【野村の朝解説】利下げ観測が意識され、米国株は4日続伸(11/27)
(注)画像はイメージです。
海外市場の振り返り
26日の米国株式市場で、主要3指数は揃って4日続伸しました。この日に発表された11月米シカゴ購買部協会PMIは市場予想を下回ったほか、失業保険の継続受給者数は高止まりしました。午後に公表された地区連銀経済報告(ベージュブック)では、経済活動は前回から「ほぼ変化しなかった」と総括されました。しかし、複数の地区が個人消費は高所得層を除いてさらに減少したと指摘し、またほぼ半数の地区が労働需要の鈍化を指摘しました。景気減速を示す経済指標が続く中、12月FOMCでの追加利下げ観測が強まっており、株価が下支えされる展開となりました。
相場の注目点
前週末以降、FRB高官から12月FOMCでの利下げを支持する発言が続いたことや、勢いを欠く経済指標の発表などを受け、FRBによる利下げ観測が再び強まっています。日米株式市場は利下げ観測の強まりを好感し、割高感が指摘されていたハイテク株などにも反発の動きが見られています。しかし、為替市場では米ドル円相場が1米ドル=156円台で推移するなど、円高進行の動きは限られています。その要因として、高市政権の積極財政を理由とした財政悪化リスクに加え、12月18-19日に開催される日銀の金融政策決定会合での利上げ観測が十分に強まっていないことなどが挙げられます。日銀の増審議委員は先週、利上げ判断について、「何月かは言えないが距離感としては近いところにいる」と述べ、12月会合での利上げの可能性に含みを残しています。本日は野口審議委員が大分県金融経済懇談会で挨拶する予定です。野口氏の発言次第では、12月会合での利上げ観測が強まり、それが円高圧力を強める要因となる可能性もあると考えられます。
本日、感謝祭(サンクスギビング・デー)のため、米国市場は休場です。
(野村證券 投資情報部 岡本 佳佑)
注)データは日本時間2025年11月27日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、中心限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。
ご投資にあたっての注意点