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08/24 19:00
【来週の米国株】天下分け目のエヌビディア決算発表、事前の確認ポイントは(8/24)
※執筆時点 日本時間23日(金)12:00 今週:重要イベント待ちで様子見ムード ※8月16日(金)-8月23日(木)4営業日の騰落 経済指標はまちまち 今週の米国株主要3指標は、総じて小動きでした。住宅関連のデータでは、中古住宅販売件数が市場予想を上回った一方で、ホームセンター大手のロウズ(LOW)決算はホーム・デポ(HD)に続き売上高で市場予想を下回りました。注目されたS&PグローバルPMI速報値では、製造業PMIが市場予想を下回った一方で、サービス業PMIは市場予想を上回りました。各指標が強弱まちまちで、株価は一進一退でした。 市場の期待とパウエル講演にギャップはないか 23日(金)のジャクソンホール会議でのパウエルFRB(米連邦準備理事会)議長講演(執筆時点は講演前)と、28日(水)のエヌビディア(NVDA)決算発表を前に、市場参加者は様子見姿勢を続けていると考えられます。先物市場では、執筆時点で年内合計約1%ポイントの利下げが織り込まれています。年内のFOMCは計3回(9月・11月・12月)であるため、今の先物市場は「全てのFOMCで利下げが行われ、かつそのうち1回では利下げ幅が0.50%ポイントとなると示唆している」ことを意味します(金融政策の変更は、通常0.25%ポイント幅で行われることが多い)。ジャクソンホール会議で、パウエルFRB議長がこうした市場の織り込みをけん制するのか、追認するのかによって株価の反応は分かれそうです。 来週:エヌビディア決算発表 米国株の先行きを決めうるエヌビディア決算 来週の注目点は、28日(水)の米国市場引け後(日本では29日(木)の朝5時すぎ)に発表が予定されているエヌビディアの2024年5-7月期(2025年1月期第2四半期)です。当社の株価は、2024年末の株価(49.52ドル)から約2.5倍(21日(木)時点の株価は123.74ドル)になっていますが、6月の高値(140.76ドル)から13%低い水準です。当社の決算内容は、米国株全体へのセンチメントにも影響するため市場が注視しています。 エヌビディアの事業構成 (注)所在地別の中国は香港を含む。用途別はセグメント間調整後。 (出所)会社資料より野村證券投資情報部作成 当社はロジック(演算)半導体の一つであるGPU(画像処理半導体)が主力製品です。もともとはデータ処理負荷の高いゲーム画像表示のために作られた製品でしたが、その高い処理能力が多用途に展開され、足元では生成AI向けの需要が急激に高まり注目されています。 事業は地域別では米国向け(約4割)、用途別ではデータセンター向け(約8割)が中心になっています(2024年1月期通期ベース)。半導体業界では先端半導体の輸出規制で中国向けの先行き鈍化が懸念されていますが、前回決算である2024年2-4月期には中国(香港を含む)向けの売上高比率は10%未満となっており、相対的な影響は低下しています。 前回(2-4月期)決算は概ね好調 エヌビディアの前回(2024年2-4月期)決算は、一部の部門で市場予想を下回ったものの、主力のデータセンター部門では市場予想を上回り、売上高・EPS(一株当たり利益)、5-7月期の売上高会社見通しなど主たる項目が市場予想を上回りました。また、計算効率が高く省電力の最新プラットフォーム「ブラックウェル」を利用した新製品に対する顧客の需要は高く、需要が供給を上回る状況は少なくとも来年まで継続するとコメントしました。 足元のテックセクター動向 エヌビディアの今回の決算(5-7月期決算)は多くの米国企業より1ヶ月遅いタイミングでの決算期となるため、4-6月期決算を既に発表し終えたテクノロジーセクターの動向も参考になります。テクノロジーセクター全体では、前四半期に続きスマホやデータセンターの回復が堅調な一方で、車載・産業機械は低迷が続き格差が広がりました。データセンター関連の需要は高く、半導体だけでなく電力や重電、電子部品や電線などへ好影響が波及していることも確認されました。 個別企業も概ね「データセンター好調」を示唆 個別企業では、世界の半導体メーカーから製造を受託する台湾のTSMC(米国上場のADR(米国預託証券)のティッカーコードはTSM)の会社見通しが注目されました。当社による24年の半導体市場見通し(除くメモリー)は前年比10%増で不変でしたが、同社の売上見通しは「20%台前半~半ば」から「20%台半ば強」に上方修正されました。引き続きAI関連の需要が牽引しており需給バランスがタイトであると想定されます。 GPUの新製品の立ち上げ遅れ等も指摘されていますが、有力IT企業の設備投資計画のレンジも引き上げられ、2025年以降のAI向け先端ロジックの需要は極めて強いと見られます。ハイパースケーラー5社(アルファベット(GOOGL)、アップル(AAPL)、メタ・プラットフォームズ(META)、アマゾン・ドットコム(AMZN)、マイクロソフト(MSFT))の4-6月期の設備投資は前年同期比+55%と強く、2024年後半も投資水準を維持ないし、さらに増加させる方針が示されています。 車載・産機関連は全体として回復が遅れる傾向がありますが、企業間格差も大きい状況です。NXPセミコンダクターズ(NXPI)のように在庫を適正水準以下で維持している企業は緩やかな在庫積み増し局面に入っている一方で、マイクロチップ・テクノロジー(MCHP)は依然として在庫調整が続いており回復はやや遅れる傾向にあります。 エヌビディア決算の注目点 足元の状況を踏まえれば、エヌビディアの5-7月期決算は2-4月期決算の傾向(データセンターが強く、自動車向けなどは伸び悩む)の継続が想定されます。個別企業の株価としては、既に株式市場の期待値は高まっているため、好調な業績が確認されても利益確定の売りなどに押されて下落することも想定されます。 但し、個別株価の動向以上に重要なことはエヌビディアの決算内容によって生成AIがけん引してきた米国株全体の見方が転換しうるということです。当社の地域別やカテゴリ別の動向、ブラックウェルなどの最新半導体の出荷状況や販売の状況についての経営陣からのコメントなど、決算内容を精査することが今後の米国株投資に活かされると考えます。29日(木)朝にはNOMURAアプリでも当社決算の速報を予定しており、ぜひ米国株投資全体のご参考にしていただければ幸いです。 (編集:野村證券投資情報部 小野崎 通昭) ご投資にあたっての注意点 要約編集元アナリストレポートについて 野村オリジナル記事の配信スケジュール
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08/24 12:00
【注目トピック】円高反転の日本企業業績への影響は最小限に留まる
※画像はイメージです。 日本:2024年4-6月期決算レビュー 2024年4-6月期決算の着地動向 2024年4-6月期決算が概ね出揃いました。ラッセル野村Large Cap(除く金融)の増収率は、事前コンセンサス予想の前年同期比+3.8%を上回る同+7.4%、営業増益率は事前コンセンサス予想の同+6.7%を上回る同+16.3%となっています。個別レベルでも事前コンセンサス予想を上回る実績となった企業の割合は70%前後と、過去平均の50%台半ばを大きく上回っています。 4-6月期実績が、事前コンセンサス予想を上回ることになった原動力としてまず指摘できるのは円安の進展です。当初、企業側およびアナリストの多くが予想前提を145円/米ドルとしていましたが、実際には、10円/米ドル以上の円安となり、4%以上の営業利益押し上げ要因となったとみられます。 その他にも、不振を極めていた中国において、電子材料や電子部品といった生産財の一部で底打ちの動きが出始めたことも上振れの要因となりました。また、電子材料や電子部品などでは、生成AIへの投資に関連する需要の増加も多くの企業で顕在化しました。 また、ここ数四半期目立ち始めた、非製造業・内需系業種の多くで、コスト増分の製品・サービス価格への転嫁が、4-6月期にも順調に進んだことが確認されています。 ※(アプリでご覧の方)2本の指で画面に触れながら広げていくと、画面が拡大表示されます。 (注1)ラッセル野村Large Cap(除く金融)の四半期・増収率および営業増益率、経常増益率の推移。(注2)2024年1-3月期までは実績値、2024年4-6月期は、2024年8月16日までに四半期決算を公表した企業のみを集計している。(注3)2022年1-3月期以降はソフトバンクグループを集計から除外している。2024年1-3月期以降はさらに公益セクターに属する企業を除外している。(出所)野村證券投資情報部作成 利益面で比較的高い進捗率 2024年4-6月期実績が事前予想を上回ったことを受け、通期/半期予想の上方修正も期待されます。ただ、通期業績に対する進捗率は、経常利益や税引利益では、第1四半期の進捗率が過去平均に比較してやや高め、逆に第2四半期は著しく低めとなっています。 円高進展などにより業績懸念が一時広がりましたが、それを勘案しても第2四半期の(予想される)進捗率は不自然です。中間決算発表時には上期業績が上振れ、押し出される形で通期業績が上方修正される展開も想定できるでしょう。 (注1)通期業績に対する、各四半期業績の構成比(進捗率)。(注2)過去平均は2014~2023年度の中央値。2024年度は、2024年8月16日までに決算発表をした企業を集計している。2024年度第2四半期は、2024年度上期野村予想から第1四半期実績を除いたもの。2024年度3~4四半期は、通期野村予想から上期予想を除いたもの。野村予想は、2024年8月16日時点のもの。(出所)野村證券投資情報部作成 為替前提に大きな変化はなかった 会社側の2024年度為替前提は、2024年5月末時点で中央値が145円/米ドルでした。その後、円安が進行したため、6月月初以降に新たに発表された前提は145円/米ドル超の割合が若干上昇していますが、全体としては145円/米ドルが中央値であることには変わりがありません。 なお、150円/米ドル超という全産業平均に比べてかなり円安気味の為替前提を公表している企業群の中では、電力、食品、紙パルプ、非鉄などの業種に属する企業が過半を占めています。これらの業種は原材料を輸入し、製品・サービスの多くを国内で提供しています。一見、楽観的に映る為替前提ですが、これらの業種に属する企業にとっては、逆に保守的な為替前提となっていると考えられます。 2024年7月以降、円高米ドル安が急速に進行しましたが、為替前提のズレが会社側の業績見通しの下方修正要因となるリスクは小さいと見られます。 (注1)全上場企業(1/2/3月決算企業)の2024年度の為替(米ドル円レート)前提の分布状況。(注2)①濃灰色は2024年5月末時点の分布、②淡灰色は6月月初~現在(2024年8月9日)の間に公表された前提の分布、③赤色は2024年8月9日時点の分布。(出所)野村證券投資情報部作成 会社見通しはほぼ不変 2024年4-6月期決算は多くの企業で事前予想を上回って着地しましたが、過去を振り返ってみても期末まで3四半期を残すこの時期に、通期の業績見通しを変更する企業は少数にとどまっています。 2024年度もその例外ではなく、期初の見通しを変更した企業の構成比は7月末時点で4.6%、8月16日時点で8.7%に留まり、過去平均をわずかに下回る推移となっています。なお、少数ながら見通しを修正した企業のうち、上方修正であった企業の構成比は74%で、4社に3社の割合で上方修正が優勢な状況です。 円高の進行や、中国・米国経済への懸念などから株式市場は不安定な状態が続いていますが、企業業績は期初時点の保守的な会社見通し、およびアナリスト予想が温存された状況です。 (注1)上段は、ラッセル野村Large Capの野村予想および会社見通しによる経常増益率。前回は2024年6月3日、今回は2024年8月16日。(注2)下段は、期初(6月)からの東証プライム市場構成企業(2~3月決算企業)の会社側経常利益見通しの修正動向(累計)。赤色の線は2012~2023年度の平均値。期中に複数回見通しを変更する企業が存在するため、累計社数構成比が100%を超えることがある。2024年度8月の値は8月16日時点。(出所)野村證券投資情報部作成 (野村證券投資情報部 伊藤 高志) ご投資にあたっての注意点
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08/24 09:00
【オピニオン】米利下げ局面移行時の米国株の動向
※画像はイメージです。 足元の市場は9月FOMC(米連邦公開市場委員会)での利下げを完全に織り込み、これを契機にFRB(米連邦準備理事会)は利下げ局面へと移行するとの見方が広く浸透しています。 2023年夏場以降の米金融市場は、長期金利と株価が反対方向に動く「金融相場」の様相を呈してきました。24年入り後は業績改善期待から株価と長期金利がともに上昇する場面もありましたが、米10年国債利回りが4%台後半まで上昇すると、株価が調整を余儀なくされるなど、金利上昇への懸念は残存しています。 このため、米国が利下げ局面へと移行するとの見方は、米国株にとっては朗報だと言えます。それにもかかわらず、8月初旬に株価が大きく下落した背景には、市場参加者の間で「利下げは良いニュース」ながら、「利下げに転じる経済状況」への懸念があることを示唆しています。 ここで、1990年以降の5回の利下げ局面入り前後の米国株の動向を改めて確認してみましょう。ただし、2020年のコロナ禍に伴う2回の利下げは例外として除きます。結論を先取りすれば、景気が底堅い中でインフレ鎮静化(図表の①の利下げ局面)や株価の不安定化(同⑤)、あるいは海外での経済ショック(同②)等に起因して行われた「予防的利下げ」においては、利下げ局面入り前後に米国株が大幅に調整した経験はありません。 ※(アプリでご覧の方)2本の指で画面に触れながら広げていくと、画面が拡大表示されます。 (注)データは日次で、直近値は2024年8月21日。政策金利はFF(フェデラル・ファンド)金利の誘導目標(レンジの上限)。○数字は利下げ局面で、うち赤字は景気後退と認定されたことを示す。⑤のケースではコロナ禍に見舞われた2020年以降は例外とし、2020年中に行われた2回の利下げは含まない。(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成 一方で、ITバブル崩壊(同➂)やサブプライムショック、世界金融危機(リーマンショック)(同④)など、米国を発端とした金融ショックに直面したケースでは株価が急落し、FRBは大規模な金融緩和を実施しました。また、5回の利下げ局面のうち景気後退に陥ったのは、米国発の金融ショックが生じた後者の2回(同➂と④)だけです。 現在のFRBの政策スタンスは95年7月以降の利下げ局面(同①)、あるいは2019年の利下げ局面(同⑤)に似ているのではないかと見られます。ケース①では、94年2月から1年余りの間に行った3%ポイントの利上げが奏功し、インフレが鎮静化したことを受け、景気が堅調な中で利下げを行いました。 ケース⑤は利上げを嫌気して株価が下落したことを受けて19年1月に利上げの打ち止めを宣言し、19年7月から3会合連続で「予防的利下げ」を実施しました。 足元の米国では金融不安から景気後退が懸念されている状況ではありません。多くのFRB高官はインフレ鎮静化を好感し、労働需要の鈍化をより重視する中で利下げを検討しています。過去の経験に基づく限り、このような状況下で深刻な株安が継続するリスクは小さいと考えられます。 ご投資にあたっての注意点
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08/24 07:00
【来週の予定】米経済統計で利上げの悪影響は顕在化するか
来週の注目点:米国の個人消費、日本の生産とドイツの実質GDP 最近のFRB(米連邦準備理事会)高官の発言からは、9月17日(火)~18日(水)のFOMC(米連邦公開市場委員会)で0.25%ポイントの利下げ実施で意見が集約されつつある様子がうかがえます。このため、市場の関心は今後の利下げペースや政策金利の着地点へと移行することが予想されます。利下げペースに関してFRBは、インフレ動向よりも雇用統計など景気動向を重視すると考えられます。 米国では利上げの影響が家計マインドの悪化や住宅販売の不振として顕在化しています。このため、27日(火)の8月コンファレンスボード消費者信頼感指数、29日(木)の7月中古住宅販売仮契約、30日(金)の8月ミシガン大消費者マインド(確報値)などに加えて、同じく30日発表の7月個人消費支出・所得統計が市場の注目を集めそうです。FRBがインフレ指標として重視しているコアPCE(食品・エネルギーを除く個人消費支出)デフレーターの減速と同時に、消費下振れ懸念が高まるようならば、市場では9月FOMCで0.5%ポイントの利下げ観測が再燃する可能性もありそうです。 日本では金融政策の判断材料として30日(金)の8月東京都区部消費者物価指数、景気の一致指標として7月鉱工業生産が注目されます。6月の生産が前月比-4.2%(確報)と落ち込んだ一因は一部大手自動車メーカーの認証不正問題の影響でした。経済産業省の調査では自動車生産を含む輸送工業の生産計画は7月、8月とも前月比マイナスとなっています。自動車関連を除いても生産回復が思わしくない結果になれば、市場の景気回復期待に水を差すリスクがあります。 ユーロ圏では26日(月)のドイツの8月Ifo企業景況感指数と27日(火)の4-6月期実質GDP詳報、30日(金)のユーロ圏8月消費者物価指数が注目されます。ドイツの4-6月期実質GDP(速報値)は市場予想(前期比+0.1%)に反して同-0.1%と落ち込みました。詳報では各需要項目の内訳が確認できるため、今後の景気動向を予想する上で重要なヒントを得ることができます。 (野村證券投資情報部 尾畑 秀一) (注1)イベントは全てを網羅しているわけではない。◆は政治・政策関連、□は経済指標、●はその他イベント(カッコ内は日本時間)。休場・短縮取引は主要な取引所のみ掲載。各種イベントおよび経済指標の市場予想(ブルームバーグ集計に基づく中央値)は2024年8月23日時点の情報に基づくものであり、今後変更される可能性もあるためご留意ください。(注2)画像はイメージです。(出所)各種資料・報道、ブルームバーグ等より野村證券投資情報部作成 ご投資にあたっての注意点
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08/23 16:06
【野村の夕解説】日経平均株価続伸、植田日銀総裁の発言に安心感(8/23)
(注)画像はイメージです。 本日の動き 本日の日経平均株価は前日比67円高の38,278円で始まりました。寄り付き後まもなく、植田日銀総裁による閉会中審査の国会答弁を控え、外国為替市場での波乱が警戒され下げに転じました。11時台には1米ドル=145.30円台と朝方からやや円高米ドル安に推移し、一時前日比157円安となりました。植田総裁は午後に参院財政金融委員会に出席し、「金融政策運営の考え方について、内田副総裁との間に違いはない」旨を説明したと報じられました。内田副総裁は、今月7日(水)に「金融市場が不安定な状況で利上げを行うことはない」と発言しており、総裁の方向性は副総裁と同じと確認されたことで市場参加者に安心感が広がりました。再び上げに転じ、一時上げ幅は前日比200円を超えました。その後は今晩米国で予定されているパウエルFRB(米連邦準備理事会)議長の講演の動向を見極めたいという姿勢から上昇は一服し、大引けは前日比153円高の38,364円となりました。東証プライム市場の売買代金は約3.4兆円と4営業日連続して4兆円を割り込む薄商いとなりました。 本日の市場動向 ランキング 本日のチャート (注)データは15時15分頃。ドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。(出所)Quickより野村證券投資情報部作成 今後の注目点 米国では経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」でパウエルFRB議長の講演が予定されています。また、28日(水)にエヌビディアの2024年5-7月期の決算発表が予定されており、市場関係者の注目が集まります。 (野村證券投資情報部 清水 奎花) ご投資にあたっての注意点
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08/23 12:00
【今週のチャート分析】日経平均株価半値戻しを達成し、5~6月の保ち合いレンジに突入
※画像はイメージです。 ※2024年8月22日(木)引け後の情報に基づき作成しています。 戻り待ちの売りをこなし、4万円回復に向けた動きとなるか 今週の日経平均株価は、米国金利低下に伴う円高・ドル安の進行を受け、一進一退の展開となりました。 チャート面からこれまでの動きを振り返ってみましょう(図1)。日経平均株価は、8月5日安値(ザラバベース:31,156円)形成後に急反発となりました。15日に今年7月以降の下落幅の半値戻し水準(ザラバベース:36,791円)を達成し、翌16日には200日移動平均線(8月22日:37,158円)や、25日線(同:37,374円)を回復しました。 ただ、過去の累積売買代金が積み上がる5月~6月中旬の保ち合いレンジ(37,617~39,437円)に入り、上昇が鈍っています。 この先、戻り待ちの売りをこなしつつ、まずは75日線(同:38,640円)や、下落幅の2/3戻し水準(38,669円)を明確に上抜けることができるか注目されます。突破となれば、心理的フシの4万円回復に向けた動きとなると考えられます。 ※(アプリでご覧の方)2本の指で画面に触れながら広げていくと、画面が拡大表示されます。 (注1)直近値は2024年8月22日。 (注2)日柄は両端を含む。(注3)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。 (出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成 一方、当面の戻りが一巡し調整再開となった場合は、8月15~16日に空けたマドを埋める水準(36,885円)が下値メドとして挙げられます。仮に同水準を割り込みさらなる調整となった場合は、急落後の戻り局面で一旦上値を抑えられた35,000円前後の水準に向けて二番底を堅めにいく展開が見込まれます。 今年8月安値にかけて歴史的下落を演じた株価ですが、2010年代から続く“超長期上昇トレンド”自体は継続中だと考えられ、今回の調整は一時的な調整だと考えられます(図2)。 この先、しばらくは、振れ幅の大きい展開が続くとみられますが、徐々に落ち着きを取り戻していくと考えられます。 (注1)直近値は2024年8月22日。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。(出所)日本経済新聞社、各種資料より野村證券投資情報部作成 米国株今夏の調整どう見る?長期上昇トレンド継続へ 日経平均株価は、急落後に一転急反発となりました。ブラックマンデー時やコロナショック時は高値から約2.5~4ヶ月で半値戻しとなりましたが、今回は1ヶ月強で達成しました。 今回の急落は円キャリー取引の巻き戻しといった需給上の要因が大きかったとみられ、それらが一巡したと考えられることに加えて、米国で景気悪化懸念が後退して株価が堅調な推移となっていることも、戻りが早かった要因の一つとして考えられます。ここでは日本株の急反発を導いた米国株の動き、特にナスダック総合指数に注目します。 ナスダック総合指数は、今年7月高値(18,647pt)から8月安値(16,195pt)まで調整し、下落率は13.1%となりました(図3)。ただ、この調整は長期上昇トレンド内の一時的なものと捉えられます。 まず、これまでの長期上昇局面(20/3~21/11及び22/12~)では、一時的な調整が6度(今回を除く)ありましたが、その際の下落率は7.1~12.3%であり、今回はレンジをやや上回りましたが同等の規模に留まっています。 また、今回は26週移動平均線を一時割り込んだものの、早期奪回に成功しました。これも過去の一時的調整時に何度かみられた動きです。調整時に26・52週線が共に上向きを維持していることも考慮すれば、今回の調整は長期上昇トレンドが続く中での一時的な調整だと考えられます。 8月21日時点で、今年7月につけた史上最高値のある18,000pt台に接近しています。2022年12月にスタートした長期トレンド自体(上昇率:83%)も前回の長期トレンド(上昇率:134%)と比較すれば、さらなる上昇の余地があると考えられ、今後の動向が注目されます。 (注1)直近値は2024年8月21日。 (注2)日柄は両端を含む。(注3)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。(出所)ナスダックより野村證券投資情報部作成 ※筆者の都合により、次回の【今週のチャート分析】は9月6日(金)の配信を予定しています。 (野村證券投資情報部 岩本 竜太郎) 【FINTOS!編集部発行】野村オリジナル記事配信スケジュールはこちら ご投資にあたっての注意点
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08/23 08:35
【野村の朝解説】パウエル議長講演控え、米国株は下落(8/23)
(注)画像はイメージです。 海外市場の振り返り 前日米国で朝方発表された週間新規失業保険申請件数は23.2万件と市場予想とほぼ一致し、継続受給者数は186.3万件と市場予想を下回りました。雇用市場の安定を受け、米株主要3指数は揃って小幅に上昇して取引を開始しました。寄り付き後発表された8月S&Pグローバル製造業PMI速報値は48.0と市場予想を下回りましたが、同サービスPMIは55.2と市場予想を上回りました。また、7月中古住宅販売件数は395万戸と市場予想をわずかに上回りました。米国景気の減速は緩やかと受け止めた市場では過度な景気懸念が和らぎ、10年物国債の利回りは前日比+0.05%の3.85%と上昇しました。長期金利の上昇がハイテク株の重石となりナスダック総合は前日比ー1.67%となり、米株主要3指数は揃って下落しました。 相場の注目点 前日まで3営業日連続して東証プライム市場の売買代金は4兆円を割り込みました。薄商いの中、米国株式市場でのハイテク株安が本日の日経平均株価の重石となり下落しての取引開始となりそうです。また、衆参両院の閉会中審査に日銀の植田和男総裁が出席する予定となっており、発言次第では為替市場での波乱が警戒されています。 本日のイベント 本日、米国では経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」でパウエルFRB(米連邦準備理事会)議長の講演が予定されています。9月のFOMC(米連邦公開市場委員会)における利下げ幅においては0.25%が有力視されていますが、0.50%の観測も燻っています。パウエル議長の発言内容に対する金融市場の反応が注視されています。 (投資情報部 神谷 和男) (注)データは日本時間2024年8月23日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。 野村オリジナル記事の配信スケジュール ご投資にあたっての注意点
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08/22 15:57
【野村の夕解説】様子見ムード強まる中、日経平均株価259円高(8/22)
(注)画像はイメージです。 本日の動き 本日の日経平均株価は前日比81円高の38,033円で始まりました。前日の米国株式市場で、小売大手のターゲットやディスカウント衣料品を手掛けるTJXが堅調な米国の消費を背景に好決算を発表し、大幅高となりました。東京株式市場でもこの流れを受け、衣料品小売りユニクロを傘下に有するファーストリテイリングが上昇し、日経平均株価を押し上げました。寄り付き後、一時前日比456円高の38,408円まで上げ幅を広げましたが、1米ドル=145円から50銭ほど円安に振れていた米ドル円レートが円高に流れを変えると勢いを失い、上げ幅を縮小していきました。その後は特段の材料は見当たらず、午後に入ると明日衆参両院に出席が予定される植田日銀総裁やジャクソンホール会議で講演予定を控えるパウエルFRB議長の発言を見極めたいと様子見ムードが強まりました。大引けでは259円高の38,211円と、反発して本日の取引を終えました。個別銘柄ではファーストリテイリングが前日比+2.50%となり、1銘柄で日経平均株価を約108円押し上げました。 本日の市場動向 ランキング 本日のチャート (注)データは15時15分頃。ドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。(出所)Quickより野村證券投資情報部作成 今後の注目点 本日は8月の主要国・地域のPMI速報値が発表されます。米国を中心に景気減速への懸念が高まっている中、先行指標として注目が集まります。その他米国では、週間新規失業保険申請件数が発表されます。 (野村證券投資情報部 神谷 和男) ご投資にあたっての注意点
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08/22 08:57
【野村の朝解説】米国株反発 米金利低下が下支え(8/22)
(注)画像はイメージです。 海外市場の振り返り 21日の米国株式市場で、NYダウ、S&P500指数、ナスダック総合指数の主要3指数は揃って反発しました。米国小売大手の好調な決算に加え、雇用統計の年次改定で過去の雇用者数が大幅に下方修正されたことやFOMC議事要旨の内容を受け、米国金利が低下したことが下支えとなりました。一方、米国景気減速に対する懸念が依然として高く、ジャクソンホール会議でのパウエルFRB議長の講演を控え、積極的に上値を追う動きはみられませんでした。 相場の注目点 本日から米国では経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」が開催されます。市場が注目するパウエルFRB議長の講演は日本時間23日午後11時に予定されています。金利スワップ市場では現在、9月の利下げ開始および年内1%ポイントの利下げが織り込まれています。パウエルFRB議長講演において、どの程度明確に利下げ開始への地均しが行われるか、また足元の米国景気に対してどのような見解が示されるか、注目されます。 本日のイベント 本日は8月の主要国・地域のPMI速報値が発表されます。米国を中心に景気減速への懸念が高まっている中、先行指標として注目が集まります。その他米国では、週間新規失業保険申請件数が発表されます。21日の米国市場では雇用統計の年次改定にともない、過去の統計値が材料視されるなど、雇用に関連する統計への注目度が高まっています。一連の米国経済指標が、年内複数回の利下げを正当化するものとなるか注目です。 (投資情報部 大坂 隼矢) (注)データは日本時間2024年8月22日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。 野村オリジナル記事の配信スケジュール ご投資にあたっての注意点