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2024/10/05 12:00
【オピニオン】新総裁誕生で市場の評価軸が変わる?
※画像はイメージです。 2024年7月11日に42,224円(終値)の最高値を更新した日経平均株価は、その後進行した円高を嫌気し、8月5日には前営業日比4,451円と史上最大の下げ幅を記録しました。その後は、米国の利下げ、不透明な国内政局、中東情勢の緊迫化、などが交錯し不安定な展開が続いています。本稿では、8月5日以降の乱高下の過程で株式市場の評価軸に何か変化が起きているのかどうかを確認してみましょう。 日経平均株価の推移と主要ファクターの累積リターン(2024年年初~) バリューファクターの累積リターン 【事実①バリューファクター】‥2024年年初来、最高値達成の主役はPERやPBRなどバリューファクターでした。その後、日経平均株価が下落に転じる中で、バリューファクターはさえない展開となりましたが、年初来積み上げてきた累積リターンをすべて吐き出したわけではありません。また、足元では有効性復活の兆しがみられます。 グロースファクターの累積リターン 【事実②グロースファクター】‥ROEや業績修正などのグロースファクターは最高値更新のメインプレイヤーではありませんでした。ただ、史上最大の下げ幅となった8月5日以降は、株価の回復とともに顕著な有効性を示しています。 その他のファクターの累積リターン 【事実③その他のファクター】‥7月の最高値達成に至る過程では、先高観の強さからβ値や、過去12ヶ月リターンなどのファクターが有効性を発揮しました。その後の下落過程で、これらのファクターもさえない展開となりましたが、年初来積み上げてきた累積リターンをすべて吐き出したわけではありません。また、足元では有効性復活の兆しがみられます。 (注)日経平均株価の推移と、主要ファクターの2024年年初来の日次累積リターン。直近の値は2024年10月2日。いずれもファクタースコアの高い上位20%と下位20%の銘柄のリターンスプレッド。例えば予想ROEでは、ROEの高い20%と低い20%のリターンスプレッドとなっている。分析の母集団はラッセル野村Large Cap。②グロースファクターの図表は、見易さを優先し縦軸を制限している。(出所)野村證券市場戦略リサーチ部より野村證券投資情報部作成 ファンダメンタルズ指標への信頼感は損なわれていない 株価が下方トレンドに転じる際には、往々にしてEPSやBPS、ROE、業績修正などファンダメンタルズ指標への信認が同時に低下します。これらファンダメンタルズ指標の多くは、PERやPBRなどのバリュー指標を構成する要素でもあるので、バリュー/グロースファクターの有効性が著しく低下します。 今回はどうかというと、8月5日までの下落過程では、バリュー/グロースファクターの有効性が低下したものの、その後の反発局面では再び有効性が復活しており、ファンダメンタルズ指標への信頼感は損なわれていないと考えられます。 なお、今回指摘した傾向は、9月27日に自民党新総裁選出の後も変化はないようです。為替市場などでは立候補者ごとに、金融政策面などでラベリングする動きが見られましたが、株式市場の物色という側面からは殆ど影響はなかったといってよいでしょう。 ご投資にあたっての注意点
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2024/10/05 09:00
【注目トピック】米決算発表シーズンへ、業種によって明暗が分かれるか
※画像はイメージです。 米国:2024年7-9月期決算プレビュー 7-9月期は前年同期比+4.4%予想 10月中旬から、S&P 500 指数構成企業の2024年7-9月期の決算発表が本格化します。2024年9月27日時点の調査会社LSEG集計による市場予想平均では、同期の四半期EPS(1株当たり利益)は、前年同期比+4.4%と推定されています。2024年4-6月期の同+11.3%と比べ、増益率が鈍化する見込みとなっています。 ※(アプリでご覧の方)2本の指で画面に触れながら広げていくと、画面が拡大表示されます。 (注)2024年9月27日時点のLSEG集計による市場推定・予想平均。2024年7-9月期には、2024年6-8月期決算、2024年8-10月期決算企業も含む。(出所)LSEGより野村證券投資情報部作成 (注)2024年9月27日時点のLSEG集計による市場推定・予想平均。2024年7-9月期には、2024年6-8月期決算、2024年8-10月期決算企業も含む。(出所)LSEGより野村證券投資情報部作成 セクター別では、原油価格下落の影響が予想されるエネルギーで、純利益は二桁減益が予想されています。素材セクターも減益予想となっている他、景気敏感業種の多くで増益率の鈍化が目立ちます。 一方で、情報技術やコミュニケーション・サービス(広告を主力とするインターネット企業等)等では、二桁増益が予想されています。 (注1)ポジティブサプライズ比率は、S&P 500 企業のうち決算実績がアナリスト予想平均を上回った企業の比率。2024年4-6月期には、2024年3-5月期決算、2024年5-7月期決算企業も含む。(注2)直近4四半期平均とは2023年4-6月期~2024年1-3月期の平均。長期平均とは、売上高は2002年以降、純利益は1994年以降の平均。(注3)LSEGによる2024年9月27日時点(売上高について499社、純利益について499社)の集計。(出所)LSEGより野村證券投資情報部作成 アナリスト達は慎重に見直している模様 リビジョンインデックスの動向をみると、2024年9月25日時点では、FY1(予想1期目)は1.04、FY2は0.87となっています。2024年7-9月期の決算発表を前に、アナリスト達が業績予想を慎重に見直しているとみられます。 (注)S&P 500 指数構成企業のリビジョンインデックス。リビジョンインデックスは直近4週間にアナリストが業績予想を上方修正した銘柄数/下方修正した銘柄数で計算。指数が1を上回ると上方修正優位、1を下回ると下方修正優位と判断される。直近値は2024年9月25日時点。FY1は予想1期目(12月決算企業の場合、2024年12月期)、FY2は予想2期目(12月決算企業の場合、2025年12月期)。 (出所)LSEGより野村證券投資情報部作成 決算発表時の注目点 次に、年度ベースでのEPSについてみると、前回の四半期である2024年4-6月期決算の発表が本格化する直前の7月5日時点の集計と比べ、各年度とも下方修正となっています。この点からも、足元で企業業績に対して、慎重な見方が増えていることが窺えます。 ただし、下方修正されているとはいえ、2024年以降も、増益基調が続く予想となっています。米国には情報技術分野で世界をリードしている企業が多数あることから、AIの普及などに伴い、情報技術関連企業主導で、企業業績が拡大していくことへの期待が織り込まれていると推察されます。 (注)2024年9月27日時点のLSEG集計による市場予想平均。[ ]内の数値は、2024年7月5日時点のLSEG集計による市場予想平均。(出所)LSEGより野村證券投資情報部作成 今後、2024年7-9月期決算の発表が本格化した際には、足元の業績動向に加え、会社業績見通しや経営陣のコメントなどから、今後も業績拡大基調が続くか、見極めていきたいと考えます。現時点では、2024年10-12月期については前年同期比+11.7%と予想されていますが、この予想が維持されるか、注意してみていきたいと考えます。 (野村證券投資情報部 村山 誠) ご投資にあたっての注意点
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2024/10/05 07:00
【来週の予定】FOMC議事要旨で今後の利下げの手掛かりが得られるか
来週の注目点:9月FOMC議事要旨、日本の賃金関連統計 注目される米国の次回FOMC(米連邦公開市場委員会)は、11月5日(火)の米大統領選挙直後の6日(水)~7日(木)に開催されます。市場ではそれまでの間、大統領・議会選挙の行方と利下げ幅の判断に影響を与えうる各種要因を消化しながらの展開が続くことが予想されます。 今週に関しては9日(水)の9月FOMC議事要旨、10日(木)の9月消費者物価指数、11日(金)の9月生産者物価指数、10月ミシガン大学消費者マインド速報値などが注目されます。 9月FOMCでは市場コンセンサスの0.25%ポイントに対して、0.5%ポイントの利下げが決定されました。会合後の記者会見でパウエルFRB(米連邦準備理事会)議長は「これが新しい利下げペースだと捉えるべきではない」と発言し、市場の大幅利下げ期待を牽制しました。FOMC議事要旨では大幅利下げを決定した背景や、今後の利下げに関するFRB内の考え方を改めて確認する手がかりになることが期待されます。 日本では8日(火)の8月毎月勤労統計、9月景気ウォッチャー調査が注目を集めそうです。毎月勤労統計ではインフレ下での家計の購買力の動向を探る上で実質賃金動向が注目されるうえ、春闘でのベアが連合加盟組合の枠組みを越えてどの程度広がりを見せているのかを確認する上で、「一般労働者の所定内給与」の上昇率も注目を集めそうです。 政治面では、石破首相は9日(水)には衆議院解散に踏み切る意向です。自民党総裁選直後の日本株の急落は一時的なものに留まりましたが、選挙公約や選挙戦略、党内の選挙体制などを通じた石破政権に対する市場の評価が改めて注目されます。 その他、今週は10日(木)に9月ECB政策理事会議事録の発表、9日(水)にニュージーランド、インドの金融政策会合、7日(月)からは2024年のノーベル各賞発表も予定されています。また、国慶節(10月1日~7日)の大型連休明けの中国市場の動向も注目されます。 (野村證券投資情報部 尾畑 秀一) (注1)イベントは全てを網羅しているわけではない。◆は政治・政策関連、□は経済指標、●はその他イベント(カッコ内は日本時間)。休場・短縮取引は主要な取引所のみ掲載。各種イベントおよび経済指標の市場予想(ブルームバーグ集計に基づく中央値)は2024年10月4日時点の情報に基づくものであり、今後変更される可能性もあるためご留意ください。(注2)画像はイメージです。(出所)各種資料・報道、ブルームバーグ等より野村證券投資情報部作成 ご投資にあたっての注意点