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2024/07/27 19:00
【来週の米国株】一時1ドル=151円台、先行きはFOMC&日銀会合に訊け(7/27)
※執筆時点 日本時間26日(金)12:00 今週:ハイテク決算は「欠点凝視」で下落 ※7月19日(金)-7月26日(木)4営業日の騰落 政治・金融政策への不透明感増し株安・ドル安 前週末21日(日)にバイデン大統領が次期大統領選からの撤退を発表しました。後任の候補としてハリス副大統領が確実視されています。各種調査では依然トランプ氏が優勢ですが、銃撃事件直後からはやや支持率が低下していると見られ、今週米国株が大きく下落した一因に大統領選の先行きに不透明感が増したことがあったとみられます。 また、30日(火)-31日(水)にFOMC(米連邦公開市場委員会)と日銀政策決定会合が控える中、金融政策への不透明感が増していることも下落の背景にあるとみられます。日銀の利上げ観測もくすぶる中、為替市場は円高方向に大きく揺り戻し、一時1ドル=151円台まで円高ドル安が進行しました。 決算後、主要企業の株価は下落 19日(金)には、クラウドストライク・ホールディングのシステムアップデートの不具合によりマイクロソフト社の製品などが一時使用不可となる障害が発生しました。これを受けて情報技術セクターが下落する場面もありましたが、市場全体への影響は限定的とみられます。 より市場の注目度が高かったのは、本格化する4-6月期決算発表です。マグニフィセント7と称される銘柄の中ではテスラとアルファベットが決算を発表し、いずれも発表後に株価は下落しました。テスラでは市場予想を下回った1株当たり利益(EPS)、アルファベットではyoutube広告の不調などネガティブな点に市場は反応したとみられます。ただし冷静に業績を見れば良い点も多く、例えばアルファベットでは、グーグルのクラウド事業売上高は前年同期比で高い伸びとなり、市場予想も上回りました。短期的には利益確定売りが下落要因になっている側面もあり、中長期では決算内容を見極めて投資を考える局面と考えます。 テスラ決算概要 アルファベット決算概要 来週①:1ドル=150-155円レンジを予想 日本の米国株投資家にとっては、為替が気になる局面です。足元は、株式市場の急落が市場心理を悪化したことによる、リスク回避的な動きから円高・ドル安が進んでいると考えられます。為替にとっても、目先の焦点は世界的な株安が一巡し、市場心理が安定するかどうかです。 31日(水)日銀金融政策決定会合では国債購入ペースの減額計画に加え、追加利上げの必要性も議論される見込みです。これまでの観測報道を見ると、追加利上げ実施への機運は高まっている様子ですが、家計消費の弱さへの警戒もあると想定されます。7月に利上げが見送られた場合でも、1-2名の政策委員が利上げを支持して反対票を投じるなど、9月会合に向けた利上げ期待を維持するコミュニケーションが見られそうです。仮に利上げが決定されれば、短期的に150円を目指す円高が意識されると想定されます。31日(水)のFOMCは政策変更なしとみられ、今後の政策金利見通しが発表される会合でもないため、日銀政策決定に比べると影響は限定的と想定されますが、声明文やパウエルFRB議長の会見から、9月以降の金融政策について示唆が得られないか、確認したいと思います。 野村證券では、2024年末に1ドル=148円、2025年末に1ドル=140円と円高傾向を予想しています。 来週②:月初の主要経済指標も重要 足元ではインフレ鈍化継続と景気のソフトランディングがコンセンサスになっている中で、1日(木)ISM製造業景気指数や2日(金)雇用統計などの主要指標で景気失速やインフレ再燃の兆候が見られた場合は、株安のきっかけになり得ます。 来週③:ハイテク大手3社決算に注目 短期的にはマクロ要因が株価や為替を動かしやすい局面ですが、中長期の投資を考えるうえではピークを迎える4-6月期決算発表に注目が集まります。30日(火)にマイクロソフト、1日(木)にアップル、アマゾン・ドットコムが発表を予定しています。各社の業績に対する市場の期待は高まっており、市場期待を上回る業績改善のハードルは相当高いと言わざるを得ません。このため、仮に決算発表後に株価が下落するようなことがあっても、内容を見極め冷静に投資判断をしていく局面と考えます。 以下に前回決算の振り返りを掲載いたします。ご参考にしてください。 マイクロソフト前回決算概要 マイクロソフト の前回(1-3月期)の実績は、AI需要がけん引し各セグメントの売上高で市場予想を上回る堅調な内容でした。ただし、4-6月期の売上高見通しではクラウド以外の2部門で市場予想を下回りました。ビジネス需要やハードウェア需要を慎重に見ていたことが分かります。足元でハードウェアも緩やかながら復調傾向にあり、市場予想を上回れることができるかに注目が集まります。 アップル前回決算概要 アップルの前回(1-3月期)決算では、iPhoneが大幅減収となった一方、サービス部門の売上高は好調でした。PCやスマートフォン市場全体を見ると、力強さに欠けるものの緩やかな回復局面が継続しています。野村證券では、今後PCの買い替えサイクル入りやAI機能搭載等の需要押上げ効果が期待されると予想しており、当社についてもiPhone部門で市場予想を上回ることができるかが注目されます。 アマゾン・ドットコム前回決算概要 アマゾン・ドットコムの前回(1-3月期)決算は、北米小売・AWS(アマゾン・ウェブ・サービス)の主要2部門で市場予想を上回りました。 小売事業ではブランド衣料品や抗肥満薬などの医薬品といった品揃えの拡大やコスト削減が奏功しました。米景気の失速懸念はありますが、7月に行われたアマゾン・プライムデーでは前年を超える売上高があったと発表され、消費の選別投資先として当社が選ばれている可能性もあります。また、AWSはクラウド事業の売上高で世界一であり、今週発表のあったアルファベットのグーグル・クラウド(世界3位、2位はマイクロソフトのAzure)同様、市場予想を上回ることができるかが注目されます。 (編集:野村證券投資情報部 小野崎 通昭) ご投資にあたっての注意点 要約編集元アナリストレポートについて 野村オリジナル記事の配信スケジュール
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2024/07/27 06:30
【特集】パリ五輪開幕!メダル獲得数が増えると株価も上昇する?
(注)画像はイメージ。 7月26日に「パリ2024オリンピック」が開幕し、8月11日まで開催される予定です。そこで今回、過去の五輪開催前後2週間ずつの日経平均株価のパフォーマンスを検証しました。 その結果、2つの傾向が見られました。 1点目は、大会開幕に向けては相場が軟調に推移することが多い点です。2つのチャートを見ると、いずれも中央に引かれた点線の開会式前日にかけて、株価が下落した年が多い様子がわかります。 2点目は、メダルの数によって、開催中の株価の推移の仕方に特徴がみられたことです。 1984年に開催されたロサンゼルスオリンピックから、2021年に開催された東京オリンピックまでの10回の大会を、日本が獲得した金・銀・銅メダルの獲得総数とともに検証したところ、獲得メダル数が30個以上だったのが5大会、30個未満だったのも同じく5大会ありました。 そこでメダルの数が30個以上と30個未満だった2つのケースに分けて分析しました。その結果、メダルを30個以上獲得した大会では、下図の通り、約2週間にわたる開催期間中、日経平均株価は堅調な推移をする傾向が見られました。 ※(アプリでご覧の方)2本の指で画面に触れながら広げていくと、画面が拡大表示されます。 (注1)1984年以降の夏季大会を対象。獲得メダル数とは、日本が獲得した金、銀、銅メダルの総数。(注2)株価は日次ベース。五輪開会式の前営業日を起点日として、前後15営業日分の推移を掲載。(出所)日本経済新聞社データ、各種資料より野村證券投資情報部作成 一方、メダル獲得数が30個に届かなかった大会では、下図の通り、期間中の日経平均株価は上値の重い展開が続いた様子がわかります。 (注1)1984年以降の夏季大会を対象。獲得メダル数とは、日本が獲得した金、銀、銅メダルの総数。(注2)株価は日次ベース。五輪開会式の前営業日を起点日として、前後15営業日分の推移を掲載。(出所)日本経済新聞社データ、各種資料より野村證券投資情報部作成 夏場の株式市場は、過去の経験則に基づくと元々軟調な地合いになりやすい傾向にありますが、オリンピックの盛り上がり具合によってはこの先日本株の買い場が訪れるかもしれません。 (野村證券投資情報部 丹羽 紘子) ご投資にあたっての注意点
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2024/07/27 06:00
【来週の予定】7月日銀会合とFOMC開催、サプライズはあるか?
来週の注目点:日米金融政策会合と米中の重要統計 7月30日(火)~31日(水)には日本、米国で金融政策会合が開催されます。米国の金融政策は据え置きが予想されています。市場では次回9月FOMC(米連邦公開市場委員会)での利下げ期待が高まっていることから、利下げ開始時期やその後の利下げペースに関して、パウエルFRB(米連邦準備理事会)議長から何らかのヒントが得られるかが注目点です。 日本銀行の金融政策決定会合では、展望レポートに加えて、国債買い入れ減額に関する具体的な計画が発表されます。事前に開催された「債券市場参加者会合」では減額幅や減額ペースについて参加者間の見解の相違が目立ちました。このため、日銀は予見可能性と柔軟性の両立という難しい選択を迫られそうです。同会合では円安懸念を背景に利上げ観測も根強く、日銀の判断が注目されます。 注目度の高い経済指標として米国では、7月31日(水)の4-6月期の雇用コスト指数、7月ADP全米雇用レポート、8月1日(木)の7月ISM製造業景気指数、2日(金)の7月雇用統計が挙げられます。 欧州では30日(火)にユーロ圏、ドイツの4-6月期実質GDP速報値が発表されます。今回は速報値のため需要項目は発表されませんが、ユーロ圏景気の回復ペースを確認する上で、市場の注目度は高いと見られます。 中国では31日(水)に7月政府版PMI、8月1日(木)に同じく7月財新版製造業PMIが発表されます。中国経済は不動産市況の低迷が重石となっているため、中央政府は様々な経済対策を講じていますが、5%の成長目標を達成するには未だ力不足だとみられます。 中国では例年この時期に中国共産党の現指導部と、長老や有識者の会合である「北戴河会議」が開催されます。原則として秘密会議であり、習近平1強体制の下で同会合が重要な転機になる可能性は低いと見られます。 (野村證券投資情報部 尾畑 秀一) (注1)イベントは全てを網羅しているわけではない。◆は政治・政策関連、□は経済指標、●はその他イベント(カッコ内は日本時間)。休場・短縮取引は主要な取引所のみ掲載。各種イベントおよび経済指標の市場予想(ブルームバーグ集計に基づく中央値)は2024年7月26日時点の情報に基づくものであり、今後変更される可能性もあるためご留意ください。(注2)画像はイメージです。(出所)各種資料・報道、ブルームバーグ等より野村證券投資情報部作成 ご投資にあたっての注意点