新着
422件
-
08/16 12:00
【注目トピック】 トランプvsパウエル FRB議長人事と金融政策を巡る攻防
※画像はイメージです。 FRBの金融政策決定プロセスと任期 米国ではトランプ大統領がパウエルFRB議長の政策判断に対して批判を繰り返す異例の事態が続いています。特に足元では、パウエル議長の後任人事を巡ってFRBの独立性が脅かされることに対する警戒感や、金融政策への影響に対する関心が高まっています。 FRBの政策判断に対して政治がどこまで介入し得るかを考える上では、金融政策の決定プロセスを知る必要があります。FRBの政策決定会合であるFOMCの参加者は19名、このうち議長と2名の副議長を含む7名の理事とニューヨーク連銀総裁に加え、輪番制で4名の地区連銀総裁が投票権を有しており、多数決によって政策が議決されます。議長の影響力が最も大きいことは論を待ちませんが、必ずしも全会一致で決定されるわけではありません。 理事は大統領が指名し、上院の承認を経て任命され、理事の中から議長、副議長が選出されます。政治の影響力を低減させるため理事の任期は14年と長く、正副議長の任期は4年になります。 FRBのボードメンバー (注1)CEA:大統領経済諮問委員会、(注2)網掛けは第1次、第2次トランプ政権下で任命されたことを示している。 (出所)FRB資料より野村證券投資情報部作成 政治の介入余地を巡る攻防 パウエル氏の任期は議長としては26年5月までですが、理事としては28年1月までです。近年は議長としての任期満了後に、理事を辞任することが慣例をなっていますが、パウエル氏は進退を明らかにしていません。 また、25年8月8日にクグラー理事が辞任したことを受け、トランプ大統領は後任にミランCEA委員長を指名しましたが、任期は26年1月までとしたことから、ミラン氏を次期FRB議長と考えている訳ではないようです。 各種報道によると、次期FRB議長候補の選定はベッセント財務長官を中心に行われており、8月13日時点では11名程度がリストアップされている模様です。この中にはトランプ政権下で理事に任命され、直近(25年7月)のFOMCで利下げを主張した2名の理事も含まれています。現時点では誰が次期FRB議長に指名されるかは定かではありませんが、ミラン氏の後任を含めても、トランプ大統領の意向を政策判断に反映させる可能性のある理事は3名、仮にパウエル氏が理事を辞任すれば4名になる計算です。 次期FRB議長候補者 (注)NEC:国家経済会議。2025年8月13日時点。全てを網羅している訳ではない。 (出所)各種資料より野村證券投資情報部作成 FRBは2025年9月会合から利下げを再開すると予想 野村證券では、トランプ大統領からの利下げ圧力とは関係なく、FRBは2025年9月FOMCから利下げを再開すると予想しています。25年7月FOMC直後に発表された7月雇用統計では、非農業部門雇用者数が前月比7.3万人増と市場予想(同+10.5万人増)を下回っただけではなく、過去2ヶ月分が合わせて同25.8万人下方修正されました。結果、3ヶ月移動平均で見た雇用増加ペースは同+3.5万人増と、景気に中立的と見られる同+10万人増を大幅に下回りました。 関税の引き上げは、米国経済に対して「景気減速+インフレ押上げ」圧力として作用することが想定されます。ここまで米国経済は堅調な労働需要を背景に底堅く推移してきたことから、パウエルFRB議長はインフレ再燃を警戒し、利下げに慎重な姿勢を続けてきました。7月雇用統計は労働需要の大幅な減速を示唆、その後発表された7月消費者物価指数(CPI)が関税コストを価格転嫁する動きは未だ限定的であることを示したことから、市場では早期利下げ観測が高まり、先物金利では9月FOMCでの0.25%ポイント(pt)の利下げを一時完全に織り込んでいました。このような状況を踏まえ野村證券では、FRBは25年9月と12月、26年3月に0.25%ptの利下げを実施し、政策金利の誘導目標を3.50-3.75%へ引き下げる見通しへと変更しました(従来は25年12月から3会合連続での利下げを予想)。 FRB人事はFRBのハト派(利下げに積極的)化につながる公算大 FRBが独自の判断に基づいて利下げ姿勢へと転換することが予想されることから、金融政策判断に対する政治の介入余地は更に低下すると見受けられます。ただし、次期FRB議長がパウエル現議長よりも利下げに積極的な人物となり、残り6名の理事のうち最大で3名が同様の政策姿勢を有するならば、金融政策判断を巡るFRBのバランスは現在よりもハト派的(利下げに積極的)な方向に傾くことが想定されます。また、26年に投票権を有する地区連銀総裁は、今年投票権を有する地区連銀総裁に比べ利下げに対してより柔軟な姿勢を示しています。このことから、政策金利の着地点は我々の見通し以上に低くなる可能性は否定できません。 FRB高官の投票権と最近の発言 (注)網掛けはFRBのボードメンバー。ただし、クグラー理事は25年8月8日に辞任。※はトランプ政権下で任命されたことを示す。発言の内容は野村證券投資情報部による抜粋。発言の後ろのカッコ内は発言があった(月/日)。投票権はFOMCにおける政策決定の投票権。全てを網羅している訳ではない。 (出所)FRB、各種報道資料より野村證券投資情報部作成 野村證券投資情報部 シニア・ストラテジスト尾畑 秀一 1997年に野村総合研究所入社、2004年に野村證券転籍。入社後、一貫してエコノミストとして日本、米国、欧州のマクロ経済や国際資本フローの調査・分析に従事、6年間にわたり為替市場分析にも携わった。これらの経験を活かし、国内外の景気動向や政策分析、国際資本フローを踏まえ、グローバルな投資戦略に関する情報を発信している。 野村證券投資情報部 ストラテジスト引網 喬子 2023年10月より投資情報部に在籍。米国株の調査業務を経験後、各国経済・為替に関する投資情報の発信を担当。個人投資家を対象に、わかりやすい情報提供を心掛ける。 ご投資にあたっての注意点
-
08/16 09:00
【オピニオン】米国の雇用・物価統計は要継続ウォッチ
※画像はイメージです。 2025年7月の米非農業部門雇用者数は前月比+7.3万人と市場予想(ブルームバーク調査・同+10.4万人)を下回る伸びとなりました。また、5月は同+1.9万人(12.5万人の下方修正)、6月は同+1.4万人(13.3万人の下方修正)と大幅に下方修正されました。3ヶ月平均でみた非農業部門雇用者数の伸びは月間で同+3.5万人になり、20年夏以降で最も低い水準となりました。 一方、25年7月の米消費者物価指数(CPI)は前月比+0.2%と6月の同+0.3%から伸び率が鈍化し、前年比では+2.7%と6月から伸び率は変わりませんでした。しかし、変動の大きいエネルギー・食品を除くコアCPIは前月比+0.3%と、6月の同+0.2%から伸び率が加速し、前年比でも+3.1%と6月の同+2.9%から加速しました。 これらの結果を受けて、政策金利変更に関する市場の織り込み度合いを算出したデータである「FedWatch」によれば、25年9月16-17日に開催されるFOMCで0.25%ポイントの利下げが実施されるとの市場の期待値は94.4%まで上昇しています(8月12日時点)。しかし、雇用統計、CPIとも検討すべき点が残ります。7月雇用統計における非農業部門雇用者数の過去2ヶ月分の下方修正は異例ともいうべき大幅なものでした。下図の通り、季節調整前、及び季節調整後のそれぞれの計数を今回の改定前と改定後で比較すると、特に25年5月分は季節調整による影響が大きかったことがうかがわれます。コロナ禍の急拡大で急激かつ大幅に雇用者が減少した20年3月以降のデータを季節調整する場合、歪みが大きくなることが否定できません。 米非農業部門雇用者数の改定状況 (注)改定前は25年6月雇用統計発表時の計数。改定後は同年7月雇用統計発表と同時に公表された改定の計数。(出所)米労働省、LSEGより野村證券投資情報部作成 一方、CPIについては5-6月分では関税による影響が生じつつあることが確認されましたが、今回7月分ではその影響が更に強まっているとは必ずしも言えない結果でした。下図の通り、関税の影響を受けやすい消費財の価格を見ると、前月比でマイナスに転じる財も散見されます。ただし、企業が関税率引き上げ前に在庫積み増しで対応していたことや、仕入れ価格の上昇分をすべて小売価格に転嫁せず、ある程度は企業側で吸収しているため、関税による小売価格への影響が限定的にとどまっていた可能性があります。 関税の影響を受けやすい消費財の価格動向 (注)関税の影響を受けやすい主な品目が対象。全てを網羅している訳ではない。 (出所)米労働省、ノムラ・セキュリティーズ・インターナショナル・インク(NSI)より野村證券投資情報部作成 8月下旬から米主要小売企業の25年5-7月期決算の発表が相次ぎます。関税引き上げによるコスト増をこれまでどのように対応してきたか、今後はどう対応するのか、会社側のコメントが注目されます。9月FOMCでの利下げ期待が高まっています。このFOMCでは参加メンバーの経済見通し、政策金利見通しが公表されます。8月分の雇用統計やCPIを踏まえて、利下げが再開されるのか見送られるのか、重要な局面を迎えます。なお、8月21-23日にジャクソンホール会議が米ワイオミング州で開催されます。今年のメインテーマは「移行期の労働市場:人口動態、生産性、マクロ経済政策」ですが、関税の影響が実質的に大きなテーマとなるでしょう。そこでのパウエルFRB議長の発言に注目が集まります。 ご投資にあたっての注意点
-
08/16 07:00
【来週の予定】ジャクソンホール会議、金融政策の行方を占う夏の風物詩
来週の注目点:ジャクソンホール会議 足元の日米株の好調の背景には、堅調な企業業績や、FRBの早期利下げ期待があります。米国の7月雇用統計や7月消費者物価指数(CPI)などの結果を踏まえ、市場ではFRBが9月FOMCで利下げに踏み切るとの観測が強まっています。0.25%ポイントの利下げはほぼ織り込み済みで、0.50%ポイント利下げの可能性も浮上しています。足元でベッセント米財務長官が「9月FOMCで0.50%ポイントの利下げが可能」、「日銀は後手に回っており、利上げするだろう」などと発言していることも、材料視されている模様です。日米金利差の縮小観測が強まる場合には、円高米ドル安圧力が強まることが見込まれるため、注意が必要です。 米国の金融政策を占う上では、20日(水)の7月FOMC議事要旨、21日(木)~23日(土)に開催されるジャクソンホール会議に注目です。例年通りであれば、初日に各セッションの詳細を含むアジェンダの公表とレセプション、2日目の22日(金)の冒頭にパウエルFRB議長の講演が行われます。2024年には雇用の軟調を受けてパウエルFRB議長が24年9月会合での利下げを示唆しました。今回はいかなる姿勢を示すのかが最大の焦点となります。 米国の経済指標では、19日(火)に7月住宅着工・建設許可件数、21日(木)に週間新規失業保険申請件数、8月S&PグローバルPMI速報値、7月中古住宅販売件数などが発表されます。 日本では、20日(水)に7月貿易統計、6月機械受注と7-9月期見通し、21日(木)に8月S&Pグローバル日本PMI速報値、22日(金)に7月全国消費者物価指数(CPI)が発表されます。7月貿易統計では、トランプ関税の悪影響が自動車以外の輸出品目に拡大した可能性があります。7月CPIでは、米やエネルギー価格の減速に伴い、コア指数が減速したと野村證券では予想します。 ユーロ圏では、21日(木)にユーロ圏及びドイツの8月HCOB PMI速報値が発表されます。米国の関税引き上げを受けてドイツなどの景況感が悪化している可能性があります。 (野村證券投資情報部 坪川 一浩) (注1)イベントは全てを網羅しているわけではない。◆は政治・政策関連、□は経済指標、●はその他イベント(カッコ内は日本時間)。休場・短縮取引は主要な取引所のみ掲載。各種イベントおよび経済指標の市場予想(ブルームバーグ集計に基づく中央値)は2025年8月15日時点の情報に基づくものであり、今後変更される可能性もあるためご留意ください。(注2)画像はイメージです。(出所)各種資料・報道、ブルームバーグ等より野村證券投資情報部作成 ご投資にあたっての注意点
-
08/15 16:25
【野村の夕解説】日経平均株価・TOPIXともに、終値で史上最高値を更新(8/15)
(注)画像はイメージです。 本日の動き 15日の日経平均株価は、日銀の利上げ観測を追い風に銀行セクターが市場をけん引し、終値ベースで8月13日につけた史上最高値を更新しました。寄り前に発表された2025年4-6月期の実質GDP1次速報値は、前期比年率+1.0%と5四半期連続のプラス成長となり、設備投資や輸出が堅調で日本経済が底堅く回復していることが示されました。これを受けて日経平均株価は反発して始まり、日銀が早期に追加利上げに踏み切るとの思惑から長期金利が上昇し、銀行株などの金融セクターが大幅高となりました。そのほか、素材株などの景気敏感株や旺盛なAI需要を背景にテクノロジー関連株も上昇し株価を押し上げました。日経平均株価は終日を通して上げ幅を拡大させ、大引けは前日比729円高となり、TOPIXとともに終値ベースで史上最高値を更新しました。個別銘柄では三菱UFJフィナンシャル・グループが前日比6%高となり、連日で株式分割考慮後の上場来高値を更新しました。また、ソフトバンクグループが前日比6.4%高となり上場来高値を更新し、ファーストリテイリングと合わせた2社で日経平均株価を353円押し上げました。 本日の市場動向 ランキング 本日のチャート (注)データは15時45分頃。米ドル/円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。米ドル/円は11:30~12:30の間は表示していない。(出所)Quickより野村證券投資情報部作成 今後の注目点 15日、米国では7月小売売上高や8月ミシガン大学消費者マインド速報値が発表されます。金融政策への影響が大きく、関税政策による米国経済への影響を確認するうえで注目が集まります。 (野村證券投資情報部 松田 知紗) ご投資にあたっての注意点
-
08/15 12:00
【今週のチャート分析】日経平均史上最高値更新、2027年に5万円到達なるか
※画像はイメージです。 ※2025年8月14日(木)引け後の情報に基づき作成しています。 米利下げ期待で大幅高、13日に一時43,400円台に 今週の日経平均株価は、米国株が利下げ期待から上昇した影響もあり、大幅高で始まり史上最高値を更新しました。しかし、14日は円高・ドル安の進行やこれまでの大幅上昇に対する反動もあって反落となりました。 日足チャート(図1)を見ると、日経平均は8月4日にかけて押しを入れましたが、これまで何度も下支えとなってきた25日移動平均線前後から反発となりました。 そして、4~6月期決算を無難に通過したことや、米国の利下げ期待が高まって米国株が上昇したことも追い風となり、8月12日には昨年7月の高値を超えて史上最高値を更新しました。 今後は、7月24日~8月4日の下落幅を上に倍返しした水準(44,280円)や、心理的フシの45,000円台を目指す展開が予想されます。 一方で、8月13日高値(ザラバベース:43,451円)形成後は押しを入れる動きとなりました。さらなる下落となった場合は、これまで何度も下支えとなってきた25日線(8月14日:40,765円)が再び下値サポートとなるか注目です。 (注1)直近値は2025年8月14日時点。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成 前回の中長期上昇トレンド参考なら2027年に5万円台に 日経平均株価は今年8月に史上最高値を更新しました。これらは、6月下旬に下降トレンドライン上抜けといった中長期上昇トレンド入りを示唆するシグナルが発出してから、約1ヶ月半の出来事でした(図2)。今回の大幅上昇を伴う史上最高値更新によって、今年4月の安値を起点とした中長期的な上昇トレンド入りの可能性が一層高まりました。 (注1)直近値は2025年8月14日時点。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成 前回の中長期上昇局面(2022年3月~24年7月)では、約2年間で約1.7倍の上昇を見せました。この上昇局面を2025年4月の安値に当てはめて計算すると、2027年には5万円台に到達する可能性があります(図3)。 この1.7倍という上昇倍率は、過去の主な上昇局面と比較して特に突出して高いわけではありません。また、2015年高値以降、約3年ごとに高値を更新するというサイクル面で見ても、次の高値形成は2027年と試算されます。 (注1(注1)直近値は2025年8月14日時点。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。 (注3)日柄は両端を含む。(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成 ただし、前回の約2年の上昇トレンド中は、何度も3,000円を超える調整を経ながらの上昇となりました。今回も今後上昇一巡後は同様の調整を挟む可能性もあります。中長期上昇トレンドを前提とすれば、調整を吸収しながら基本的には2027年に向けて上昇が続くと考えられます。 (野村證券投資情報部 岩本 竜太郎) ご投資にあたっての注意点
-
08/15 07:57
【野村の朝解説】インフレ観測再燃で利下げ期待が後退(8/15)
(注)画像はイメージです。 海外市場の振り返り 14日の米国市場では、7月のPPI(生産者物価指数)が前月比+0.9%と、市場予想(同+0.2%)を大幅に上回り、約3年ぶりの高い伸びを記録したことから早期利下げ観測が後退し、国債利回りが上昇しました。米ドルは主要通貨に対して全面高となったものの、主要株価指数は前日比±0.05%以内と概ね横ばい圏で引けています。 相場の注目点 米国市場では2025年7月雇用統計発表以降、景気減速との見方から利下げ観測が急速に高まっています。先物金利を見ると25年9月FOMCでの0.25%ポイントの利下げが一時完全に織り込まれ、26年末までに3.00-3.25%への利下げが見込まれてる一方、主要な株価指数は過去最高値近辺で推移するなど、「いいとこ取り」の状態にあります。市場ではこのような状況は長くは続かないとの警戒感がある一方で、FOMO(Fear Of Missing Out:株高に乗り遅れることの恐怖)が喧伝されるなど、過熱感と共に株高は続くとの見方もあります。米国では8月21-23日の日程でジャクソンホール会合が開催され、22日にはパウエルFRB議長の講演が予定されています。パウエル議長が早期利下げに引き続き慎重な姿勢を示した場合、米国株は失望売りに見舞われる可能性がある一方、利下げに柔軟な姿勢を示せば一段高の可能性もあり注目されます。 本日のイベント 米国では7月の小売売上高、鉱工業生産と8月の消費者マインド速報値と注目度の高い経済指標の発表が予定されています。家計の購買意欲が回復していることを示す結果となれば、市場の利下げ観測は一段と後退する可能性があります。 (野村證券 投資情報部 尾畑 秀一) (注)データは日本時間2025年8月15日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。 ご投資にあたっての注意点
-
08/14 16:20
【野村の夕解説】円高進行と連騰の過熱感で、日経平均株価は625円下落(8/14)
(注)画像はイメージです。 本日の動き 本日の日経平均株価は7営業日ぶりに反落となりました。背景には、ベッセント米財務長官が米国の利下げや日銀の利上げに言及したことを受け、日本の10年国債利回りの上昇などから外国為替市場で円高が進行した点が挙げられます。これにより、連日上昇し過熱感が意識されていたアドバンテストなどを中心に幅広い業種の株価が下落し、日経平均株価を押し下げました。その後は、42,600円台を中心に方向感に欠ける展開が続き、前日比625円安の42,649円で引けました。業種別では33業種中26業種が下落し、特に値がさ株や輸出関連株の下落が目立ちました。こうした中、ソフトバンクグループが7営業日連騰となり、上場来高値を更新しました。なお、本日は日本株式市場のみならず、中国本土、香港や台湾といったアジア主要市場でも株価が下落し、上昇基調が一服する一日となりました。 本日の市場動向 ランキング 本日のチャート (注)データは15時45分頃。米ドル/円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。米ドル/円は11:30~12:30の間は表示していない。(出所)Quickより野村證券投資情報部作成 今後の注目点 本日米国にて、7月生産者物価指数と新規失業保険申請件数の発表とアプライド・マテリアルズの決算発表が予定されています。特に、新規失業保険申請件数は7月米雇用統計で雇用情勢の悪化が示されたことから、注目です。 (野村證券投資情報部 笠原 光) ご投資にあたっての注意点
-
08/14 08:28
【野村の朝解説】利下げ観測が一段と強まり、米国株は続伸(8/14)
(注)画像はイメージです。 海外市場の振り返り 13日の米国株式市場で主要3指数は揃って続伸し、S&P500指数とナスダック総合指数は連日で過去最高値を更新しました。ベッセント米財務長官がブルームバーグのインタビューで、政策金利は「(現在の水準より)1.5~1.75%ポイント低い水準にあるべき」や、「9月FOMCでの0.5%ポイントの利下げを皮切りに、一連の利下げ局面に入る可能性がある」との考えを示しました。この発言を受けて、早期利下げ観測が一段と強まり、米10年国債利回りは低下し、株価が上昇しました。 相場の注目点 13日の日経平均およびTOPIXは続伸し、ともに連日で過去最高値を更新しました。労働市場の軟化や、7月米消費者物価指数の上昇率が伸び悩んだことで、米国の早期利下げ観測が強まっており、ハイテク株高も相まって世界的な株価上昇につながっています。日本では、トランプ関税の悪影響が懸念された2025年4-6月期決算発表シーズンを無難に通過し、さらに日米貿易協議の合意を経て企業業績を巡る不透明感が薄れつつあることなどが、相場の追い風になっていると見られます。ただし、日経平均は13日まで6連騰し、その間に約3,000円上昇しており、短期的には過熱感が強まっています。目先は高値警戒感から利益確定の売りが出やすい局面である点に注意が必要です。 本日、日本では主要なイベントや経済指標の発表はありませんが、米国では7月生産者物価の発表やリッチモンド連銀のバーキン総裁の講演が予定されています。また、8月月初に発表された7月米雇用統計で米国の雇用情勢の悪化が示されたことから、毎週木曜日に発表される週間新規失業保険申請件数などの週次の雇用関連データにも市場の関心が集まると見られます。そのほか、英国では2025年4-6月期実質GDP(速報値)が発表される予定です。 (野村證券 投資情報部 岡本 佳佑) (注)データは日本時間2025年8月14日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。 ご投資にあたっての注意点
-
08/13 16:37
【野村の夕解説】日経、日経平均株価とTOPIX ともに連日の最高値更新(8/13)
(注)画像はイメージです。 本日の動き 12日に発表された米国のインフレ指標の結果を受け米国の利下げ観測が強まり、市場心理が改善しました。これを受け本日の日経平均株は前日比372円高の43,090円で始まりました。外国為替市場では、12日15:30時点の1米ドル=148.20円前後の水準から147.70円程度の円高に止まり、株価は終日43,000円台の水準が続きました。業種別ではその他製品が上昇したほか、空運、非鉄金属、サービス、機械など幅広い業種が上昇しました。非鉄金属は、12日の米ハイテク株高を受け、AIデータセンター関連とされる電線株が連日の上昇をけん引しました。日経平均株価は一時733円高の43,451円まで上昇する場面もあり、終値は前日比556円高の43,274円となり、TOPIXは25ポイント高の3,091ポイントと、揃って12日に引き続き史上最高値を更新しました。個別株ではアドバンテストが上昇し、終値は前日比+5.42%となり1銘柄で日経平均株価を163円押し上げました。そのほか、良好な企業業績が好感され、ソニーグループや三菱重工業、サンリオなどが終値ベースで上場来高値を更新しました。 本日の市場動向 ランキング 本日のチャート (注)データは15時45分頃。米ドル/円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。米ドル/円は11:30~12:30の間は表示していない。(出所)Quickより野村證券投資情報部作成 今後の注目点 本日米国で7月生産者物価指数が公表されます。関税の影響を確認するうえで注目が集まります。 (野村證券投資情報部 清水 奎花) ご投資にあたっての注意点