●米国株
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03/08 09:56
【米国株決算速報】ブロードコム(AVGO):AI関連が成長のドライバー、株価は-3.28%(時間外取引)
決算概要:2023年11月-2024年1月期(2024.10期第1四半期) EPS実績は市場予想を上回った 米国時間3月7日引け後に、通信向けを中心とした半導体・インフラストラクチャーソフトウェアの設計、開発、販売を行うブロードコム(AVGO US)が2023年11月-2024年1月期(2024.10期第1四半期)決算を発表しました。売上高は市場予想を2.1%上回り、EPSは市場予想を6.8%上回りました。 会社の2024年10月期通期売上高見通しは市場予想を下回りました。 AI関連が成長のドライバー 会社は売上高の実績と通期見通しの成長要因について、インフラストラクチャーソフトウェア部門では、買収したヴイエムウェアのハイブリッドクラウド(AIモデル作成に必要な、複数のクラウド事業者のデータを統合して利用することを可能にする)を実現するための製品パッケージに対する需要が強いとコメントしました。 また、半導体ソリューション部門では、AIデータセンター向けの、ネットワーキング機器やAI演算用チップに対する強い需要が成長をけん引していると述べました。 売上高とEPSの推移 株価は時間外取引で下落 ブロードコムの株価は、前日比4.22%高で引けた後、決算発表を受けて時間外取引では、終値比3.28%安の1360.82ドルで推移しています(NY時間17:06)。 通期の売上高見通しが市場予想をやや下回ったことや、過去1年で株価が2.3倍に上昇したことで利益確定の売りが優勢となったためと考えられます。 株価推移 (6ヶ月日足) (注1)EPS は非米国会計基準の希薄化後一株当たり利益。2023年11月に買収を完了したヴイエムウェアを除く前年同期比の売上高成長率は+11%。(注2)株価推移:データは日次で、直近値は2024年3月7日時点。(注3)売上高とEPSの推移:赤色は実績で、直近値は2023年11月-2024年1月期(2024/1)。灰色はLSEG(旧リフィニティブ)集計による市場予想平均。2024年2-4月期以降の予想は2024年3月6日時点。(出所)会社発表、LSEG(旧リフィニティブ)より野村證券投資情報部作成 (文責:野村證券 投資情報部・竹綱 宏行) 【米国株決算速報】ブロードコム(AVGO):生成AIと買収したヴイエムウェアの統合が焦点、株価は-0.73%(時間外取引) 野村の米国株決算リンク集:2022年1-3月期・4-6月期・7-9月期・10-12月期決算 野村の米国株決算リンク集:2021年10-12月期 ご投資にあたっての注意点
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03/04 20:00
【今週の米国株】時価総額に明暗、2兆ドル超えのエヌビディアと1兆ドル割れのテスラ(3/4)
先週:2年3ヶ月ぶり、ナスダックが史上最高値を更新 先週の米国株式市場は、インフレ再加速への警戒から週半ばまでは上値が重い展開でした。しかし、2月29日(木)寄り前発表の1月コアPCE(個人消費支出)デフレーター(FOMCで参照されるインフレ指標)がほぼ市場予想通りとなり、インフレ警戒感が後退して米長期金利が低下、2年3ヶ月ぶりにナスダック総合指数が29日(木)には終値ベースで史上最高値を更新し、3月1日(金)には場中での史上最高値も更新しました。同日、S&P 500 指数も史上最高値を更新しました。 今週のポイントは2点です。 ポイント1:パウエルFRB議長の議会証言 3月9日(土)以降、19日(火)・20日(水)開催のFOMC(米連邦公開市場委員会)を前に、FRB(米連邦準備委員会)幹部は沈黙期間に入ります。そのため金融政策に関するFOMC参加者コメントには注目が集まりやすく、特にパウエルFRB議長の議会証言は高い関心を集めています。6日(水)には米議会下院で、7日(木)に米議会上院での証言が予定されています。 また、8日(金)には2月雇用統計の発表が予定されています。非農業部門雇用者数の市場予想は前月比+19.3万人(1月同+35.3万人)と予想されていますが、6ヶ月平均で見れば月+25万人と、労働市場が堅調な推移が示唆されます。時間当たり賃金でインフレ減速、雇用者数で景気堅調が確認されれば、市場は米景気ソフトランディングへの見方を強め、株式市場には追い風となるでしょう。 ポイント2:2兆ドル超えのエヌビディア、1兆ドル割れのテスラ 足元の米国株上昇には、マグニフィセント・セブン(大手テクノロジー企業7社)が大きく寄与していますが、実はこの7社の中でも明暗が分かれています。もっとも株価の上昇率が高いのはエヌビディア(2023年末比+66%)、もっとも下落率が高いのはテスラ(同-18%)です。エヌビディアの時価総額は1日(金)に2兆ドルを超え、マイクロソフト、アップルに次ぐ時価総額世界3位です。一方のテスラは6000億ドル台、時価総額で米国10位(2024/3/1時点)と、その他のマグニフィセント・セブン銘柄だけでなく、製薬のイーライリリーや通信用半導体のブロードコムよりも低い位置になっています。 ここで、2023年10-12月期決算発表前と現在で2024年通年の各セクター(S&P500の産業グループ)の増益率予想がどのように変化したかを確認してみましょう。エヌビディアは半導体・半導体製造装置グループ、テスラは自動車・自動車部品グループです。 決算発表前(2023年12月29日時点) 現時点(2024年3月1日時点) (注)表題の時点のLSEG(旧リフィニティブ)集計による市場予想平均。産業グループ名に付されている( )内の番号は、識別のために野村證券投資情報部で付与している番号。*は景気敏感業種。 (出所)LSEG(旧リフィニティブ)より野村證券投資情報部作成 半導体・半導体製造装置グループは、決算発表前から2024年の高い増益率が予想されていましたが、決算発表を終え増益率への確信度はさらに高まったようです。決算実績で示されたAIの処理を行うデータセンター向けの半導体への需要は市場の期待以上でした。当社やアドバンスド・マクロ・デバイセズといったデータセンター向け半導体メーカー各社は、演算用(ロジック)半導体にメモリーも搭載した最新の半導体を販売しており、高単価化が進んでいます。課題となっていた供給制約も、エヌビディアCEOのジェンスン・フアンCEOが決算後カンファレンスで制約解消に自信を示すなど明るい兆しも見えています。2024年を見通してみても、新製品の発表に加え中国向けの出荷再開の寄与本格化が期待されています。 一方、自動車・自動車部品グループを見てみると決算発表を経て増益率は低下し、産業グループごとの比較でも下位に甘んじています。EV(電気自動車)市場の普及スピードが鈍化しており、特に低~中価格帯のモデルで値下げとリベートの上昇による粗利益率の低下などの問題に直面しています。長期的には、新しい商機(次世代モデル、エネルギー貯蔵、EV充電インフラなど)の業績寄与、人工知能(AI)への投資なども評価対象として期待されますが、市場は反転のタイミングを見極めている最中です。 そのほかのグループに目を向けると、メディア・娯楽グループの増益率が高まっています。これは、メタ・プラットフォームズ等、業績に従来の広告業モデルだけでなく、AI製品の寄与を業績予想に織り込み始めたことが背景にあります。 決算が落ち着きつつある現局面は、業種やグループごとの情報を見極め、選別投資の準備を進める良い機会と考えます。上記表を活用し、個別株選定のヒントにしてみてはいかがでしょうか。 (FINTOS!外国株 小野崎通昭) ご投資にあたっての注意点 野村オリジナル記事の配信スケジュール
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02/29 09:34
【米国株決算速報】スノーフレーク(SNOW):CEO交代を発表、株価は-18.57%(時間外取引)
決算概要:2023年11月-2024年1月期(2024.1期第4四半期) EPS実績は市場予想を上回った 米国時間2月28日引け後に、AIモデルの構築などに必要なクラウド上でデータ統合プラットフォームを提供するスノーフレーク(SNOW US)が2023年11月-2024年1月期(2024.1期第4四半期)決算を発表しました。売上高は市場予想を2.0%上回り、EPSは市場予想を98.6%上回りました。 会社の2024年2-4月期及び2025年1月期通期の製品部門売上高見通しは市場予想を下回りました。 CEO交代を発表、AI重視が明確に 会社は同時に、フランク・スロートマン氏からスリダール・ラマスワミ氏へのCEO交代を発表しました。交代は本日付けで、スロートマン氏は取締役会長に就任します。 新CEOは、従来はAI担当上級役員で、同氏が共同創設者兼CEOとして広告なしでプライバシーを重視した検索エンジンを提供したNeevaの買収により2023年5月にスノーフレークに入社しました。それ以前はグーグルで15年間広告プロダクトを統括していました。経営上AI重視を明確にした人事と考えられます。 売上高とEPSの推移 株価は時間外取引で下落 スノーフレークの株価は、前日比1.72%安で引けた後、決算発表を受けて時間外取引では、終値比18.57%安の187.28ドルで推移しています(NY時間17:19)。 CEOの交代と市場予想を下回る会社見通しから、市場参加者が公表されていない追加の悪材料の存在を懸念したためと考えられます。 株価推移 (6ヶ月日足) (注1)EPS は非米国会計基準の希薄化後一株当たり利益。(注2)株価推移:データは日次で、直近値は2024年2月28日時点。(注3)売上高とEPSの推移:赤色は実績で、直近値は2023年11月-2024年1月期(2024/1)。灰色はLSEG(旧リフィニティブ)集計による市場予想平均。2024年2-4月期以降の予想は2024年2月27日時点。(出所)会社発表、LSEG(旧リフィニティブ)より野村證券投資情報部作成 (文責:野村證券 投資情報部・竹綱 宏行) なし(新規カバレッジの為) ご投資にあたっての注意点
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02/26 20:00
【今週の米国株】最高値まであと0.4%のナスダック総合、上昇に向けた材料は(2/26)
先週:エヌビディア絶好調、ナスダック総合は最高値まであと1歩 先週の米国株式市場は、21日(水)引け後のエヌビディア(NVDA)の決算発表後にS&P500とNYダウは史上最高値を更新しましたが、ナスダック総合は史上最高値更新となりませんでした。エヌビディアの決算発表後速報はこちらをご覧ください。 (注)PERの基となる一株当たり利益はLSEG(旧リフィニティブ)集計による12ヶ月先予想ベース。データは月次で、月中平均値。 直近の値は、2024年2月23日時点。 (出所)LSEG(旧リフィニティブ)より野村證券投資情報部作成 ナスダック総合は最高値更新まであと0.4%に迫っています(引け値ベース)。情報技術関連など成長期待が高い企業が多く含まれるナスダック総合の12ヶ月予想基準PER(株価収益率)は約32倍となっています。 この水準は、1990年以降の平均約26倍を上回っています。 現在の予想PERは利益成長期待を先取りしていますが、約2年3ヶ月前の史上最高値(2021年11月19日,16,057.43)達成時の12ヶ月先予想PERである約40倍を下回っています。さらに、ナスダック総合の組み入れ銘柄の成長期待は高く、市場予想通りの業績推移となれば年を追うごとにPERの割高感は薄れていくと考えられます(下図)。 (注) EPS予想は2024年2月23日時点のファクトセット集計による市場予想平均。PERは2024年2月23日時点のナスダック総合指数と各年度の予想EPSとの比率。 (出所) ファクトセット、LSEG(旧リフィニティブ)より野村證券投資情報部作成 今週のポイントは2点です。 ポイント1:29日(木)のPCEコアデフレーター 米長期金利(10年国債利回り)動向は大きな株価決定要因です。2023年末に4%を切っていた米長期金利は足元で4.2%まで上昇し、米国株の上値を抑えています。13日(火)発表の1月CPI(消費者物価指数)や16日(金)発表の1月PPI(生産者物価指数)が市場予想を上回り、FRB(米連邦準備理事会)による早期利下げ観測が後退したことも金利上昇の一因となっています。今週、29日(木)に発表される1月コアPCE(個人消費支出)デフレーター(除く食品・エネルギー)では、インフレの鈍化傾向が続いているか確認したいと思います。 金融政策の動向にも注目です。21日(水)に発表された1月FOMC議事録では多くの参加者が2024年中の利下げを急いでいないことが示唆されました。今週はFRB高官発言も相次ぎます。特に、28日(水)に予定されているFOMC中心メンバーのウィリアムNY連銀総裁の講演に関心が集まります。足元のインフレ指標を踏まえ、利下げに対してさらに慎重な姿勢が強まっているか注目されます。 ポイント2:ソフトウェア決算発表、後半戦へ 23日(金)までに、S&P 500 指数構成企業のうち448社が2023年10‐12月期を中心とする2023年第4四半期の決算発表(注1)を終えました。 (注1)ポジティブサプライズ比率は、S&P 500 企業のうち決算実績がアナリスト予想平均を上回った企業の比率。2023年10-12月期には、2023年9-11月期決算、2023年11月-2024年1月期決算企業も含む。 (注2)直近4四半期平均とは2022年10-12月期~2023年7-9月期の平均。長期平均とは、売上高は2002年以降、純利益は1994年以降の平均。 (注3)LSEG(旧リフィニティブ)による2024年2月23日時点(売上高について448社、純利益について448社)の集計 (出所)LSEG(旧リフィニティブ)より野村證券投資情報部作成 2023年10-12月期のポジティブサプライズ比率(市場予想に対して決算実績が上振れた比率)を直近4四半期平均を比較すると、売上高はやや下振れた一方で、純利益はやや上振れとなっています。 決算発表の山場は越えましたが、今週も2023年11月-2024年1月期を決算期とするソフトウェア・グロース企業の決算発表が続きます。26日(月)には人材管理ソフトウェアのワークデイ(WDAY)、28日(水)には顧客関係管理ソフトウェアのセールスフォース(CRM)と、クラウドベースのデータプラットフォームを提供するスノーフレーク(SNOW)、29日(木)にはサイバーセキュリティーのゼットスケーラー(ZS)などが発表します。これらの決算発表で2024年以降の強気な見通しが確認されれば、米国株主要3指数揃っての史上最高値更新も期待できそうです。 (FINTOS!外国株 小野崎通昭) ご投資にあたっての注意点 野村オリジナル記事の配信スケジュール
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02/22 09:55
【米国株決算速報】エヌビディア(NVDA):生成AI向けの需要が急増、株価は+9.91%(時間外取引)
2023年11月-2024年1月期(2024.1期第4四半期) EPS実績は市場予想を上回った 米国時間2月21日引け後に、グラフィックスや、AI、データセンター向けなどの半導体の設計・販売を行うエヌビディア(NVDA US)が2023年11月-2024年1月期(2024.1期第4四半期)決算を発表しました。売上高は市場予想を7.2%上回り、EPSは市場予想を11.3%上回りました。 生成AI向けの需要が急増 会社の2024年2-4月期売上高と粗利率見通しは、市場予想を上回りました。ジェンスン・フアンCEOは、生成AIは転換期にあり、従来のクラウド・AI事業者から、ソフトウェア企業、また、自動車、金融、ヘルスケアなどの事業会社などに利用者が多様化したことで需要が急増したとコメントしました。 会社見通しは、引き上げた生成AI向け半導体製品の生産能力をさらに拡大させることが可能で、また、製品に対する需要が供給を上回り高い販売単価が継続されることを示唆したと考えられます。 売上高とEPSの推移 株価は時間外取引で上昇 エヌビディアの株価は、前日比2.85%安で引けた後、決算発表を受けて時間外取引では、終値比9.91%高の741.60ドルで推移しています(NY時間17:00)。 堅調な需要の継続を背景に、実績、見通しが市場予想を上回ったためと考えられます。 株価推移 (6ヶ月日足) (注1)EPS は非米国会計基準の希薄化後一株当たり利益。粗利率(売上高総利益率)は非米国会計基準で、2024年2-4月期の予想は2024年2月20日時点。(注2)株価推移:データは日次で、直近値は2024年2月21日時点。(注3)売上高とEPSの推移:赤色は実績で、直近値は2023年11月-2024年1月期(2024/1)。2024年2-4月期の売上高の白丸は会社見通し中間値。灰色はLSEG(旧リフィニティブ)集計による市場予想平均。2024年2-4月期以降の予想は2024年2月20日時点。(出所)会社発表、LSEG(旧リフィニティブ)より野村證券投資情報部作成 (文責:野村證券 投資情報部・竹綱 宏行) 【米国株決算速報】エヌビディア(NVDA):生成AIの時代は離陸した、株価は-1.23%(時間外取引) 野村の米国株決算リンク集:2022年1-3月期・4-6月期・7-9月期・10-12月期決算 野村の米国株決算リンク集:2021年10-12月期 ご投資にあたっての注意点
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02/21 10:11
【米国株決算速報】ウォルマート(WMT):シェア増加・買収でデジタル事業強化へ、株価は+3.23%
決算概要:2023年11月-2024年1月期(2024.1期第4四半期) EPS実績は市場予想を上回った 米国時間2月20日寄り前に、店舗小売、Eコマース事業を運営するウォルマート(WMT US)が2023年11月-2024年1月期(2024.1期第4四半期)決算を発表しました。売上高は市場予想を1.6%上回り、EPSは市場予想を9.4%上回りました。 小売シェア増加、買収でデジタル事業強化 主力の米国小売事業について会社は、高所得層を中心に顧客シェアを増加させたと報告しました。既存店売上高が前年同期比+4.0%で、ガソリン販売を除いた内訳は決済数が+4.3%、平均単価が-0.3%と、顧客数の増加が成長要因でした。また、米国のEコマースの売上高は前年同期比+17%と、店舗受け取りサービスの利用や、プラットフォームを利用する販売会社数、メディア事業の「ウォルマート・コネクト」の広告収入の増加がプラスに寄与しました。 当社は、TVメーカーのビジオ・ホールディングスを約23億ドルで買収することで合意したと発表しました。会社はビジオのメディア配信システムや広告事業を獲得することで、「ウォルマート・コネクト」を強化します。これにより競合であるアマゾン・ドットコム(AMZN US)のビジネスモデルに一歩近づくと推察されます。 売上高とEPSの推移 株価は上昇 ウォルマートの株価は、前日比3.23%高で引けました。EPS見通しは市場予想をやや下回ったものの、市場予想を上回る実績や、ビジオの買収が好感されたためと考えられます。 株価推移 (6ヶ月日足) (注1)EPS は非米国会計基準の希薄化後一株当たり利益。当社は2024年2月22日付で1:3株式分割を予定しているが、株価とEPSは株式分割考慮前。(注2)株価推移:データは日次で、直近値は2024年2月20日時点。(注3)売上高とEPSの推移:赤色は実績で、直近値は2023年11月-2024年1月期(2024/1)。2024年2-4月期のEPSの白丸は会社見通し中間値。灰色はLSEG(旧リフィニティブ)集計による市場予想平均。2024年2-4月期以降の予想は2024年2月19日時点。(出所)会社発表、LSEG(旧リフィニティブ)より野村證券投資情報部作成 (文責:野村證券 投資情報部・竹綱 宏行) 【米国株決算速報】ウォルマート(WMT):年末商戦見通しが低調・食料品価格は下落へ、株価は-8.09% 野村の米国株決算リンク集:2022年1-3月期・4-6月期・7-9月期・10-12月期決算 野村の米国株決算リンク集:2021年10-12月期 ご投資にあたっての注意点
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02/19 18:30
【今週の米国株】エヌビディア決算、ナスダック最高値更新のきっかけとなるか(2/19)
19日(月)は、ワシントン生誕記念日(プレジデンツ・デー)の祝日で休場です。 先週:インフレ懸念で上昇一服 先週の米国株式市場では、米国経済のソフトランディングと米企業業績拡大への期待が強く、NYダウ指数は12日(月)に、S&P500指数は15日(木)に、終値ベースでの史上最高値を更新しました。 足元で株価が軟調となった局面を振り返ると、懸念されたのはインフレ再燃の可能性です。1月CPI(消費者物価指数)や1月PPI(生産者物価指数)が市場予想上回ったことを受けて、株式市場ではFRB(米連邦準備理事会)による早期利下げ観測が後退しました。ただ市場予想を上回ったとはいえ、CPIもPPIも前年比伸び率の鈍化傾向は途切れておらず、株価は底堅く推移しています。当面は、経済指標等でインフレと景気動向を確認し、FRB高官の発言も確認しながら、利下げ開始時期を見極めていくことになりそうです。 ナスダック総合指数の最高値更新はあるか? なお、NYダウ指数とS&P500指数は先週、史上最高値を更新した一方、ナスダック総合指数はまだ史上最高値を更新していません。ナスダック総合指数のこれまでの最高値は、終値では2021年11月19日の16,057.43、場中では2021年11月22日の16,212.22です。 (注)PERの基となる一株当たり利益はLSEG(旧リフィニティブ)集計による12ヶ月先予想ベース。データは月次で、月中平均値。 直近の値は、2024年2月16日時点。 (出所)LSEG(旧リフィニティブ)より野村證券投資情報部作成 終値ベースでの史上最高値まであと2%弱に迫っています。今週の経済指標や決算発表次第では史上最高値更新も視野に入り、市場の関心が高まります。 今週のポイントは2点です。 今週のポイント1:21日(水)~、講演など金融政策の議論に注目 今週の金融政策関連は、21日(水)のFOMC(米連邦公開市場委員会)議事要旨発表のほか、FRB高官による講演が相次ぎます。 ①利下げ開始の条件、②中立金利に対する考え方が注目点です。特に、21日(水)のFOMC議事要旨、22日(木)のFOMC中心メンバーであるジェファーソン副議長講演、23日(金)のFOMC全体に先行する傾向のあるウォラー理事の2/23講演が材料視されそうです。 ①について、2023年11月にはウォラー理事がインフレが低い数字を続けていさえすれば利下げ開始が妥当となる旨を述べました。それ以降、市場では利下げ期待が高まりました。しかし、今年に入り、パウエルFRB議長らFOMC参加者は経済が強い間は利下げに慎重な姿勢を維持する旨を述べました。ウォラー理事が、インフレが低い数字を続けるだけでなく、労働市場がある程度減速することも利下げに必要である旨を述べれば、市場の利下げ期待はさらに後退すると想定されます。 ②について、FOMC参加者のうち何名かは、中立金利がコロナ以降に引き上がったとの見方を示しています。ドッツ(FOMCの政策金利見通し)において中立金利に相当する長期見通しでは、18名中7名が中央値の2.5%より高い数字を示しており、あと2名が中央値よりも高い数字を示せば、中央値自体が上方修正されます。この点、14日(水)には中道派に位置づけられるバー規制担当副議長が、最近生産性が向上している旨を述べました。生産性の向上は、潜在成長率や中立金利の上昇と整合的な見方です。このように、生産性が向上しているとの見方がFOMC参加者内でどの程度広がっているか、FOMC議事要旨が注目されます。もし3月FOMC(3月19-20日)のドッツにおいて中立金利が引き上げられれば、長期金利の上昇(株価には下押し材料)も考えられます。 今週のポイント2:21日(水)のエヌビディア決算発表 米主要企業の2023年11月-2024年1月期の決算発表が本格化し、20日(火)にはディスカウントストア最大手のウォルマート(WMT)や、ホームセンター最大手のホーム・デポ(HD)が発表を予定しています。 中でも市場の注目は、21日(水)に決算発表を予定している、半導体大手のエヌビディア(NVDA)に集まっています。市場予想を上回る内容が示されれば、ナスダック総合指数の史上最高値更新のきっかけとなることも考えられます。 データセンター事業が売上高の7割 2024年1月9-12日に米ラスベガスで開催されたテクノロジー見本市「CES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)」で開かれたアナリスト向けのイベントで、エヌビディア経営陣は2025年いっぱい好調が続くことに自信を示していました。2023年の年末商戦でゲーミング用半導体の販売が予想を上回ったことや、データセンター用半導体は制約を伴いながらも2024年は四半期を追うごとに供給を増やしていくとし、リードタイムも短縮化する見込みであるとしました。 下記の通り、エヌビディアの売上高の7割はデータセンター向けであり、当該セグメントの動向が業績を左右します。データセンターは生成AIの登場により従来以上の処理能力が求められるようになっており、GAFAMなどの大手ITの他、補助金などを通じて各国も巨額投資を続けており半導体市場のけん引役となっています。 (注)所在地別の中国は香港を含む。用途別はセグメント間調整後。用途別の「自動車」はAutomotive。(出所)会社資料より野村證券投資情報部作成 今後データセンター部門はさらに高い伸びが予想されています。将来の成長が期待されているために、他の半導体メーカー以上に会社見通しへの関心が高いといえます。 (注)直近値は2023.1期で、2024.1期以降はウルフ・リサーチ社予想。全てを網羅しているわけではない。(出所)ウルフ・リサーチ社より野村證券投資情報部作成 同業他社の決算内容はまちまち 2023年10-12月期決算を発表した、半導体関連の同業であるインテル(INTC)、アドバンスド・マイクロ・デバイセズ(AMD)はいずれも、実績は市場予想を上回ったものの、2024年1-3月期の予想については市場予想を下回りました。インテルはサーバー事業(おおよそエヌビディアのデータセンター事業に相当)が伸び悩んだ一方で、AMDはデータセンター向けはほぼ市場予想並みで、ゲーム機向けの半導体が下振れしたのが主因です。エヌビディアの商品の主力はGPU(画像処理半導体)であり、工場を持たないファブレスであるなど事業内容はAMDに近い一方、AMDで下振れたゲーム機向けの寄与度も小さいため、市場の当社決算への期待は引き続き高いと言えます。2月16日現在のエヌビディアの株価は前月末比18%上昇しています。 同社の決算実績や会社業績見通しが市場予想を下回った場合には株価が調整し、株式市場全体も下落する可能性も考えられます。その場合には、市場予想を下回った要因などを見極め、冷静に投資判断をしていきたいと考えます。 (FINTOS!外国株 小野崎通昭) ご投資にあたっての注意点 野村オリジナル記事の配信スケジュール
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02/06 09:30
【米国株決算サマリー】米巨大テック5社「GAFAM」では、AIの業績貢献が本格化
SNS広告・Eコマース・クラウドが堅調、AIの貢献が本格化 GAFAMの2023年10-12月期決算は、各社とも売上高と一株当たり純利益が市場予想を上回りました。一方で、決算発表後1営業日の株価騰落率はまちまちで、年初来の騰落率でも優勝劣敗が鮮明です。 各社ともクラウドとAIのビジネスを行っていますが、決算内容では、①メタのSNS広告やアマゾンのEコマース/AWSの好調、②それらへのAIサービスの貢献、③利益を基にしたAI投資拡大の組み合わせが株式市場では好感されたと推察します。アップルは、新しいAI製品のリリース時期が遅いと市場が受け止めた可能性があります。 メタ、アマゾン、マイクロソフトの利益見通しが引き上がる マイクロソフトの時価総額が2024年1月11日にアップルを抜き2年振りに世界首位となったことが話題となりました。マイクロソフトの純利益はAIビジネスのけん引により成長が予想されています。年間純利益額のグラフのように、2025年時点ではまだアップルに及ばないものの、その後逆転することが見込まれているといえそうです。 決算を受けた各社の純利益額の市場予想はメタ、アマゾン、マイクロソフトで引き上げられ、株価の騰落と整合的です。アマゾンは、今後数年で生成AIは数百億ドルの売上高を生む、と見込んで設備投資を行っています。先行するマイクロソフトにアマゾン、アルファベット、メタがどのように追いつくかが注目されます。プライバシー保護法などでやや苦境に立たされたGAFAMの業績の再拡大は、AIの利用拡大が背景にあると考えられます。 (執筆:投資情報部 竹綱 宏行) (注)GAFAMは、グーグル、アップル、メタ(旧フェイスブック)、アマゾン、マイクロソフトを指す。(出所)会社資料、ウルフ・リサーチ社、LSEG(旧リフィニティブ)より野村證券投資情報部作成。 ご投資にあたっての注意点
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02/02 09:47
【米国株決算】アップル(AAPL):iPhone好調・中国は予想を下回る、株価は-3.46%(時間外取引)
決算概要:2023年10-12月期(2024.9期第1四半期) EPS実績は市場予想を上回った 米国時間2月1日引け後に、モバイル端末の製造販売とクラウドサービス事業を行うアップル(AAPL US)が2023年10-12月期(2024.9期第1四半期)決算を発表しました。売上高は市場予想を1.4%上回り、EPSは市場予想を3.9%上回りました。 iPhone好調も、中国は予想を下回る 製品別では主力のiPhoneの売上高が市場予想を上回りました。一方で、地域別では中国での売上高が市場予想を下回りました。中国は2023年9月6日に中国政府機関でのiPhoneなどの米国製通信端末の使用を禁止したものの、会社は前回の決算説明会で引き続き中国事業に注力するとコメントしていました。 会社は、明日(2月2日)米国で販売を開始するXR端末「ビジョン・プロ」用の他社appやゲームが600以上準備されていること、また、生成AI製品を準備していることを決算説明会でコメントしました 売上高とEPSの推移 株価は時間外取引で下落 アップルの株価は、前日比1.33%高で引けた後、決算発表を受けて時間外取引では、終値比3.46%安の180.40ドルで推移しています(NY時間17:42)。 売上高とEPSの実績は市場予想を上回ったものの、中国事業に対する不透明性を市場は懸念したと考えられます。 株価推移 (6ヶ月日足) (注1)EPS は米国会計基準の希薄化後一株当たり利益。(注2)株価推移:データは日次で、直近値は2024年2月1日時点。(注3)売上高とEPSの推移:赤色は実績で、直近値は2023年10-12月期(2023/12)。2024年1-3月期の売上高の白丸は会社見通し中間値。灰色はLSEG(旧リフィニティブ)集計による市場予想平均。2024年1-3月期以降の予想は2024年1月31日時点。(出所)会社発表、LSEG(旧リフィニティブ)より野村證券投資情報部作成 (文責:野村證券 投資情報部・竹綱 宏行) 【米国株決算】アップル(AAPL):中国でのiPhone販売は堅調・見通しは比較対象期間と新製品のタイミングが重石、株価は-0.52% 野村の米国株決算リンク集:2023年1-3月期・4-6月期決算 野村の米国株決算リンク集:2022年1-3月期・4-6月期・7-9月期・10-12月期決算 野村の米国株決算リンク集:2021年10-12月期 ご投資にあたっての注意点