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【今週のチャート分析】日経平均株価4月安値形成後に反発、25日線を上放れるか注目

※画像はイメージです。 ※2024年5月9日(木)引け後の情報に基づき作成しています。 心理的フシの4万円の水準へ向けて戻りを試す動きとなるか 前週以降の株式市場は、決算発表を材料に個別物色が活発となり、日経平均株価は一進一退で方向感を欠く展開でした。為替市場では当局による為替介入とみられる動きもあり、ボラティリティが高くなっています。 チャート面からこれまでの動きを振り返ってみましょう(図1)。日経平均株価は、4月19日安値(36,733円)形成後に反発となり、75日移動平均線(9日:38,417円)を挟んで振れ幅の大きな動きが続いています。GW明けの7日には約1ヶ月ぶりに25日移動平均線(同:38,623円)を終値で回復しましたが、その後は再び大幅反落となりました。 ただ、各種テクニカル指標面に過熱感はなく、この先、再び25・75日線を奪回・上放れとなれば、4月12日戻り高値(39,774円)や、心理的フシの4万円の水準へ向けて戻りを試す動きとなると考えられます。 一方、戻りが鈍く75日線を下放れて調整が続く場合は、4月19日安値(36,733円)に向けて再度下値を固めにいく展開が想定されます。 ※(アプリでご覧の方)2本の指で画面に触れながら広げていくと、画面が拡大表示されます。 (注1)直近値は2024年5月9日時点。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成 次に中長期的な動きを確認してみましょう。今年4月安値にかけての調整は、長期上昇トレンド内の一時的な調整である可能性が高いと考えられます。前回の一時的な調整局面に当たる23年7月高値から10月安値にかけての下落率は9.6%(終値ベース)でしたが、今回の下落率は4月19日安値時点で9.3%(同)に達しており、値幅調整は概ね十分と言えます。一方、下落期間(日柄)の面では調整不足は否めません。この先しばらく戻りを抑えられる場面がありそうですが、先行きは再び史上最高値を視野に入れる上昇になると考えられます(図2)。 (注1)直近値は2024年5月9日。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。(出所)日本経済新聞社データより野村證券投資情報部作成 ドル円相場は乱高下 ドルは対円で、日本の祝日である4月29日に一時160円台まで上昇したものの、その後直後と5月2日早朝に為替介入とみられる動きがあり、大幅な円高ドル安となりました。為替介入の可能性に加え、米国の利下げ時期や日銀の利上げ時期を巡り、この先も神経質な展開が続く可能性が考えられます。尚、こちらの記事で使用している日銀公表値のドル円レートは、日本の営業日ベースで作成しており、5月1日につけた157.99円がピークとなりました(図3)。 (注1)直近値は2024年5月8日時点。数値は日銀公表値で東京市場、取引時間中ベース。 (注2)トレンドラインには主観が含まれておりますのでご留意ください。(出所)日本銀行より野村證券投資情報部作成 中長期的なトレンドについて、長期月足チャート(日銀公表値ベース)から考えてみましょう(図4)。ドルは対円で、1975年以降は8年前後(83ヶ月~107ヶ月)の周期で主な高値を形成してきました。今年5月高値時点で、前回のサイクル高値(2015年6月)から約9年(108ヶ月)となり、過去5回のサイクルの中で最長の期間となりました。今年5月高値や、この先の高値がサイクル高値となる可能性に注意が必要です。 (注1)直近値は2024年5月8日時点。数値は日銀公表値で東京市場、取引時間中ベース。 (注2)日柄は両端含み。(注3)トレンドラインには主観が含まれておりますのでご留意ください。(出所)日本銀行より野村證券投資情報部作成 東証REIT指数に変化の兆し 東証REIT指数のチャートについても注目です。東証REIT指数は、今年3月13日安値(1,667pt)形成後に反発しました(図5)。3月19日の日銀によるマイナス金利解除を無難に乗り越え、今年5月に2021年7月高値(2,186pt)から約3年続く下降トレンドライン上まで上昇しました(5月7日終値:1,834pt)。この先、下降トレンドライン(1,830pt前後)を明確に上放れとなれば、年単位の新たな中長期上昇トレンドへ移行する可能性が高まったと捉えられます。 (注1)直近値は2024年5月7日。天底の数値は日次終値ベース。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。(出所)JPX総研より野村證券投資情報部作成 (野村證券投資情報部 岩本 竜太郎) 【FINTOS!編集部発行】野村オリジナル記事配信スケジュールはこちら ご投資にあたっての注意点

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