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【今週のチャート分析】日経平均株価、短期的過熱感から押し、22日に37,000円を割り込む

※画像はイメージです。 ※2025年5月22日(木)引け後の情報に基づき作成しています。 日経平均株価、25日平均線が下支えとなるか注目 今週の日経平均株価は、金利上昇に加え、それに伴う円高進行を嫌気して軟調でした。22日は、約2週間ぶりに3万7,000円台を割り込みました。 これまでの動きをチャートから振り返ってみましょう。日経平均株価は、米国と英国及び中国との関税交渉進展を受けて上昇し、5月13日に一時38,494円をつけました(図1)。 しかし、昨年10月から今年2月にかけて長期間保ち合ったレンジ(37,700~40,300円)に入り、戻り待ちの売り圧力が強まりやすい状況となったことや、各種テクニカル指標が短期的な過熱感を示唆したことから、5月13日の高値(38,494円)形成後に押しを入れています。 22日には75日線(5月22日:36,893円)まで下落しており、この先、上向きの25日線(同:36,262円)が下支えとなるか注目されます。仮に同線を割り込んだ場合、今年4月安値に対する二番底形成へ向けた動きとなるとみられます。その場合、まず4月以降の上昇幅に対する38.2%押し(35,551円)や、半値押し(34,643円)の水準が下値メドとして挙げられます。 一方で、調整一巡後に上昇に転じる場合、再び200日移動平均線(5月22日:37,810円)を超えて、5月13日高値(38,494円)を突破することができるかが注目点です。 ※(アプリでご覧の方)2本の指で画面に触れながら広げていくと、画面が拡大表示されます。 (注1)直近値は2025年5月22日時点。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成 為替の歴史から学ぶ ニクソンショック、その時相場は? トランプ政権は具体的な通貨政策を示していないものの、市場では第二のプラザ合意の可能性が懸念されています。米ドルは戦後、1971年のニクソンショックと1985年のプラザ合意で二度の大幅な通貨切り下げを経験しました。本稿ではニクソンショックの相場動向を振り返ります(図2)。 1971年8月15日、ニクソン大統領が米ドルと金の交換停止を発表し、金と各国通貨の固定レートを維持する「ブレトンウッズ体制」が崩壊しました。これにより為替市場は変動相場制へ進む流れとなり、円も1ドル=360円の固定レートを離れ、大幅な円高・ドル安に移行しました。同年12月にはスミソニアン協定で1ドル=308円が設定されましたが、この水準は長続きせず、1973年2月には再び変動相場制に移行しました。 ニクソンショック直後、日経平均株価は直前の高値から20%以上の大幅下落を記録。円高ドル安による輸出企業への打撃を懸念した政府と日本銀行は、積極的な財政・金融政策を実施しました。その結果、株価は回復に転じるとともに、景気過熱とインフレの加速を招きます。さらに、1972年には田中角栄氏の「日本列島改造論」が発表され、全国的な土地投機ブームが発生。その影響で日経平均株価は1971年8月の安値から1973年1月の高値まで約2.5倍に急上昇しました。 なお、1971年と2025年では経済環境が大きく異なり、単純比較は困難です。ただ、過去の事例が現在を理解する一助になれば幸いです。 (注1)出来事はすべてを網羅している訳ではない。赤い点線丸印はニクソンショック時。下落率は直前の高値から計算。(出所)ブルームバーグ、各種資料より野村證券投資情報部作成 (野村證券投資情報部 岩本 竜太郎) 【FINTOS!編集部発行】野村オリジナル記事配信スケジュールはこちら ご投資にあたっての注意点

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