支払うと同居者以外にもアカウントを共有できるオプション)の契約者が想定以上に増えたとみられます。ただし、今後は有料会員数純増ばかりが注目されることはなくなっていくとみられます。当社は、主要な市場である北米で、広告なしの最も安いプランであったベーシックプラン(端末1台でしか見られない)の新規受注を停止し、広告付きプランか、ベーシックプランの一つ上のプランとなるスタンダードプラン(端末複数台で見られる)へと移行を進めています。この施策は、一契約当たりの売上高(広告料を含む)を上昇させる一方、有料会員純増数を低下させるものです。このため、市場の関心は会員数(数量)から契約プランの内訳(単価)を含む会社全体の収益向上へと移っていくでしょう。2024年のメディア・娯楽セクターは、家計の消費余力が圧迫される中で成長が続けられるかに注目が集まりそうです。 (野村證券投資情報部 小野崎 通昭) ご投資にあたっての注意点 野村オリジナル記事の配信スケジュール