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【野村の視点】「セル・イン・メイ」戦後79年間の株価動向を日米株価で検証

※画像はイメージです。 「Sell in May and go away. But remember to come back in September.」5月に売って相場から離れなさい、ただし9月には市場に戻ってくることを忘れないように 「セル・イン・メイ」という相場格言があります。5月にいったん売り逃げろ、という先人の教えです。 これには「ただし9月にはマーケットに戻ってこい」という続きの言葉があり、マーケットが軟調になりやすい5 月から夏場の間は相場から離れた方が賢明なことを示唆しています。 この格言に基づき、NYダウと日経平均株価の戦後79年間の株価動向を検証しました。 月間平均騰落率 まずはそれぞれの株価指数の月間平均騰落率を見てみましょう。上段と下段のグラフをご覧ください。グラフは5月から始まっています。9月までは弱含みな動きが目立つ一方、10月から4月にかけては堅調なパフォーマンスを記録してきた様子がわかります。 期間別平均騰落率 次に上段、下段ともに左側の「期間別平均騰落率」のグラフをご覧ください。赤色のAは格言に則り「前年9月末にそれぞれの株価指数を買い、4月末に売った場合」の平均パフォーマンスです。グレーのBは格言の反対の投資行動といえる「4月末に買い、9月末に売った場合」の数字です。 格言に則った赤色Aの場合、NYダウも日経平均株価も+8.1%と高いパフォーマンスを得られたのに対し、反対の投資行動をとったグレーBの場合はNYダウは+0.2%、日経平均株価は+1.5%と冴えない様子がわかります。 また上段、下段ともに右側は、「上昇した回数が占める割合」を表す勝率のグラフです。こちらも格言に則った赤色Aの場合はNYダウ、日経平均株価ともに約7割の確率で上昇したのに対し、反対の投資行動をとったグレーBの場合は5、6割程度に留まっています。 ちなみに5月から9月にかけて株価パフォーマンスが良くない要因としては、米国では個人の確定申告の税還付の資金流入が一巡することや夏季休暇前のポジション調整などがその理由として挙げられます。日本でも、夏枯れ相場など様々な要因が挙げられます。いずれも明確な根拠はないのですが、有効なアノマリー、経験則とされており、これらの検証によると、秋までに買って春に売るサイクルは、有効な投資手法であるとも言えそうです。 7月8月9月「夏枯れ相場」・12月「掉尾の一振(とうびのいっしん)」・3月「お化粧買い」 2024年3月末現在、日経平均株価、NYダウは史上最高値を更新し、最高値圏で推移しています。これらの経験則によると、この先秋口にかけて、上昇一服となる場面を迎える可能性がありそうです。ただそのような場面は、中長期的な投資スタンスに立てば押し目買いの好機と捉えることができるのではないでしょうか。 (野村證券投資情報部 山内 正一郎) ご投資にあたっての注意点

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