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03/24 16:37
【野村の夕解説】日経平均株価68円安 売買代金は2ヶ月ぶりの低水準(3/24)
(注)画像はイメージです。 本日の動き トランプ米大統領が21日、4月2日に導入予定の相互関税について柔軟に対応すると発言しました。関税政策に対する市場の警戒感がやや和らいだことで、21日の米国株市場では主要3指数が急速に下げ幅を縮小する展開となりました。この流れを引き継ぎ、24日の日経平均株価は、本日の高値となる前営業日比164円高の37,841円で寄り付きました。日銀の植田総裁が参議院財政金融委員会での答弁で、「基調的な物価上昇率が2%に向けて高まっていく見通しが実現していけば、金融緩和度合いの調整を続けていく」と発言しましたが、目新しい内容は無く、株式市場への影響は限定的でした。その後も新規の材料に欠ける中、日経平均株価は徐々に上げ幅を縮め、前営業日の終値を挟んで小動きの展開となりました。終値は前営業日比68円安の37,608円でした。東証プライム市場の売買代金は3兆7,895億円と、約2ヶ月ぶりに4兆円を割り込む低水準に留まりました。 本日の市場動向 ランキング 本日のチャート (注) データは15時45分頃。米ドル/円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。米ドル/円は11:30~12:30の間は表示していない。(出所)Quickより野村證券投資情報部作成 今後の注目点 本日、米国で3月S&PグローバルPMIの速報値が発表されます。トランプ関税を巡って経済の先行きに不透明感が強まる中、景況感の悪化が懸念されます。結果によっては、短期的に米国株市場の反応が大きくなる可能性もあり、注意が必要です。 (野村證券投資情報部 秋山 渉) ご投資にあたっての注意点
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03/24 08:31
【野村の朝解説】トランプ大統領の発言で米株は小幅高(3/24)
(注)画像はイメージです。 海外市場の振り返り 前週末の米国市場では、フェデックスやナイキなど大手企業の決算内容が嫌気され主要3指数は揃って下落して取引を開始しました。シカゴ連銀のグールズビー総裁やニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁の発言も、FRBによる今後の利下げ時期が後ずれするとの見方を強める内容と市場では受け止められ、重石となりました。しかし、4月2日に発動が予定される相互関税については柔軟に対応する、とのトランプ大統領の発言を受けて、急速に下げ幅を縮め前日終値を上回り、主要3指数は揃って上昇して取引を終えました。 相場の注目点 今週、日本では27日(木)の配当・優待権利付き売買最終日を控えて、高配当銘柄が比較的多いバリュー株が堅調に推移するか注目されます。他、4月2日にはトランプ政権による相互関税の発動が予定されており、トランプ米大統領の発言が注目されます。 本日のイベント 本日、日本では9:30に3月auじぶん銀行PMI速報値が発表されます。他にもユーロ圏では3月HCOBユーロ圏PMI速報値、米国では3月S&PグローバルPMI速報値が発表されます。各国の製造業、サービス業の景況感の変化が注目されます。 (野村證券 投資情報部 神谷 和男) (注)データは日本時間2025年3月24日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。 ご投資にあたっての注意点
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03/23 09:00
【動画 3分チャート塾】シーズンⅣ:第4回 RSI(1) 上昇幅の割合を見る
「動画 3分チャート塾」は、株価チャートの見方を学びたい初心者から中級者の方向けの動画シリーズです。 今回はRSIの計算方法や判断基準について、説明しています。 シーズン I:意外と知らないローソク足(全8回)ローソク足の基本の読み方や中長期的な相場の捉え方などについてわかりやすく解説していきます。シーズンII:相場の見方の強い味方、移動平均線(全9回)移動平均線の基礎や活用法についてわかりやすく解説していきます。シーズンIII:上値、下値のメドを探ろう(全10回)上値、下値メドの探り方についてわかりやすく解説していきます。シーズンIV:相場の過熱感を測るには?(全9回)オシレーター系指標についてわかりやすく解説していきます。シーズンV:トレンドラインを引いてみよう(全9回)トレンドラインについてわかりやすく解説していきます。 ご投資にあたっての注意点
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03/22 09:00
【オピニオン】ナスダック、カギを握る52週線奪回の成否
※画像はイメージです。 金融市場では、就任早々から保護主義政策を前面に押し出すトランプ大統領の政策運営に対する不透明感が嫌気されています。関税引き上げ合戦の果てのインフレ再燃と景気悪化への懸念の強まりから、米国株式市場は2月中旬以降、「No」を突き付けるかの如く調整色を強めました。とりわけ、これまで世界の株式市場の上昇をけん引してきたナスダック総合指数(以下、ナスダック)の下げがきつく、市場センチメントに影を落としています。 ただ、ナスダックの下落には他の要因もありそうです。1月27日、中国の新興人工知能企業DeepSeek社が低コストの生成AIモデルを開発したことが市場で伝わり、将来の半導体・設備投資需要拡大への期待が大きく揺らぎ、関連銘柄の株価が急落しました。なかでも、ブームの象徴であったAI半導体大手のエヌビディアの株価が17%安と、わずか1日で時価総額が約91兆円失われたことは、市場に衝撃を与えました。 チャート面から見て今回のナスダックの株価下落をどのように捉えるべきでしょうか。下図は2020年以降の週足チャートです。前回の上昇局面(20年3月~21年11月)でも、今回の上昇局面(22年12月~)でも、短期調整時には26週移動平均線が下支え、ないしは、同線を割り込んだ直後に底入れ、というパターンを繰り返して上昇トレンドが維持されてきたことがわかります。しかし、前者では22年1月に26週線に続いて52週線も下回ったことがトレンド転換のサインとなりました。今回も足元で26週線に続いて52週線を下回ってきており、残念ながら22年12月以降の上昇トレンドが腰折れした可能性は否定できません。 (注1)直近値は2025年3月18日。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。(出所)ナスダックより野村證券投資情報部作成 しかし、まだ希望は残っています。中長期トレンドを指し示す26週線や52週線は今のところまだ明確な下向きに転換しているわけではありません。前回の株価上昇局面において下降トレンドへの転換が決定的となったのは、52週線割れ後の反発時に、同線の奪回に失敗したことでした(図表中、22年3月の戻し局面)。目下、ナスダックは3月13日安値(17,303pt)で下ヒゲを引き、調整一巡から自律反発局面に移行しつつあります。上昇トレンド復帰には52週線の早期奪回は至上命題となります。今回は絶体絶命のピンチを乗り越えることができるでしょうか。 テクニカル分析は過去の株価・為替等の値動きを分析・表現したものであり、将来の動きを保証するものではありません。また、記載されている内容は一般的に認識されている見方について記したものですが、チャートの見方には解釈の違いもあります。 ご投資にあたっての注意点
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03/22 07:00
【来週の予定】各国で月末の重要統計の発表週
来週の注目点:米国消費関連指標、日銀の「主な意見」、欧州の景況感 18日(火)~19日(水)に日米で金融政策会合が開催されました。政策金利に関しては、大方の予想通り日米ともに据え置かれました。また、会合後の記者会見では、植田日銀総裁、パウエルFRB議長ともにトランプ政権の政策を巡る不透明感に言及し、今後も政策の影響と経済指標を精査しながら、会合毎に政策判断を行う姿勢を示しました。 注目されたFRBの政策金利見通しは、1回当たりの利下げ幅を0.25%ポイントとした場合、25年、26年はともに2回、27年は1回の利下げが予想されています。ただし、25年中に1回以下の利下げを予想している参加者の数は前回(24年12月)の4人から8人に増えており、利下げに対して慎重化していることを示唆しました。 今週は各国で月末の重要統計の発表週になります。米国では25日(火)に3月消費者信頼感指数と2月新築住宅販売件数、26日(水)に2月耐久財受注、28日(金)に2月個人消費支出・所得統計が発表されます。市場では消費者信頼感指数が2月に下振れたこと を契機に景気減速懸念が高まっています。このため、3月の消費者信頼感指数、並びに2月の個人消費支出・所得統計はいつも以上に注目を集めています。 日本では28日(金)の3月日銀金融政策決定会合における主な意見と3月東京都区部消費者物価指数が重要です。市場の一部には日銀の次の利上げは次回会合(4月30日-5月1日)になるのでは、との見方も見受けられます。その可能性を探る上で、「主な意見」における政策会合内の温度感が注目されます。 欧州では24日(月)に3月ユーロ圏PMI速報値、25日(火)にドイツの3月Ifo企業景況感指数と、景気に対して先行性を有し、注目度の高い景況感指数が発表されます。トランプ関税に対する不透明感が強い一方で、ドイツやEUは拡張財政政策を容認する方向へとスタンスを大幅に転換させました。市場では、財政スタンスの転換は歴史的なゲームチェンジャーだとの期待も高まっていることから、企業センチメントへの影響が注目されます。 (野村證券投資情報部 尾畑 秀一) (注1)イベントは全てを網羅しているわけではない。◆は政治・政策関連、□は経済指標、●はその他イベント(カッコ内は日本時間)。休場・短縮取引は主要な取引所のみ掲載。各種イベントおよび経済指標の市場予想(ブルームバーグ集計に基づく中央値)は2025年3月21日時点の情報に基づくものであり、今後変更される可能性もあるためご留意ください。(注2)画像はイメージです。(出所)各種資料・報道、ブルームバーグ等より野村證券投資情報部作成 ご投資にあたっての注意点
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03/21 16:36
【野村の夕解説】日経平均株価74円安 トランプ関税への警戒感拭えず(3/21)
(注)画像はイメージです。 本日の動き 寄り前に2月の全国CPI(消費者物価指数)が発表されました。政府による電気・ガス代の補助が1月から再開されたことでエネルギーの伸びが縮小したことから、日銀が注視する生鮮食品を除くコア指数は前月比-0.1%となったものの、前年同月比では+3.0%と市場予想(+2.9%)を上回りました。日銀の早期追加利上げを後押しする内容だったことを受けて、国内長期金利は一時1.530%まで上昇しました。一方で、米国10年債利回りが時間外取引で上昇していることを受けて、米ドル円は149円台半ばまで円安方向に進みました。21日の日経平均株価は、円安進行のほか、20日に米半導体設計企業の買収を発表したソフトバンクグループの上昇などに支えられ、一時上げ幅は前営業日比216円高となりました。しかし、米国金利上昇の背景にトランプ関税によるインフレ再加速に対する根強い警戒感があるとみられ、日経平均株価は38,000円を前に上値は重く、引けにかけて上げ幅を消す展開となり、終値は前営業日比74円安の37,677円となりました。CPIの市場予想上振れを受けて、銀行株が前営業日比4.14%と大幅高となりました。 本日の市場動向 ランキング 本日のチャート (注) データは15時45分頃。米ドル/円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。米ドル/円は11:30~12:30の間は表示していない。(出所)Quickより野村證券投資情報部作成 今後の注目点 本日、米国でニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁が講演を行います。3月FOMCで発表した政策金利据え置きや米国債償還額の上限減額の背景、米国経済の見通しなどについて説明があるか、注目されます。 (野村證券投資情報部 秋山 渉) ご投資にあたっての注意点
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03/21 12:00
【今週のチャート分析】日経平均株価、3月11日に長い下ヒゲを引き反発、本格上昇なるか
※画像はイメージです。 ※2025年3月19日(水)引け後の情報に基づき作成しています。 節目となる25日線や200日線を明確に上抜けするか注目 今週の日経平均株価は、円安進行を受けて輸出関連株が堅調に推移したことなどから、約2週間ぶりに3万8,000円台を回復する場面がありました。 チャート面からこれまでの動きを振り返ってみましょう(図1)。日経平均株価は、1月24日高値(40,279円)形成後に調整となり、3月に入り大幅安となって、11日には一時35,987円まで値を崩す場面がありました。ただ、これまでの大幅安を受けて短期的な売られすぎシグナルが点灯していたこと等から急反発となり、底入れ局面で見られる長い下ヒゲを引きました。その後、戻しを試す動きとなり、2月末に下抜けした保ち合い下限(37,700~800円前後)の水準を回復しました。 RSI等の各種テクニカル指標面で過熱感はなく、この先、25日移動平均線(3月19日:37,961円)や200日線(同:38,583円)を明確に上抜けすることができるか注目されます。これら水準を突破となれば、自律反発の域を超え、本格上昇へ向けた動きとなると考えられます。 一方で、戻し一巡後に再度調整となる場合、3月11日安値(35,987円)や、昨年8月安値から12月高値までの上昇幅に対する50%押し(ザラバベース:35,777円)、昨年9月9日安値(35,247円)等の多くのフシがある35,000円台の水準で下げ止まるか注目されます。 ※(アプリでご覧の方)2本の指で画面に触れながら広げていくと、画面が拡大表示されます。 (注1)直近値は2025年3月19日時点。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成 大揺れの米国株、52週移動平均線の攻防に注目 米国株式市場はトランプ関税による景気悪化懸念で大きな調整を受けました。NYダウは1月30日の戻り高値(44,882ドル)から3月13日には40,813ドルまで下落し、下落幅は4,000ドル以上となりました。しかし、その後、急落の反動で値を戻しています(図2)。 NYダウの週足チャートを移動平均線に着目してみてみましょう。今年3月の調整では、昨年4月や8月の調整時に下支えとなった26週移動平均線(3月18日:43,270ドル)を下抜けし、”52週線”(同:41,466ドル)も一時割り込みました。 2020年のコロナショック安値から22年高値までの中長期上昇局面が終了した後に”52週線”を下抜けたケースでは、同年1月高値から9月安値まで半年強の下落傾向となり、下落率は20%以上となりました。 今回は3月安値形成後の反発で”52週線”を回復しており、今後同線を維持できるかどうかが注目点です。維持できれば、2022年9月安値から続く中長期上昇トレンドが継続しているとの見方を続けることができますが、仮に、再度割り込む場合は、本格的な調整相場入りの可能性が高まるため注意が必要です。 (注1)直近値は2025年3月18日。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。(出所)S&P ダウジョーンズ・インデックス社より野村證券投資情報部作成 ただ、仮に中長期上昇トレンドが終了となり本格調整になったとしても、2009年の安値(6,547ドル)以降の「超長期的な上昇トレンド」は続いていると考えられます(図3)。たとえ2022年9月以降の長期上昇トレンドが終わりを告げたとしても、「超長期上昇トレンド」は株価下落に対するセーフティーネットとして機能することが期待されます。 (注1)縦軸は対数目盛。1896年は5月26日以降のデータ。直近値は2024年12月末時点。トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。(出所)S&P ダウジョーンズ・インデックス社、各種データより野村證券投資情報部作成 (野村證券投資情報部 岩本 竜太郎) 【FINTOS!編集部発行】野村オリジナル記事配信スケジュールはこちら ご投資にあたっての注意点
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03/21 08:27
【野村の朝解説】FOMCを無事通過。20日の米国株は反落(3/21)
(注)画像はイメージです。 海外市場の振り返り 19日の米国株式市場では主要3指数が揃って反発しました。後述するFOMCの結果を受けて、利下げ再開への期待感が強まり、株価を押し上げました。一方、20日は主要3指数が揃って小幅に反落しました。トランプ大統領が19日夜、SNSで「FRBが利下げするほうがはるかに良いだろう」と、金融緩和による景気下支えを期待するような投稿をし、貿易摩擦の激化が世界経済の混乱を引き起こす可能性が改めて意識されたことが重石となりました。 相場の注目点 3月FOMCで、FRBは政策金利を4.25~4.50%と、2会合連続で据え置きました。政策金利の見通し(中央値)は、2025年末時点で3.825%(0.25%換算で2回分の利下げに相当)と、変更はありませんでした。パウエル議長は「利下げを急ぐ必要はない」とのスタンスを維持する一方、「不確実性が異常なほど高まっている」と、トランプ政権の関税政策等が与える景気への影響に懸念も示しました。景気減速への警戒感から、25年のGDP成長率の見通しは下方修正されており、FF金利先物の価格データを基に算出した、Fedwatchツールによる25年末時点の政策金利の見通しは年内3回の利下げと、わずかながら利下げ期待が高まる結果となっています。重要イベントを無事に通過しましたが、4月2日には米国による相互関税の発動が控えています。目先の東京市場では、特に輸出関連株などで神経質な展開が続く可能性がありそうです。 本日は日本の2月全国消費者物価指数が発表されます。市場では、コア指数(生鮮食品を除く総合指数)の伸び率が1月から低下すると予想されていますが、政府による電気・ガス料金負担軽減支援の再開の影響が現れることなどが要因です。一方、足元では賃上げ機運が高まっており、この先物価が落ち着き始めれば、個人消費を原動力とした日本経済の拡大が期待できると考えられます。 (野村證券 投資情報部 岡本 佳佑) (注)データは日本時間2025年3月21日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。 ご投資にあたっての注意点
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03/20 12:00
【投資と税金】超富裕層に対する追加課税 ミニマムタックスって何?
2025年度の予算審議で注目された様々な年収の「壁」。そのほかにも「1億円の壁」があることをご存じでしょうか?所得税負担率が、所得の増加に伴い逆に低下する現象を指します。格差是正のため、2025年分の所得税から導入される超富裕層へのミニマムタックスについて、大手町トラストの税理士に伺いました。 (注)画像はイメージです。 はじめに 2023年度税制改正において、「極めて高い水準にある高所得者層に対する負担の適正化のための措置」が創設されました。超富裕層に対する追加課税措置のことで、「ミニマムタックス」とも呼ばれています。この改正は、2025年分以後の所得税について適用されます。 制度創設の趣旨 合計所得金額が1億円を超えるような高所得者層では所得に占める金融所得等の割合が高いことにより、所得税負担率が低下する状況がみられ、「1億円の壁」と呼ばれています。所得税において、最高45%の累進税率(総合課税)が原則とされる一方、株式などの金融所得や不動産の譲渡所得に係る税率が比例税率(分離課税)となっているためです。こうした「1億円の壁」の問題を是正し税負担の公平性を確保するのが本制度が創設された理由です。 適用要件等 (1)(基準所得金額※1 - 3億3,000万円 )× 22.5%(2)基準所得税額※2(3)(1)が(2)を超える場合に、その超える金額に相当する所得税が課されます。 ※1 「基準所得金額」とは、その年分の所得税について申告不要制度を適用しないで計算した合計所得金額 (その年分の所得税について適用する特別控除額を控除した後の金額)をいいます。 ・「申告不要制度」とは、以下の特例を指します。 ①確定申告を要しない配当所得等の特例 ②確定申告を要しない上場株式等の譲渡による所得の特例 ・「合計所得金額」には、預貯金からの利子などの源泉分離課税の対象となる所得金額を含まないこととされ、スタートアップ再投資やNISA関連の非課税所得も含みません。 ※2 「基準所得税額」とは、その年分の基準所得金額に係る所得税の額(分配時調整外国税相当額控除及び外国税額控除を適用しない場合の所得税の額とし、附帯税及び上記(3)により課す所得税の額を除く。)をいいます。 財務省パンフレット「令和5年度税制改正」より むすびに 本改正の影響を受けるのは、金融資産等の運用収益や不動産等の譲渡所得(分離課税対象所得)が多額に上るケースになります。例えば、M&Aや事業承継、相続にあたって自社株の譲渡が発生するような場合は、本改正を踏まえた税負担への検討も必要となってきます。 この資料は情報提供を唯一の目的としたもので、投資勧誘を目的として作成したものではありません。この資料は信頼できると考えられる情報に基づいて作成しておりますが、野村證券は、その正確性および完全性に関して責任を負うものではありません。この情報は、ご覧いただいたお客様限りでご利用いただくようお願いいたします。詳しくは、所轄税務署または顧問税理士等にご確認ください。 ご投資にあたっての注意点