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12:00
【今週のチャート分析】日本株は関税懸念で上値重いも、一部の新興国株は上昇
※画像はイメージです。 ※2025年7月10日(木)引け後の情報に基づき作成しています。 日経平均株価、関税懸念で上値重い、25日線が下値サポートなるか 今週の日経平均株価は、円安進行が下支えとなったものの、トランプ政権の関税政策に対する懸念から上値の重い展開でした。 これまでの動きをチャート(図1)で見ると、6月下旬に5月以降の中段保ち合いを上放れして、年初来高値を更新しました。ただ、6月30日高値(ザラバベース:40,852円)形成後は日米関税交渉に対する市場の警戒感の高まりから押しを入れ、再び4万円を割り込みました。中段保ち合い時に下値サポートとなった上向きの25日移動平均線(7月10日:39,019円)が下支えとなるか注目されます。 (注1)直近値は2025年7月10日時点。(注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成 一方で、週足チャート上(図2)では6月下旬の大幅上昇で、52週線(7月10日:38,036円)と昨年7月高値以降の下降トレンドライン(6月中旬:38,300円前後)をいずれも明確に上抜けており、中長期上昇トレンド入りの可能性が高まっています。目先の調整が一巡して上昇に転じれば、再び4万円台を回復し、年初来高値(6月30日:40,852円)を更新する動きが期待されます。 (注1)直近値は2025年7月10日時点。(注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成 約3年半ぶり高値をつけた新興国株、上昇余地あり 新興国株は上昇傾向が続いています。2025年に入ってからは、トランプ政権の関税政策などを背景に、米国外へ資金が移動する動きが見られ、その一部が新興国株に流入しているとみられます。まずは、MSCIエマージング・マーケット指数の月足チャートを確認しましょう(図3)。 (注1)直近値は2025年7月8日時点。(注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。(注3)ドル建てのMSCIエマージング・マーケット指数を使用している。(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成 この指数は2008年以降、大きく上下しながらも長期的には上昇トレンドを維持しています。2022年10月には、長期上昇トレンドの下限付近で底を打ち、その後は上昇傾向に転じました。今年6月には、2024年10月の高値を上抜け、約3年半ぶりの高値を記録しています。今後は、2021年2月の高値(1,444pt)や長期上昇トレンドの上限(1,600pt前後)を目指す展開が予想されます。 新興国株を代表する中国株やインド株も今春以降に上昇基調となりました。中国では、今年5月に金融緩和策や内需刺激策が相次いで発表され、株価を押し上げています。上海総合指数は今年7月に昨年10月の高値を突破し、約3年半ぶりの高値を付けました(図4)。この先、21年9月高値(3,715pt)や、24年10月高値から25年4月安値にかけての下落幅の倍返し水準(3,882pt)が次の上値メドとして挙げられます。 (注1)直近値は2025年7月8日。(注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成 (野村證券投資情報部 岩本 竜太郎) ご投資にあたっての注意点
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08:15
【野村の朝解説】ナスダック総合指数が連日で最高値を更新(7/11)
(注)画像はイメージです。 海外市場の振り返り 10日の米国株式市場で主要3指数は揃って上昇し、S&P500指数とナスダック総合指数は過去最高値を更新しました。トランプ政権の関税政策に対する警戒は解けていませんが、7月5日までの1週間の新規失業保険申請件数が市場予想を下回り、雇用情勢の底堅さが示されたことで市場に安心感が広がりました。また、旅行需要の回復を背景にデルタ航空が市場予想を上回る2025年12月通期の業績見通しを示したことも好材料視されました。 相場の注目点 来週、国内では5月機械受注(14日)や、6月貿易統計(17日)、6月全国消費者物価指数(18日)などの経済指標が発表されます。米国では、FRB高官や関係者が金融政策に関する公式発言を自粛する「ブラックアウト期間(19~31日)」に入るのを前に、複数の高官が講演を行う予定です。利下げのタイミング等に関する発言が注目されます。 そして、来週からいよいよ米国企業の25年4-6月期決算発表シーズンが本格化します。LSEGが集計したS&P500指数採用企業のEPS(1株当たり利益)増益率は前年同期比+3.7%と予想されています(7月3日時点)。前四半期(同+11.5%)から大きく減速すると予想されていますが、トランプ関税の影響などを考慮し、アナリストが慎重な見通しを示しているためです。春先以降、米国株のけん引役となってきた情報技術やコミュニケーション・サービスといったハイテクセクターが好業績を維持できるかがポイントになると考えています。 本日、東京市場は株価指数オプション(7月物)の特別清算指数(SQ)の算出日です。また、良品計画などが25年3-5月期決算を発表する予定です。 (野村證券 投資情報部 岡本佳佑) (注)データは日本時間2025年7月11日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。 ご投資にあたっての注意点
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昨日 16:36
【野村の夕解説】日経平均株価は3営業日ぶりに反落 174円安(07/10)
(注)画像はイメージです。 本日の動き 9日の米国10年国債利回りは低下(価格は上昇)し、外国為替市場では10日の朝9時ごろ1米ドル=146.05円前後と、9日15:30時点の146.99円前後から円高へ進行しました。また10日未明には、トランプ大統領が自身のSNSで、ブラジルからの輸入品に対して50%の関税を賦課すると発言しました。円高進行に加え、米国の関税政策への警戒感が高まり、本日の日経平均株価は前日比25円安の39,795円で始まり、1日を通し軟調な推移が続きました。また日経平均株価の上昇をけん引してきた半導体関連株に利益確定の動きが広がったことも相場の重石となりました。取引時間中に特段の材料もなく、大引けは前日比174円安の39,646円と3営業日ぶりの反落となり取引を終えました。 本日の市場動向 ランキング 本日のチャート (注)データは15時45分頃。米ドル/円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。米ドル/円は11:30~12:30の間は表示していない。(出所)Quickより野村證券投資情報部作成 今後の注目点 トランプ大統領は8日の閣議の中で、EUに新たな関税率を通知するための書簡を送るのは10日になると発言しています。米国の主要な貿易相手の1つであるEUに対する関税率の公表が注目されます。その他、米国では、セントルイス連銀のムサレム総裁、サンフランシスコ連銀のデイリー総裁がそれぞれ講演を行います。市場でFRBの利下げ再開への期待が高まる中で経済や金融政策の見通しが注目されます。 (野村證券投資情報部 清水 奎花) ご投資にあたっての注意点
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昨日 08:30
【野村の朝解説】ナスダック総合指数が過去最高値を更新(7/10)
(注)画像はイメージです。 海外市場の振り返り 9日の米国株式市場で主要3指数は揃って上昇し、ナスダック総合指数は過去最高値を更新しました。米財務省が実施した10年国債入札が需要の強さを示す結果となり、金利が低下したほか、エヌビディアの時価総額が世界の上場企業として初めて一時4兆ドルを突破したことなどが好感されました。一方、トランプ政権は新たにフィリピンなど8ヶ国に対して関税率を通知しました。また、6月FOMC議事要旨では、利下げタイミングについてメンバー間で意見の相違があることが示されました。貿易政策及び金融政策の先行きは予測が難しいものの、米国株は上昇が続いており、投資家マインドは堅調のようです。 相場の注目点 トランプ政権が日本に対して8月1日から25%の関税を課すと通告しました。東京市場では交渉期限が7月9日から延期されたことを安堵する声が聞かれていますが、少なくとも7月中は先行き不透明感の強い状況が続くため、予断を許しません。これに加えて、20日に控える参院選がかく乱要因となる恐れがあります。日本政府は選挙終了まで米国側と本格的な交渉を行うことが難しく、さらに選挙で与党が敗北し政権の枠組みが変化した場合は、交渉に関わる閣僚の交代なども想定され、期限までの合意に至らないリスクが高まります。また、7月下旬から本格化する25年4-6月期決算において、関税を巡る不透明感が業績に悪影響を及ぼす懸念が強まれば、日本株が下押しされる可能性もあるとみています。 本日、日本では6月企業物価指数、6月東京都心オフィスビル空室率が発表されるほか、日銀支店長会議が開催されます。また、セブン&アイ・HD、ファーストリテイリングなどが2025年3-5月期決算を発表します。一方、米国ではセントルイス連銀のムサレム総裁、サンフランシスコ連銀のデイリー総裁が講演を行う予定です。 (野村證券 投資情報部 岡本佳佑) (注)データは日本時間2025年7月10日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。 ご投資にあたっての注意点
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07/09 16:32
【野村の夕解説】日経平均株価132円高 関税懸念で4万円届かず(7/9)
(注)画像はイメージです。 本日の動き 9日の日経平均株価は、米国半導体株高を受けて値がさの半導体関連株式の上昇が寄り付きを牽引しました。寄り付き直後に本日の高値を付けた後は、米国の関税政策への懸念、具体的にはトランプ大統領が銅や銅関連製品への50%、医薬品に関して200%の追加関税を表明するなどが重石となり、日経平均株価はその後上げ幅を縮め、一時前日比115円安まで下落する局面がありました。その後、中国の6月消費者物価指数が発表され、前年比0.1%上昇と5ヶ月ぶりの上昇へ転換したことが好感され、日経平均株価は再び持ち直す動きが見られました。また、外国為替市場において、1ドル=147円台まで進んだ円安を背景に、自動車など一部輸出関連や原油価格上昇からエネルギー関連の株価が堅調に推移し、相場全体を下支えしました。終盤においては、15時に発表された6月工作機械受注の速報で前年同月比0.5%減と9ヶ月ぶりにマイナスへ転じたことに加え、追加の材料もなく参議院選挙や企業決算発表を控えているため、様子見姿勢が広がり、日経平均株価は前日比132円高の39,821円で引けました。 本日の市場動向 ランキング 本日のチャート (注)データは15時45分頃。米ドル/円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。米ドル/円は11:30~12:30の間は表示していない。(出所)Quickより野村證券投資情報部作成 今後の注目点 明日の日本では、寄り付き前に6月国内企業物価指数の発表と、9時から日銀支店長会議が行われます。トランプ関税による影響を、企業がどのように評価し対処しているのかに注目です。 (野村證券投資情報部 笠原 光) ご投資にあたっての注意点
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07/09 08:25
【野村の朝解説】トランプ関税への警戒続き、NYダウは続落 (7/9)
(注)画像はイメージです。 海外市場の振り返り 7月9日の米国株式市場では、NYダウ及びS&P500が続落しました。トランプ大統領が前日発表した関税政策に対する懸念が続く中、午前中のS&P500は概ね前日終値前後の水準で揉み合う展開となりました。しかし、午後1時頃にトランプ大統領が、「銅輸入に50%、医薬品輸入には猶予付きで200%の関税賦課を行う」と述べたことから、関税を巡る不透明感が再び強まり、売り優勢の展開となりました。債券市場では関税政策がインフレの加速につながるとの思惑から米国10年国債利回りが4.40%まで上昇しました。外国為替市場では、円安ドル高が進展し、1米ドル=146円台後半で推移しています。 相場の注目点 トランプ政権は7日、相互関税の交渉期限を従来の7月9日から8月1日に延期すると同時に、日本を含む貿易相手国に対して8月1日から適用される関税率の通知を始めました。8月1日から日本の相互関税は25%に引き上げられる可能性が浮上しています。また、品目別の関税率も拡大する方針のため、その影響にも注意が必要です。交渉の余地はありますが、日本側も参院選前に自動車や農業などの分野で踏み込んだ譲歩を示すことが難しいため、しばらくは関税を巡る不透明感が日本株の上値を抑える可能性があります。仮に日本に対する相互関税の税率が全品目25%となった場合は、TOPIXのEPSが追加的に1.0-2.5%前後押し下げられると野村では予想します。特に対米輸出比率の高い建機、半導体製造装置、重電、医療機器等への影響が懸念されます。また、関税率の引き上げは、米国のインフレと景気後退が同時進行するスタグフレーションリスクを高め、米国株を中心にグローバルに株価の重石になると考えられます。 (野村證券 投資情報部 坪川 一浩) (注)データは日本時間2025年7月9日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。 ご投資にあたっての注意点
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07/08 16:27
【野村の夕解説】関税率25%は想定内と受け止め 日経平均株価は反発(7/8)
(注)画像はイメージです。 本日の動き 8日の日経平均株価は、トランプ大統領が日本に対して8月1日から25%の関税をかけると通告したものの、概ね想定内との判断から安心感が広がり堅調な値動きとなりました。直近のトランプ大統領は、日本に対する通商交渉を巡って強硬姿勢を取っていましたが、公表された関税率が4月2日に発表された24%から大きな変更がなかったことで、日経平均株価は小幅に下落して寄り付いた後、すぐ上昇に転じました。上昇一巡後は、一時前日比マイナス圏となる場面もみられましたが、外国為替市場で1米ドル=146円台と昨日の15:30時点の1米ドル=145.10円から円安に推移したことも追い風となり、自動車や精密機械などの輸出関連株が日経平均株価の上昇に寄与しました。ただ、関税政策による世界景気や企業業績の押し下げ警戒感も根強く、上値を追う動きは限定的でした。後場は、前日比プラス圏内での小幅な値動きとなり、大引けは前日比101円高の39,688円となりました。業種別では非鉄金属が上昇率のトップとなり、個別銘柄では、古河電気工業が前日比6.53%高、住友電気工業が同7.96%高、フジクラが同5.46%高となりました。 本日の市場動向 ランキング 本日のチャート (注)データは15時45分頃。米ドル/円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。米ドル/円は11:30~12:30の間は表示していない。(出所)Quickより野村證券投資情報部作成 今後の注目点 トランプ政権は、7日の関税通告に加え、今後いくつかの通商を巡る発表を行う予定です。公表された内容について、各国が米国に対してどのような反応を示すのかに注目が集まります。 (野村證券投資情報部 松田 知紗) ご投資にあたっての注意点
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07/08 09:30
【週間ランキング】日本株の値上がり/値下がり銘柄は?(7月第1週)
※画像はイメージです。 日本主要銘柄・株価騰落率ランキング(上位) 2025年7月第1週(6月第5週)(2025年6月27日~7月4日) 2025年6月月間(2025年5月30日~6月30日) 2025年年間(2024年12月31日~2025年7月4日) (注)対象はTOPIX500、直近値は2025年7月4日。(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成 日本主要銘柄・株価騰落率ランキング(下位) 2025年7月第1週(6月第5週)(2025年6月27日~7月4日) 2025年6月月間(2025年5月30日~6月30日) 2025年年間(2024年12月31日~2025年7月4日) (注)対象はTOPIX500、直近値は2025年7月4日。(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成 <参考>今週の日本株式市場パフォーマンス 主要指数 TOPIX: 東証33業種 (注)業種分類は東証33業種ベース。直近値は2025年7月4日時点。(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成 ご投資にあたっての注意点
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07/08 08:26
【野村の朝解説】関税政策を巡る懸念で米国株は反落(7/8)
(注)画像はイメージです。 海外市場の振り返り 連休明け7日の米国株式市場で主要3指数は揃って反落しました。トランプ大統領はこの日、貿易相手国への新たな関税率を通知すると表明していたことから、米国の関税政策を巡る不透明感が投資家心理の重石となりました。正午過ぎから具体的な書簡の送付相手国や関税率が明らかになると、一段安の展開となりました。日本に対する関税率は25%(4月2日公表の相互関税は24%)とされました。米ドルは対円や対韓国ウォンなど、関税引き上げ対象国の通貨を中心に上昇しました。 相場の注目点 米国の関税政策を巡る不確実性が続いています。相互関税上乗せ部分の一時停止措置に関する猶予期限が7月9日に迫る中、トランプ大統領は7月7日に貿易相手国に対して新たな関税率の通知を開始しました。日本や韓国をはじめ、14ヶ国に書簡を送付したほか、その他の交渉相手国・地域に対しても7月9日までに同様の書簡を送る意向を示しています。全体的には4月2日公表の相互関税と同率ないしは小幅低下となった国が多いものの、相互関税の基本部分である10%に収斂するという一部の見方と比較すると、トランプ大統領が再び強硬姿勢を強めていることが伺えます。一方で、新たな関税率の適用が8月1日に延期されたことで、実施日を遅らせることでその間に交渉進展を促すといった、常套手段であるとの見方もあります。目先は警戒感から神経質な相場展開が続くことが予想されますが、今後関税交渉の先を見据えた動きが広がれば、自動車や機械、鉄鋼株など、関税の影響から売られた銘柄を中心に、買い戻しの動きが強まる可能性もありそうです。 本日、日本では6月景気ウォッチャー調査が発表されます。減速しているインバウンド関連の判断に注目が集まります。 (野村證券 投資情報部 引網 喬子) (注)データは日本時間2025年7月8日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。 ご投資にあたっての注意点