【来週の予定】米国の政府閉鎖と民間経済指標、日本の補正予算案
            
            
              
今週は月初の重要統計発表週になりますが、米国では10月1日から政府機能の一部閉鎖が続いており、経済指標の発表が遅延しています。民間調査や2025年7-9月期決算などを手掛かりに景気動向が判断されていますが、一般的にアナリストは決算発表シーズン前に慎重な見通しを提示する傾向にあることから、平均して6~7割の銘柄で実績が事前予想を上回る傾向にあります。
米国の民間調査による経済指標では、3日(月)の10月ISM製造業景気指数、5日(水)の10月ISMサービス業景気指数、10月ADP全米雇用レポートに加えて、6日(木)の全米小売業協会(NRF)の年末商戦見通しが重要です。米国では労働需要が鈍化、金利が高止まりする中で、株高の恩恵を受けられる富裕層と、恩恵を受け難い中低所得層で所得環境の二極化が進んでいるとの指摘もあります。年末の需要期を迎え、関税引き上げによるコストアップ分の価格転嫁が進むとの見方もあることから、年末商戦の行方が注目されます。
日本では補正予算策定に向けた動きが注目されます。高市政権は25年度補正予算を用いてガソリン税の旧暫定税率の廃止など、物価高対策を講じる意向です。新政権発足直後から外交日程が重なっており、補正予算の年内成立に向け日程が非常にタイトです。
欧州では5日(水)にドイツの9月製造業受注、6日(木)にドイツの9月鉱工業生産、ユーロ圏の9月小売売上高と景気動向を確認する上で重要度の高い指標が発表されます。ECBは25年6月の利下げを最後に政策金利を据え置いていますが、インフレの鎮静化が予想されることから、景気の減速感が強まれば、市場では利下げ観測が高まる可能性があります。  
今週は4日(火)に豪州、5日(水)にブラジル、6日(木)に英国とメキシコで金融政策会合が開催されます。米国が利下げを再開したことから、新興国でも利下げのハードルが低下し、新興国株の追い風になっていることから、各中銀の政策判断が注目されます。
(野村證券投資情報部 尾畑 秀一)
(注)イベントは全てを網羅している訳ではない。◆は政治・金融政策関連、□は経済指標、●はその他イベント(カッコ内は日本時間)。休場・短縮取引は主要な取引所のみ掲載。各種イベントおよび経済指標の市場予想(ブルームバーグ集計に基づく中央値)は2025年10月31日時点の情報に基づくものであり、今後変更される可能性もあるためご留意ください。なお、米国で2025年10月1日から実施された連邦政府機関の一部閉鎖の影響で、米国の経済指標の一部で発表が延期または中止されるものがありますのでご注意ください。 (出所)各種資料・報道、ブルームバーグ等より野村證券投資情報部作成
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