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2024/11/23 19:00
【来週の米国株】25年末S&P500の野村予想は6300/エヌビディア決算で半導体明暗が交錯(11/23)
※執筆時点 日本時間11月22日(金)12:00 今週:注目度の高い2社の決算に安心感 ※11月15日(金)- 11月21日(木)4営業日の騰落 今週の米国株式市場では、主要株価3指数が上昇しました。週の前半はウクライナによるロシア領内への長距離ミサイル攻撃の影響などで上値の重い展開でしたが、週の後半はウォルマート(WMT)やエヌビディア(NVDA)の好決算を受けて上昇しました。 エヌビディア“好決算”の内訳 エヌビディアの決算では、2024年8-10月期実績と2025年11月-1月の売上高見通しがともに市場予想を上回りました。8-10月期売上高では主要セグメントのデータセンター部門は前年同月比+112%と大きく成長し、市場予想比でも+6%と高い期待に応えました。半導体市場では、オランダの半導体製造装置大手ASMLホールディング(米国預託証券のティッカーコードはASML)や半導体メーカ大手のインテル(INTC)など、決算発表で売上高などの主要項目が市場予想を下振れた企業もあっただけに、エヌビディア決算は市場に安心感を与えるものだったと言えます。出荷遅延が報じられていたデータセンター向け新製品のブラックウェルに関して2024年11月-2025年1月期に出荷が開始されるとの見通しが示されたことも市場に好感されました。 半導体決算の振り返り①:カテゴリで明暗 主要企業の発表が集中した7-9月期決算から最近発表されている8-10月期決算までを振り返ってみましょう。TSMC(米国預託証券のティッカーコードはTSM)による2024年の半導体市場見通し(メモリを除く)は前年比10%増と変わらず、設備投資計画も300億ドル強と従来のレンジ内に留まりました。先端ロジック半導体は生成AIを中心に2025年から2026年にかけて需要拡大が続く見通しです。一方、アナログ半導体・パワー半導体・MCU(いわゆる「マイコン」を指し、複数の半導体を集めた集積回路のこと)などの成熟プロセスで製造する製品群は需要低迷が継続しており、10-12月期には在庫調整が一段と深まる見通しです。パワー半導体最大手のインフィニオン(ドイツ、米国上場なし)は、2025年9月期ガイダンスで前期比若干の減収を計画し、24年10-12月期には前四半期比で18%の減収を見込んでいますが、その後は徐々に回復していくと想定されています。 半導体決算の振り返り②:中国向けの不透明感続く セグメント別に加え、地域別の影響も半導体市場に影を落としています。野村では半導体製造装置の業績予想を中国向け売上を慎重な見通しに見直したことから下方修正しています。米国の中国に対する輸出規制強化が報じられたのは7月頃ですが、現時点でも詳細が公表されることなく、不透明感は長く続いています。短期的には規制の公表や各社業績への影響を見極める必要があるでしょう。 残る「トランプリスク」は地政学と関税 ウクライナによるロシア領へのミサイル発射で地政学的リスクが意識されています。このようなイベントによって深刻な地政学的リスクイベントに発展するかは不透明ですが、1990年以降の地政学リスクイベントのケースを踏まえると、仮に深刻化する場合の主要株価指数は、直後は株安となり、その後1-2ヶ月以内に反発する傾向があり、反転タイミングもまちまちです。「地政学的リスクを警戒」と説明するのは簡単ですが、そのリスクを運用成果に結び付けるのは難しく、中長期投資の中では不可避と割り切り、リスク管理を行いながら運用方針を堅持することが重要と考えます。トランプ次期政権の政策も基本的にはランダムイベント(確実に予測できないイベント)として扱うのが良いでしょう。 米国株水準の考え方 2025年末までの米国株に関して、野村では上昇基調を想定しています。2024年春以降の米国株は、EPS改善を主因として「業績相場」に移行しました。S&P500の7-9月期EPS(一株当たり利益)は前年比+7.8%と5四半期連続増益で着地しています。決算発表が一巡してリビジョン・インデックスが上向いている要因は、9月後半から米国のマクロサプライズが上向き、アナリストの売上高見通しが好転していることが想定されます。S&P500のEPSは2024年通期で242.3(前年比+5.3%)、2025年通期で272.5(前年比+12.5%)、2026年通期で302.8(前年比+11.1%)と300が視野に入ることが予想されています(ブルームバーグ予想、11/7時点)。PER(株価収益率)が現状の21~22倍から一段と拡大することは考えにくいですが、PER20倍でもEPS300でS&P500が6000台に定着する展望が見込まれます。 野村は「25年末のS&P500=6300」 以上の前提に基づき、野村ではS&P500見通しについて、足元の水準の切り上がりを反映し、2024年末予想を6000(レンジは5400~6600)へ引き上げています。2025年は、年前半には関税発動や利下げ停止への懸念が多く見られますが、年後半には法人減税の確度が高まり、楽観論が優勢になると見込まれます。その結果、2025年末のS&P500予想を6300(レンジは5600~7000)、2026年末を6500(レンジは5500~7500)と引き上げています。ハイリスク・ハイリターン型の展開を想定し、レンジも広めに設定しています。中期的にはEPS拡大が期待リターン(配当込みで年率+6~7%)並みの株式パフォーマンスをもたらすと予想しています。 来週の注目点 28日(木)はサンクスギビング(感謝祭)で休場となります。28日(木)夜から29日(金)にかけて、小売店による「ブラックフライデー」セールが行われます。年末商戦の状況を知る上で、現地調査や決済データが注目されます。ウォルマートは2025年1月期の売上高見通しを引き上げ、年末商戦は新学期セールやハロウィーンと同様に好調を見込むとコメントしています。小売各社で状況は異なりますが、個人消費の動向が注目されます。 その他、米国では、26日(火)に11月FOMC議事要旨、11月コンファレンスボード消費者信頼感指数、27日(水)に10月個人消費支出・所得統計、10月耐久財受注、29日(金)に11月シカゴ購買部協会PMIが発表されます。 (編集:野村證券投資情報部 デジタル・コンテンツ課) ご投資にあたっての注意点 要約編集元アナリストレポートについて 野村オリジナル記事の配信スケジュール
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2024/11/23 12:00
【注目トピック】トランプ2.0下での米国経済見通し:関税引き上げが焦点
※画像はイメージです。 トランプ2.0下での米国経済見通し 米大統領・議会選挙結果は「トリプルレッド」に 2024年の米国大統領選挙では共和党のトランプ氏が民主党のハリス副大統領を破り、再選を果たしました。議会選挙でも共和党は上院で過半数を奪還し、下院も過半数を確保する見込みです。大統領から上下両院まで共和党が制する「トリプルレッド」となったことで、トランプ氏が公約として掲げた拡張的な財政政策が実現する可能性は高くなりました。 トランプ氏が掲げている主要な政策としては、法人税減税や第1次トランプ政権時に導入した個人所得税減税の延長などの拡張的な財政政策、中国からの輸入品に対して60%、メキシコからの輸入品に対して25-100%、それ以外の輸入品に対して10-20%の関税を課す通商政策、不法移民の強制送還を中心とした移民規制の強化などを挙げることができます。 ※(アプリでご覧の方)2本の指で画面に触れながら広げていくと、画面が拡大表示されます。 (注)全てを網羅している訳ではない。※トランプ減税は2017年12月に成立し、2025年末に期限を迎える。(出所)各種報道より野村證券投資情報部作成 財政面で影響が大きいのは所得税減税の延長 超党派組織であるCRFB(責任ある連邦予算委員会)は、トランプ氏が公約として掲げた主要政策は2026~35年度の10年間で、財政赤字を7.5兆ドル程度拡大させる可能性があると試算しています。 拡張的な財政政策(財政悪化要因)のうち、約半分は個人所得税減税の延長によるものです。これは25年末に期限切れとなることに対応するものであることから、増税に伴う消費の悪化を回避する効果は期待できるものの、追加景気浮揚効果は限定的であると考えられます。 一方、関税の引き上げによる財政改善効果は10年間で2.7兆ドル程度、再生可能エネルギー向け税額控除の廃止は同じく0.7兆ドル程度にすぎず、減税延長等による財政悪化を吸収するには不十分であることが分かります。 共和党は上院では53議席と過半数を獲得、下院では少なくとも過半数の218議席を獲得した模様です(11月19日時点で未確定は5議席)。共和党内には財政赤字の拡大を容認しない財政タカ派が一定数存在することから、このグループが賛成できないような大規模減税の実施は困難であるとの見方もあります。 (注)試算はCRFB(責任ある連邦予算委員会)による。単位は兆ドル、▲は財政赤字要因。(出所)CRFB資料より野村證券投資情報部作成 関税引き上げが減税に先行する見込み トランプ氏の政策は拡張的な財政政策による需要の喚起と移民規制の強化による労働供給の抑制、関税引き上げが組み合わされていることから相当インフレ的な政策であると言えます。 また、これらの政策のうち、減税などの財政政策は議会での承認が必要である一方で、関税引き上げや不法移民の強制送還は議会の承認を必要としないため減税に先行して実施されることが予想されます。前項で示したように、関税引き上げによる財政面での影響は対名目GDPで年間1%程度と見られることから、景気を失速させるほどのインパクトはないと考えられる一方で、短期的に物価上昇率を押し上げることが想定されます。 野村證券では平均的な実効関税率は25年半ばから上昇し始め、26年にはピークの11~12%に達するとみています。また、今回は最終需要財の関税引き上げが含まれることから、インフレ率を押し上げる一方で成長率を押し下げると想定されます。野村證券では実質GDP成長率は25年7-9月期から26年1-3月期にかけて潜在成長率(年率1.8%程度)を下回る見通しに下方修正しました、一方で、25年6月以降、1年間のインフレ率見通しを1.0%ポイント程度上方修正しました。 (注)データは四半期で、直近実績値は2024年7-9月期速報値。2024年10-12月期以降はノムラ・セキュリティーズ・インターナショナル・インク(NSI)による予想。選挙前は2024年11月1日時点、選挙後は同年11月6日時点。(出所)米商務省より野村證券投資情報部作成 (注)コアPCEデフレーターは食品・エネルギーを除く個人消費支出デフレーター。データは月次で、直近実績値は2024年9月。2024年10月以降はノムラ・セキュリティーズ・インターナショナル・インク(NSI)による予想。選挙前は2024年11月1日時点、選挙後は同年11月6日時点。(出所)米商務省より野村證券投資情報部作成 FRBは25年前半に2回の利下げ実施と予想 FRBは関税引き上げによるインフレショックが一巡するまでは政策金利を据え置くと想定しています。従来は24年は1回、25年中は4回の利下げを予想してきましたが、大統領選挙の結果を受けて、25年は3月に利下げを実施した後、様子見に転じるとの予想に変更しました。 堅調な経済指標を受けてパウエル議長は11月14日の講演で、「経済は利下げを急ぐ必要性についていかなるシグナルも発していない」、「現在、われわれが目にしている経済の強さにより、慎重な決定を行うことが可能になっている」と、利下げに慎重な姿勢を示しました。この点を踏まえて、野村證券では金融政策見通しを見直し、24年中は据え置き、25年中は3月と6月に0.25%ポイントの利下げへと変更しました。 金利先物を見ると、24年9月FOMC直後(9月18日)には25年末までに8回の利下げを織り込んでいた市場の利下げ見通しは、11月18日時点では3回程度まで後退しています。 (注)データは日次で、直近の値は2024年11月18日。政策金利はFF(フェデラル・ファンド)金利翌日物のレンジの中央値。FF金先はFF(フェデラル・ファンド)金利先物。(出所)FRB、ブルームバーグより野村證券投資情報部作成 (野村證券投資情報部 尾畑 秀一) ご投資にあたっての注意点
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2024/11/23 09:00
【オピニオン】米ドル円市場:トランプ2.0でも金利差に注目
※画像はイメージです。 米国の10年国債利回り(長期金利)は2024年9月中旬の3.6%台から足元で4.4%台へ上昇しています(24年11月19日時点)。上昇の背景には住居関連など足元のインフレ関連指標の一部に下方硬直性が見られることに加えて、大統領選挙、議会選挙で「トリプルレッド」、つまり大統領、及び上院と下院の過半数を共和党が占めたことにより、トランプ次期政権(トランプ2.0)で想定される政策が実施される可能性が高まり、インフレを押し上げるとの懸念があります。 トランプ次期大統領の選挙公約では、トランプ減税(個人所得税減税)の延長、法人税減税、残業代や社会保障給付の非課税化、関税の引き上げ、移民規制の強化など、景気を底上げし、インフレを押し上げる政策が多く掲げられています。CRFB(責任ある連邦予算委員会)によれば、2026~35年財政年度(前年の10月から当年の9月まで)の累計で、米国の連邦財政収支を7.5兆ドル悪化させると試算しています。野村證券は米国の消費者物価(CPI)の予想を、25年は前年比+2.8%(選挙前は同+2.3%)、26年は同+2.8%(同+2.3%)へと上方修正しました。 選挙後の米ドル円市場の初期反応は、こうしたインフレ上振れ懸念による長期金利の上昇により米ドル高円安となりました。今後も、トランプ次期大統領は「米ドル高円安は好ましくない」と発言する可能性があります。その際の市場の反応は米ドル安円高と想定されますが、長い目で見た場合、やはり「日米金利差」が大きな影響を及ぼすと考えられます。意図的な対応では為替市場のトレンドは変わらないと考えるべきです。1985年のプラザ合意により米国の根本的な貿易構造に影響を及ぼさなかった、との見方が有力です。ただし、あまりにも急速で、ファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)では説明が困難な水準へシフトした局面でのG7(主要7ヶ国・地域)による協調介入などは、トレンドを変える可能性はあります(ただし、その実現はかなり高いハードルです)。 前トランプ政権期(トランプ1.0:17年~20年)の米ドル円相場の推移を改めて確認すると(下図)、概ね日米5年国債利回り差に連動していることがわかります。勿論、金利差だけが決定要因ではなく、潜在成長力、貿易収支、財政収支なども影響しますが、やはり注目すべきは金利差と思われます。下図では日米インフレ格差を反映した「実質ベース」の金利差を示していますが、これは購買力平価における、相対的に高いインフレ率は通貨の減価要因である、との考えを考慮するためです。 (注)データは月次で、期間は2016年9月~2020年12月。実質利回りは5年国債利回り-消費者物価の前年比上昇率。 (出所)LSEG、ブルームバーグより野村證券投資情報部作成 トリプルレッドになったからと言って、公約が順調に実行に移されるとは限りません。共和党議員にも左派があり、法案が順調に成立する保証はありません。経済関連の法案がある程度角を丸める形で成立すれば、FRBの利下げと伴に日米金利差は徐々に縮小し、ゆっくりと円高方向にシフトするものと予想されます。一方、法案がほぼ原案のまま通過した場合、インフレ再加速を「悪材料」として市場は改めて織り込み、米ドル安トレンドへ転換するリスクがあるでしょう。 ご投資にあたっての注意点
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2024/11/23 07:00
【来週の予定】ブラックフライデーを皮切りに年末商戦が本格スタート
来週の注目点:12月FOMCに向けて米国の経済指標に注目 米国景気が上振れし、FRBの利下げが難しくなるリスクが市場では意識されています。トランプ次期政権による減税などの景気刺激策や、関税引き上げなどの通商政策、移民規制はいずれもインフレ圧力を高めるとの見方が強まっています。足元では、タカ派(利下げに慎重)的なボウマンFRB理事が利下げに対して慎重な姿勢を示し、ハト派(利下げに積極的)のクック理事も利下げを急がない旨の発言を行ったことも市場の利下げ期待を低下させています。12月17日(火)~18日(水)開催のFOMCに向けて、米国の経済指標やFRB高官発言に注目です。 米国では、26日(火)に11月FOMC議事要旨、11月コンファレンスボード消費者信頼感指数、27日(水)に10月個人消費支出・所得統計、10月耐久財受注、29日(金)に11月シカゴ購買部協会PMIが発表されます。また、同日の大規模セール「ブラックフライデー」を皮切りに年末商戦が本格的にスタートします。米国の個人消費の状況は今後の金融政策を占う上で重要です。 日本では、29日(金)に10月鉱工業生産が発表されます。自動車は工場稼働停止からの挽回生産の継続が期待できる一方、在庫調整の進展を受けて堅調だった電子部品・デバイスは回復ペースが鈍化する可能性が指摘されています。 ユーロ圏では、25日(月)にドイツの11月Ifo企業景況感指数が発表されます。ドイツでは、連立政権の崩壊や米国の次期政権による関税引き上げへの懸念が景況感を下押しすると見ています。29日(金)発表の11月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)は、前年同月比+2.3%と前月から同+0.3%ポイント加速したと野村では予想します。ECBは景気、インフレ動向に配慮して、12月にも0.25%ポイントの小幅利下げを実施すると予想します。 (野村證券投資情報部 坪川 一浩) (注1)イベントは全てを網羅しているわけではない。◆は政治・政策関連、□は経済指標、●はその他イベント(カッコ内は日本時間)。休場・短縮取引は主要な取引所のみ掲載。各種イベントおよび経済指標の市場予想(ブルームバーグ集計に基づく中央値)は2024年11月22日時点の情報に基づくものであり、今後変更される可能性もあるためご留意ください。(注2)画像はイメージです。(出所)各種資料・報道、ブルームバーグ等より野村證券投資情報部作成 ご投資にあたっての注意点
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2024/11/22 16:16
【野村の夕解説】日経平均株価3営業日ぶり反発 米国株高が追い風(11/22)
(注)画像はイメージです。 本日の動き 本日寄り付き前に、日本の10月CPI(全国消費者物価指数)が発表されました。生鮮食品を除いた物価上昇率を示すコアCPIは、前年同月比で2.3%上昇し、市場予想を上回りました。この結果を受けた市場の日銀による利上げ観測は変わらず、外国為替相場などへの影響は限定的でした。 昨日の米国株は個別企業の良好な決算を受け主要3指数は揃って上昇し、この流れを受け本日の日経平均株価は前日比120円高の38,146円で始まりました。昨日は米国半導体大手エヌビディアも反発し、AI向けの半導体需要の拡大が引き続き見込まれることなどから安心感が広がり、値がさの半導体関連株が上昇し相場をけん引しました。一時前日比394円高となる場面もあったものの、その後上値を追う材料には乏しく、ウクライナ情勢の緊迫も投資家心理の重荷となり上げ幅は引けにかけ縮小しました。大引けは前日比257円の38,283円と、3営業日ぶりの反発となりました。 本日の市場動向 ランキング 本日のチャート (注)データは15時45分頃。ドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。(出所)Quickより野村證券投資情報部作成 今後の注目点 本日、主要国・地域の11月PMI速報値が発表されます。足元では製造業とサービス業の温度差が拡大していることから、製造業に持ち直しの動きが確認できるかが注目点です。また米国では、来週26日(火)に11月FOMC議事要旨、11月コンファレンスボード消費者信頼感指数が発表されます。28日(木)は感謝祭で休場です。 (野村證券投資情報部 清水 奎花) ご投資にあたっての注意点
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2024/11/22 12:00
【今週のチャート分析】日経平均株価、保ち合いレンジの下限に接近、底入れなるか注目
※画像はイメージです。 ※2024年11月21日(木)引け後の情報に基づき作成しています。 目先の調整一巡後、本格的な上昇相場再開に期待 今週の日本株は、日本の長期金利上昇やロシアとウクライナを巡る地政学リスクの高まり等から、軟調な展開となりました。チャート面からこれまでの動きを振り返ってみましょう(図1)。日経平均株価は、11月7日に一時39,884円まで上昇しましたが、その後は調整となり、18日に200日移動平均線(11月21日38,572円)を下回りました。 この先、75日線(同:37,897円)や10月24日安値(37,712円)の水準が目先の下値メドとして挙げられます。それらの水準は 9月下旬以降の保ち合いレンジ(3万7千円台半ば~4万円前後)の下限でもあります。仮に、同水準を割り込み、さらなる調整となった場合は、9月19-20日のマド埋め水準(37,394円)や、9月18-19日のマド埋め水準(36,675円)がさらなる下値メドとして挙げられます。 ※(アプリでご覧の方)2本の指で画面に触れながら広げていくと、画面が拡大表示されます。 (注1)直近値は2024年11月21日。 (注2)日柄は両端を含む。(注3)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成 一方、東証プライム騰落レシオは引き続き低水準(11月21日:89.0%)で推移しており、過去の株価底入れ局面でみられた70-80%の水準に接近しています(図2)。調整一巡後に反発となった場合、まずは9月下旬以降の保ち合いレンジ上限である10月15日高値(40,257円)へ向けた動きとなると考えられます。 8月安値(31,156円)以降、これまでに約3ヶ月半が経過し、日柄調整が十分となり、また上昇の過程で底入れのパターンであるダブルボトムが完成しています。目先の調整一巡後に、本格的な上昇相場再開へ向けた動きとなることが期待されます(図1)。 (注1)直近値は2024年11月21日時点。 (注2)東証プライム騰落レシオの主なボトムと、その前後の日経平均株価を赤丸囲みで示した。 (注3)東証プライム騰落レシオが70~80%の箇所を赤色網掛けしている。(出所)日本経済新聞社、東京証券取引所より野村證券投資情報部作成 東証REIT指数、下落傾向続くも日柄調整十分 東証REIT指数は下落傾向が続いています。国内金利上昇による、相対的な魅力度の低下や、REIT発行体の金利負担増への懸念が上値を抑えています。ただし、オフィスの空室率が低下傾向となる等、不動産市場の一部には需給改善もみられ、割安感を指摘する声もあります。そこで今回は、東証REIT指数のチャート上の重要ポイントを考察します。 まずはこれまでの大きな流れについて、月足チャート(図3)からみてみましょう。東証REIT指数は、2021年7月の2,186ptの高値から、2024年8月の1,621ptの安値にかけて中長期的な下落トレンドを形成しています。この下落局面の調整期間は38ヶ月で、2016年4月高値から17年11月安値までの20ヶ月を大幅に上回っており、過去の主要な下落局面の中では最長となっています。 また、2015年1月高値からの調整が続いているとみると、2017年11月安値までの35ヶ月で、こちらも上回っています。日柄面から見て十分な調整が進んでいると言えます。 (注1)直近値は2024年11月19日。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。 (注3)日柄は両端を含む。(出所)JPX総研より野村證券投資情報部作成 次に週足チャート(図4)をみてみましょう。2024年8月の戻り高値は、下向きの52週移動平均線や21年7月以降の下降トレンドラインに抑えられており、21年7月高値形成後の下落局面が継続中であると考えられます。 ただし、前述のように調整期間が十分であることから、調整一巡後には底入れ反発の動きが期待されます。その際、52週移動平均線(11月19日:1,749.29pt)や下降トレンドライン(同1,765pt前後)を突破となれば、2~3年規模の中長期上昇トレンドに入る可能性が高まったと捉えられます。底入れ後、大きな変化に繋がっていくか注目されます。 (注1)直近値は2024年11月19日。天底の数値は日次終値ベース。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。(出所)JPX総研より野村證券投資情報部作成 (野村證券投資情報部 岩本 竜太郎) 【FINTOS!編集部発行】野村オリジナル記事配信スケジュールはこちら ご投資にあたっての注意点
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2024/11/22 08:37
【野村の朝解説】NYダウは一時600ドル超上昇(11/22)
(注)画像はイメージです。 海外市場の振り返り 21日の米国株式市場で、NYダウは続伸しました。ウクライナが21日、ロシアが大陸間弾道ミサイル(ICBM)でウクライナ領を攻撃したと発表したことで地政学リスクの高まりが意識され、朝方の米国株は不安定な動きとなりました。もっとも、VIX指数は若干低下しており、また米国経済の底堅さを背景に景気敏感株や内需株が上昇するなか、NYダウは上値を試す展開となりました。ナスダック総合は、米10年国債利回りの上昇が重石となりましたが、小幅に反発しています。また、20日引け後に決算を発表した米半導体大手エヌビディア(NVDA)は業績見通しが一部投資家の期待に届かず、また株価が年初来で2.9倍に上昇していたことから利益確定の動きもあり、朝高後に下落するなど荒い値動きとなりましたが、小幅高となりました。 相場の注目点 米国ではFRBの12月利下げ見送りの可能性が燻る中、米経済の底堅さが株価を支えるとの期待が続いています。11月16日までの週間新規失業保険申請件数が前週比6,000件減の21万3,000件と市場予想(22万件)に反して減少し、10月の中古住宅販売件数も前月比3.4%増の396万戸と市場予想(393万戸)を上回りました。一方、11月のフィラデルフィア連銀製造業景況感指数は-5.5と市場予想(8.0)を下振れており、本日発表予定の11月PMI速報値が注目されます。また、米大統領選挙後の「トランプトレード」には一服感が出ていますが、新政権による減税や規制緩和などの政策が景気を押し上げるとの期待は引き続き株価を支えるとみられます。トランプ氏は2025年1月の新政権発足へ向け人事指名を連日発表していますが、財務長官など経済閣僚の人選が難航しているほか、21日には司法長官に指名されたゲーツ前下院議員が指名辞退の意向を公表しており、政策が着実に実行されるかを占ううえでも要職人事が引き続き注目されます。 (野村證券 投資情報部 引網 喬子) (注)データは日本時間2024年11月22日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。 野村オリジナル記事の配信スケジュール ご投資にあたっての注意点
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2024/11/21 16:39
【野村の夕解説】ウクライナ情勢悪化懸念と国内金利上昇で日経平均続落(11/21)
(注)画像はイメージです。 本日の動き 本日の日経平均株価は前日比横ばいで取引を開始しました。20日の米国時間引け後に決算を発表した米半導体大手エヌビディアが、今後の業績見通しが市場の高い期待に届かなかったために時間外取引で下落しました。これを受けて、同社を主要顧客に持つアドバンテストなど、半導体関連株の下落が下押し圧力となり、日経平均株価は下げ幅を拡げました。また、ウクライナ情勢の悪化懸念に加えて、午前中に、2024年度補正予算を巡り、政府が財政支出の規模を21兆9,000億円程度とすることで調整に入ったと一部で報じられたことも、株価の重石となりました。一般会計の歳出13兆9,000億円程度を上回る規模に対し、国債の増発で賄うことになれば、需給環境が悪化するとの懸念が生じ、国内金利が上昇したことなどが理由とみられます。日経平均株価は38,000円前後で一進一退の動きが続き、大引けは前日比326円安の38,026円となりました。 本日の市場動向 ランキング 本日のチャート (注)データは15時45分頃。ドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。(出所)Quickより野村證券投資情報部作成 今後の注目点 本日、米国で10月の中古住宅販売件数が発表されます。底堅い景気動向を受けて、9月中旬以降、米国長期金利は再上昇しており、住宅ローン金利へと波及していることから、その影響が注目されます。 (野村證券投資情報部 秋山 渉) ご投資にあたっての注意点
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2024/11/21 09:04
【米国株決算速報】エヌビディア(NVDA):新製品の供給に目途・強い需要は継続へ、株価は-0.59%(時間外取引)
決算概要:2024年8-10月期(2025.1期第3四半期) EPS実績は市場予想を上回った 米国時間11月20日引け後に、グラフィックスや、AI、データセンター向けなどの半導体の設計・販売を行うエヌビディア(NVDA US)が2024年8-10月期(2025.1期第3四半期)決算を発表しました。売上高は市場予想を5.8%上回り、EPSは市場予想を8.5%上回りました。会社の2024年11月-2025年1月期の売上高と粗利率の見通しは市場予想を上回りました。 ブラックウェルの供給に目途、需要が供給を上回る状況は継続へ 会社は、AIの利用やアプリケーションの高速化を、より多くの企業や国が推進したことで、当社のデータセンター向け製品への需要が引き続き強かったとコメントしました。 設計の問題で量産が遅れているデータセンター向け新製品ブラックウェルについて会社は、出荷は2024年11月-2025年1月期に開始され、その後増加する予定と説明しました。また、ブラックウェルに対する需要が供給を上回る状況が2026年1月期通期の数四半期は継続するとの見通しを示しました。 売上高とEPSの推移 株価は時間外取引で下落 エヌビディアの株価は、前日比0.76%安で引けた後、決算発表を受けて時間外取引では、終値比0.59%安の145.03ドルで推移しています(NY時間17:14)。株価が年初来で2.9倍に上昇していたため利益確定の売りが優勢となったと考えられます。なお、当社製品への需要が供給を上回る状況の継続は、今後の当社の粗利率にとってポジティブと考えられます。 株価推移 (6ヶ月日足) (注1)EPS は非米国会計基準の希薄化後一株当たり利益。(注2)株価推移:データは日次で、直近値は2024年11月20日時点。2024年6月7日以前は1:10の株式分割を反映した調整値。(注3)売上高とEPSの推移:赤色は実績で、直近値は2024年8-10月期(2024/10)。2024年11月-2025年1月期の売上高の白丸は会社見通し中間値。灰色はLSEG集計による市場予想平均。2024年11月-2025年1月期以降の予想は2024年11月19日時点。(出所)会社発表、LSEGより野村證券投資情報部作成 (文責:野村證券 投資情報部・竹綱 宏行) ご投資にあたっての注意点